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狂った果実 by 石原裕次郎 (OST 日活映画『狂った果実』より) その2
タイトル
狂った果実
アーティスト
石原裕次郎
ライター
石原慎太郎, 佐藤勝
収録アルバム
N/A (未発売)
リリース年
1956年
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YouTubeのおかげで、動画サンプルを見せたいウェブサイトは大助かりですが、いざ邦画を検索してみると、外国映画にくらべてじつに貧弱な「品揃え」だということに気づきます。アップしても、すぐに消されてしまうのではないでしょうか。

著作権保護もだいじかもしれませんが、いわゆる「露出」のほうがはるかに重要で、拒否するよりは開放し、受け入れる方向で動いたほうが、多くのものごとはうまくいくように、わたしには思えるのですがねえ。

◆ スコア1 テーマ ◆◆
裕次郎の歌う、未発売のオリジナル版「狂った果実」もきわめて魅力的ですが、いまになると、武満徹が書いたと考えられるスコアもやはり魅力的で、『狂った果実』は音楽的にも実りの多い映画です。

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残念ながらサウンドトラック・アルバムはないので、いくつか映画から切り出してみました(音質は落としてあります)。まずは、当然ながら、タイトルに流れるテーマから。

サンプル1(テーマ)

なかなかグルーミーなサウンドで、わたしは『錆びたナイフ』を想起しましたが、スティール・ギターのサウンドが、ちがうぜ、と主張しています。タイプは違うのですが、エスクィヴァルのように、非ハワイアン的、非カントリー・ミュージック的なペダル・スティールの利用法で、じつに興趣あふれています。もうひとつ妙な方向に連想が飛びますが、ジェリー・ガルシアの最初のソロ・アルバムにも、こういうペダル・スティールがあったような気がします。エスクィヴァルにしてもガルシアにしても、『狂った果実』よりあとのことです。

検索していたら、「湘南という独立国」などと書いているところがあって、苦笑しました。「いまや湘南はダサさの象徴である」といった矢作俊彦のほうに賛成しますね。「湘南」ナンバーなんかぶら下げて、トップを開いている「トッポイ」お兄さんをご覧なさい。あれがダサくなければ、この世にダサいものなんてなくなってしまいます。

『狂った果実』は、「湘南」ナンバーをぶら下げただけで「出来上がって」しまうような、お気楽な「湘南映画」ではないので(そもそも、そんなものがかつてあっただろうか?)、武満徹のこのグルーミーなースコアは正しいのです。貧乏人が登場しないのは、たんに作者が貧しい家庭の生まれではなく、まだ人生の経験が浅くて、それ以外の階層を知らなかっただけであり、鎌倉や葉山を別世界の楽天地として描こうという意図ではなかったでしょう。「そうなってしまった」だけです。

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◆ オープニング:鎌倉駅 ◆◆
このテーマが流れるタイトルには、クライマクスと同じ、津川雅彦がモーターボート(「Sun Season」という船名!)に乗っているショットが使われています。その絵とは釣り合ったサウンドなのですが、その音のまま鎌倉駅のオープニング・シーンに入ったのは、あまりいい処理とは思えません。音を消すか、強引なつなぎでもいいから、アップテンポの曲に切り替えるべきだったように思います(と書いてから、武満徹のアップテンポ? と自分に反問してしまった)。

映画のトポロジーという記事で、軽くふれているのですが、先日、写真を撮っておいたので、すこしロケーションを追ってみたいと思います。南関東にお住まいの方以外はご興味が薄いでしょうから、飛ばしてください。では、そのアップテンポの曲に切り替えるべきと感じた、劈頭の数分間の流れを追ってみます。

今日はずっとグーグル・マップで地図をつくっていたのですが、結局、ここには貼れませんでした。ほんとうになにも貼れないブログで(YouTubeですら、貼れるようになったのはつい最近のことだから呆れる!)、また癇癪を起こしています。いずれにせよ煩雑で、読みながら地図を見るというわけにもいかないでしょうから、ご興味のある方はあとで、以下のリンクをご覧あれ。どういうわけか、最後の場所が最初に開くようになってしまい、修正する方法を発見できませんでした。左側の一覧の先頭にある鎌倉駅のリンクをクリックしてください。最初に表示される真鶴の海はラスト・シーンです。

散歩地図

ゴチャゴチャ動く地図は煩瑣で、表示に時間がかかったりするので、結局、いちばんいいのは、紙の地図をスキャンしたJPEGかもしれません。

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鎌倉駅の正面は地図には東口と書いてありますが、生きている人間がそんなことをいっているのを聞いたことはかつてありません。みな「表駅」と呼んでいます。東の反対だから、江ノ電のある側は正式には「西口」というのでしょうが、これまただれもそうは呼ばず、「裏駅」と呼び習わしています。この稿でも、表と裏という言葉を使うことにします。「裏駅の通り」とか「裏駅の商店街」などという言い方もします。この表現もあとで必要になります。

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鎌倉駅旧駅舎は1916年の建設だそうで、関東大震災以前からの貴重な生き残りだったことになる。老朽化してはいただろうが、壁だけみたいものなのだから、補強によって延命させるのは簡単だっただろう。テナントから小銭を稼ぎたいといういじましい欲のせいで、JRは社会貢献を放擲し、多くの人たちの記憶のよすがを消した。

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映画に近い位置で写真を撮った。映画のなかでは向こうに「団体休憩所」と表示があるが(「ウテナ」の広告の上)、ここは現在、横浜銀行になっている。さすがは幼児のときの映画、この「団体休憩所」はまったく記憶がない。なくなってからすくなくとも40年以上はたつだろう。鶴岡八幡宮の境内には、いまも「団体休憩所」というのがあるが……。

表駅でタクシーを降りた裕次郎と津川雅彦の兄弟は、切符を買わずに駅に飛び込みます。ここから横須賀線の下り電車に乗るまでの二人の身のこなしと、キャメラワーク、編集、いずれもスピード感があって、うん、この映画は面白そうだ、という期待が生まれます。あんなにあわてなくても、すぐにつぎの電車が来るはずですが、そこはそれ、「映画的リアリティー」というやつです。中平康は、まずなによりも、観客に二人の若さを印象づけたかったにちがいありません。

以前にも書いたのですが、駅に着いてからの二人の動きは、現実を忠実になぞっています。駅構内に入って、下り線の線路下を駈け抜け、(彼らから見て)左(すなわち逗子側)に曲がって階段を駈け上がって、左側、1番線に停まっている下り横須賀・久里浜方面行きに飛び乗ります。

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正面奥が表駅改札。したがって、向かって右手、裕次郎が曲がろうとしている方向が逗子・横須賀・久里浜方面になる。壁面の化粧タイルのかつての様子はよく記憶している。駅舎を建て替えたときに張り直したのだろう。また、通路が狭かった時代もよく記憶しているが、拡張されたいまも、好天の週末には「渋滞」が起きる。

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この階段を囲む鉄の手すりもまったく記憶がない。最近の改装ではなく、大昔に作り替えたのだと思う。やはり裕次郎が主演した『乳母車』に、芦川いづみが、家を出る母親をこのプラットフォームで見送るシーンがあったが、いつかチャンスがあったら、ここが映っていないかどうか、あの映画を確認してみたい。

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東京方向に向かって撮影している。したがって、背後が逗子・横須賀方向。平日の午前中だからこんな写真が撮れたが、週末になると、ここはつねに大混雑。

じっさいに鎌倉から逗子までいけばわかりますが、これがもっとも自然な動きで、階段のところで右に曲がるのはレア・ケース、すなわち、ちょっとした距離にもグリーン車(当時は一等車か二等車)を利用する人だけです。右に曲がって階段をあがると、そこはグリーン車停車位置なのです。

◆ 逗子駅:昔を今になすよしもがな ◆◆
二人は鎌倉のつぎの駅、逗子で下車します。鎌倉-逗子間は5分ほどの距離です。逗子駅の改札は上り線のほうにあるので、下り電車から降りたら、跨線橋を渡らねばなりません。そして、中平康は、この跨線橋で登場人物たちを接触させます。意図的ではないものの、津川雅彦が落とし物をし、それを北原三枝が拾うという、いわばルーティンですが、このシーンは成功しています。北原三枝の輝きと津川雅彦の初々しさのおかげでしょう。

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津川雅彦が階段で帽子を落とし、うしろから来た北原三枝が拾ってわたす。

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とまあ、そのようなドラマがあった階段だが、いまではかような姿と相成り、食指の動く被写体ではなくなってしまった。わたしも膝が悪く、いずれ階段を下りるのがつらい日が来るかもしれないから、エスカレーターに文句をつけるのはやめておく!

橋とか階段といった場は意味をもつことが多く、フィクションはしばしばそれを利用するのですが、いまの逗子駅ではどうでしょうかねえ。わたしが映画監督なら、ここはパスして、さらにロケハンをつづけることになるでしょう。いまの逗子駅は、テレビドラマのロケ地にはなりえても、本編には不向きです。とくに、最近、エスカレーターができてからは、味のない場所になりました。

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正面にまわっても、これまた鎌倉駅の新駅舎同様というか、鎌倉の上を行く味気なさで、とうていレンズを向ける対象ではありません。わたし自身、こんなところを写真に撮っている自分が、周囲の人にどう見えるかを意識して、赤面してしまい、2カット撮影するのが精いっぱいでした。

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写真を撮ってきたロケ地をすべて取り上げても、ちょいちょいとできるだろうと考えていたのですが、どうしてどうして、スクリーン・キャプチャーと自分の写真を比較するだけで時間を食ってしまいました。もう一回だけ、『狂った果実』を延長させていただきます。あと三カ所もロケ地が残っているのですが。


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オリジナル・サウンドトラックによる 武満徹 映画音楽
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(『狂った果実』は、サウンドトラックではなく、ボーナス・ディスクに武満徹のこの映画の音楽に関するコメントが収録されているのみ)


武満徹全集 第3巻 映画音楽(1)
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by songsf4s | 2009-04-26 23:49 | 映画・TV音楽
狂った果実 by 石原裕次郎 (OST 日活映画『狂った果実』より) その1
タイトル
狂った果実
アーティスト
石原裕次郎
ライター
石原慎太郎, 佐藤勝
収録アルバム
N/A (未発売)
リリース年
1956年
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何度か書いていますが、母親が裕次郎ファン、兄が吉永小百合ファンだったおかげで、わたしは幼児のころから日活映画を見ています。だから、あとになって同世代と話すと、日活に関するかぎり、さっぱり意見が合いませんでした。われわれの世代の多くは全盛期の裕次郎を知らず、『西部警察』の太った中年男だと思っているのです。

そうじゃないんだ、若いころは体のキレがよかったんだ、といっても、矢作俊彦の「週刊サンケイ」連載エッセイそのままに「太った裕次郎は僕らの敵だ」になってしまって、まったく説得不能なのです。太ったエルヴィスと同じで、百パーセント純粋な「なんでいまさら」存在でした。

いまになって思いますが、裕次郎を見るなら、50年代の作品だと思います。わたしは舛田利雄が好きなので、『赤いハンカチ』のあたりもいいと思いますが、エルヴィスといっしょで、ほんとうにすごかったのは50年代のあいだだけでしょう。そういうものです。

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◆ 原初ヌーヴェル・バーグ ◆◆
さて、中平康監督の『狂った果実』です。これこそ、われわれの世代が「裕次郎に間に合わなかった」証拠です。わたしが映画館で裕次郎を見た記憶があるのは、『嵐を呼ぶ男』以降で、『狂った果実』をはじめて見たのは、裕次郎が没し、追悼としてさまざまな映画が放映されたときのことでした。

いやもう、びっくりしました。そもそも中平康という人が、こんなにすごい監督だなんて、まったく知りませんでした。どうしてこの人の凄みを見逃したのかと、あとになってべつの作品を再見しましたが、やっぱり「困った監督」であり、自分の目が節穴だったわけではないことを確認しただけでした。この映画だけ例外的に、まったくの別人が撮ったとしか思えないすばらしさなのです。だから、「中平康? ケッ」と思っている方に申し上げますが、この映画だけは別格です。

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わたしの言葉だけでは信用できないかもしれないので、虎の威を借る狐、親方を担ぎ出します。伝説によれば、フランスへと飛んだこの映画の試写を、当時「カイエ・ド・シネマ」に拠って論陣を張っていた若き映画評論家、フランソワ・トリュフォーとジャン=リュック・ゴダールの二人が見て、大いなる衝撃を受けました。二人は、そうか、こうやればわれわれにも映画が撮れるのだ、と覚り、カメラを担いで町に出ました。

かくして(やがて才能を失う)中平康は、乾坤一擲、この一作でヌーヴェル・バーグを誕生させ、世界映画史に貢献した、ということになっています。嘘かホントか、わたしは一介の講釈師なので、責任は持ちませんがね。でも、そういう話が、さもあろう、さもあろう、と納得できてしまう程度の近縁性が、『狂った果実』とゴダールの初期作品とのあいだにはあります。

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ビリングス・トップは北原三枝、という点にご注意を。このとき、彼女は実績十分、女優不足に苦しむ日活に三顧の礼をもって迎えられたスターだったが、裕次郎はこれ以前には『太陽の季節』にちょい役で出ただけ、津川雅彦はルーキーだった。

いや、まあ、そういう「虎の威」は、詰まるところ、それほど重要ではありません。所詮、「こぼれ話」のレベルを出ないのです。だいじなのは、公開されて30年もたったあとで、テレビの小さな画面で、いい大人が見て、おおいなる衝撃を受けるほどの魅力が、この映画にはあるということです。新しいスタイルの創造というのは、それが「古いスタイル」といわれるほど時代が下っても、やはり清新さをみなぎらせて、われわれに迫ってくるものなのでしょう。

◆ 2種類の「狂った果実」? ◆◆
当家は音楽ブログ、音楽にこじつけないことには映画を取り上げるのはためらわれるのでありまして、その点、日活映画はやりやすいのです。たいていの場合、主題歌ないしは挿入歌があるからです。スコアだけではなかなかむずかしいのです。

この映画のクレジットには二人の作曲家の名前があります。武満徹と佐藤勝です。

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ハリウッド的な「音楽監督」という概念は当時の日本にはなかったのでしょう。スーパヴァイザーとコンポーザーの区別はなされていませんが、佐藤勝は石原裕次郎が歌った挿入歌を書き、スコアは武満徹が書いたのではないでしょうか。すくなくとも、タイトルで流れるペダル・スティールとホーンを組み合わせた曲(「テーマ」といっていいのだろう)は、後年の武満徹の雰囲気がいくぶんか感じられます。まだ後年のアヴァンギャルド・タッチは見せていませんが、予定調和的な楽曲でもないし、凡庸なアレンジでもありません。

YouTubeには日本映画のクリップはきわめてすくなく、この映画もみつかりませんでした。かわりに、挿入歌のクリップはいかがでしょう。



あれ? 映画『狂った果実』のショットを引用してはいますが、この曲は映画の挿入歌とはちがいます。どうなっているのでしょう。もうひとつ、盤から起こしたらしいこのクリップではどうでしょうか?



あっらー、これもさっきのと同じ曲で、映画のものとはまったく異なります。奇妙なこともあるものです。このへんの事情をご存知の方がいらしたら、ご教示願えたらと思います。

では、映画のほうはどういう曲か? 以下は、MP3としてはそこそこの音質でエンコードしてありますが、それ以前のWAVに切り出した段階で音質を落としてありますし、元もかなりノイジーです。

サンプル

パーティー・シーンの冒頭付近を範囲指定の始点に設定したため(この部分のスコアも悪くないから)、裕次郎の歌が出てくるのは1:50台です。気の短い方は早送りしてください。歌そのものは短く、すぐにセリフがかぶってしまいます。

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♪潮風息吹く渚に佇み……

曲としてはこちらのほうがはるかに出来がよくて、なぜこれが盤にならなかったのか不思議千万です。裕次郎はこれが最初の録音じゃないでしょうか。それにしてはむずかしい曲で、予定調和的な自明のコード進行やメロディー・ラインではありません。最初のコード・チェンジはA-Ab7-Aでしょうか(いま、ちょいちょいとやってみただけで、信頼度低し。ご注意を)。ここの響きがじつにけっこうです。

ピッチの移動にむずかしいところのある曲で、とくに「渚に」でB-Ab-F#と降りていってから、最後にDへジャンプするあたりは難所で、カラオケだったら多くの人が外すでしょう。ひょっとしたら、盤にならなかった理由はそれかもしれません。とにかく映画では我慢して歌ったものの、のちに『俺は待ってるぜ』の主題歌のB面としてこの曲を録音しようという段になって、もっと歌いやすい曲にしてくれ、なんていい出したのかもしれません。

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カメオ・アピアランスと特別出演は、『太陽の季節』に主演した(というより津川雅彦の兄としてか)長門裕之と、裕次郎の兄で、この映画の原作、脚本を書いた東京都知事。海岸の遊園地で岡田真澄にからんだばかりに、裕次郎たちとゴロをまくハメになり、二人ともあっさり片づけられてしまう。痛そうかつ悔しそうな顔の都知事は、素人にしては演技派!

小林旭は美空ひばりが一目置くほどピッチがよかった(残念ながら過去形。お年を召して高音部が出なくなり、結果的にときおり外すようになってしまった)ので、それにくらべて裕次郎は不安定という印象がありましたが、これは無理な比較をしていたようです。しいていうと、フランク・シナトラが生まれつきのシンガーであるのに対して、ディーン・マーティンが、スタイル、雰囲気、ないしは「キャラクターの味」で聴かせるタイプだったように、裕次郎もスタイルの人なのでしょう。

アキラはものすごくピッチがよくて、レコーディングも短時間ですむそうですが(このへんもシナトラ的)、裕次郎は何テイクもかかってやっと録音が終わるという話を読んだ記憶があります。しかし、ほんとうにピッチの悪い人に「夜霧よ今夜も有難う」が歌えるはずもなく、一度、体に叩き込めば、そのピッチを忘れないという、めずらしいタイプの人だったのではないかと想像します。

2種類の「狂った果実」があるなどということは知らずにこの稿を書きはじめてしまったこともあって、今日はまったく時間が足りず、ほかにも材料があるので、残りは次回ということにさせていただきます。つぎは武満徹の手になると考えられるスコアと、ロケ地散歩の予定です。

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裕次郎と岡田真澄。この映画のフランクという役は、イヤな野郎であると同時に、すごくいい奴で、ファンファン以外にはだれにもできない。演技というより、柄でやり通したというべきだろうが、どうであれ、じつにすばらしかった。



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武満徹(7CD box)
オリジナル・サウンドトラックによる 武満徹 映画音楽
オリジナル・サウンドトラックによる 武満徹 映画音楽
(『狂った果実』は、サウンドトラックではなく、ボーナス・ディスクに武満徹のこの映画の音楽に関するコメントが収録されているのみ)


武満徹全集 第3巻 映画音楽(1)
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by songsf4s | 2009-04-25 23:53 | 映画・TV音楽