人気ブログランキング |
タグ:ジム・ゴードン ( 44 ) タグの人気記事
まだ原発マッチポイントがつづく日もロックンロール6
 
おはようございます。3月18日、今日も五体健全で目覚めました。知らないあいだに死んでいるか、健全に目覚めるか、どちらかであってほしいと願っています。致死的な放射線被曝というのはたまりません。

しかし、東北と関東は、いわば深刻な放射線被曝をした状態で、これから生きていかなければいけません。犠牲者に対して不謹慎、といわれるでしょうが、極論するなら、震災からの回復は非常に単純で、激震の直後からスタートし、大きな目で見れば順調に、足し算的に、さらには掛け算的に進行します。

そうなっていない理由は原発と停電、さらにいえば、政府の驚くべき無知と無能です。子供みたいな官房長官の顔を見ていると、生徒会にはこの事態は乗り切れないと絶望的な気分になります。どうしてこんなガキばかりが日本を動かすようになったのかと、改めて驚きました。普段ならこれでも物事は廻っていくのでしょうが、いまはねえ。

情けないことに、だんだん、あの曲行こう、というひらめきがなくなりつつあります。昨夜、フィル・スペクターのことを書いたので、その単純な横滑りで行きます。ジョージ・ハリソン、Awaiting on You ALL



昨夜はFirefoxで当家を開くと、クリップの位置がずれるという事故があったそうです。わたしはずっとOperaなので、まったく気づきませんでした。Firefoxのいずれかのヴァージョンのバグだと思います。IEは正常だったそうですから、この千社札べたべたの状態が続くあいだは、Opera、IE、Chrome、えーと、マックはなにを使うのが多数派なんでしたっけ、まあ、なんでもいいので、Firefox以外のものでご覧いただいたほうがいいかもしれません。

そういえば、昔はIEとそれ以外の環境、という分け方でしたが、もはやこれは通用しませんね。ケータイからも相当なアクセスがあるようですし、モバイル機器も、いまやケータイばかりではありません。当家のアクセス・ピーク時間帯が変化しているように見えるのは、その影響かとも考えています。

レディー・オア・ナット、ヒア・アイ・カム、この勢いがほしいですなあ、ジェイ&ザ・テクニークズ、Apples Peaches Pumpkin Pie



国のレベルで、小さな自分の世界のレベルで、多層的に想念が錯綜して、まもなく判断停止ではないかと思うときがあります。

ずっと同じことをいっていますが、いまは東電を信じよう、といったたぐいの感傷で社会を運転できるなら、政府も法律も行政も警察も軍隊も、この世には誕生していません。そういう言説はこの事態を悪化させるだけです。信じてなにかいいことがあったのか、この一週間を振り返って御覧なさいな。なんていうと、まだ絶滅はしていない、なんていうかもしれませんがね、頭が悪くて、感情だけで生きている人は。

だいたい、この記事の馬鹿タイトルを御覧なさいな。これが政府と東電を信じた結果の赤っ恥だということがおわかりでしょう。せいぜい三日間が山だと信じたから、こんな馬鹿なタイトルにしたのです。いまや「6」ですよ。しかも、まったく好転せず、今日、破滅するかもしれないという事態なんですからね。一秒でも早く、クーデターでもいいから、政権交代してほしいと願っています。

ジェリー・ゴーフィンが子供たちのための歌から、自分の歌を書く方向への転換をはかった秀作、ザ・バーズ、Goin' Back



このクリップ、はじめて見ましたが、キッカイなメンツですねえ。三人並んだ真ん中はジーン・クラークでしょう? ということは、この時期に、一時的に、デイヴィッド・クロスビーを抜いて初期のバーズがよみがえったということのようですね。テレビ出演だけだったのか、ツアーをしたのか、そのへんはさっぱりわかりませんが。

いっておきますが、この曲だって、タイムはきっちり、マイケル・クラークのはずがありません。プレイからは確信が持てませんが、状況からいって、まずジム・ゴードンでしょう。

ジーン・クラーク作、最初に歌ったのはバーズ(リードはもちろんジーン自身)ですが、ちょっとずらして、この人、ダン・フォーゲルバーグのカヴァーでFull Cyrcle



このあいだから、ときおりPCの画面表示がくずれて、再起動を繰り返さなければならないことが、何度かありました。3.11以後はなぜかOKだったのですが、今朝また3回リブートしました。停電のみならず、PC不調で一日ダウンなんてこともありえます。

やっと頭が駄洒落的に機能しはじめたようです。リッキー・ネルソン、A Long Vacation



昨日は、見方によっては非常に愚かなことをしました。用もないのに外出し、世間がどうなっているか眺めてきたのです。まず、白木蓮がたくさん開花していたことに、ほう、と思いました。「あるじなきとも」って、だれの歌だったか、ああいう気分です。下世話には、三日見ぬ間のなんとか、というのもあります。

f0147840_11233978.jpg


国道134号線浦賀方向と久里浜方向の交叉点に県警のヴァンが停まり、警官がなにやら相談しているのを見て、なんだろうと通り過ぎてから、ああ、停電直前で、交通整理の配置についているのか、と納得しました。

で、食パンは6枚切りばかりで8枚がなかったのでオミット、あとはふつうに予定通りのものを買ってから、新港埠頭に停泊中の大型客船を撮ろうと思って、スーパーの反対側に抜け、海辺の公園を歩きました。津波がきたら助からない場所です。

f0147840_11394915.jpg

上の写真はクリックすれば拡大できます。構図めちゃめちゃですみません。この写真が、わたしの見た色を忠実に反映しているように感じたのです。

停電予定時刻が迫っていて、どこまで書けるか微妙ですが、さらにつづけます。これは「飛鳥Ⅱ」という客船です。なんだってこんなときにこっちにやってきたのか。以前、大分との定期航路があったのですが、そういう感じなのでしょうか。

タグボートが2隻、舷側についたので、出港だとわかり、ものすごく寒かったけれど、岸壁から退避、遊歩道に引っ込んで対処ということに決め、最後まで写真を撮りました。

f0147840_1149923.jpg

この船は頭から突っ込んで停泊していたので、バックで離岸(準備にすごく時間がかかる。寒かったのなんの)、ちょっと離れたところで、その場で回れ右をするように舳先の向きを変えました。もちろん、船にはそんな能力はないので、タグボードが廻すのですよ。誤解なきよう。

ここで音楽、藤原義江の「出船」、ってそんなものかけるはずがないでしょ! ビーチボーイズ、Sail on Sailor



やれやれ寒かった、と海岸を後にし、国道への道へとまがったら、こんな光景が目に入りました。

f0147840_1159930.jpg


赤い車は消防署のもの、奥に見える人物は警官です。あっ、と思って周囲のビルを見たら、みな灯りが消えて、非常燈の細い光がちらちらと見えるだけでした。信号が機能しなくなり、国道で警官が交通整理をしているのです。

f0147840_121411.jpg

うーむ、今日の停電時間帯まであとわずか。焦っちゃいます。上の写真、国道16号、横須賀市役所付近です。左から東京ガス、東電、横須賀警察、公園をはさんで、奥に見える三階建ては横須賀郵便局です。みんな暗くて、あらら、でした。

---------------------------------------------

今日も予定時間帯をほぼ丸ごとカヴァーする長い停電でした。二回目にして頭に血が上り、東電に呪いをかけました。原発がないとこれだけの電力危機が起きるという、東電のネガティヴ・キャンペーン説が流れています。残存発電所の発電能力と、東電のいう実績が合わないという話も出ています。

これまで山のように嘘をついてきたのだから、こういうことをいわれても当然です。嘘つきのいうことはだれも信用しなくなるため、大きな災厄が起きます。東電社員はお子さんに聞いてみなさい。ピーターと狼というのはどういう話だと。

復帰後のオープナー、イーグルズ、Lyin' Eyes



昨日は、久しぶりのウォーキングで、改めていつも歩いている道の「危険性評価」をしました。第一に反省すべき点は、海岸道路から高台への脱出経路と距離です。だいたい300メートルぐらいのところが多いと、「なんとなく」思っていましたが、要所要所で目測したところ、400メートル、500メートルというところもずいぶんあり、直下型のときは、高台ではなく、近くの3階建て程度のビルを目指すべきだと方針を変えました。

音楽行きます。ダスティー・スプリングフィールド、Up on the Roof



しつこくて恐縮ですが、すでに現政府や東電を支持なさる方は当家にはいらしていないと思うので、早く倒閣を、とまた叫んでおきます。たったいま読んだ、こういう資料は、やはり多くの方が目を通しておくべきだと私は思います。

原発 緊急情報(11) どこがまでが危ないか:計算結果

これによると、いや、部分的には、これを見なくても、中学生でもわかる単純な数値と論理のトリックもありますが、要するに、NHKもぐるになって国民をだましにかかっているようです。いや、わたしは、はじめからNHKの解説委員が最悪だ、ひとつもほんとうのことをいっていないと思っていましたが。

音楽。サム&デイヴ、When Something Is Wrong with My Baby



さて、そろそろ夕食。いくらなんでも「朝刊」の時間帯ではないので、この記事はここまで、つぎからは記事を改めます。
by songsf4s | 2011-03-18 09:22
まだ原発マッチポイントがつづく夜もロックンロール3
 
今日も、一日二回発行、朝刊と夕刊に分けることにし、ここから記事を改めます。

ゴールデン・ゴールド・スター・レガシー、フィル・スペクターの時代よりだいぶ様変わりした、サイケデリック時代幕開けのヒットのひとつをいってみます。バッファロー・スプリングフィールドのFor What It's Worth。



ゴールド・スターのオーナー・エンジニアのひとり、スタン・ロスは、この曲について、以前、オフィシャル・サイトのエッセイで語っていました。ドラムがあんまり下手なのでうまくいかず、業を煮やしたスタンが口を出しました。ギターに紙を巻いてスネアの音をつくり、キックドラムをマレットで叩いたのだとか。下手な人が足でやるより、手でマレットというほうがブレがありません。

記憶では、プレイ自体もスタンがしたのだったと思うのですが、はっきりしません。タイムのいい人、悪い人というのがいまして、技術を超えた次元の問題ですから、スネアドラムは叩けなくても、ギターを精確に叩くことはできたり、マレットは精確に扱えたり、ということは考えられます。タイムが悪いと、スティックの扱いがわかっていても、確実に不精確になるだけです。

なにか説明の要らない曲はないかと、ゴールド・スターのサイトにいってみました。これならいいんじゃないでしょうか、アート・ガーファンクル、All I Know。よかった。これもハル・ブレインじゃありません。記憶、ちょいあやしいのですが、たしかストゥールに坐ったのはジム・ゴードン。



これでいちおう、ゴールデン・ゴールド・スター・レガシーを終わることにします。Mann-iaさん、こういうぬらりくらり国会答弁みたいなんじゃ、やっぱりダメですかね。一曲となると、あたりまえすぎて恐縮ですが、やっぱりスペクターのものになってしまうと思います。

ロネッツ Be My Baby(すまん、あたりまえすぎる!)


ライチャウス・ブラザーズ You've Lost That Lovin' Feelin' (すまん。いいモノがなくてステレオ)


おわかりでしょうが、ジム・ゴードン、ハル・ブレイン、アール・パーマーと揃い踏みをさせてみたのでして、そのへんの裏が読めないと、当家はほんとうにただの馬鹿ブログにしか見えない仕組みになっているのです。趣向とか、見立てといった、日本文化の根幹について語っているのだから、ちゃんと読み取ってほしいぞ。

---------------------------------------------------
手早くシャワーを浴びて服を着たら、ひと揺れきました。昨日はパジャマにしましたが、今夜は服を着て寝ます。震源は富士吉田のあたりって、それはまずいでしょう。まあ、噴火ならすぐにわかります。たんなる地震でしたが。三原山の噴火のときは、なにがあったのかと思いました。米軍基地でなにかが爆発したのかと思いましたものね。そういう異常ではなく、やや大きめの揺れでした。

ちょいと落ち着こうと、ユーチューブを検索。あるとは思わなかったのに、あったので驚いた曲。アップローダーの名前を見て納得。畏友、オオノ隊長があげたものでした。ビリー・ザ・ボス・ストレンジのMaria Elena



後半、フェンダーのプレイはビリー・ストレンジ御大と確信が持てますが、前半のガットはちがうかもしれません。複数のリードがからむときはどう処理していたのかと、うかがったことがありますが、やはりケース・バイ・ケースで、自分でオーヴァーダブしたこともあるし、トミー(・テデスコ)やグレン(・キャンベル)などがプレイしたこともあった、というお話でした。

さすがに、さっきの地震以来、カウンターは1増えただけ。ということは、当家のお客さんの多くは、あの地震がおよんだ範囲内にお住まいということでしょうか。

浜岡原発を停止せよ、とさっそくツイートがいくつか。巨大津波が問題だったわけですね、福島の場合。そこをよく考え、慌てて止めるべきかどうか検討しないと。原発を止めるのはリスキーですから。まあ、つぎは巨大津波があるような地震がくるかもしれない、と恐れている方たちが、浜岡を止めろとおっしゃっているのでしょうが。

間違っていたらごめんなさい、ですが、いま、原発による発電量は、全発電量の3割ぐらいだったと思います。浜岡を止めれば、つぎはどこかでまたそういう話にならざるをえないでしょう。素人考えですが、日本中の原発を短期間に止めるのは無理でしょう。時間をかけて、ゆっくり置き換えないといけないと思います。

いや、むずかしい、といっているだけで、浜岡を止めるな、といっているわけではありません。福島だけで十分に恐怖を味あわせてもらいました。前門の虎、後門の狼は勘弁してもらいたいとは、わたしも思います。止めるのであれば、福島の失敗をよく参照し、また電力供給減がどのような影響をもたらすかもいちおう計算し、慎重にやってください。ただ闇雲に止めるわけにはいかないでしょう。現実的にとりうる手段を考えないといけないと思います。止めろ、と感情的になっても有害無益、わがブログのよう。

おっと。テレビやツイッターを見たり、メールを書いていたりしたあいだに日付が変わり、カウンターを見たら、ほとんど3.11以前の水準に戻りかけていて、あわてました。とにかく、不要不急ブログを訪問してくださり、感謝に堪えません。

南関東の知り合いはみな、今夜の地震を不気味がっています。富士山のところですからね。そりゃもう気色よくないったらありません。福島が吹き飛んで、富士山が爆発するって、あなた、それはあの馬鹿映画『2012』の世界です。まだ一年早いっていうのに。ノストラダムスは計算まちがえたのか、だなんてくだらない話になっちゃいます。

で、わたしはすごく寝不足なので、お客さんがたには申し訳ありませんが、そろそろ目をつぶってみます。最後の曲は、気を鎮めるためのもの、ブルース・ジョンストンのDon't Be Scared。



ではまた明日。


Click and follow Songs for 4 Seasons/metalside on Twitter
metalsideをフォローしましょう
by songsf4s | 2011-03-15 20:14
ベスト・オヴ・ジム・ゴードン本日公開終了
 
一度延長したベスト・オヴ・ジム・ゴードンですが、本日いっぱいで公開を終わります。

関係ない方はもちろんかまわないのですが、途中までDLした、などという方は、少なくともリンクのコピーだけはすませておいてください。

昨夜から今朝までのアクセスを見ると、カウンターは1増えただけ、そろそろ動きが止まりかけているので、今回は予告どおりにリンクを削除します。
by songsf4s | 2011-01-10 10:38 | ドラマー特集
ベスト・オヴ・ジム・ゴードン・リニューアル

(1月11日追記 公開を終了しました。)

まったくいろいろなことがあるもので、山ほどアップしてあるMediafireで、死蔵しているだけの大量のファイルではなく、たまたま活用しようとしたものが、不運にもアクセス不能になるとは、やれやれ、です。

ともあれ、3分の1ほどのファイルを入れ替えた新版ベスト・オヴ・ジム・ゴードンをアップしました。ちょっと不安ですが、captcha recognitionなどのファイル・ホスティングにおける慣行をご存知ない方にはいちばん楽なホストなので、またしてもMediafireです。

f0147840_0502619.jpg

分割RARファイルは、すべてのファイルをそろえて同じフォルダーに置き、どれかひとつをドラッグ&ドロップやダブルクリックすることで、一気に全ファイルが、元のフォルダー構造を維持したまま解凍されます。したがって、全部がそろってから解凍してください。

当初は三箇日いっぱいと思っていましたが、リリースが遅れたので、つぎの区切り、七草を利用して、七日いっぱいは、以下のリンクを生かしておきます。

Best of Jim Gordon Part 1
Best of Jim Gordon Part 2
Best of Jim Gordon Part 3
Best of Jim Gordon Part 4

いくつかのファイルを高音質のものに差し替えた関係で、最終的なサイズも少し大きくなりました。1曲で24MBのLet It Rainなんか、MP3とは思えないサイズです。

検索でいきなりこのページにたどり着いたお初のお客さんのために、重複しますが、またトラック・リスティングスを貼りつけておきます。

パート1
01. Derek & The Dominos - Why Does Love Got To Be So Sad
02. The Souther-Hillman-Furay Band - Border Town
03. Bobby Whitlock - Song for Paula
04. The Byrds - Get To You
05. Maria Muldaur - Midnight At The Oasis
06. B. W. Stevenson - My Maria
07. Glen Campbell - Wichita Lineman
08. Dave Mason - Only You Know And I Know
09. Delaney & Bonnie & Friends - Only You Know And I Know
10. Bobby Whitlock - The Scenary Has Slowly Changed
11. Joan Baez - Children And All That Jazz
12. Art Garfunkel - Travelin' Boy
13. Bobby Whitlock - Where There's a Will There's a Way
14. Delaney & Bonnie & Friends - Where There's A Will There's A Way
15. Gordon Lightfoot - Sundown
16. Carly Simon - You're So Vain
17. Nitty Gritty Dirt Band - Some Of Shelley's Blues

パート2
01. Mason Williams - Overture
02. Johnny Rivers - Rockin' Pneumonia, Boogie Woogie Flu
03. Dave Mason - World In Changes
04. Derek & The Dominos - Evil
05. Bread - Move Over
06. The Yellow Balloon - Follow The Sunshine
07. Frank Zappa - St. Alfonzo's Pancake Breakfast
08. Frank Zappa - Father O'blivion
09. Alice Cooper - I'm The Coolest
10. George Harrison - You
11. Seals & Crofts - Hummingbird
12. Tom Scott - Blues For Hari
13. Traffic - Hidden Treasure
14. Mike Post - The Rockford Files
15. Harry Nilsson - Together
16. Bread - Friends And Lovers
17. Johnny Rivers - Life Is a Game

パート3
18. The Everly Brothers - (Instrumental)
19. The City - Snow Queen
20. Alice Cooper - Road Rats
21. Steely Dan - Parker's Band
22. Joe Cocker - The Letter
23. Joe Cocker - Cry Me A River
24. Joe Cocker - With A Little Help From My Friends
25. Frank Zappa - DC Boogie
26. Derek & The Dominos - Let It Rain
27. The Everly Brothers - Lucille


改めて聴きなおし、好きなトラックをさらに絞り込むと、なにが残るかなあ、と考えました。一枚だけベストをあげるならボビー・ウィットロックのソロ・デビュー盤です。次点がデレク&ドミノーズのIn Concert。

f0147840_23482426.jpg

サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドのデビュー盤は、楽曲の出来は最低で、2枚で空中分解は当然だと思いますが、ジム・ゴードンのソロ・デビュー盤といいたくなるほどの大活躍で、ヴォーカルの三人は捨て、ジム・ゴードンのアルバムと見るなら、これもベストの一枚です。

同じように、ヴォーカルを捨てるなら、という限定つきでは、ザ・シティーの唯一のアルバムも、やはりジム・ゴードンの盤としてすぐれています。バンドのアルバムとしてはくだらないという意味で、サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドにそっくり。どちらもジミーがドラム・ストゥールに坐っていなかったら、頭から尻尾まで丸ごとゴミ盤です。

なんてことを書いていると終わらなくなるので、あと一曲。B・W・スティーヴンソンのMy Mariaでのドラミングも、わたしのオールタイム・ベストのひとつです。


metalsideをフォローしましょう



デレク&ザ・ドミノーズ In Concert
イン・コンサート
イン・コンサート


デレク&ザ・ドミノーズ Layla
Layla
Layla


デレク&ザ・ドミノーズ Layla Sessions
The Layla Sessions : 20th Anniversary Edition
The Layla Sessions : 20th Anniversary Edition


デイヴ・メイソン
Alone Together
Alone Together


サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンド
Souther Hillman Furay Band
Souther Hillman Furay Band


バーズ
Notorious Byrd Brothers
Notorious Byrd Brothers


マリア・マルダー
Maria Muldaur
Maria Muldaur


B・W・スティーヴンソン
Very Best of B.W. Stevenson
Very Best of B.W. Stevenson
(アマゾンには二種類のmp3アルバムがあるが、どちらも新録のチープな贋物。注意されたし)


グレン・キャンベル
Wichita Lineman
Wichita Lineman


グレン・キャンベル(MP3アルバム)
Wichita Lineman
Wichita Lineman


ディレイニー&ボニー
Delaney & Bonnie On Tour With Eric Clapton
Delaney & Bonnie On Tour With Eric Clapton


ニッティー・グリティー・ダート・バンド
Uncle Charlie & His Dog Teddy
Uncle Charlie & His Dog Teddy


ジョー・コッカー
Complete Filmore East Concerts
Complete Filmore East Concerts


ジョニー・リヴァーズ
Blue Suede Shoes / L.A. Reggae
Blue Suede Shoes / La Reggae


ジョージ・ハリソン(LP)
All Things Must Pass [12 inch Analog]
All Things Must Pass [12 inch Analog]


ジョージ・ハリソン(CD)
All Things Must Pass (30th Ann) (Dig)
All Things Must Pass (30th Ann) (Dig)


ザ・シティー
夢語り(紙ジャケット仕様)
夢語り(紙ジャケット仕様)


ブレッド
5CD ORIGINAL ALBUM SERIES BOX SET
5CD ORIGINAL ALBUM SERIES BOX SET


ゴードン・ライトフット
Sundown
Sundown


カーリー・サイモン
No Secrets
No Secrets


ジョーン・バエズ
Diamonds & Rust
Diamonds & Rust


アート・ガーファンクル
Angel Clare
Angel Clare


イエロー・バルーン
Yellow Balloon
Yellow Balloon


メイソン・ウィリアムズ
Mason Williams Phonograph Record
Mason Williams Phonograph Record


フランク・ザッパ
Apostrophe
Apostrophe


シールズ&クロフツ
Summer Breeze
Summer Breeze


エヴァリー・ブラザーズ WBボックス
Chained to a Memory 1966-1972: +DVD/Book
Chained to a Memory 1966-1972: +DVD/Book


トラフィック
Low Spark of High Heeled Boys
Low Spark of High Heeled Boys


アリス・クーパー
Lace & Whiskey
Lace & Whiskey


アリス・クーパー
Goes to Hell
Goes to Hell


by songsf4s | 2011-01-03 23:04 | ドラマー特集
ベスト・オヴ・ジム・ゴードン作り直し(の予告のみ)

これを書いているのは一月三日の朝七時半ですが、前回の追記に書いたベスト・オヴ・ジム・ゴードンのトラブルは依然未解決で、DLできない状態がつづいています。

前回は、もう作り直す気はないと書きましたが、考えれば考えるほど腹が立ってきて、昨日、バックアップDVDを引っかきまわし、もとのアルバムのHDDへの書き戻しだけはほぼ終えました。

あとは、トラックの抽出、並べ替え、タグの書き換え、ノーマライジングなどの作業をするだけなので、遅くとも今日三日の夜には新しいファイルをアップできるだろうと考えています。

Mediafireのアカウントを見ると、不具合のあるパート2以外の3パートはずいぶんDLされています。となると、パート2だけのアップし直しにすれば、すでにDLしたファイルを生かせて好都合なのですが、残念ながら、それはできない仕組みになっています。

それは分割RARファイルの、リニアにファイルを並べない方式のせいです。すでにDLして、エラー警告を無視して強引に解凍なさった方はおわかりでしょうが、パート1にはずっとあとのほうのファイルが収納されています。WinRARが圧縮の際にファイルの収納順をなんらかの基準で変更しているのです。

したがって、欠落したファイルだけをパックし、アップしたとしても、フォルダーごとにファイルを振り分けていくのは煩瑣をきわめます。また、初回のときとは異なる、よりよいソースを使っているトラックもあるので、これを前回のファイルと混ぜ合わせると、ノーマライズ(音量レベルのトラックごとのばらつきを均す)が意味を失う恐れもあります。

それやこれやで、結局、全体を新たにアップし、それをすべてそろえていただくしか道はないと考えます。たいした違いではありませんが、前回より音質の向上したものもあるので、そのあたりを鑑み、ご不便をしのんでいただければと思います。

ということで、部分的でもいいからと、すでにアップしてあるものに手をつけるのはお勧めしません。早急に新しいものをつくるので、それまでお待ち願えたらと愚考します。


by songsf4s | 2011-01-03 07:45
ベスト・オヴ・ジム・ゴードン再々公開

追記 サーヴァー不調で現在パート2ファイルがdlできません。回復した場合はここにその旨を記しますので、それまでは手をつけないでください。手元にはファイルはないので、回復しなかった場合は万事休すです。作り直す時間はないので、それはしません。どうかあしからず。

明けましておめでとうございます。旧年中はたびたびのご来訪ありがとうございました。本年も相変わらずのご贔屓にあずからんと願うところであります。

門松は冥土の旅の一里塚、いつまで生きるかわかりませんが、元気なあいだは、今年もできるだけ頻繁に更新し、憎まれっ子世にはばかるという言葉の真実である裏づけのひとつたらんと努力するつもりです。

◆ ベスト・オヴ・ジム・ゴードン ◆◆
さて、これを書いているのは2010年もあと30分を切った時刻で、あれこれ書いている余裕はゼロ、単刀直入に。お約束どおり、かつて編集したジム・ゴードンのベストをまた公開します。内容は以下のようになっています。

パート1
01. Derek & The Dominos - Why Does Love Got To Be So Sad
02. The Souther-Hillman-Furay Band - Border Town
03. Bobby Whitlock - Song for Paula
04. The Byrds - Get To You
05. Maria Muldaur - Midnight At The Oasis
06. B. W. Stevenson - My Maria
07. Glen Campbell - Wichita Lineman
08. Dave Mason - Only You Know And I Know
09. Delaney & Bonnie & Friends - Only You Know And I Know
10. Bobby Whitlock - The Scenary Has Slowly Changed
11. Joan Baez - Children And All That Jazz
12. Art Garfunkel - Travelin' Boy
13. Bobby Whitlock - Where There's a Will There's a Way
14. Delaney & Bonnie & Friends - Where There's A Will There's A Way
15. Gordon Lightfoot - Sundown
16. Carly Simon - You're So Vain
17. Nitty Gritty Dirt Band - Some Of Shelley's Blues

パート2
01. Mason Williams - Overture
02. Johnny Rivers - Rockin' Pneumonia, Boogie Woogie Flu
03. Dave Mason - World In Changes
04. Derek & The Dominos - Evil
05. Bread - Move Over
06. The Yellow Balloon - Follow The Sunshine
07. Frank Zappa - St. Alfonzo's Pancake Breakfast
08. Frank Zappa - Father O'blivion
09. Alice Cooper - I'm The Coolest
10. George Harrison - You
11. Seals & Crofts - Hummingbird
12. Tom Scott - Blues For Hari
13. Traffic - Hidden Treasure
14. Mike Post - The Rockford Files
15. Harry Nilsson - Together
16. Bread - Friends And Lovers
17. Johnny Rivers - Life Is a Game

パート3
18. The Everly Brothers - (Instrumental)
19. The City - Snow Queen
20. Alice Cooper - Road Rats
21. Steely Dan - Parker's Band
22. Joe Cocker - The Letter
23. Joe Cocker - Cry Me A River
24. Joe Cocker - With A Little Help From My Friends
25. Frank Zappa - DC Boogie
26. Derek & The Dominos - Let It Rain
27. The Everly Brothers - Lucille


それぞれのトラックに関するあれこれをお知りになりたい場合は、右のメニューを使ってオリジナル記事をご覧ください。じっさい、ドラマーのベスト・セレクションなのに、どうしてこういうドラムが活躍しない地味なトラックが入っているのだろう、と思うようなものがけっこうあることでしょう。その理由は記事に書いてあります。

ファイルは分割RARなので、解凍にはRARを扱えるアーカイヴァーが必要です。また、4パートすべてのファイルが同じフォルダーにないと、正常に解凍できません。すべてのファイルをダウンロードしてから解凍するようにしてください。

複数のファイルがありますが、パート1を解凍すれば、全ファイルが一気に解凍されます。重ねて解凍しようとすると、多くのアーカイヴァーが、ファイルはすでに存在する、上書きするか、とたずねてくる仕様になっていると思います。その場合は、キャンセルすればいいだけです。

Best of Jim Gordon Part1
Best of Jim Gordon Part2
Best of Jim Gordon Part3
Best of Jim Gordon Part4

(自分でテストしたところ、いま現在、part2ファイルでエラーが出てdlできません。リンクが間違っているわけではなく、サーヴァーの不調なので、こちらではどうにもできません。半日ほど時間を空けてまた試してみてください。)

さて、そろそろ今年もおしまいなので、この記事も切り上げ時です。今夜はシャーマン兄弟の伝記映画か、ニルソンの伝記映画、Who Is Harry Nilssonのどちらかの冒頭を30分ほど見て、さっさと寝るつもりです。


metalsideをフォローしましょう


by songsf4s | 2010-12-31 23:55
アル・クーパーのR&Bカヴァーとオリジナル その7 Naked Songs篇

ふつうの音楽ファンにはあまり関係ないのですが、先日、ゴールド・スターのことを書いたときに、写真が欲しくて検索したら、エラいところに飛び込みました。

1966年のゴールド・スター

ブログなんですが、記事はひとつだけしかありません。でも、そのひとつが、レッキング・クルーの映画(DVDか配信にして!)から、1966年のソニー&シェール・セッションの容子を詳細に起こしたもので、ドン・ピークの解説によります。

ジム・ゴードンがトラップではなく、マレットだというのが、アッハッハです。ヴァイブとシロフォン。66年ではまだ二十歳そこそこ、駆け出しだったからしかたありません。ハル・ブレインの推薦があったからですが、大学生の年齢で、あの狭き門を通り抜けたのだからやっぱり神童。

f0147840_2257598.jpg

いろいろ不思議なことだらけのセッションですが、ギターが、ドン・ピーク、バーニー・ケッセルまではいいとして、マック・レベナック(ドクター・ジョン)とマイク・ポスト(『ロックフォードの事件簿』など、多数のTV OSTを書いた)というのがなんたってヘンテコリンです。スペクター同様、ソニー・ボノも複数のプレイヤーにコードを弾かせるスタイルだったので、むずかしいことは不要でしょうが、なんでドクター・ジョンなのー、でした。

スタジオ・レイアウトなんてものを起こした図もめずらしいので、あのあたりがお好きな方はご自分でご覧になってみてください。使用マイクも書いてあります。RCA、シュア、ゼンハイザーの使い分けがわかります。

◆ ゴスペル ◆◆
アル・クーパーのR&Bカヴァー、今回はソロ6作目、Naked Songsです。アルバムの出来としては、当時は、2作目のYou'll Never Know Who Your Friends Areとどっちがいいかと思ったほどで、どちらを代表作とするかは好みの問題だろうと思います。

f0147840_22572057.jpg

しかし、カヴァーという観点からは、Naked Songsはそれほど面白いものではありません(アネット・ピーコックのBeen and Goneがとんでもないout of contextで、昔から、これはいったいなんなの、と思っていたが、インタヴューで疑問氷解。had a short affair with Annetteだとか。おいおい! ついでにいうと、Jolieはクウィンシー・ジョーンズの娘とのaffairの産物だそうな。できた曲を彼女に聴かせたら、彼女が父親に聴かせ、父親はjust like peeking through a keyholeと感想を述べたとか。おいおい×2!)。それだけオリジナルの粒がそろっていたということなので、それでいいのですが、このシリーズにとっては不都合です。

そもそもR&Bと明快に云える曲はなく、その方面では、ゴスペルとブルーズに分類できる曲しかカヴァーしていません。まずゴスペルのほう、Touch the Hem of His Garmentから。

サンプル Al Kooper "Touch the Hem of His Garment"

うーん、ゴスペルというのは、チラッとかすったことすらない分野で、わたしにはいいとも悪いともいいようがありません。

garmentは長衣、hemは端、そしてここでheといっている人物はキリストです。

オリジナルはサム・クック、ソウル・スターラーズ時代最末期の録音。



わたしはサム・クックが大好きですが、ソウル・スターラーズ時代にはまったく興味がなく、盤を買ったこともありません。ただ、この曲だけは、メインストリーム転向後のベスト盤に収録されているので、知っていました。つまり、ゴスペル味はきわめて稀薄だということです。じっさい、アル・クーパーのヴァージョンより、サム・クックのオリジナルのほうがずっとポップな仕上がりです。

記憶で書きますが、このトラックはニューオーリンズ録音で、ドラム・ストゥールに坐ったのはアール・パーマーだったと思います。

◆ Dig some blues? ◆◆
Naked Songs収録のブルーズは、As the Years Go Passing Byです。

アル・クーパー As the Years Go Passing By


これはだれのものが代表的ヴァージョンなのか知りませんが、ほかに知っているのはアルバート・キングとエリック・バードン&ディ・アニマルズのものだけです。どちらもそれほど魅力的ではないので、お初のものをいってみます。

Boz Scaggs with Booker T. & the MG's - As the Years Go Passing By


オーティス・ラッシュ As the Years Go Passing By


うーむ。わたしはアル・クーパーより、このオーティス・ラッシュ盤のほうが好きです。

ブルーズはみな似ているといってしまうとそれまでのなのですが、バターフィールド・ブルーズ・バンドのI Got a Mind to Give Up Livingを連想しました。

ポール・バターフィールド・ブルーズ・バンド I've Got a Mind to Give Up Living


わたしはこの曲でマイケル・ブルームフィールドのファンになりました。これを聴くと、Work SongとEast-Westも聴かないとおさまらなくなるのですが、まあ、やめておきましょう。

ゴールデン・カップスがマモル・マヌーのヴォーカルで、可愛くカヴァーしていたのも思いだしました。ギタリストはやってみたくなる曲だから、エディ藩の希望だったのじゃないでしょうか。

ゴールデン・カップス I Got a Mind to Give Up Living


それにしても、よほどよく聴いたらしく、歌詞はほとんど記憶していました。

◆ CBSラスト・アルバム ◆◆
以上、Naked Songs収録のカヴァー曲の出来は、たいしたことがありません。かわりにオリジナルの楽曲を揃えることができたので、天秤は「秀作」のほうへと傾きました。

ただし、当時、このアルバムが売れたとは思えませんし、アル・クーパーは、すでにレコーディング・アーティストとしての未来に大きな希望はもっていなかったのではないでしょうか。

Naked Songs収録曲のなかにはアトランタのスタジオで録音したものがあります。つまり、Sounds of the Southレーベルが発足し、レーナード・スキナードのレコーディングがはじまっていたということです。

f0147840_232363.jpg

アル・クーパーのキャリアは、プロデューサー、ビジネスマンのほうへと重心が移ったわけで、万事が目論見通りにいけば、Naked Songsはラスト・アルバムになったかもしれません。現実にはそうはならなかったので、このシリーズはまだつづくことになります。


metalsideをフォローしましょう



アル・クーパー Naked Songs
赤心の歌
赤心の歌


サム・クック
Portrait of a Legend 1951-1964
Portrait of a Legend 1951-1964


アルバート・キング
Born Under a Bad Sign
Born Under a Bad Sign


ポール・バターフィールド・ブルーズ・バンド
East-West
East-West


by songsf4s | 2010-11-20 23:57
アル・クーパーのR&Bカヴァーとオリジナル その2 I Stand Alone篇

前回、エディー・ホーが大成しなかったことを嘆きましたが、それは彼の側に原因があったようです。ずっと以前に読んだショート・バイオによると、クスリでボロボロになってしまったとありました。

アル・クーパー&マイケル・ブルームフィールド Albert's Shuffle

(いうまでもなくSuper Sessionのオープナーにして、マイケル・ブルームフィールドの代表作だが、ミスはあるものの、エディー・ホーのソリッド・バックビートもおおいなる魅力。1打のみのアクセントや短いフィルインを多用するという基本方針を立てたセンスもすばらしい。むろん、考えてやるのではなく、直感的にそういう道を選んだのだろう)

ドラマーは薬物にやられる割合が高いように感じるのはひが目でしょうか。ジム・ゴードン、ダラス・テイラー、エディー・ホーといったわたしの好きなドラマーは、バックビートすらまともに叩けなくなって消えていってしまったのだから、ひどいものです。殺人を犯す前のジム・ゴードンはタイムが不安定だったというのだから驚きます。「タイムの不安定なジム・ゴードン」というのは、自家撞着を起こした、ありえない表現です。

そう考えると、ハル・ブレインのすごさがいっそう際だちます。クスリどころか、アルコールもいっさい飲まないというのですからね。まだスタジオ・ドラマーになる以前、駆け出しのころに酒のおぼれそうになり、一念発起して禁酒したというのです。そうじゃなければ、Open 24 HRSのプレイヤーにはなれないでしょうが。

ホリーズのボビー・エリオットはさらに興味深く、レコーディングやツアーの直前になると、禁酒するのだそうです。仕事のあいだはつねにクリスタル・クリアな精神状態を保たなければいけないわけですな。

f0147840_0144226.jpg
ボビー・エリオットはブリティッシュ・ビート・グループのドラマーのなかでもっともタイムが安定していた。それにしてもすっかりおじいさんになっちゃって……。

うーん、しかし、ラリパッパであれだけ精密なバックビートを叩いていたジム・ゴードンはやっぱり天才だったということを、ボビー・エリオットのスタイルが証明しているのかもしれません!

◆ アル・クーパーのWestern Union Man ◆◆
アル・クーパーのR&Bカヴァーの2回目、順番からいうと今回はLive Adventuresですが、都合であとまわしにし、アル・クーパーのソロ・デビュー盤I Stand Aloneに進みます。このアルバムの多くはナッシュヴィル録音で、R&Bカヴァーの2曲もナッシュヴィルです。

サンプル Al Kooper "Hey, Western Union Man"

ベーシックは、とくにギター(ウェイン・モス、ジェリー・ケネディー、チャーリー・ダニエルズの3人がクレジットされている)、ベース(チャーリー・マコーイ。ハーモニカなんかよりベースのほうがずっといい)に関してはいい出来だと思います。

f0147840_23335631.jpg

ドラムはちょっともたつくところはあるものの、バトリーにしてはマシなプレイというか、スネアのチューニングが腹の立つほど低くはないのが救いです(ただし、何度か使っているロールはあまりきれいではない)。管は問題外のひどさ。こんな金管の扱いはないでしょうに。ハリウッドのエース・アレンジャー、たとえばビリー・メイあたりが聴いたら、笑い死にしちゃうでしょう。

この曲の魅力は、つまるところ、ヴァースにおけるベースとギターの単調な繰り返しの気持よさと、コーラスで一転して明るく華やかになることだと思います。

I Stand AloneのCDは昔は日本盤しかなかったのですが、最近はアメリカでもセカンドとの2ファーがあります。ボーナス入りですが、Easy Does Itのハイライトにすぎず、未発表音源ではないでしょう。しかし、マスタリングについては、米盤のほうが好ましいかもしれません。

f0147840_2342487.jpg

◆ ジェリー・バトラーのWestern Union Man ◆◆
いまになると管をはじめ、不満足に思う部分も目立ってきましたが、子どものころはこの曲は大好きで、ときおり、元はどうなのだろうと気にしていました。オリジナルはインプレッションズのリード・テナーだったジェリー・バトラーが歌ったもので、バトラー自身がギャンブル&ハフと共作しています。

Jerry Butler Hey, Western Union Man


すごくエイリアンなサウンドとバランシングで、いったいどこで録音したのかと思案投げ首です。ギャンブル&ハフが噛んでいるということは、フィラデルフィア録音ということかもしれません(あとからいろいろ検索してみて、バトラーのPhiladelphia Sessionsという編集盤にこの曲が収録されているのを確認した)。

f0147840_23431476.jpg
左からリオン・ハフ、ジェリー・バトラー、ケニー・ギャンブル(2008年)

ベースはおおいに好み、ドラムは左手は最低ですが、右手は好みです。左手を自在に使えないドラマーというのはいっぱいいて、このプレイヤーも、ハイハットはきれいなのに、スネアの抑揚がガタガタで、ソフトにいくべきところで、ガンといってしまう不器用さです。イントロのスネアのひどさったらありませんぜ。赤ん坊が棒をもって遊んでいるみたいです。

弦も洗練されているとはいいかねますが、セヴンスのラインを弾いてしまうところなんかニヤニヤ笑ってしまいますし、Oh, western union man, send a telegramというコーラスでのラインのつくりは好ましいと思います。弦が面白いというところが、やっぱりフィリーですな。人数僅少なのはブラック・ミュージックではふつうのことで、予算の問題だから目をつぶります。人数僅少の面白さというのもあることですし(苦しい!)。

ウェスタン・ユニオンというのは、日本でいえばNTTの電報部門というあたりで、アメリカでは電話と電報はべつの会社の業務だったのです。まだあるのかと検索したら、ありました。電話会社の再編には巻き込まれなかったようです。

そのウェスタン・ユニオンの人間に「ヘイ」と呼びかけ、俺のベイビーに電報を届けてくれよ、というジョニー・マーサーならぜったいに書かないドアホ歌詞です。コーラスを日本語にすると「ヘイ、ウェスタン・ユニオン・マンよ、電報を送ってくれ、俺のベイビーに電報を送ってくれ、電報を送れ、すぐ電報を送れ、電報を送れ」といっているだけですからね。作詞家はオウム信者かもしれません。

f0147840_2346499.jpg

R&Bチャート・トッパー、ポップ・チャートでは16位までいっているのでちょっとしたヒットなのですが、ヒットしたときに聴いた記憶はありません。まだこちらがR&Bを聴く気がなかったのでしょう。

カヴァー対オリジナルの対戦は拮抗していますが、ベースと弦が好ましいオリジナルに軍配というところでしょうか。自分でどこかのパートをプレイするとしたら、アル・クーパー盤のギターをやりたいですね。こういうのを弾いているとメンフィス・アンダーグラウンド的トランス状態(あの曲を知っている人にしかわからない喩えだが)に入れます。

◆ アル・クーパーのToe Hold ◆◆
I Stand Alone収録のもう一曲のR&Bカヴァーは、Toe Holdです。

サンプル Al Kooper "Toe Hold"

この曲もやっぱり、ベースはいいけれど、管はちょっとなあ、です。だれの責任なのでしょうか。アレンジャーは3人、チャーリー・カレーロとチャーリー・マコーイとアル・クーパー。カレーロはNYセッションのみでしょうから、ナッシュヴィルはアル自身かマコーイなのでしょう。なんでこんな管にしようと思ったのか意図からしてさっぱりわかりません。プレイヤーも下手なのかもしれません。ひどいラインでも、超一流がプレイすると、いいラインに聞こえちゃったりしますからね。

f0147840_23493324.jpg

でもまあ、ケニー・バトリーもいつもよりはすこしタイムがアーリーで、なぜかチューニングはノーマルだから、とくに問題はなく、マコーイのベースはけっこうなので、グルーヴとしては悪くなく、それで子どものころは好きだったのだと思います。

◆ ウィルソン・ピケットとサム&デイヴのToe Hold ◆◆
どちらがオリジナルとはにわかに断じられないのですが、先行ヴァージョンとしてはウィルソン・ピケット盤とサム&デイヴ盤があります。ソングライター・クレジットはアイザック・ヘイズとデイヴ・ポーターとなっているので、サム&デイヴがオリジナルと考えたくなりますが、こちらはお蔵入りして、リリースされたのは後年のベスト盤でのことなのです。では、まずウィルソン・ピケットから。

サンプル Wilson Pickett "Toe Hold"

MG'sの音には聞こえないので、クレジットを見てみました。残念ながらこの曲についてはパーソネルはブランクでしたが、録音場所は「フェイム」となっていました。つまりマッスルショールズ録音ということです。ということは、ドラムはロジャー・ホーキンズ、ベースはデイヴ・フッドなのでしょう。録音時期が近いHey Judeではドゥエイン・オールマンがギターを弾いていたりするので、ほかのパートの推測はやめておきます。

f0147840_2352381.jpg

こちらのヴァージョンも、ベースは好きだけれど、管はなんなんだよ、です。R&Bはこんなもんでしょうかね。ハリウッドのオーケストラの洗練されたホーン・アレンジを山ほど聴いたあとだと、ナッシュヴィルもマッスルショールズも素人に思えてしまうだけのことで、あちらとしてはふつうにやっているのでしょう。

もうひとつは、また町を移動して、こんどはメンフィスのスタックスです。

サンプル Sam & Dave "Toe Hold"

こちらのドラムはどこからどう聴いてもアル・ジャクソンなので、MG'sと考えて大丈夫の三乗です。ウィルソン・ピケット盤同様、なかなかグリージーな味わいがあって、なんでボツにしたのかな、もったいない、と思う出来です。ウィルソン・ピケット盤を優先するという「政治判断」でしょうか(この時期、スタックス・レコードはアトランティックの傘下にあり、アトランティックのウィルソン・ピケットに対しても、スタックスとしては配慮する必要があったと思われる)

ウィルソン・ピケット盤同様、シンプルなアレンジなのですが、メンフィス・ホーンのほうはちゃんとした音に聞こえます。やっぱり、こちらの受け取り方の問題ではなく、マッスルショールズのホーンのレベルが低いのでしょう。

f0147840_23553179.jpg
手前より時計回りに、ウェイン・ジャクソン(背中を向けている)、アイザック・ヘイズ、サム・ムーア、デイヴ・ポーター、ドナルド・“ダック”・ダン(バッフルの向こう)、デイヴ・プレイター、スティーヴ・クロッパー、ブッカー・T・ジョーンズ。

今回ははからずもR&B三都物語になってしまい、おやおやでした。あれこれ文句をつけたものの、メンフィスもマッスルショールズもフィリーも、やっぱり血の騒ぐ音をつくっていて、もうそういう年じゃないなあ、と思いながらも、並べて聴けばグッと盛り上がり、グルーヴに乗ってしまうのでした。R&Bの愉しみはそこにあるわけですからね。

次回の分も、次々回の分もすでに何度も聴いて、いよいよ血がたぎってきています。この数年、ハリウッドのクールなソフィスティケーションにどっぷりつかっていましたが、戻ろうと思えば、ほんの数日で子どもに戻れるものだなあと感心しています。次回はいよいよ、大好きなあの忙しい曲が登場します。盛り上がるのですよ、これが。


The Official Al Kooper Site


metalsideをフォローしましょう


Al Kooper - I Stand Alone/You Never Know Who Your Friends Are
I Stand Alone & You Never Know Who Your Friends
I Stand Alone & You Never Know Who Your Friends


Al Kooper - I Stand Alone
アイ・スタンド・アローン
アイ・スタンド・アローン

Super Session
Super Session


Jerry Butler - 20th Century Masters: Millennium Collection
20th Century Masters: Millennium Collection


Jerry Butler - The Philadelphia Sessions
The Philadelphia Sessions


Wilson Pickett - Hey Jude
Hey Jude


Sam & Dave - Sweat & Soul: Anthology
Sweat & Soul: Anthology


Beg, Scream & Shout!: The Big Ol' Box Of 60's Soul
Beg, Scream & Shout!: The Big Ol' Box Of 60's Soul


by songsf4s | 2010-11-15 23:58
Everybody's Talkin' by Nilsson (OST 『真夜中のカウボーイ』より その2)
タイトル
Everybody's Talkin'
アーティスト
Nilsson (OST)
ライター
Fred Neil
収録アルバム
Aerial Ballet
リリース年
1968年
他のヴァージョン
Fred Neil, Spanky & Our Gang, the Exotic Guitars, Vincent Bell, Louis Armstrong, Willie Nelson, Harold Melvin & the Blue Notes, Stephen Stills, Crosby Stills & Nash, George Tipton
f0147840_15144127.jpg

読んでから30年以上たったいまも忘れないのですが、シャーリー・ジャクソンの『野蛮人との生活』のなかに、「家じゅうが流感にかかった夜」という愉快な一篇がありました。風邪をひいた子どもたちが両親の寝室にやってきたり、あれこれしているうちにゴチャゴチャして、朝になったら、家じゅうだれひとりとして自分のベッドに寝ていなかったという話です。

f0147840_19452098.jpg

いや、それはどうでもいいのです。「流感」という言葉はどうなったのだろう、と思ったのです。辞書には「【流感】流行性感冒の略」とあり、しからば「流行性感冒」を見ると「りゅうこうせい‐かんぼう【流行性感冒】インフルエンザ・ウイルスによって起る急性伝染病。多くは高熱を発し、四肢疼痛・頭痛・全身倦怠・食欲不振などを呈し、急性肺炎を起しやすい。インフルエンザ。略称、流感」とあります。

なぜこれを使わないのでしょうか? 「インフル」なんて、また馬鹿馬鹿しい経済用語か、と思われそうな、薄みっともない略語よりは、ずっとマシだと思うのですがねえ。相手がインフルだなんていう、いかにも軽そうなものなら、ぜったいに死ぬはずがない、なんて、わたしならナメてかかります。いや、それをいうなら「流感」もぜったいに死にそうもありませんがね。たとえば「エボラ」なんていう語感の、どうだ、爆発して死にそうだろう、という迫力とは桁違いですわ。

英語はどうかというと、日本語よりさらに軽くて、fluと略しますね。ご存知ジョニー・リヴァーズのRockin' Pneumonia-Boogie Woogie Fluですな、なんていうとお里が知れてしまうので、こういうときは、ヒューイ・ピアノ・スミスの、といわないといかんのですが、しかし、ジョニー・リヴァーズ盤が昔から大好きなのです。



ドラムはジム・ゴードン、ベースはジョー・オズボーンです。ピアノはラリー・ネクテルで、すごいとはいいませんが、ラリーといえば馬鹿のひとつ覚えで、だれもがいうBridge Over Troubled Waterの死にそうな退屈さにくらべれば、この曲のピアノはまだしも聴きどころがあります。あんなテキトーな、出来損ないクラシック風プレイを褒めると、それこそお里が知れますぜ。

ちゃんとジミーがトラップに坐ったライヴ・ヴァージョンもあります。ただし、ベースはオズボーンではないし、ピアノもラリーではありません。もっとドラムをオンでミックスしてくれたら、ことのついでにジミーの手だけを写してくれたら、まったく文句なしなんですが!



うーん、こういうのを見ると、とくにうまくないとはいいながら、ラリーのほうがずっといいなあ、と思います。いや、このたぐいのプレイなら、ベストはリオン・ラッセルで、それにくらべると、ラリーのプレイはせいぜい及第点というところでしょう。

◆ ニルソンのヴァリアント ◆◆
さて、Everybody's Talkin'のつづきです。昔はAerial Ballet収録ヴァージョンが映画にも使われたのだと思っていまいたが、今回見直したら、よく似ているけれど、ヴァリアントだとわかりました。先にAerial Balletのリズム・セクションのクレジットをコピーしておきます。

Bass……Larry Knechtel
Bass……Lyle Ritz
Drums……Jim Gordon
Guitar……Dennis Budimir
Guitar……Al Casey
Harpsichord……Michael Melvoin

文句なしですねえ。ハリウッドの黄金時代が偲ばれます。二人いるベースは、もちろん、ラリーがフェンダー、ライル・リッツがアップライトです。Everybody's Talkin'では、わたしの耳にはフェンダーしかないように聞こえるので、ラリーのプレイということになります。ドラムはブラシだけなので、だれとはわかりませんが、気持のいいタイムで、ジミーといわれれば、やっぱりね、と思います(いわれてわかるんじゃダメだっていうの>俺)。

ギターのラインはシンプルなのですが、なんだかひどく弾きにくくて、あせりました。目下練習中。このピッキングがすごくきれいで、この曲の気持よさの半分ぐらいは左チャンネルのギターのタイムのよさに由来すると感じます。ギターがきれいに聞こえるのは映画ヴァージョンのほうです。

両方をしつこく聞いてみて、なんだか、ほぼ同じメンバーじゃないかという気がしてきました。まあ、こういう風に、多少状況が変わっても、つねに一定の品質を保証できるところが、黄金時代のハリウッドのスタジオの特徴なので、メンバーの問題ではなく、インフラストラクチャーの問題というべきでしょうけれど。

f0147840_19474937.jpgついでといってはなんですが、「幻の主題歌」であるI Guess the Lord Must Be in New York Cityのほうのメンバーも見ておきます。

Bass……Larry Knechtel
Drums……Jim Gordon
Flute……Jim Horn
Guitar……David Cohen
Guitar……Howard Roberts
Piano……Michael Wofford
Piano……Michael Melvoin
Saxophone……Tom Scott

肝心のバンジョーのプレイヤーがわかりませんが、デイヴィッド・コーエンでしょうか。ハワード・ロバーツがニルソンのセッションというのも、へえ、ですが、この人がバンジョーを弾いた例は寡聞にして知りません。このHarryというアルバムには大きなセッションの曲もあるのに、まるでコンボでやったみたいなパーソネルなので、ここにはごく一部しか書かれていないのでしょう。

ともあれ、このアルバムでもやっぱりドラムはジミー。ニルソンはハル・ブレインとほとんどかすっていない(RCA契約以前のものに、ハルがあとでオーヴァーダブしてリリースしたものがある)、めずらしい60年代のハリウッド・ベースのアーティストなのです。ジム・ゴードンの若々しさが好きだったのでしょうかねえ。それにしては、異様なまでに地味なプレイばかりさせていますが!

◆ オリジナルやらカヴァーやら ◆◆
f0147840_1949397.jpgEverybody's Talkin'のオリジナルは作者のフレッド・ニールによるものです。わたしはフォークを不得手とするので、割り引いてお読みいただきたいのですが、オリジナルのフレッド・ニール盤には、ニルソン盤のような心弾むグルーヴはありません。ブラシでもいいからドラムがあったほうがいいし、1小節に2音でもいいからベースも入れたほうがいいのだということが、フレッド・ニール盤を聴くとよくわかります。好き嫌いの問題は抜きにしても、このグルーヴ(というか、その欠如)では、映画に使うわけにいかないのだけはハッキリしています。こちらのヴァージョンでは、『真夜中のカウボーイ』の冒頭8分あまりの長いシークェンスの躍動感は生まれません。

しかし、リズム・セクションなしでも魅力的なヴァージョンというのもやはりあります。スティーヴ・スティルズのライヴです。ご存知のようにスティルズのアコースティックというのは非常に独特のサウンドで、ちょっとスタイルは異なりますが、ネッド・ドヒーニーのように、非アコースティック的に扱うところがおおいなる魅力です。バッファロー・スプリングフィールドの時代でいえばBlue Bird、CS&Nの時代ならSuite: Judy Blue Eyesが、そうしたスティルズのアコースティックの代表作でしょう。

f0147840_1950132.jpgなぜそうなるかというと、理由はいくつかあると思います。1)マーティンを使うこと(ギブソンのアコースティックは強い音が出ず、あくまでもコード・ストローク向き)、2)基本的にタイムがすぐれている、3)ブリッジのすぐそばで強くピッキングすること、なんてあたりじゃないでしょうか。Love the One You're Withがヒットしていたころ、友だちがスティルズのライヴを見たそうですが、ステージにはずらっとギターが並べてあったといいます。すぐに弦を切ってしまうので、どんどん「弾きつぶし」、ギターを替えて弾いていくのだそうです。ブリッジのそばで強くピッキングすれば、新品の弦だってひとたまりもありません。Black Queenなんかすごかったそうで、そうだろうなあ、と思います。

スティルズのEverybody's Talkin'は、Black Queenのような強烈なプレイではなく、あっさりしたものです。しかし、スティルズのアコースティックはすばらしいので、あっさり弾いても気持のよいグルーヴになります。

スティルズにはもうひとつEverybody's Talkin'があります。CS&N時代、1970年の未リリース・トラック、リハーサルないしはデモです。わたしはこのグループのファンではないので、グレアム・ナッシュとデイヴィッド・クロスビーのハーモニーはどうでもよくて、やはりギターを聴いてしまいます。こちらのヴァージョンのギターも、おっ、いいな、と思う箇所があります。

◆ その他の歌もの ◆◆
f0147840_16414774.jpgウィリー・ネルソン盤もギターが悪くありません。ニルソン盤のギターは、うへえ、これは弾けないぜ、と思いますが、こちらならわたしでも大丈夫じゃないかという気がしてきます(えてして、たんに「気がする」だけだったことがあとでわかるが)。ナイロン弦2本でやっているので、キレはありませんが、こののんびりしたところがウィリー・ネルソン盤Everybody's Talkin'の賞味のしどころでしょう。間奏(ネルソン自身のプレイ?)では、オクターヴ奏法なども織り込んで、ちょっと浮いているかな、と思いつつも、楽しく聴けます。

面白いのはスパンキー&アワー・ギャング盤です。イントロのアップライト・ベースが楽しめます。トラックによってはハル・ブレインだったりしたグループだから、当然、このベースもプロでしょう。かなり弾ける人です。しかし、冷静になると、ベース以外はべつに面白くもなんともないヴァージョンですな。ベースがキマッたので、ほかのことは忘れちゃったのでしょう。典型的な「手術は成功した、患者は死んだ」ヴァージョンで、全体としては不出来。

f0147840_16444225.jpg

ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツといえばフィリー・ソウルなのでありまして、彼らのEverybody's Talkin'は、わが家にある唯一のソウル・ヴァージョンです。リズム・アレンジは考え過ぎじゃないかと思います。いや、うまいドラマーなら変なリズム・パターンでもきっちりグルーヴをつくってくるので、このドラマーが下手なだけかもしれませんが、どちらにせよ、うまくいっていません。もっとストレートなグルーヴにしたほうが楽しめたでしょう。



主としてIf You Don't Know Me by Nowの印象によりますが、わたしはこのグループがそこそこ好きなので、ドラムの変なパターンに耳をふさげば、このヴァージョンも悪くはないかもしれないと思います。いや、べつによくもないですが。

ルイ・アームストロング盤は、晩年のものですし、アレンジも現代的すぎて、不向きなサウンドだと思います。ご本人が望んだ録音とは思えません。

◆ インスト ◆◆
インストは2種あります。曲調からいって当然オーケストラものはなく、ギターもののみです。まず、エキゾティック・ギターズ。これは右側のFrindsリンクからいけるAdd More Musicのレア・インスト・ページでLPリップを入手できますので、よろしかったらお試しあれ。No. 30がエキゾティック・ギターズのその名もEverybody's Talkin'というアルバムです。

f0147840_16513219.jpgさて中身は、なんと申しましょうか、とくにどうということのない、ごくふつうの出来です。メンバーが一流のわりには、だれもファイン・プレイをせず、軽く流した、という印象。このプレイだけではドラムもハルとは判断できませんし、ベースもキャロル・ケイという結論には飛びつけません。

リードはアル・ケイシーだそうで、彼はニルソン・ヴァージョンでもギターを弾いていたのですが、あちらではアコースティック、こちらではエレクトリックのリード。まあ、みなうまい人たちなので、腹が立ったりすることはなく、スーパーで買い物をしているときに流れてきたら、ほう、この手の音楽でもマシなものがあるんだな、ぐらいのことは思うんじゃないでしょうか。

f0147840_16523074.jpgヴィンセント・ベルまたはヴィニー・ベルは、60年代から70年代にかけておおいに活躍したNYのセッション・ギタリストです。当家では何度か言及しているので、ご記憶のお客さん方もいらっしゃるでしょう。ベルはなかなか面白いプレイをすることがあるのですが、この曲は、やはり可もなし不可もなしで、とくに面白い箇所はありません。

以上でEverybody's Talkin'はおしまいですが、『真夜中のカウボーイ』はまだつづきます。あと一回か、ひょっとしたら二回、こんどはジョン・バリーのスコアのほうを検討するつもりです。
by songsf4s | 2009-05-24 17:01 | 映画・TV音楽
The Best of Jim Gordon その10 最終回

このシリーズも最終回なので、これまでの曲について書き忘れていたことも補っておこうと思い、編集の終わったものをはじめから聴き直していて、思いきりコケてしまいました。バーズのGet to Youを入れるつもりだったのに、なんとGoin' Backが入っていたのです。もうひとつ、エヴァリーズの2曲も順番を逆にしてしまったようです。いやもうお恥ずかしいかぎりです。アクセルとブレーキをまちがえたのではなくて幸いでした。

ひとつだけ、忘れていたことの補足があります。あの時代のハリウッドには、ジム・ゴードンという名前のスタジオ・プレイヤーが二人いて、同じような場所で働いていました。ひとりはもちろんいまここで話題にしているドラマーのジェイムズ・ベック・ゴードンです。もうひとりは木管プレイヤーです。

f0147840_015763.jpg
This Jim Gordon is NOT the drummer James Beck Gordon. Be careful!

ジェイムズ・ベック・ゴードンはピアノやキーボードをプレイしたことはあっても、クラリネットをプレイしたことはありません。したがって、木管でクレジットされているジム・ゴードンは、ドラマーのジェイムズ・ベック・ゴードンではないことになります。

笑ってしまうのは、マリア・マルダーのエポニマス・タイトルのデビュー盤です。困ったことに、このアルバムには両方のジム・ゴードンがクレジットされているのです! 昔は、へえ、ジム・ゴードンは管楽器もやるのか、なんて思っていたものです。その蒙を啓いてくれたのはキャロル・ケイでした。

f0147840_022177.jpg

◆ ジミーに自由を! ◆◆
とくに大きな書き落としはないようなので、かわりに、ジム・ゴードンに仮釈放を、と訴えているサイトをご紹介しておきましょう。

ジム・ゴードンにチャンスを

なにがまずくてこれほど刑期が長引いているのか、わたしにはよくわかりません。判決はもっと短かったはずです。「治癒」していないという医師の判断でしょうか。

上記サイトから行けるMy Spaceのジム・ゴードン・ページ(もちろん本人がつくっているわけではない)のリストは、これまでに見たものでもっとも充実しているようです。Laylaを鳴らすのは勘弁してくれ、と思ったのですが、つぎの曲で、おっとー、といってしまいました。アルバート・ハモンドのIt Never Rains in Southern Californiaだったからです。

ご存知の方も多いでしょうが、この曲はハル・ブレインのトップテン・リストに算入されています。むむう、弱った狸は目でわかる、これは白旗かもしれません。いま聴き直してみたのですが、ジミーの可能性ありと思って聴けばそうも聞こえるし、いや、ハルだろうと思って聴けば、やはりハルのようにも聞こえます。

f0147840_042081.jpg

とりあえずここは白旗を掲げ、捲土重来を期すことにします。すぐに解決せず、何年も持ち越して解決にいたったケースもたくさんあります。ついこのあいだふれたメイソン・ウィリアムズなんか、それこそ十年越しの懸案だったわけでして、今回のケースの解決のオッズだってそれほど悲観的なものではないのです。

パーカッションのプレイや、ライヴでやっただけのものや、ヒット・ヴァージョンではないもの(たとえばサントラ用のリメイク)も算入されているハル・ブレインのトップテン・リストは百パーセント信用するわけにはいきません。厳密な校訂を要することは以前からわかっていたことで、じつは、かつて大々的に注釈を入れたヴァージョンをつくり、ウェブで公開したこともあります。

そういうことから考えると、今回もハルの「敗訴」の可能性が高いかもしれません(いや、わたしの増補改訂版ハル・ブレイン・トップテン・リストでは「勝訴」の例もあげておいた)。しかし、これは状況証拠に依存した「心証」にすぎず、音による、または、論理による判断ではありません。

かつてハル・ブレインとアール・パーマーの分離に慣れるまでにも時間がかかりましたし(やはり、曲によってはすごくむずかしいものがある。たとえばラウターズのLet's Go (Pony)のように、「アール・パーマー・スタイルを完璧に模したハル・ブレインのプレイ」というのがあり、これには何年も苦しめられた)、ハルとジミーの区別もなかなか慣れませんでした。最近はだいぶ熟練したと思っていましたが、こういうことはもともと百パーセントに到達できるものではなく、やっぱり、「かはたれ」「たそかれ」の怪しいトワイライト・ゾーンは山ほどあります。

◆ トラック・リスト ◆◆
それでは、残りのトラックのことに話を移します。まずはトラック・リストの(いちおうの)最終版からどうぞ。

パート1
01. Derek & The Dominos - Why Does Love Got To Be So Sad
02. The Souther-Hillman-Furay Band - Border Town
03. Bobby Whitlock - Song for Paula
04. The Byrds - Get To You
05. Maria Muldaur - Midnight At The Oasis
06. B. W. Stevenson - My Maria
07. Glen Campbell - Wichita Lineman
08. Dave Mason - Only You Know And I Know
09. Delaney & Bonnie & Friends - Only You Know And I Know
10. Bobby Whitlock - The Scenary Has Slowly Changed
11. Joan Baez - Children And All That Jazz
12. Art Garfunkel - Travelin' Boy
13. Bobby Whitlock - Where There's a Will There's a Way
14. Delaney & Bonnie & Friends - Where There's A Will There's A Way
15. Gordon Lightfoot - Sundown
16. Carly Simon - You're So Vain
17. Nitty Gritty Dirt Band - Some Of Shelley's Blues

パート2
01. Mason Williams - Overture
02. Johnny Rivers - Rockin' Pneumonia, Boogie Woogie Flu
03. Dave Mason - World In Changes
04. Derek & The Dominos - Evil
05. Bread - Move Over
06. The Yellow Balloon - Follow The Sunshine
07. Frank Zappa - St. Alfonzo's Pancake Breakfast
08. Frank Zappa - Father O'blivion
09. Alice Cooper - I'm The Coolest
10. George Harrison - You
11. Seals & Crofts - Hummingbird
12. Tom Scott - Blues For Hari
13. Traffic - Hidden Treasure
14. Mike Post - The Rockford Files
15. Harry Nilsson - Together
16. Bread - Friends And Lovers
17. Johnny Rivers - Life Is a Game

パート3
18. The Everly Brothers - (Instrumental)
19. The City - Snow Queen
20. Alice Cooper - Road Rats
21. Steely Dan - Parker's Band
22. Joe Cocker - The Letter
23. Joe Cocker - Cry Me A River
24. Joe Cocker - With A Little Help From My Friends
25. Frank Zappa - DC Boogie
26. Derek & The Dominos - Let It Rain
27. The Everly Brothers - Lucille

◆ Joe Cocker - Cry Me A River ◆◆
やっぱり子どもというのはものを知らないなあ、と思うのですが、わたしがCry Me a Riverという曲を知ったのは、このジョー・コッカー・ヴァージョンでのことでした。後年、ジュリー・ロンドン盤やレスリー・ゴア盤を聴いて呆気にとられましたよ。

しかし、ものを知らないのは日本の子どもばかりではなく、アメリカの子どもも同じで、ジョー・コッカーが冒頭でタイトルをいっているのに、まったく手がきていません。当時の大人ならだれでも知っていたはずのこの大有名曲をだれも知らなかったか、または、おそろしく時代遅れの曲と思われていたのでしょう。若者を相手に商売するというのは、こういうことなのだということが、いまになるとよくわかります。

そういえば、60年代終わりに、バディー・リッチが、西か東か忘れましたが、フィルモアに出演したとき、若者どもが、あのオールド・マンはいったい何者だ、と大騒ぎしたという話もあります。バディー・リッチほどの人でも忘れられ、ただの「神老」(神童の対語をつくってみた)と思われちゃったのだから、時の流れの無慈悲さよ、ですな。

なにも知らない人間が、ただのジジイだと思ってバディー・リッチを見たら、心臓麻痺か脳溢血まちがいなしです。なんたって、老境にいたってからのリッチのブラシ・ワークたるや、まさに神業ですからね。ブラシなんてものが、あんなに面白いものだとは、晩年のバディー・リッチを聴くまでは思ってもみませんでした。

f0147840_017471.jpg

おっと、同じ時代のフィルモアでも、ここはバディー・リッチの話ではなく、ジム・ゴードンの話でした。この1970年3月27日録音のCry Me a Riverは、昔のLPにとられていたヴァージョンよりずっと出来のよいものです。あのLPの選曲とミックスはどうなっていたんでしょうかねえ、ドラムに関してはひどいものでした。

このヴァージョンで、ムヒョーと奇声を発したのは、1:12あたりからはじまる、セカンド・ヴァース入り口のフィルインのときです。なんと、芝居の「割り台詞」のように、ひとつのフィルインを前後半の二つに割って、前半をジム・ゴードン(推定)、後半をジム・ケルトナーが叩いているのです。これにはひっくり返りました。

いや、昔のLPでも同じことをしているところが出てきます。でも、驚くなかれ、フィルインは二人が同じステレオ定位になっているのです。これでは「割った」とは思えず、ひとりのドラマーがやったように聞こえてしまいます。なにか家庭の事情があったのかもしれませんが、バッカじゃなかろか、のミックスです。

まあ、ふつう、こういうのはアイディア倒れと片づけてしまう人が多いでしょうが、わたしはそうは思いません。1:12のほうは成功にはほど遠いプレイですが、同じようにやっている2:11はだいぶよくなっていて、つぎの三度目はビシッとキメられるだろうという予感にみなぎっています。残念ながら、この「割りフィル」を繰り出すチャンスは、この曲ではもうやってこないのですが。

こういうことをやるとき、むずかしいのはあとから行くほうです。先のプレイヤーは、なにも考えずに突入し、もっと叩きたくなるところをやめるだけでいいのです(まあ、厳密にいうと、フィルを途中で打ち切るのだって素人にはむずかしいのだが)。しかし、あとから行くほうは、工夫と練習が必要です。ケルトナーは、最初の割りフィルでのうまくいかなかった部分(スタートが遅れて、きれいにつながっていない)を修正して、二度目ではかなり改善したプレイをしています。

いやはや、こうして楽しい実験がテープに記録され、いまになって、あっはっは、やるだけはやってみたのだな、この二人ならさもありなん、と呵々大笑できるのは幸せなことです。

f0147840_020056.jpg
このアルバムのデザイン・コンセプトはなにかの興業もの(サーカス?)らしく、見開きは「番付」になっている。そこに登場する二人のジムの紹介。ケルトナーはムハメッド・アリというか、カシアス・クレイのキャッチフレーズそのまま。

◆ Joe Cocker - With A Little Help From My Friends ◆◆
すごいプレイばかりのライヴですが、そのなかでもこれがベストでしょう。この曲も当時のLPからはオミットされました。まあ、スタジオ盤も有名ですし(B・J・ウィルソンが叩いたこちらもすごいプレイ)、ウッドストックその他のライヴもあるしで、重複を嫌ったのかもしれません。

以前、You Tubeで検索していたら、この曲のヴィデオがあり、二人のドラマーの背後から撮ったショットが出てきました。これはちょっと驚きました。ジム・ゴードンが汗を飛び散らせる大熱演をしていたのです。「完全に入る」タイプのプレイヤーなのだということが、あのショットからよくわかりました。スタジオ・ワークだけでは満足できなくなったのは当然というべきでしょう。

もうひとつ、ドラム馬鹿にしか用がない些細なことですが、タムの並びにも驚きました。先に確認しておくと、ドミノーズあたりからのジム・ゴードンのセット(キャムコ製)は、タムタム2とフロアタム1の比較的ノーマルな構成に、小口径ハイ・ピッチの追加タムが1または2です。これはドラマーから見てタムタムの左側、ハイハットの右側に配置します。それ以前は、ツアーの写真や映像が見あたらず、音から判断するかぎりではベーシックなセットを使っていたと思われます。

しかし、マッドドッグス・ツアーはぜんぜん違います。8個のタムがずらっと並ぶハル・ブレインのオクトプラス・セットのように、ジム・ゴードンもドカーンとタムを並べたセットを使っているのです。それだけだったら、ハルの影響ね、でおしまいなのですが、あれっと思ったのは、ハルのように(ドラマーから見て)左から順に高いほうから低いほうへというきれいな並べ方はしていないのです。まるでシャッフルしたかのように、口径およびピッチは順不同(のように見える)で並べてあるのです。

f0147840_0203527.jpg
「番付」での二人のジムの扱いは東西の小結といったあたり。リオン・ラッセル、クリス・ステイントンという両大関につぐビリング。

ああ、そういうことか、と膝を叩きました。ハルのようにドレミファソラシドと順序よく並べると(もののたとえではなく、通常は音階に合わせてチューニングしていたらしい。やれといわれれば、Moon Riverぐらいならタムで「叩けた」のである)、場合によっては叩きにくいにちがいありません。どういう場合かというと、ランダムに鳴らしたい場合、あるいは、高いのと低いのを交互に鳴らしたい場合です。B・W・スティーヴンソンのMy Mariaのフィルのなかには、こういう変な並べ方のタムでやったのではないかと感じるものがあります。どうであれ、ピッチの高低の順に並べないというのは、ちょっとした発想の転換であり、なかなかの工夫といえます。

肝心なこの曲でのプレイのことが後まわしになりましたが、いやもうすごいですわ。それ以外に言葉が出てこない失語症誘因レベルのすごさです。たとえば、2:51あたりからのパラディドル、3:18のフィルなんかいかがでしょうか。ホットかつ正確、ジム・ゴードンのべつの側面を見る思いです。ジム・ケルトナーも負けじとするどいショットをつぎつぎに繰り出し、二つのセットのあいだで火花どころか、雷電が走るほどの空前絶後のダブル・ドラム・プレイ。

◆ Frank Zappa - DC Boogie ◆◆
こんなこともやっていますよ、というサンプルの意味でおいておきました。どこかザッパ・ファンのサイトで、ザッパにはやっぱりエインズリー・ダンバーのほうが合うと、ジミーのプレイが批判されていましたが、なるほど、そうかもしれません。感覚的に表現すると、ジミーのスタイルは、端正、あっさり、さわやか、といったところで、このキーワードだけで、ザッパとはすでに水と油です。

f0147840_027444.jpg

しかし、ドラマーのキャリアからいえば、ザッパみたいなスペクトル領域外の人間とやるのもなにかの経験で、地平を広げるテコぐらいの用には立つものです。ジミーも、この時期にいくつか変なリックを生み出したのではないかと想像します。いつもとちがったことをするのは、いつだって悪くないことなのです。

◆ Derek & The Dominos - Let It Rain ◆◆
Let It Rainは、スタジオ、ライヴ、いろいろ聴きましたが、やはり最初にリリースされたライヴ・ヴァージョンである、In Concert収録のものが最上の出来です。イントロからヴァースへの移行部分での16分のパラディドルからして、もう陶然となる美しさで、わたしが理想とするスネアのサウンドです。

このトラックをここまで出さなかった理由は、むやみに長くて流れを妨げるからです。しかしいっぽうで、これは大団円にふさわしい大作(楽曲がというのではなく、ドラミングが、という意味)でもあって、長いドラム・ソロまでやっています。

f0147840_0291195.jpg

いまもこのトラックを聴きながら書いているのですが、人間、これほどドンピシャリの気持ちのいいところでバックビートを叩ける日が、生涯に何度あるだろうかと、粛然たる思いにうたれます。よくまあ、つぎつぎと、「ここしかない」という精妙なポイントでスネアをヒットできるものです。

いつもはジミーに取り憑くのはせいぜい魔王どまりですが、この日はビートに神が宿ったとしか思えません。アール・パーマーがバックビートを発明したのは、この日のジミーの完璧なプレイのためだったのでしょう。

◆ The Everly Brothers - Lucille ◆◆
アンコール、カーテン・コール、リプリーズのつもりで、ふたたび、十代のジミーのプレイをお聴きいただきます。ドンのナレーションから、ラジオのエヴァリー・ブラザーズ・ショウのエンディングだとわかるので、ちょうどいいでしょう。Thank you for listenigとかWe hope you've enjoyed what you've heardなんていっています。わたしも、みなさんに楽しんでいただけたらと願いつつ、そろそろこのプログラムを閉じることにします。

先日の記事を読んだ友人から、このトラックが録音されたのは1965年4月22日となっている、と注釈が送られてきました。19歳のときと推定されます。ジミーのプレイは、やっぱり三つ子の魂で、大々的にライド・ベルを使っています。まったく、それも無理はないという思うほど、後年同様の美しいライド・ベルです。やっぱり、人間、十代のうちにプロトタイプは完成しているものだなあ、と思います。

f0147840_0332515.jpg
Teenage Jim Gordon on drums with Don and Phil Everly

まだこのとき、彼は自分がドラッグ中毒になるなんてことは思ってはいないんですよねえ。ドラッグだけなら、音楽界には山ほど例があり、そういってはなんですが、それほど深刻なことではなかったのに、それが精神分裂とむすびついて、親属殺人にまでいたってしまったことは、ほんとうに不幸なことで、かえすがえすも残念です。

しかし、毎度申し上げるように、世の中には百パーセント悪いことなどありません。ジミーはあの事件を起こす前から、すでに第一線からはずれつつありました。ドラッグ中毒ないしは精神分裂の悪化が原因かもしれません。どうであれ、彼はきびしい時代を肌で感じる以前に、塀の向こう側に「保護」されたのです。

シャバに残ったジム・ケルトナーの80年代以降のプレイヤー人生を見て、幸せだったかどうかと考えると、塀の向こうで浮き世の荒波から守られているジミーの人生だって、悪いことばかりでもなかった、と思えてきます。80年代以降のケルトナーだって、もちろんいい仕事をしていますが、でも、ハル・ブレインの言葉はささやかな幻想すら打ち砕きます。

「ハリウッドの音楽シーンは死んだ。ジム・ケルトナーほどのプレイヤーがツアーに出ているんだからな」

世が世なら、ハリウッドのドラマーのキングは、出稼ぎに行くなんて野暮なことはしなかったのだ、とハルは嘆いているのです。ハリウッドという町が、キングを外に出て行かせない仕組みだった時代を、ハルはよく知っているのです。

キャロル・ケイも、自分のBBSで何度も若いミュージシャンに話しかけていました。LAに来てはいけない、ここにはもう仕事はない、一流プレイヤーですら、月に一回しかセッションの依頼がなかったりするのだと。

ジミーは、そうした巷の変転とは無関係な世界で生きてきました。彼は、またプレイをしたい、とくにエリックとはまたやりたいといっているそうです(わたしはクラプトンがジミーの中毒を悪化させたと推測しているので、この組み合わせはやめたほうがいいと思うが)。

たとえ仮釈放になっても、そうした希望が実現するかどうかわかりませんが、すくなくとも、自由に発言できるようになることだけははっきりしています。ひょっとしたら、オフィシャル・サイトすら登場するかもしれません。しかし、プレイヤーとしては、第一線で世界中のドラマーに影響を与えるようなことがまた起こるとは思えません。彼自身のためにプレイすればいいだけのことです。

事件とその後の下獄のせいで、彼は歴史の証言者としての貢献はまったくしていません。出獄(まもなく実現すると予感している)後の余生は、その方面に力を入れてくれたらと願っています。下世話な話で恐縮ですが、金の使い道のない場所に四半世紀も閉じこめられているあいだに、Laylaなどの印税が手つかずのまま貯蓄され、いまやちょっとした金持ちだそうですから、隠居仕事に精を出しても生活に困ることはないでしょう!


by songsf4s | 2008-09-29 23:58 | ドラマー特集