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【ブリティッシュ・ビート根問い】サーチャーズ篇4 1963年の4
 
サーチャーズは1963年にもう一枚、Sugar and SpiceというLPをリリースしている。

と思ったのだが、順番が逆と主張しているソースもあり、こちらがデビュー盤で、すでに3回にわたって書いたMeet the Searchersのほうがセカンド・アルバムといっている。

サーチャーズ全曲集の順番にしたがって書いてきたし、Discogsやウィキも、Meet the Searchersのほうをデビュー盤にしている。

シングルの順序から考えると、やはりMeet the Searchersがデビュー盤に思えるし、タイトルもいかにもデビュー盤らしい。反対意見をいっているのは、デタラメなデータとお話にならないレヴューで有名なallmusicだし(嫌いなのだ)、たぶん、大丈夫だろうと思う。

これについては、後日、裏がとれたら確定するつもりだが、たとえ当方の順番が間違っていたことが判明しても、いまさらさかのぼって修正するのは煩瑣なので、順番は入れ替えない。どうかあしからず。

◆ Sugar and Spice ◆◆
では、セカンド・アルバムに突入する。そのオープナーはタイトル・カットのこの曲。シングル・カットされて、イギリスでは大ヒットした。

The Searchers - Sugar and Spice


ソングライター・クレジットはフレッド・ナイティンゲイルとなっているが、これはトニー・ハッチの変名。クレジットが見あたらないのだが、このセカンド・アルバムもトニー・ハッチのプロデュースだと思われる。

したがって、Sugar and Spiceはサーチャーズが封切りと考えて大丈夫だろう。サーチャーズ以前のヴァージョンは発見できなかった。

サーチャーズは、後年はさておき、同時代にあっては強い影響力があった。その影響はアメリカのバンドのサウンドにもっとも顕著にあらわれたし、ストレートにサーチャーズをカヴァーしたアメリカのバンドもあった。

The Cryan' Shames - Sugar and Spice


ドラムがかなり突っ込み気味なのが気になるが、この時期としてはめずらしいことに、セッション・プレイヤーではなく、バンドのメンバーがプレイしたのだろう。アメリカではこのカヴァーがヒットした。

◆ Don't Cha Know ◆◆
セカンド・アルバムの2曲目は、バディー・ホリーが抜けたあとのクリケッツの曲のストレート・カヴァー。作者はデイヴィッド・ボックスとアーニー・ホール。

ユーチューブには、サーチャーズ盤はライヴしかないので、スタジオ録音をサンプルにした。

サンプル The Searchers - Don't Cha Know

The Crickets - Don't Cha Know


作者のデイヴィッド・ボックスはソニー・カーティスの後釜としてクリケッツに入ったシンガー。共作者のアーニー・ホールは、ボックスがそれ以前にやっていたレイヴンズというバンドのドラマーで、クリケッツのジェリー・アリソンの実家のすぐ近くに住んでいた縁により、ボックスがクリケッツに加入することになったのだそうだ。

Don't Cha Knowも、ボックスとホールがレイヴンズ時代に書いた曲で、のちにそれをクリケッツで録音した、というしだい(参考「デイヴィッド・ボックス略伝」)。

サーチャーズはいつものようにDon't Cha Knowも少し速くしているが、その結果、バディー・ホリーの風味は消えている。アルバム・トラックとして、たいした手間はかけずに録ったものという印象。

クリケッツのオリジナルは、バディー・ホリーがいないにもかかわらず、バディー・ホリーの雰囲気が濃厚にある。デイヴィッド・ボックスはホリーの大ファンだったそうで、ソングライティングにもそれが反映されたのだろう。バディー・ホリーのムードが漂うクリケッツ盤のほうが好ましい出来である。

しかし、問題は出来不出来ではなく、やはりサーチャーズもバディー・ホリー関連の曲をカヴァーしていた、ということ。イギリスでのホリーの影響力は絶大で、ホリーがいない彼のバックバンドにも後光を与えるほどだったようだ。

◆ Some Other Guy ◆◆
3曲目は前回もふれたリッチー・バレットの曲のカヴァー。前回登場したTricky Dickyはバレットの45ではB面で、Some Other GuyのほうがA面だった。作者はジェリーリーバー&マイク・ストーラー、およびリッチー・バレットの三人。

The Searchers - Some Other Guy


Richie Barrett - Some Other Guy


前回も書いたように、もともとはヒットしなかったR&Bチューンで、リッチー・バレットもシンガーとしては目立ったものがない。

にもかかわらず、Some Other Guyはマージーサイドの複数のグループがレパートリーにしていた。その種を蒔いたのは誰か? 確証はないが、やはりこの四人組らしい。

The Beatles - Some Other Guy live at the Cavern 1962


ちょうどドラマーがピート・ベストからリンゴに交代した直後で、テイク2の終わりに、客が「We want Pete!」と叫んでいるのが聞き取れる。

めずらしくもジョンとポールがユニゾンで歌っているが、なぜそうなったかというと、二人ともリードをとりたがり、譲らなかったために、二人ともリードを歌うことにしたのだという!

ピート・ベストが首になった理由はいろいろ云われているが、たとえ人間関係の問題があったにせよ、「ドラマーとして十分な能力がなかったから」という公式声明も本音だろう。

ジョージ・マーティンがピート・ベストのプレイが気に入らないと云ったのも、嘘ではないだろうと思う(「ドラマーを替えろ」と「命じた」わけではないようだが)。

本番の録音には、マーティンはアンディー・ホワイトというプロフェッショナル・ドラマーを用意していた。テストの時に、ピート・ベストは使い物にならないと見切りをつけたから以外に、そんなことをする理由などあるわけがない。音楽ビジネスの論理である。

Some Other Guyに話を戻す。マーク・ルーイソンのThe Complete Beatles Chronicleで最初にこの曲が登場するのは、1962年8月、グラナダ・テレビが上記のクリップを撮影し、結局、お蔵入りにした事実に言及している箇所でのこと。

手元の資料ではこれ以上はさかのぼれなかった。おそらく、ビートルズの誰かがこのオブスキュアな曲を見つけてレパートリーにし、その結果、マージーサイドのグループの「共有財産」のようになっていったのだろうと想像される。

ジョンが家を出て行ったためにシンシア・レノンのもとに残されたジュークボックスには、リッチー・バレットのSome Other Guyのみならず、当時、リヴァプールで活躍していたこのグループのカヴァーも入っていた。

The Big Three - Some Other Guy


ビートルズはついにSome Other Guyをシングルにしなかった。ジョン・レノンはビッグ・スリーのヴァージョンを「あの時代」を偲ぶよすがにしていたのかもしれない。

◆ One of These Days ◆◆
つづいてはロニー・ホーキンズのロックンロール・チューン、といいたいが、それほどヘヴィーではなく、ロカビリー寄りの軽い仕上げの曲。

作者はロニー・ホーキンズ自身とジャクリーン・マギル。後者については、ほかにForty DaysやThirty Daysなどをロニー・ホーキンズと共作しているということぐらいしか判明しなかった。

The Searchers - One of These Days


Ronnie Hawkins - One of These Days


サーチャーズがこの曲を知ったのは、Forty DaysのB面としてだろう。Forty Daysはヒットしたので、見つけるのが困難な盤ではなかった。

Ronnie Hawkins - Forty Days


B面を狙う気持は、バンドをやったことがある人にはよくわかるだろう。周囲との競争意識があるので、A面を避け、B面を上手くやってみせ、「渋い」と云わせたいのだ。呵々。

ほかに、同じマージーサイドの仲間、スウィンギング・ブルー・ジーンズもこの曲をカヴァーしている。

The Swinging Blue Jeans - One of These Days


このスウィンギング・ブルー・ジーンズのアレンジが、いちばん趣味がいいと感じる。


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Fought the Law
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The Leiber & Stoller Story Volume 3: 1962-1969
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The LEIBER & STOLLER STORY VOL.2
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Ronnie Hawkins & The Hawks + Mr. Dynamo (Bonus Track Version)
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Good Golly Miss Molly: The Emi Years 1963-1969
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On Air-Live at the BBC Volume 2
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by songsf4s | 2014-02-14 22:33 | ブリティシュ・インヴェイジョン