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Warm December by Julie London
タイトル
Warm December
アーティスト
Julie London
ライター
Bob Russell
収録アルバム
Calendar Girl
リリース年
1956年
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ジュリー・ロンドンの曲はついこのあいだ、I'd Like You for Christmasを取り上げたばかりですが、当ブログでは彼女はVIP待遇でして、わたしはいっこうにかまわないので、みなさまもどうかおかまいなく。

Warm Decemberは純粋なクリスマス・ソングではありませんが、最近はクリスマス・コンピレーションに採録されるようになってきたようです。Let it Snow!Baby It's Cold OutsideI've Got My Love to Keep Me Warmなどにも同じことが起きたわけで、この曲も将来はクリスマス・クラシックになるのかもしれません。そうなるかどうかは、ある程度は歌詞の「許容度」にかかっていますので、まあ、ご覧あれ。

クリップがないので、サンプルを。

サンプル Julie London "Warm December"

◆ 二分の一のコタツ ◆◆
それではファースト・ヴァース。

I'll keep you warm in December
Warm when the cold breezes blow
My arm so lovin', a kind of havin'
To melt the sleet and snow

「わたしは十二月にあなたを暖めてあげる、冷たい風が吹きつけるときに暖かくね、わたしの腕は愛情いっぱい、そしてちょっと欲張り、だからみぞれや雪を溶かしてしまうのよ」

というわけで、内容的にわかりにくいところはどこにもありません。十二月が未来のことになっているので、ほんとうなら、十一月には取り上げなければいけなかったことになりますが。形容詞としてのhavingなんて、歌でお目にかかったことはないのですが、そう歌っていると思います。ジュリー・ロンドンはディクションが非常にいいので、間違いが起きる確率は低いのです。つづいてセカンド・ヴァース。

This heart that glows like an ember
Longs to be loved just by you
If it could be so then you keep me so
Warm in December too

「熾火のように燃えるわたしのハートは、ただあなただけに愛されたがっている、だとしたら、あなたもそうしてくれなくちゃ、十二月にわたしを暖かくしてね」

いやはや、こりゃまたどうも、という歌詞ですが、そういうのが多い人なのです。お色気で売った人でして、アン=マーグレットのアルバム・タイトルじゃありませんが、「独身者の天国」bachelor's paradiseがキーワードなのです。ピンナップのようなジャケット・デザインをご覧あれ。

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オリジナル盤は、LP倍サイズのピンナップ付きだったのだそうですぜ、ご同輩。お互い、一歩遅れましたな。ピンナップ付きだった、といっているサイトはあるのですが、ジャケ写のみで、ピンナップはスキャンしてくれないんですよ。よほど他人には見せたくない写真にちがいありません。

間奏ののち、エンディングへ。

If it could be so, then you keep me so
Warm in December
Ooh it's cool in December
Please keep me warm in December too

「そういうことならば、あなたもわたしにそうしてくれなくちゃ、十二月に暖めてね、ああ、十二月はクール、お願いだから、十二月にはわたしを暖めてね」

f0147840_023096.jpgこの場合のcoolは、寒いのか、楽しいのか、その両方なのかよくわからないので、そのままにしておきました。

ウソか本当か知りませんが、人間が四人集まるとコタツひとつに相当する熱を発するそうです。それなら満員電車が暑いのも当然のこと、猫一匹でもけっこう暖かいものですし、先日は犬のおかげで凍死をまぬかれたご婦人もいらしたということですから、人間二人ならけっこう暖かいのでしょうね、いえ、わたくしはよく知りませんが。

◆ カレンダーの裏側 ◆◆
音のほうは、アップテンポの4ビートで、かったるいところがまったくない、軽快な仕上がりです。しかし、テンポは変わっても、ジュリー・ロンドンの歌い方はいつもとそれほどちがうわけではなく、精いっぱいの「大声」で歌ってはいますが、やっぱり、ふつうの基準からいえば、ソフトに囁きかけているも同然です。こういうジュリーもけっこうなものです。

f0147840_092882.jpg聴けば聴くほどいい曲だなあ、と思います。いまになって、クリスマス・コンピレーションに採録されるようになったのもよくわかります。さりげないバッキングは、ハリウッドのプレイヤーの実力をひしひしと感じさせるもので、なにをするわけでもないけれど、非常に気持ちのいい出来です。ベースのグルーヴよし、オブリガートのピアノはみごと、ミューティッド・トロンボーンと、それと対比をなすハリウッド十八番の流麗なストリングス・アレンジがまたけっこう。夫君でもあったプロデューサーのボビー・トループの愛情が感じられます。

この曲の作者ボブ・ラッセルは、作詞のほうを主としていたそうで、BrazilやFrenesiといったラテン・スタンダードの英語詞も書いているとのことです。それはいいのですが、Maria Elenaの英語詞もやったといわれて、「あれ?」となってしまいました。

Maria Elenaのもっとも有名なヴァージョンは、ロス・インディオス・タバハラスのものでしょう。わが家にあるカヴァーも、ここから派生したインストゥルメンタル盤が大部分です。ビリー・ストレンジ、シャドウズ、50ギターズ、バハ・マリンバ・バンド、ライ・クーダー、エキゾティック・ギターズ、いずれもインストです。

でも、なんだか歌ものを聴いた記憶もあったので、検索をかけてみたら、エイムズ・ブラザーズとナット・キング・コールのヴァージョンがありました。しかし、どちらもスペイン語(でいいのだと思いますが)で歌っています。

ほかにも、MisirlouとTabooという、これまた歌が不似合いな曲に英語詞をつけています。Misirlouの歌もので、わが家にあるのはフランキー・レイン盤のみ(いや、植木等の日本語版もありますが、ボブ・ラッセルは無関係)、Tabooの歌ものはうちにはありません。なんだか、妙な曲ばかりに歌詞をつけている人ですねえ。いや、Warm Decemberには、珍なところはまったくありません。誤解なきよう。いい曲です。


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ジュリー・ロンドン(CD)
CALENDAR GIRL
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ジュリー・ロンドン(MP3アルバム)
Calendar Girl
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by songsf4s | 2007-12-28 00:11 | クリスマス・ソング
I'd Like You for Christmas by Julie London
タイトル
I'd Like You for Christmas
アーティスト
Julie London
ライター
Bobby Troup
収録アルバム
Christmas Cocktails (Ultra Lounge series)
リリース年
1957年
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久しぶりに、歌詞が短く、なおかつ、カヴァーのない曲の登場です。わたしも大助かりですが、みなさんも長い記事の連打にお疲れで、そろそろ息抜きを必要となさっているのではないでしょうか。

昨日のBaby It's Cold Outsideに引きつづき、今日もちょっとだけ「大人」のクリスマス・ソングです。まあ、ジュリー・ロンドンですから、子どもっぽい歌なんか、はじめからありえないに決まっていますが。

Julie London - I'd Like You For Christmas


◆ クリスマスも、新年も、イースターも ◆◆
ジュリー・ロンドンがあの声で歌うから、ほほう、と思うの曲なので、音がわからないことにはどうにもならないところがあるのですが、とにかく歌詞を見てみましょう。ファースト・ヴァース。

I'd like You for Christmas
Please make my wish come true
'Cause I trim tree and deck the hallways
If I knew you'd be mine for always

「クリスマスのプレゼントにはあなたがいいわ、あなたがずっとわたしのものでいてくれるなら、クリスマス・トゥリーの飾りつけもするし、玄関の飾りもするわ、だからお願い、わたしの望みを叶えてね」

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trim treeは、庭木の枝打ちをすることではなく、トゥリーの飾り付けのことです。trimには「飾る」という意味もありますし、これはクリスマスの話ですから。

それにしても、いやあ、どうも、という歌詞です。これをあの声で歌うわけですからね。これをいわれた男は、冬だというのに、汗だくになって風邪をひいちゃうでしょう。でも、まだこんなのは序の口です。セカンド・ヴァース。

I won't be blue on Christmas
If old Saint Nick comes through
And he remenbers that I'd like you for Christmas
New Year's, Easter too

「サンタクロースがやってきて、わたしの願いを忘れずにいてくれたら、クリスマスにはブルーにならないでしょう、クリスマス・プレゼントも、お年玉も、イースターのプレゼントも、やっぱりあなたがいいわ」

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アメリカに新年のプレゼントなんていうものがあるのかどうか知りませんが、イースターのプレゼントは、たとえば、映画『イースター・パレード』の冒頭、フレッド・アステアがたったひとりの女性のために、前が見えなくなるほどたくさんプレゼントを運んでいるシーンでもわかるように、歴とした習慣です。この歌のような女性が相手なら、アステアも手ぶらで彼女のところへ行けばいいので、大助かりだったでしょう。もっとも、そうなると、あの玩具屋での、ドラムを叩きながらのすばらしいダンス・シークェンスもなかったことになってしまいますが。

歌詞としては以上でほぼ終わっているのですが、バックコーラスとの掛け合いに変化させて、もうひとヴァース歌います。

(She'd like you for Christmas)
Please make my wish come true
(That she trim tree and deck the hallways
If she knew you'd be hers for always)

「(彼女はクリスマス・プレゼントにあなたをほしがっている)どうかわたしの願いを叶えてね(あなたがいつも彼女のものであってくれるとわかれば、彼女はトゥリーもきれいに飾って、玄関の飾りつけもする)」

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そして、セカンド・ヴァースにもどり、クリスマス・プレゼントも、お年玉も、イースターのプレゼントも、みんなあなたがいい、といって終わります。ここまでいわれちゃったらどうしよう、てな歌詞ですが、まあ、はじめからその心配にはおよばないのですよね、残念ながら。

◆ 「ほんのちょっとの声」 ◆◆
f0147840_019672.jpg彼女のアルバムをお聴きになったことのある方ならおわかりでしょうが、ジュリー・ロンドンはじつにスペクトルの狭いシンガーです。ジュリー・ロンドン・スタイルの曲しか歌えないのです。つまり、スロウで、静かで、深夜のムードの歌ということです。でも、あれほどすばらしい声をもっていたのだから、その声に制約を受けるのはやむをえないことです。

このI'd Like You for Christmasも、テンポはゆるく、ソフトで、ふわっとした、いつものジュリー・ロンドンの歌です。しかし、なんともやは、これがじつにけっこうなのです。もっとも、残念ながら、小さなお子さんのいるご家庭向きとはいえないでしょう。あの歌い方ですからね。

f0147840_022681.jpgジュリー・ロンドン自身は、「ほんのちょっとの声」しかなかったので、いつもマイクにものすごく近づいて歌わなければならなかった、といっています。この制約があの独特のスタイルをつくったのだから、世の中はよくしたものです。そして、これはたぶん、ボビー・ジェントリーに影響をあたえたとわたしは考えています。ボビーも、初期は極端なオン・マイクで歌っていました。

この曲を書いたボビー・トループは、かのRoute 66の作者です。それよりも重要かもしれないのは、トループがジュリー・ロンドンの二度目の夫であり、ソングライターとして、アレンジャーとして、プロデューサーとして、彼女の成功を助けたことのほうかもしれません。

先年没したリバティー・レコードの創設者のひとり、サイ・ワロンカー(The Chipmunk Songの記事をご参照あれ)は、会社設立からまもなく、ジャズ・シンガーだったボビー・トループを自分のレーベルに誘いますが、トループはよそとの契約があったので、かわりに自分のガール・フレンドをワロンカーに紹介しました。それがジュリーです。そして、彼女のリバティーからのデビュー・シングル、Cry Me a Riverの大ヒットのおかげで、会社の基礎が固まったのです(そのつぎに登場するのが、デイヴィッド・セヴィルとチップマンクス、マーティン・デニー、それにエディー・コクラン!)。

f0147840_0233662.jpg有名になる前の彼女の歌を聴いたことがないのですが、きっと、かなり異なったスタイルだったのだろうと想像します。だれかすぐれた耳をもつ人が見いださないかぎり、「ほんのちょっと」の声しか出ないシンガーは、きっと無名なまま埋もれてしまったにちがいありません。あのようなスタイルは、半分はトループがつくったのではないでしょうか。ありがたい夫です。仲のよい夫婦だったのではないでしょうか。トループはジュリーが没した翌る2000年に亡くなっています。

◆ ほとんど会社の手先 ◆◆
I'd Like You for Christmasはシングルとしてリリースされました。ジュリー・ロンドンのさまざまなディスコグラフィーを見てまわったのですが、後年の編集盤までふくめ、彼女のアルバムにはこの曲は収録されていないらしく、いくつかのクリスマス・オムニバスにとられているだけでした。

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オムニバスならば、この特集で何度もご紹介した、Ultra Loungeシリーズのクリスマス篇、Cristmas Cocktailsで入手なさるといいでしょう。わたしがI'd Like You for Christmasを知ったのは、この編集盤でのことでした。

この盤に収録された曲は、本特集ではいくつも取り上げていて、まるでこの盤を紹介するために特集を組んだような状態になっています。じっさい、これで終わりではなく、すくなくとももう一曲はご紹介する予定です。それほどよくできた編集盤なのです。


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I'd Like You For Christmas収録オムニバス
Christmas Cocktails 1
Christmas Cocktails 1
by songsf4s | 2007-12-22 00:03 | クリスマス・ソング