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いまさらのようにPet Soundsを聴きなおしてみる その12 I Just Wasn't Made for These Timesセッション
 
恒例によって、本日のジム・ゴードンの一曲。盤としてはライノの70年代ヒット曲集Have a Nice Dayシリーズの一枚でもっていただけで、オリジナル・アルバムは知らず、今日はじめて、ジム・ゴードン・ディスコグラフィー・ブログスポットでパーソネルを見た曲です。

Sammy Johns - Chevy Van


これは今年の八月の「Surf'n'Rod WITHOUT (or mistakingly WITH) Hal Blaine Vol. 3」という記事に貼りつけていて、当然、そのときにも聴いたのだから、気づけよな>俺、でした。

ジム・ゴードンのシグネチャーのひとつは、フロアタムの二打または一打のアクセントで(フィルインと呼ぶのはためらうほど短いのでアクセントと呼んでおく)、この曲でも、ファースト・コーラスの最後で、フロアタムの一打をやっています。

ほんとうは、長年の懸案だったアルバムが解決したので、そちらのほうを書いたのですが、枕にしては長すぎるので、それは先送りにしました。いずれにしても、すでに何度もジム・ゴードンのプレイだと主張してきた曲の裏がとれた(らしい)というだけなのですが。

◆ たまには歌詞について ◆◆
Pet Soundsシリーズもだんだん煮詰まってきた、今回はあれこれチェックして、通し番号をまちがえたことに気づきました。「その8」がダブっていました!

さて、11回目ではなく、12回目の今回は、I Just Wasn't Made for These Timesです。まずはリリース・ヴァージョンから。

The Beach Boys - I Just Wasn't Made for These Times


たしか昔、「ダメなぼく」とかいう邦題がつけられていたと思います。ブライアン・ウィルソンのヴィデオにも同じ邦題がつけられていて、苦笑しました。

適宜「演出」するのはやむをえないと思うのですが、勘違い、ないしは、(こちらのほうが悪質だが)意図的なミスリードはやめてもらいたいものです。

この曲の中身に即していうならば、どちらかというと「あまりにもすぐれている僕」と解釈するべきでしょう。ジョン・レノンがそういう曲を書いているのはご存知ですよね。ほら、例のNo one I think is in my tree, I mean it must be high or lowです。

The Beatles - Strawberry Fields Forever


「俺の木にはだれもいない、高いか低いかのどちらかだ」というのはどう意味だ、と問われて、書いてあるそのままの意味だ、俺と同じレベルの人間はいない、ということだ、とジョンがなにかのインタヴューでいっていました。

ブライアン・ウィルソンがI Just Wasn't Made for These Timesでいいたかった(じっさいの歌詞を起こしたのはトニー・エイシャーだが、ブライアンの基本アイディアを言葉として整えて表現した)のは、ジョン・レノンがStrawberry Fields Foreverでいったのと同じようなことです。

I keep looking for a place to fit
Where I can speak my mind
I've been trying hard to find the people
That I won't leave behind

They say I got brains
But they ain't doing me no good
I wish they could

Each time things start to happen again
I think I got something good goin' for myself
But what goes wrong

Sometimes I feel very sad
Sometimes I feel very sad
(Can't find nothin' I can put my heart and soul into)
Sometimes I feel very sad
(Can't find nothin' I can put my heart and soul into)

I guess I just wasn't made for these times

Every time I get the inspiration
To go change things around
No one wants to help me look for places
Where new things might be found

Where can I turn when my fair weather friends cop out
What's it all about

Each time things start to happen again
I think I got something good goin' for myself
But what goes wrong

Sometimes I feel very sad
Sometimes I feel very sad
(Can't find nothin' I can put my heart and soul into)
Sometimes I feel very sad
(Can't find nothin' I can put my heart and soul into)

I guess I just wasn't made for these times

ファースト・ヴァースの「I've been trying hard to find the people that I won't leave behind」を、「ダメなぼく」とかいう邦題をつけた人はどう解釈したのでしょうか。これは「すぐれた自分についてこられるすぐれた人間を一所懸命に見つけようとした」と解釈するしかないでしょう。「leave behind」は、たんに「去る」こととは思えません。

それは、つぎの「They say I got brains/But they ain't doing me no good」みんな、ぼくのことを頭がキレるというけれど、というラインで、さらに明瞭になります。

トニー・エイシャーは、他の曲については、ブライアンからアイディアをきかされて、そうそう、そういうことはある、よくわかる、と思う点があったけれど、この曲のアイディアには同感できなかったといっています。エイシャーはmust be high or lowであって、not in his treeなのでしょう。たしかに、こういうことを考える人間は特殊だと思います。ブライアン・ウィルソンやジョン・レノンのように特殊な人間です。

あるいは、ビーチボーイズや会社とブライアン・ウィルソンの関係を歌っているとも読めるし、さらには、彼の音楽と世間の音楽の関係と読み替えることもできます。

この曲が予言したように、Pet Sounds just wasn't made for those timesだったのであり、長い年月をかけて、やっと、ふさわしい地位が与えられることになった、と考えてしまいます。

いや、しかし、翻ってみると、「ダメなぼく」と解釈したほうが、現代にあっては「fit in」しやすいかもしれません。

どこにも居場所がない、だれともうまくいかない、と感じている人は、昔より今のほうがずっと多いでしょう。それで、アマチュアのカヴァーの解釈が「ダメ」なほうになってしまうのではないでしょうか。

◆ またしてもアブノーマルな組み合わせ ◆◆
さて、このシリーズの主題はサウンドです。I Just Wasn't Made for These Timesにも、ブライアン・ウィルソンらしいアイディアがいくつか盛り込まれています。

やはり、セッションのほうがサウンドの理解には好都合です。いや、その前にまずパーソネルを。ブラッド・エリオットがエレクトリック・ベースとした部分を、わたしの考えで、ダンエレクトロ6弦ベース(ダノ)と変更しました。フェンダー・ベースとは根本的に異質な楽器なので、誤解のないように、という意味で。

ドラムズ、ティンパニー、ボンゴ……ハル・ブレイン
ティンパニー、ラテン・パーカッション……フランク・キャップ
アップライト・ベース……ライル・リッツ
エレクトリック・ベース……レイ・ポールマン
ギター……グレン・キャンベル、バーニー・ケッセル
ピアノ……ドン・ランディー
ハープシコード……アル・ディローリー
ハーモニカ……トミー・モーガン
テルミン……ポール・タナー
サックス……スティーヴ・ダグラス、プラズ・ジョンソン、ボビー・クライン
バリトン・サックス……ジェイ・ミグリオーリ

f0147840_23592420.jpg

それではトラッキング・セッションへ。

サンプル The Beach Boys "I Just Wasn't Made for These Times" (tracking sessions)

まず、ほう、と思うのは、セッションの冒頭で鳴っているハープシコードのサウンドです。ポップ系の曲ではダイナミック・レンジが圧縮された録音がほとんどなのですが、単独で鳴ると、本来、ハープシコードというのは、深く重いサウンドだということを思いだします。セッションのみならず、リリース・ヴァージョンでも、相対的にこの曲では重い響きになっていて、その点を好ましく思います。

イントロでは、ライル・リッツのアップライト・ベースに、トミー・モーガンのベース・ハーモニカをかぶせるという、異常な処理をしていることにも耳を引っ張られます。変なことをするものです。

いま振り返ると、昔はこの音をバリトン・サックスと聞き誤っていたようです。こんな風にかすかにベース・ハーモニカを鳴らすなんて手法は、一介のロック小僧の想定の範囲内にはありませんでした。

f0147840_0202077.jpg本来のベースらしい位置にいるのはライル・リッツのアップライトだけで、ダノのレイ・ポールマンはミュート・ギターのようなサウンドで、ベースというより、ギター・リックのようなラインを弾いています。

ダノじゃないと、こういうことはできません。キャロル・ケイさんは、ダノというのはエレクトリック・ベースではないのだ、ふつうのギターより一オクターブ低い「ベース・ギター」なのだといっていました。だから、フェンダー・ベースを「ベース・ギター」といってはいけない、あれはエレクトリック・ベースなのだ、と彼女らしく、几帳面に定義していました。

彼女がユニオンに申し入れた結果、ローカル47のコントラクト・シートでは、ダノのプレイヤーはベースではなく、ギターと書かれたそうですが、じっさい、そのように書かれたものをわたしもいくつか見ています。今回はブラッド・エリオットの「解釈」が介入したクレジットを見ているので、コントラクト・シートには、正しく、レイ・ポールマンはギターをプレイしたと書かれているのかも知れません。

パーソネルには出てこないのですが、バンジョーらしい音が鳴っていて、セッションを聴くと、どうやらグレン・キャンベルがプレイしたらしいとわかります。しかし、これは最終的なトラックでは聞こえません。

サンプル The Beach Boys "I Just Wasn't Made for These Times" (track only)

最終的にはアコースティック・ギターに変更され、小さめにミックスされたのかもしれません。もっとよく聞こえないバーニー・ケッセルのギターは、エレクトリックのようです。セッションではチラッと聞こえますが、これまたバッキング・トラックの段階ですでにほとんど聞こえなくなっています。

そうとは明記されていませんが、テルミンは、オーヴァーダブで加えられたのではないでしょうか。Unsurpassed Mastersのセッション・トラックでも聞こえず、The Pet Sounds Sessionsボックス収録の最終的なバック・トラックではじめて聞こえます。

改めて、「裸の目」で見ようとすると、ひどく異様な楽器編成に思えてくるのですが、しかし、昔を振り返ると、すぐになじんで、それ以来ずっと、ごく自然な音として聴いてきたわけで、そこがブライアンのすごいところなのかも知れないと思います。

一見、どれほど奇矯な組み合わせに見えようと、根本のところで、すべてがきれいにフィットするように意図されている、ということです。異質なものを、いったんは異質と意識させ、それでいて、すぐになじむように構築されたサウンドなのだと思います。

最後に、趣味のドラミング話。ヴァースとコーラスのつなぎ目、ファースト・ヴァースでいうと、but what goes wrongとsometimes I feelのあいだに置かれているシンプルなフィルインが、昔から妙に好きでした。

とりたててどうだというフレーズではないのに、なぜか心惹かれます。どういうことなのやら。セッションからはわかりませんが、例によって、これはブライアンがつくったフィルインなのでしょう。


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ビーチボーイズ
The Pet Sounds Sessions
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Smile Sessions
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Smile Sessions [Analog]
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サミー・ジョンズ
Golden Classics
Golden Classics
by songsf4s | 2011-11-11 23:51 | 60年代
いまさらのようにPet Soundsを聴きなおしてみる その8 I’m Waiting for the Dayセッション
 
このところ、The Smile Sessionsをさしおいて、ジム・ゴードンをずっと聴きつづけています。FBなどで、いままで知らなかったアルバムを大量にリストアップしているところを見つけたからです。

ディレイニー&ボニーのOn Tour、ジョー・コッカーのMad Dogs & Englishmen、そしてデレク&ザ・ドミノーズのあたりから、ジミー・ゴードンは独自のスタイルを鮮明化し、「70年代のエース」の座を確実にします。

しかし、それ以前のハリウッド時代、ハル・ブレインの名代だった時代のジミーの仕事は、意識的にハルのチューニングやスタイルを模倣しているせいもあり、また、病院ないしは刑務所に閉じこめられたままのため、ご本人の証言が得られないせいもあって、依然、靄に包まれ、解明は遅々として進みません。

それでも、近ごろのリイシューではコントラクト・シートの調査結果が書かれているケースがかなりあり、すこしずつクレジットが浮上してきてはいます。

目下、Pet Soundsの話の途中ですが、ビーチボーイズ関係で新たにわかったのは、20/20とFriendsにジミーのクレジットがあるらしいということです。

とりわけ20/20にドラマーとしてクレジットされているのはジム・ゴードンのみ、としているソースがあるのですが、どうなんでしょうかねえ。まあ、ジミーもまだ二十歳かそこらで若かったせいもあるでしょうが、それにしても、彼のプレイにしてはレベルが低いと感じるトラックもあります。そもそも、後年とスタイルがちがっていて、悩んでしまうトラックばかりです。

でも、これなんか、エコーが深いせいもありますが、なかなかすばらしいドラミングです。デニス・ウィルソンの曲で、彼のヴォーカル、わたしの好むところなのですが、しかし、ここはジミーが主役、ドラミングがよく聞こえるバックトラック・オンリーを貼りつけます。

The Beach Boys - Be With Me (Backing Track)


感触として、まちがいない、ジミーのプレイだ、と納得がいくわけではないのですが、だれのプレイにせよ、いいドラミングです。

ジム・ゴードンの話は近々改めて大々的にするので、そのときまでペンディングとして、今日のPet Soundsは、そのジミーがストゥールに坐ったこのアルバム唯一のトラック、I'm Wating for the Dayです。

まずは完成品から。ステレオの最上のものより、こちらのほうがよかったので、モノで。

The Beach Boys - I'm Wating for the Day (mono)


毎度、歌の話はオミットで申し訳ないのですが、Pet Soundsであって、Pet Songsではないということで、今回もトラックに一意専心します。

この曲については、買った当初、ものすごく気になったのは、ドラムとティンパニーのコンビネーションです。いや、当時は完成品しか知らなかったのだから、シャドウ・ドラミングしながら、むずかしいなあ、よく合わせたなあ、と思っただけですが。ティンパニーはむずかしくないのですが、ドラムは裏拍のせいでタイミングをとりにくく感じます。

ほかの曲についてもいえることですが、ひとりのプレイヤーが1パスで両方いっぺんに叩いたかのように、ドラムズとティンパニーが一体化して聞こえるのは、Pet Soundsの大きな魅力のひとつだと感じます。まあ、少数派意見でしょうけれど。

といっているうちに、ステレオのいいのが見つかったので、そちらも貼りつけておきます。

The Beach Boys - I'm Wating for the Day (stereo)


この曲のパーソネルは、ブラッド・エリオットによると以下のごとし。

ドラムズ……ジム・ゴードン
ティンパニーおよびボンゴ……ゲーリー・コールマン
フェンダー・ベース……キャロル・ケイ
ウクレレ……ライル・リッツ
ギター……レイ・ポールマン
ピアノ……アル・ディローリー
オルガン……ラリー・ネクテル
フルート……ビル・グリーン、ジム・ホーン、ジェイ・ミグリオーリ
イングリッシュ・ホルン……レナード・ハートマン

同じ日の夕方からオーヴァーダブ・セッションがおこなわれ、ストリングスが録音されていますが、同時に、ライル・リッツがアップライト・ベースをプレイしたとあります。

こんどはセッション・ハイライトをどうぞ。

The Beach Boys - I'm Wating for the Day (session)


なんせ、メロディーをプレイしているのはオーボエかなあ、なんてすっとぼけたことをいってしまった人間なので(正しくはイングリッシュ・ホルン。うひゃ)、ヴォーカルをとってストリップ・ダウンしても、やっぱりパーソネルとじっさいの音のすりあわせには難渋します。

Unsurpassed Masters(ファンはしばしばSOTと呼ぶ。Sea of Tunesの略)でいろいろなテイクを聴きましたが、うーん、です。

まず些末なこと。ボンゴ? はあ? でした。どこで鳴っているのやら。

それから、ウクレレの音も拾い出せませんでした。かわりに、初期テイクからアップライト・ベースの音がしているのを確認しました。ライル・リッツがオーヴァーダブ・セッションでなにをしたかは不明ですが、最初はウクレレではなく、アップライト・ベースを弾いたとしか思えません。

上掲のセッション抄録で面白いのは、2:00ごろからの、インサートの録音です。イントロだけの録音です。ここがもっともタフなパートだと、聴いているほうも緊張します。

いやはや、さすがの天才少年のなれの果ても、最初のパスではボロボロ。自分でなぞってみて、イヤだなあ、ここは、と思いますが、ジム・ゴードンもミスったので、すこし安心しました!

しかし、ハル・ブレインを困惑させ、ジム・ゴードンのミスを誘発し(たわけではないか!)、ブライアン・ウィルソンというのは、大変なドラム・アレンジャーです。よくまあ、つぎからつぎへと、さまざまなドラムとパーカッションのコンビネーション・パターンを発明していったものだと思います。

そもそも、ティンパニーをこれほど多用したロックンロール・アルバムというのはほかにあるのでしょうか。すくなくともわたしは、昔、このアルバムを聴いて、ティンパニーに驚きました。

同じ時期にティンパニーを多用したアーティストというと、ウォーカー・ブラザーズが思い浮かびます。

The Walker Brothers - (Baby) You Don't Have To Tell Me


The Walker Brothers - In My Room


The Walker Brothers - The Sun Ain't Gonna' Shine Anymore


The Walker Brothers - Make It Easy On Yourself


The Walker Brothers - My Ship Is Coming In


いやあ、派手ですなあ。イギリスに渡ってからのウォーカーズのワーキング・モデルは、フィレーズ時代のライチャウス・ブラザーズで、こういうサウンドもスペクターがインスパイアしたものでしょう。

いや、スコットやジョンの好みだったのか、それともアレンジャーのレグ・ゲストのアイディアだったのかは知りませんが、LA時代からウォーカーズにはライチャウスのようなところがあった(ただし、フィレーズ時代ではなく、ムーングロウ時代のライチャウスだが)のもたしかです。

ビーチボーイズのティンパニーについては、Pet Soundsに先行するこの曲も落とすわけにはいきません。

The Beach Boys - Do You Wanna Dance


ゴールド・スター・レコーダーの4連エコー・チェンバーの実力テストみたいな音ですが、案外、そんなところかもしれません。ブライアンとしては、ティンパニーの実験もしたかったのでしょう。

同時期のウォーカー・ブラザーズと比較して、いや、比較しなくても、Pet Soundsにおけるティンパニーの特徴は、ドラムとの密接な連携です。まるで、ひとりのプレイヤーがドラムとティンパニーを同時に叩いたのかと思うほどです。

あるいは、まるでベースとギターの分散和音のように、本来はひとつのフレーズであったものを、ドラムとティンパニーに割り振ったかのようなアレンジ、と言い換えることもできるでしょう。

そう断言できるだけの十分な知識がわたしにはありませんが、このような、ひとりの人間のプレイと聴き紛う、ドラムとティンパニーの役割分担と緊密な連携というのは、ブライアン・ウィルソンの独創ではないでしょうか。

わたしはジム・ゴードンの大ファンであり、ロックンロール史上もっとも精密なセンス・オヴ・タイムの持ち主だったと考えていますが、さすがにまだ若かったからか、こういう変則的なパターンでのティンパニーとの連携に関しては、やはりハル・ブレインに一日の長があります。

サンプル The Beach Boys - I'm Wating for the Day (take 1)

というように、はじめのうち、ジム・ゴードンは、ブライアンのつくったフレーズをそのとおりになぞるだけで精一杯、まだ「プレイ」いえるようなものではありません。若いジミーにとっては、これはタフな曲だったことでしょう。

最終的には立派なプレイに仕上げてきますが、Pet Soundsでのハル・ブレインのみごとなティンパニーとの連携ぶりと比較すると、やはり未熟だったと思います。というより、ハルがすごいというだけのことですが。

Stack-O-TracksでHelp Me Rhondaのバッキング・トラックを聴いたとき、いったい、どこからこういうアレンジを思いついたのだろうと驚きましたが、Pet Soundsの曲は、複雑さにおいてHelp Me Rhondaの比ではなく、音世界のなかに深く潜り込んだ一瞬、めまいを感じることがあります。

この曲については、イングリッシュ・ホルンの導入、ティンパニーとドラムのコンビネーション、フルートのオブリガート、そして、最後に、わずかに鳴らされるストリングスの美しさ、こうしたすべてに強く惹かれ、同時に、この人の頭の構造はどうなっているのだろうという好奇心が沸々とわき起こってきます

最後に、できあがったバッキング・トラック

サンプル The Beach Boys - I'm Wating for the Day (stereo backing track)


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The Pet Sounds Sessions
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ビーチボーイズ
Today!/Summer Days (And Summer Nights!!)
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ウォーカー・ブラザーズ
After the Lights Go Out
After the Lights Go Out
by songsf4s | 2011-11-06 23:37 | 60年代
The Best of Jim Gordon 補足2 リッキー・ネルソンのサイケデリック・エラ・アルバム、Perspective
 
今日はツイッター上で、いくつかSmile Sessionsボックスの話題を見ました。史上もっとも有名な未完のアルバムでしょうが、未完というのはやはり弱いといわざるをえません。

「定本」があれば、そこにいたる道筋として、セッションを聴くのは血沸き肉踊る体験になりえますが、Smileの場合は、存在しなかったアルバムが完成した姿を想像する必要があります。

いちおう、ボックスのディスク1は、ありえたかもしれないSmileのリリース・ヴァージョンのようなものが収録されています。しかし、これはあくまでも「仮想」にすぎず、完成品と思えといわれても、困惑します。

ふつうのアルバムなら、想像力によって「完成」できるかもしれませんが、Smileはそうとうアヴァンギャルドが入っていますからね、ふつうの道をたどって、リスナーが再構築するのはほとんど不可能事です。まあ、近々、聴くだけは聴いてみようと思いますがね(センセ、パフューム・ボケはいい加減にして、クレジットぐらいおせーてくだせーな)。

Smile Sessions、箱の中身


この動画、アップローダーの名前がBeachBoysとなっていて、おまえ、そういう名前を使うのはいくらなんでも図々しいぞ、と思ってから、あ、ひょっとしてホンモノかよ、と思い直しました。オフィシャルCM動画かもしれません。

さて、今日もまたブライアン・ウィルソンに立ち向かうだけの余裕がないので、ベスト・オヴ・ジム・ゴードン補足のつづきをします。今回はリック・ネルソンの盤です。

リックのドラマーといえば、デビュー当初はアール・パーマー、その後、レギュラーのツアー・バンドをもってからは、このあいだのPet Soundsの記事でも登場したリッチー・フロストといったところです。

ジェイムズ・バートン、ジョー・オズボーン、リッチー・フロスト、それに、ジーン・ガーフまたはグレン・ハーディンを擁した超豪華ツアー・バンド(エルヴィス・プレスリーが居抜きで譲ってほしいとリックに申し入れたという伝説がある。じっさい、後年、エルヴィスはジェイムズ・バートンをバンド・マスター兼ギタリストとして迎え入れる)は、維持できなくなり、1963年に彼らはフリーランスになります。

ビートルズ登場以後のリック・ネルソンは低迷し、Garden Partyで復活を果たすまで、ドサまわりをつづけた、というのが一般にいわれているところです。

わたしはハリウッドに関するかぎり、全方位で聴く人間なので、しばしばディテールをおろそかにしてしまいます。ファンとしての基本的な作法である、全作品をいちおう聴いておく、なんてことも怠ってしまうのです。

リック・ネルソンは好きなのですが、それはヒット・アフター・ヒットの時代についてであり、それ以外ではGarden Partyのアルバムを買ったぐらいで、あとは欠落していました。いやはや、すまんことです。

と、リックに怠慢を謝っておき、その低迷期のアルバム、1968年のPerspectiveを、ジム・ゴードンゆえに聴いてみました。

f0147840_0161643.jpg

「アイタッ」でした。リックのヴォーカル・レンディションはともかくとして(すまん)、サウンドはあの時代のハリウッド丸出し、ゴージャスだったのです。

非常に雑駁ないい方になりますが、同時期のモンキーズの曲、たとえば、Someday Manなどと共通する、いわばモダーン・ロックンロール・オーケストラ・サウンドとでもいったものと感じます。

まずはアルバム・オープナー。

Ricky Nelson - When the Sun's Shined Its Face on Me


出だしは、ジミーにしてはいまひとつかな、と思いますが、エンディングにかけてのプレイはなかなかなものです。高速四分三連のフィルインが魅力的。

ドラミングとしてはこちらのほうがすぐれています。

Ricky Nelson - The Lady Stayed With Me


弦のプレイヤーまで列挙されていて、クレジットはむやみに長いのですが、リズム・セクションのパーソネルだけ書き写しておきます。

ドラムズ……ジム・ゴードン
ベース……ジョー・オズボーン、ハーヴィー・ニューマーク
アップライト・ベース……ジミー・ボンド
ピアノ……ドン・ランディー
オルガン……ジョン・フォーリー
ハープシコード……マイク・ルビーニ
ギター……ジェイムズ・バートン、マイク・デイシー、テリー・ボイラン、ジェフ・コマンダー、ジョン・ボイラン、デイヴィッド・コーエン、ラリー・コリエル
パーカッション……ミルト・ホランド、デニス・ブルース、ジョン・クローダー

60年代のハリウッドにしては知らないプレイヤーの多い録音ですが、この時期のツアー・バンドのメンバーも入っているということなのかもしれません。

このアルバムはひとりのアップローダーが徹底的にあげたようで、必要なものはみなクリップがありました。

60年代のジム・ゴードンは、ハル・ブレインにあまりにも似ていて、何度も取り違えています。つぎの曲なんかも、ブラインド・テストされたら、ハル・ブレインと答えかねません。

Ricky Nelson - Three Day Eternity


なかなかけっこうなドラミングです。なぜハルとまちがえやすいのかというと、タイムが似ている、チューニングがそっくり、というのがまず大きな理由ですが、もうひとつ、スティックの使い方、手首の使い方が近いのだと思います。よくスナップをきかせ、「手首でヒットする」タイプなのでしょう。腕力よりも、リストの強さで打つスラッガーというのがいるでしょう? あれです。

そういうタイプの場合、スネアの音は、高めのチューニングと相まって、軽やかになります。それで、スネアのバックビートだけ聴いていると、ハル・ブレインなのだか、ジム・ゴードンなのだか区別がつけられないことが多いのでしょう。

しかも、60年代のハリウッドの若いドラマーは、ハル・ブレインのように叩こうと努力していました。ハルのようなサウンドで、ハルのようなフィルインが叩ければ、仕事はいくらでもあったのです。

ジム・ゴードンはハル・ブレインの推薦によって、ハルが都合をつけられないセッションに名代として行きました。傑出した才能のあるドラマーが、意図的にハル・ブレインに似せようと思って叩いたのだから、そっくりになって当たり前というべきでしょう。

アルバムPerspectiveがリリースされた1968年、リック・ネルソンはすっかりデモードなシンガーになっていました。見ようによっては時代に阿たようなサウンドなので、かえって、似合わないアルバムと受け取られたかも知れません。

しかし、そうした時代のコンテクストから遠くなったいまこのアルバムを聴くと、サウンドとしてはよくできているし、なかには悪くないヴォーカルもあり、いままでこれを聴かなかったのは、先入観による間違いだったと感じます。

リック・ネルソンを聴くなら、やはり60年代初期だと思いますが、ハリウッドのエースたちのプレイを聴くなら、Perspectiveは捨てがたいアルバムです。


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リック・ネルソン
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by songsf4s | 2011-11-03 23:54 | ドラマー特集
The Best of Jim Gordon 補足1 エヴェリー・ブラザーズ、インクレディブル・ボンゴ・バンドほか
 
季節はずれの鬼の霍乱だかなんだか、今日はちょっと体調を崩して、ブライアン・ウィルソンに立ち向かうのはむずかしいため、Pet Soundsは一休みして、夕方から聴いていたものを取り上げます。

いつだったか、ベスト・オヴ・ジム・ゴードンをまた公開すると予告しました。その後、状況が変化したこともあって(婉曲にいっているので、よろしくご賢察あれ)、ああいうものはやりにくくなってしまいました。

しかし、つぎの公開のときには、すこし曲を追加しようと思い、それなりに準備は進めてありました。また、あちこちでディスコグラフィーを見かけるようになって、いままで知らなかった盤もずいぶん判明しました。

そこで本体の再公開はペンディングにしたまま、オン&オフで補足をしようと思います。今日は一回目、まずエヴァリー・ブラザーズから。ロジャー・ミラーの曲のカヴァーです。

The Everly Brothers - Burma Shave


1962年の録音だそうで、ジム・ゴードンはこのとき、16歳か17歳でしょう。日本でいえば高校一年か二年、天才少年でしたからね。ジミーにとって、エヴァリーズはプロとしての初仕事だったようです。なにしろ、ご本尊はいまだ塀の中、オフィシャル・バイオも、オフィシャル・サイトもないので、確認ができないのですが。

つぎは同じ曲の初期テイクを。テンポがまったく異なります。

サンプル The Everly Brothers "Burma Shave" (take 2)

つづいて十年以上時間が飛んで、ハリウッドのエース・ドラマーになってからの録音。ワン・ショットのスタジオ・プロジェクトのものです。

The Incredible Bongo Band - Let There Be Drums


この曲のオリジナルはアール・パーマーのプレイでした。いや、名義はサンディー・ネルソンですが、じっさいにドラムをプレイしたのはアール・パーマーでした。

Sandy Nelson (Earl Palmer on drums) - Let There Be Drums


さすがはアール、改めてそのつもりで聴くとニューオーリーンズ・フィールの横溢したプレイです。ゴールド・スター・スタジオのオーナー、スタン・ゴールドだったか、デイヴ・ロスだったかに「ひどい下手くそ」といわれたサンディー・ネルソンにできるプレイではありません。

干支が一回りするだけの時間がたって、ジム・ゴードンが同じ曲をプレイしたわけですが、やはり、時代が異なり、プレイヤーが異なるので、同じハリウッドのスタジオ・プロジェクトでありながら、ずいぶんと感触が違います。まあ、ジミーとしても、この盤はちょっと異質な音楽スタイルだったのですが。

もうすこしサンプルをあげるつもりだったのですが、今日、このあたりの曲を、と思ったものは、ほとんどクリップがあって、最後もクリップです。

Cecilio and Kapono - Someday


では、次回は体調を整えて、ブライアン・ウィルソン・シリーズに復帰するつもりです。


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エヴァリー・ブラザーズ
New Album
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エヴァリー・ブラザーズ(ボックス)
The Price of Fame
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インクレディブル・ボンゴ・バンド
Bongo Rock (Rmxs)
Bongo Rock (Rmxs)


セシリオ&カポーノ
エルア(紙ジャケット仕様)
エルア(紙ジャケット仕様)
by songsf4s | 2011-10-30 23:56 | ドラマー特集
Now Listening プロコール・ハルム「All This and More」ボックス
 
今日は終日出かけていたので、軽くプロコール・ハルムのボックスについて。

昔は好きなドラマーがたくさんいました。その後、だんだんストライク・ゾーンが狭まってしまったのですが、ざっと見渡して、ドラマーが嫌いだったバンドは、大人の目で見ても、やはり、ドラマーが下手なうえに魅力がないし(チャーリー・ワッツ、ジンジャー・ベイカー)、ドラマーが好きだったバンドは、上手いか(ボビー・エリオット、ジョン・ボーナム)、または、下手でも魅力がある(デイヴ・クラーク、キース・ムーン)と感じ、とどのつまりが、小学校、中学校の自分の好みに、修正を加える必要はまったく感じません。

とりわけ、プロコール・ハルムのB・J・ウィルソンは、昔も今もドラミングを聴く喜びを与えてくれます。

まずは一曲、セカンド・アルバムからそのオープナー、Quite Rightly So



デビュー・ヒット、A Whiter Shade of Pale(海外ではAWSoPと略す。オーソップと発音するのだろう)はセッション・ドラマーによるものでした。直後にメンバーの入れ替えがあり、かつてブルッカーとR&Bバンド(パラマウンツ)でプレイしたB・J・ウィルソンとロビン・トロワーが呼ばれ、結局、パラマウンツ+マシュー・フィッシャーといった感じで最初の3枚のアルバムが録音されます。

デビュー盤のアルバム・トラックにもいくつかいいプレイがあり、自分のバンドのドラマーといっしょに、すごいすごいと騒いでまわりました。ファーストから一曲。マシュー・フィッシャー作、悔い改めよワルプルギス、別名、Jun, clasical elegance

Procol Harum - Repent Walpurgis


わたしはスネアで16分のパラディドルを叩くBJが大好きです。彼の最大の特徴はそこにあります。うまく分析できないのですが、ひとつは、弱く入って出口は強く、というクレッシェンドを使っている(ハル・ブレインもよくやる)から、目立つのだと思います。

たとえば、これはセッション・ワークですが、ジョー・コッカーのWith a Little Help from My Friendsでも、そういう16分のパラディドルが出てきます。



ユーチューブにはこの曲のライヴがいくつかありますが、Mad Dogs and Englishmenツアーは、ジム・ゴードンとジム・ケルトナーの史上最強ダブル・ドラムによる凄絶なプレイ、ひとつは馬鹿もいい加減にしろという、ボロボロ・ツアー・バンドによるテレビ・ライヴ(たぶん)、もうひとつはこれまたひどさもひどし、小学生のようなツアー・バンドによるウッドストックのライヴです。

Mad Dogs and Englishmen - With a Little Help


完全にイッちゃっているジム・ゴードンがすげえものです。畢生の名演。ミュージカル・ダイレクターはリオン・ラッセル、彼はギターとピアノもプレイしました。ベースはカール・レイドル。豪華ツアー・バンドでした。

ジム・ケルトナーは、このツアーでずっとジム・ゴードンのとなりでプレイしたのは、いい勉強になったと回顧しています。

しかし、上手い人というのは、16分のパラディドルで似たような抑揚を使うものです。並べてみて感心してしまいました。

ジム・ゴードンはいちおう参考にB・J・ウィルソンのプレイを聴かされたのでしょう。たぶん、それで、この曲については、BJのパラディドルのイントネーションを引き写してみたのではないでしょうか。あっさり、きれいに、コピーしたと思います。

だれかのプレイをいいと思って、一丁やってみるかと、ほんとうに精確にコピーできるのは、上手い人だけです。いや、後半に登場する、二人のユニゾンによる、フォルテシモのロールは、BJの引き写しなんかではなく、「二人のジム」にしかできない強烈なプレイだと思います。

◆ All This and Moreボックス ◆◆
よけいなことばかり書いているから、肝心なAll This and Moreボックスについてふれる余裕があまりなくなってしまいました。

3枚のCDとDVDによるこのボックスは、基本的にはライヴ・ボックスという感じです。ベスト盤部分もあるので、徹底性に欠け、それが欠点といえるでしょう。だって、もうベスト盤も、アウトテイク盤も、われわれはみな聴いたわけで、あとはライヴでのプレイにしか興味がないのはわかりきったことです。

ベスト盤で注釈しておくべきは、Repent Walpurgisは、当時のLPと同じ短縮版が収録されているということ、それから、In the Wee Small Hours of Six Penceは、シングル・ヴァージョンが収録されている、ということぐらいでしょうか。

Procol Harum - In the Wee Small Hours of Six Pence


このクリップは45ヴァージョンです。マシュー・フィッシャーのオルガンも、B・J・ウィルソンも活躍しないので、はっきりいってこのヴァージョンはよくないと思います。とくに、あたくしはゲーリー・ブルッカーのヴォーカルごときには毫も興味がない人間ですから。

プロコール・ハルムとは、わたしの観点からは、マシュー・フィッシャーのハモンドとB・J・ウィルソンのドラムなのであって、あとはなんだって適当なものでかまわないのです。

30周年記念ボックスから、アウトテイクのほうのIn the Wee Small Hours of Six Penceを。

サンプル Procol Harum "In the Wee Small Hours of Six Pence"

一カ所、フィルインの途中でスティック同士を叩き合わせるミスをしていますが、こちらのほうがずっと変なプレイで、なかなか楽しめます。ドラミングはやはりチャレンジングであるべきなのです(とハル・ブレインのキャリアはわれわれに訴えかける)。

マシューはいつものようにすばらしいドロウ・バー・セッティングによる、この人にしかできないプレイをしています。

◆ オーセンティシティーの力強さ ◆◆
さて、肝心のライヴ・トラックですが、BJのプレイは、いいものもあれば、それほどでもないものもあります。CDでは、ディスク3のオープナー、New Lamps for Oldなんか、感銘を受けました。子どものころからずっと好きだった人がここにいます。

DVDは最近の録音のほうが時間が長いのですが、はじめのほうに数曲、1974年の録音があり、BJのドラミングを見ることができます。このDVDからの画像ではないのですが、以下のようなラインアップによるものです。

Procol Harum - The Unquiet Zone


BJといえばカウベル・プレイが気になりますが、DVDのオープナー、Bringing Home the Baconで派手なカウベルを聴けます。やっぱりドラマーは動いているところを見るのがいちばんです。

いつのことだったか、1972年だったように思いますが、武道館でBJを見ました。驚いたのは、スネアを胸の高さにセッティングしていたことでした。いつもそうというわけではないのですが、たまに異様に高くするときがあり、All This and Moreボックス収録のクリップでは、そういう状態を見ることができます。

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こうしてよく見ると、スネアを高くセッティングするのではなく、ストゥールを異様に低くしているのだとわかります。まあ、結果は同じことですが。教師についたら、こんな叩き方は即座に直されてしまうでしょうが、すでにできあがった上手い人は、好きなようにやればいいのです。

そろそろタイム・イズ・タイト。BJ没後のクリップが3分の2ほどを占めていますが、数曲でマシュー・フィッシャーがハモンドをプレイしています。他のメンバーはぞっとするほどひどいのですが、マシューがいると、やはり鶏群の一鶴、掃き溜めの鶴、すばらしい音がにじみ出てきて、そこだけは感銘を受けます。

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いつも、ハモンドはドロウ・バー・セッティングで決まると考え、このブログでも何度もそれを強調してきましたが、All This and Moreボックスを聴いても、年来の考えは間違いではなかったと感じます。

しかし、同時に、ドロウ・バーは重要だけれど、やはりそれだけではないことを確認しもします。たいした抑揚などつけられない楽器なのに、やはりプレイヤーによって大きな違いが生まれることを、マシュー・フィッシャーのプレイは教えてくれます。

いわずもがなですが、それ以外のトラック、つまり、BJもマシューもいないものは、DVDから削り取りたくなります。凡庸なドラム、退屈なヴォーカル、くだらないギター、「闘牛の額のような愚劣」そのものです。


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プロコール・ハルム(3CD+1DVD)
All This & More (Bonus Dvd)
All This & More (Bonus Dvd)
by songsf4s | 2011-08-03 23:48 | 60年代
増補ハル・ブレイン・ディスコグラフィー読解 その6 The Defranco FamilyとThe Partridge Family
 
アール・パーマーやジム・ゴードンのベスト・トラックを選んだり、ゲーリー・チェスターのディスコグラフィー検討をなどということをしたのに、なぜいままで、もっとも重要なハル・ブレインの特集をしなかったかといえば、疲れるからです。

CMやジングルや映画音楽まで含めると、4万曲ともいわれるハル・ブレインのキャリアから上澄みを選ぶのは、それなりに面白い作業で、昔、カセットをつくったことがありますが、自分で楽しむならいざ知らず、それを公開するとなると、あれこれ手続きが必要で、考えるだけでげんなりしてしまいます。

◆ デフランコ・ファミリー ◆◆
重要なアーティストだとひどく手間がかかるので、今回はごく軽いものを選びました。

デフランコ・ファミリー・フィーチャリング・トニー・デフランコ Heartbeat It's a Love Beat


変な絵柄ですが、ほかのものはすべて音が悪いため、これを選ぶハメになりました。あなたがかつてトニー・デフランコにキャーといった覚えのある元少女なら、関連動画でテレビ出演時のクリップをご覧になるといいでしょう。

デフランコ・ファミリーは、ベスト盤を買って一曲目を聴いた瞬間、ハルじゃん、と思ったのですが、回想記に付されたビルボード・トップ10ヒッツ・ディスコグラフィーにはHeartbeat, It's a Love Beatはリストアップされていませんでした。

こんなにわかりやすい曲を間違えるとは思えなかったので、ハルのほうがリストアップし忘れたものとみなし、かつてオオノさんのサイトで公開していた、わたしが増補したディスコグラフィーには、脚注として入れておきました。

デフランコ・ファミリーは、カナダ出身の家族コーラス・グループで、ごく短いあいだでしたが(子どもだからいいのであって、大人になってしまうと面白くない)、数曲をヒットさせています。

◆ パートリッジ・ファミリー ◆◆
デフランコ・ファミリーのロール・モデルになったのは、たぶんこのグループでしょう。

パートリッジ・ファミリー I Think I Love You


どなたもすでに先読みしていらっしゃるでしょうが、パートリッジ・ファミリーのドラマーもやはりハル・ブレインでした。パートリッジ・ファミリーはくだらないかもしれませんが、ハルはいいバックビートを叩いていて、おおいに楽しめる曲です。

いま、「カリフォルニア」といったとき、われわれが、燦燦たる陽光、青い空、ビキニ・ガールにサーファー・ボーイ、フリーウェイに車、といったものを想起するのは、ブライアン・ウィルソンのせいだ、ということをデイヴィッド・リーフが書いていました。

それはそうかもしれないなあ、と思ういっぽうで、ひょっとしたら、ハル・ブレインがいなければ、ブライアン・ウィルソンの力をもってしても、独力で「カリフォルニアを発明する」ことはできなかったのではないかとも思います。

ハル・ブレインよりうまいドラマーはいるでしょうが、彼ほど底抜けに明るいグルーヴをもったドラマーはいません。63年から68年にかけて、ハル・ブレインがプレイした曲がビルボード・チャートを埋め尽くしたのは、たぶん、うまさのせいというより、ビートの明るさの賜物だったのではないか、と考えています。

パートリッジ・ファミリーやデフランコ・ファミリーのような、親が安心できるアイドル・グループの、明朗なるグルーヴをつくるのは、ハル・ブレインの天職だったといっていいでしょう。

◆ さらにファミリー・グループ ◆◆
ハル・ブレインは関係なくなりますが、逆尻取りというか「頭取り」をつづけます。パートリッジ・ファミリーはドラマのなかの架空の家族でしたが、ドラマのなかの架空のバンド、モンキーズが、実在のバンド、ビートルズをモデルにしたように、架空のパートリッジのモデルとなったのは、この実在の家族コーラス・グループだったのでしょう。

カウシルズ The Rain, the Park and Other Things


このクリップを見ると「ビートポップス」を思い出します。あのころはプロモーション・フィルムというのは少なかったので、強く印象に残りました。

これはハル・ブレインではないのですが、軽いヒットのスネアのサウンドも気持よく、じつに好ましいドラミングです。もちろん、子どもにこんなドラミングができるはずもなく、べつのアルバムでは、たしか、ハリウッドのプレイヤーの関与を裏付けるデータが出てきたはずですが、ハルはかすっていないようです。うーん、とすると、他の町のプレイヤーか、それともなければジム・ゴードンでしょうか?

ファミリー・コーラス・グループということでは、もうひとつ、大物がありますが、どうしますかね。まあ、ここまでやったのだから、あと一曲だけ。

ジャクソン5 ABC


これはハリウッド録音で、ドラムはエド・グリーンといわれていますが、べつのパーソネルを見たこともあります。ヒットしているときは、やはりドラミングに耳を引っ張られました。

しかし、ジャクソン5はファミリー・コーラス・グループの系譜に置くべきなのか否か、ちょっと微妙なところだなあ、と思いました。形式上は当てはまるのですが、サウンドの色合いはかけ離れていますから。

◆ 三歩前に出て師の影を踏もう ◆◆
いまでもよくあるのですが、「ハル探し」に夢中になっていたころ、しばしばジム・ゴードンのプレイをハルと取り違えました。

師匠と弟子などという関係ではないのですが、ジミーがハリウッド音楽界に居場所をつくれたのは、ハル・ブレインの推薦のおかげだといわれています。そして、「筋目」をいうなら、アール・パーマー→ハル・ブレイン→ジム・ゴードンおよびジム・ケルトナーという順序でハリウッド・ドラマー・キングの王冠が継承されました。

ジム・ケルトナーがいっていましたが、あの時代、というのは60年代なかば、彼がハリウッドのスタジオで仕事をはじめたころのことでしょうが、ハル・ブレインのようなサウンドをつくれれば、あまった仕事がまわってきたので、必死にハルのチューニングをコピーしたのだそうです。

そういうわりには、ジム・ケルトナーのサウンドはそれほどハルに似ていません。しかし、ジム・ゴードンは、ハルが行けないセッションに、ハルの代理として送り込まれることでハリウッド音楽界に地歩を築いたので、じつによく似たサウンドをつくっていました。

ハルのセットはラディック、ジム・ゴードンはキャムコで、ぜんぜんメーカーが違うのに、スネアなんかハルそっくりですし、タムタムだってどっちだろうと考え込むこともしばしばです。サウンドが似ているだけならともかく、タイムもかなり近いので、ハルかジムか、で七転八倒したことは数知れません。

デフランコ・ファミリーはハルにちがいない、と卦を立てて、幸い、今回のディスコグラフィー補足でコンファームされたからいいようなものの、大間違いのコンコンチキだったことがわかった曲もあります。

いまだに納得がいかず、ハルじゃないのかなあ、と未練がましくいっているのはこの曲。

ゲーリー・パケット&ザ・ユニオン・ギャップ Woman Woman


しかし、これはどうやらジム・ゴードンだったようで、ハルのトップ・テン・ヒッツには登場せず、今回の増補でも出てきませんでした。ハルが叩いたユニオン・ギャップのヒット曲はこちらのほうです。

ゲーリー・パケット&ザ・ユニオン・ギャップ Young Girl


そりゃそうだろう、これがハルじゃなければ、天地がひっくり返るぜ、というプレイです。それにしても、Woman Womanのジミーのプレイは、完璧な贋作ハル・ブレインで、あそこまで似せるのは凡夫のよくなすところではなく、やはり名人の境地というべきでしょう。

いまだにどちらなのかわからない曲というのもあります。

アルバート・ハモンド It Never Rains in Southern California


この曲のドラムは悩みました。これはハル・ブレインのトップ・テン・ヒッツにリストアップされているのですが、ジム・ゴードンのプレイであるというデータもあるようなのです。

いつまでもぐずぐずしているのも癪なので、結論を出します。ジミーのプレイでしょう。1)フロアタムがいつものハルより低く重い、2)間奏でライドベルを使っている(ジミーがしばしばやった)、という二点でそう思います。ハルほどの軽みがなく、やや重厚です。

この曲のフロアタムのサウンドがリファレンスになるでしょう。

カーリー・サイモン You're So Vain (featuring Jim Gordon on drums)


最初にスタジオ・ドラマーの凄みを教えてくれたのはジミーなので、この曲がヒットしたころは彼のプレイを探しまわっていました。カーリー・サイモンには取り立てて興味はないのですが、ジム・ゴードンはやはり只者ではない、とおおいなる感銘を受けた曲です。

こういうことがあるので、ハル・ブレインには今後もデータをアップしつづけて欲しいと思いますし、ジム・ゴードンには早く出所してもらって、オフィシャル・サイトをつくり、栄光の時代を回顧してもらいたいと願っています。ジミーが自伝を書いたら売れるでしょうねえ。The Killing Beatとかいって!


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It's a Heartbeat, LovebeatおよびIt Never Rains in Southern Californiaを収録
Vol. 10-Have a Nice Day!
Vol. 10-Have a Nice Day!


パートリッジ・ファミリー
Come on Get Happy: Very Best of Partridge Family
Come on Get Happy: Very Best of Partridge Family


ゲーリー・パケット&ザ・ユニオン・ギャップ
A Golden Classics Edition
A Golden Classics Edition


アルバート・ハモンド
Greatest Hits
Greatest Hits


カーリー・サイモン
No Secrets
No Secrets


カウシルズ
Best of the Cowsills
Best of the Cowsills


ジャクソン5
Ultimate Collection
Ultimate Collection
by songsf4s | 2011-07-20 23:55 | ドラマー特集
祝オフィシャル・ゲーリー・チェスター・ウェブサイト誕生 その3 Going Out of My HeadとBrown Eyed Girl
 
もう24時間近くたってしまいましたが、散歩ブログを更新しました。

樹の上を歩むもの──本牧散歩どん詰まり篇

◆ リトル・アンソニー&ディ・インペリアルズのオリジナル ◆◆
ゲーリー・チェスター・トラックスの三回目、今回もまた、音楽ファンならたいていの人は知っている人口に膾炙した曲です。

リトル・アンソニー&ディ・インペリアルズ Going Out of My Head


うんざりするほどカヴァーのある曲なので、だれのヴァージョンから入るかは人それぞれ神のみぞ知るヴァリエーションがあるでしょうが、オリジナルは、ゲーリー・チェスターがドラム・ストゥールに坐った、このリトル・アンソニー&ディ・インペリアルズのヴァージョンです。

ライターは、テディー・ランダツォーとBobby Weinstein、プロデュースは前者です。きわめてフィル・スペクター的なサウンドだという点が好ましくもあるのですが、そういうことから離れたレベルにおいても、なかなかいいプロデューシングだと感じます。これだけきっちりつくってヒットしなかったらこの世は闇、もちろん、大ヒットし、スタンダードとなったのはご存知の通り。

◆ 各種カヴァー ◆◆
こういう曲を持ち出しておいて、聴きくらべもせずに通り過ぎられる人間ではないので、ゲーリー・チェスターの話から外れますが、ちょいとほかのヴァージョンも聴きます。いや、ちょいとなどと気楽なことはいえないほど、汗牛充棟なのですが。

まずはハル・ブレインの叩きまくりが楽しいクリス・モンテイズのヴァージョン。

クリス・モンテイズ Going Out of My Head


ひどい音のクリップなのが残念至極。盤ではハルのタムタムとフロア・タムが深い、いい音で鳴っていて、この曲のもっとも好ましいカヴァーのひとつです。

つぎはちょっと変り種、フィリー・ソウル・アレンジです。

デルフォニックス Going Out Of My Head


ハル・ブレインのあとには聴かないほうがいいドラマーですが、こういうアレンジを聴くと、コーラスのスタイルこそが決定的イングリージェントなんだな、と思います。ドラムやベースについてはべつにフィリーらしさなどは感じず、たんにうまくないだけですが、コーラスのつくりは徹頭徹尾非白人的で、これこそがブラック・コーラス・グループの味だと感じます。

イギリスものをつづけて二種。

ペトゥラ・クラーク Going Out of My Head


冒頭はちょっと感情表現が強すぎて違和感があるのですが、さすがはペット、まずまずのところに収めています。音はスタジオ録音と同じものです。ドラムはいいのですが、ティンパニーの遅れがすごく気になります。たとえ意図した遅れであっても、いくらなんでもこれは遅すぎるでしょう。

ゾンビーズ Going Out of My Head


コリン・ブランストーンの声に合った曲を選んだと思います。何年か前に、ゾンビーズの初期トラックのリアル・ステレオ・ヴァージョンが出ましたが、モノより格段にいいマスタリングです。

人それぞれ、さまざまなヴァージョンを入口にしたであろうと書きましたが、わたしの場合は、リトル・アンソニーのオリジナルにたどり着いたのはずっと後年のこと、最初に聴いたのはこのカヴァーでした。

セルジオ・メンデス&ブラジル66 Going Out of My Head


久しぶりに聴いて、へえ、露骨にジャズ・ピアニストしてるじゃん、と笑いました。コードの扱い、テンションのつけ方がきわめてジャズ的で、まだポップ市場を強く意識していなかったことがわかります。いや、後年のポップ的なピアノより、こちらのほうが面白いと思いますが。

このドラマー、変なタイミングのビートもあるのですが、最初の音であるキックの一打は、やや早めではあるものの、いいポイントで叩いて、そういえばセルジオ・メンデスはこういう感じでドラムが四拍目を強めのアクセントで叩いて入ってくる(またはストップ・タイムからの戻りが四拍目の一打)のが多かったな、と思いました。そういうスタイルというのを、子どものころのわたしはセルジオ・メンデスのサウンドと考えていたようです。たとえば、Night and Dayがそうでした。いや、クリップは貼り付けませんが。

ウェス・モンゴメリー Going Out of My Head


わたしの大嫌いなグレイディー・テイトがドラムですが、バックビートはいつもよりずっとマシで、なんだ、チャーリー・ワッツよりうまかったのかと感心しました。しかし、ドラミング設計はゾッとするようなダサさ。この人のもっともいけないところは、抑揚のセンスが最悪だということであって、タイムが悪く感じるのは、イントネーションが悪いことの結果にすぎないのかもしれないと認識を改めました。

ハル・ブレインはウェスには合わなかったでしょうが、メル・ルイスかシェリー・マンあたりだったら、まったくちがった味わいになったでしょうに。あ、これはNYだから、そういうメンバーは無理、なら、バーナード・パーディーぐらいのクラスを呼んでくれよ、です。この泥臭さは我慢ならんぜ>誰だか知らないウェス・ベンチ。

ウェスはいつものようにきっちりプレイしていますが、音楽というのは単独のプレイヤーがつくるものではなく、アンサンブルなのだということを痛感させられます。だって、ウェスもいつもうまいわけで、二、三曲聴くと、やはり「それで?」といいたくなります。アレンジ、サウンドがよくなければ、うまいぶんだけよけいに退屈です。

ウェスの晩年はイージー・リスニングなどといわれていましたが、そういうものをつくるなら、もっときちんとアレンジしないと楽しめるものにはなりません。言い訳のできるお芸術の世界とちがって、ポップというのは、半チクなアレンジャーにはハンドルできない、きびしい世界だということを理解していなかったのでしょう。もっとずっとマシな「イージー・リスニング」は山ほどあります。ウェスを聴くなら、初期のコンボのものでしょう。

ほかには、フランク・シナトラ、ビリー・ストレンジ、ビリー・メイ、ジェリー・フィールディング・ウィズ・ハリウッド・ブラス、ジャッキー・グリーソン、レターメン、フィフス・ディメンションなどがわが家にはありますが、まあ、このへんでよろしいでしょう。ジャッキー・グリーソンのずぶずぶの甘さはちょっと面白いのですが(中間でチェンジアップとしてシタールが入ってくる!)、まあ、サンプルにするほどでもありません。

◆ Brown Eyed Girl ◆◆
ゲーリー・チェスターのディスコグラフィーにあるものをもう一曲。

ヴァン・モリソンがアメリカに渡ってバート・バーンズのバング・レコードと契約して最初にリリースしたアルバムからの、ソロ・デビュー・シングル。彼にとって、唯一のシングル・ヒットらしいシングル・ヒットではないでしょうか。

ヴァン・モリソン Brown Eyed Girl


忘れもしない、ウルフマン・ジャックがしばしばこの曲をかけ、ヴァンの歌に割り込んで、ナンセンス・シラブルをがなりたて、134号線の渋滞に捕まったわれわれも、いっしょに、ラララ、ラディーダ! と車中で叫んだものです。あのときには、もうずいぶん昔のヒット曲になっていたのですが、ウルフマン・ジャック・ショウは、そんなことにはおかまいなし、しじゅうかけていました。

LPのパーソネルは以下のようになっています。

Gary Chester: Drums
Herb Lovell: Drums
Bob Bushnell: Bass
Artie Butler: Keyboards
George Devens: Percussion
Eric Gale: Guitar
Al Gorgoni: Guitar
Hugh McCracken: Guitar
Don Thomas: Guitar
Paul Griffin: Keyboards
Van Morrison: Guitar/Keyboards/Saxophone/Vocal
Russell Savkas: Bass
Arthur Kaplan: Wind
Seldon Powell: Wind
Cissy Houston: Vocal
Dee Dee Warwick: Vocal
Jeff Barry: Percussion/Vocal
Bert Berns: Vocal
Brooks Arthur: Vocal
Myrna Smith: Vocal

Brown Eyed Girlは楽曲そのものがゲーリー・チェスターのディスコグラフィーにあげられているので大丈夫でしょうが、「T.B. Sheets (LP)」と書かれている点については、ハーブ・ラヴェル(ハル・ブレインがメンバーとして加わったころのジョン・デンヴァー・バンドのドラマー)のトラックもあるようなので、吟味を要するでしょう。

ベースは、ラインといい、タイムといい、なかなか好みですが、ボブ・ブッシュネルについても、ラッセル・サヴキャスについても、ほかに記憶がなく、参照もできないので、どちらなのか判断の手がかりはありません。

エリック・ゲイル、ヒュー・マクラケン、アル・ゴーゴーニというギター陣は、60年代後半から70年代にかけてのNYのロック系のレギュラーです。

この曲のカヴァーはわたしが知るかぎり、ジョニー・リヴァーズのものしかありません。なかなかいい出来なのですが、クリップはひどい音なので、これは自前サンプルを。

サンプル Johnny Rivers "Brown Eyed Girl"

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Johnny Rivers "L.A. Reggae" リリース当時もその後も、じつによく聴いた。ハル・ブレインのときとは異なるサウンドで、これはこれで好ましい。

ヴォーカルについてはヴァン・モリソンのほうが上でしょうが、全体のサウンドとしては、ドラム=ジム・ゴードン、ベース=ジョー・オズボーン、ギター=ディーン・パークスおよびラリー・カールトンというジョニー・リヴァーズ盤もNYのトラックに劣りません。どちらかというと、昔はジョニー・リヴァーズ盤のほうを頻繁にターンテーブルに載せました。

どうしても、自分がリアルタイムで聴いた曲が多くなりがちですが、次回はもう少し古い、50年代終わりから60年代はじめのあたりで、なにかみつくろってみたいと思います。


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リトル・アンソニー&ディ・インペリアルズ
Best of Little Anthony & Timpe
Best of Little Anthony & Timpe


ヴァン・モリソン
Bang Masters
Bang Masters


デルフォニックス
La La Means I Love You / Sound of Sexy Soul
La La Means I Love You / Sound of Sexy Soul


ゾンビーズ(ステレオ・リマスター)
The Decca Stereo Anthology
The Decca Stereo Anthology


セルジオ・メンデス&ブラジル66
ヴェリー・ベスト・オブ・セルジオ・メンデスとブラジル’66
ヴェリー・ベスト・オブ・セルジオ・メンデスとブラジル’66


ジョニー・リヴァーズ
Blue Suede Shoes / La Reggae
Blue Suede Shoes / La Reggae
by songsf4s | 2011-06-18 23:44 | ドラマー特集
グレイトフル・デッドのブランチ探し その6 Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu
 
もうお忘れの方もいらっしゃるでしょうし、お初という方もいらっしゃるでしょうから、この記事のタイトルの意味を改めて説明します。

グレイトフル・デッドがカヴァーした曲のオリジナル一覧というものがあります。ものすごく長いリストなので、ここに改めてペーストはしませんが、「グレイトフル・デッドのルーツ、ではなく、ブランチ探し序曲」という記事に全曲リストアップしてあります。

むろん、ファンとしては、デッドがどこから曲をもってきたかは知りたいことです。でも、問題は、デッドはおそろしくキャリアが長く、レパートリーも膨大で(ロック界の古今亭志ん生!)、これがあの曲のルーツといわれても、えーと、その曲って、デッドはいつカヴァーしたんだっけ、と頭を掻くようなものがたくさんあります。

ということで、ルーツから逆にたどって(いや逆にたどったものを、さらに逆にたどるのだが)、オリジナル曲のリストを参照して、デッドのカヴァー・ヴァージョンを見つけて聴いてみようというのが、この「グレイトフル・デッドのブランチ探し」シリーズの趣旨であります。ルーツの反対なのでブランチ。よろしいあるか?

◆ ロッキン風邪でブギーウギー流感なのよ ◆◆
本日はRockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Fluです。昔から好きな曲ですが、デッドがやっていたとは知りませんでした。しかも、もっともいい時期の録音があります。いや、そのまえに、オリジナルから。

ヒューイ・ピアノ・スミス Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu


うーん。こういうサウンドは好みの分かれるところでしょう。嫌いではありませんが、とくにこういうのが好きというわけでもありません。たしかに、ピアノ・プレイには独特の魅力がありますが。

デッドのヴァージョンのクリップはないので、かわりに、とりあえずジェリー・ガルシア・バンドのクリップを。ドラムはロン・タット、ベースはジョン・カーンという悪くないメンバーですが、ガルシアは不調のようです。

JGB Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu


といってすますのもなんなので、デッド・ヴァージョンはサンプルにしました。

サンプル Grateful Dead "Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu"

So Many Roadsボックスのどの曲だったか、サウンドチェックのときに、ジェリー・ガルシアが、この曲を知っているか、俺は若いころ歌ったことがある、といって、シンプルなカントリー・チューンを歌いはじめると、まわりがそろりとついていくところがありましたが、このRockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Fluはあれに似ています。

このトラックが録音された1972年のヨーロッパ・ツアーは、デッドの歴史におけるひとつのピークで、それを記録したアルバムEurope '72にはすぐれたトラックが多数収録されています。現在、流通しているヨーロッパ・ツアーの全曲を収録したボックスが72枚組、当時リリースされたLPは3枚組、それをCD化したものは2枚組、36分の1の競争率で選ばれたトラックと、あとからリリースされたそのアウトテイクの比較だから、という以上に、このRockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Fluのプレイは不安定です。

ビル・クルツマンなんか、まだ方針が立っていないという雰囲気のプレイで、お世辞にもすばらしいとはいえませんが、後半、なんとなく形ができてきて、あと数回、ステージでやれば、まったく黒さのない、デッド独特のヴァージョンができあがるのではないか、と想像してしまうところが、ファンとしては楽しいところです。

◆ LA的折衷サウンド ◆◆
わたしがもっともよく聴いたヴァージョンはジョニー・リヴァーズのものです。

ジョニー・リヴァーズ Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu


ドラムはジム・ゴードン、ベースはジョー・オズボーンです。ジミーは派手なことをするわけではありませんが、このアルバムでは終始一貫、レイドバックした、しかし、よけいな重みのないグルーヴをつくっていて、彼の代表作のひとつといえます。

記憶ですが、ギターはディーン・パークスとラリー・カールトン。どちらが主としてリードをとったのかは不明ですが、当時、「規定演技」のうまいプレイヤーだなあ、と思いました。クレジットはありませんが、ディーン・パークスはジョニー・リヴァーズの多くのアルバムをアレンジしたそうです。

ピアノはラリー・ネクテル。すごいプレイとはいいませんが、「明日に架ける橋」のできそこないクラシック風ピアノに比べれば(あの程度のプレイを誉める人間がたくさんいるのはどういうことなのだ? だれも音なんか聴いていないということか?)、はるかに賞賛に値するプレイで、ラリーとしては上々の部類だと思います。リオン・ラッセルだったら、こういう曲では泣く子も黙る凄絶なプレイをしたでしょうが。

でもまあ、つまるところ、この曲はジム・ゴードンとジョー・オズボーンの「ゲーム」であり、ほかのことはそれほど重要ではありません。黒さと余分な重さのない、それでいてソウルフルなグルーヴで、わたしのおおいに好むところです。

◆ その他のヴァージョン ◆◆
なにしろ有名な曲なので、ほかにもたくさんあります。もう満腹で、これ以上はけっこう、という方も多いでしょうが、いちおう貼り付けておきます。

ジェリー・リー・ルイス


ロイ・ミルトン&ミッキー・チャップマン


ロイ・ミルトンはセントラル・アヴェニューR&Bの代表的なシンガーで、LA南部のサウンドを知りたければ、いの一番で聴くべき人です。ミルトンはドラマーでもありました。当時は一発録りなので、ミルトンはドラムをプレイしながら歌ったために、他のシンガーより強いバックビートが録音されることになった、なんていう話も伝えられています。

もう2種、自前サンプルを。

サンプル Alan Price "Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu"

サンプル Ronnie Mack "Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu"

ロニー・マックはMemphisのヒットがある、ギター・インストの人なのですが、よくあったパターンで、女声ヴォーカル入りでやっています。このちょっと脂っけの強い音には、それなりの魅力があります。

時間がないので、以下はただベタベタとペースト。

パティー・ラベル


クリケッツ(ホワイト・ドゥーワップ風)



クリス・ファーロウ(ギター・ブレイクよし)


フレイミング・グルーヴィーズ


ジョニー・リヴァーズ(近年のライヴ。ドサでもそこそこ)



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グレイトフル・デッド
Steppin' Out with the Grateful Dead England 72
Steppin Out With the Grateful Dead England 72


ジョニー・リヴァーズ
Summer Rains: The Essential Rivers 1964-1975
Summer Rains: The Essential Rivers 1964-1975


ヒューイ・ピアノ・スミス
Having a Good Time
Having a Good Time


ジェリー・ガルシア
All Good Things: Jerry Garcia Studio Sessions
All Good Things: Jerry Garcia Studio Sessions
(大量のボーナス・トラックを加え、リマスターしたスタジオ録音のソロ・アルバム4種に、ボーナス・ディスクを付した5枚組ボックス)
by songsf4s | 2011-06-04 23:57
ハンク・マーヴィンと十人のインディアン(にはちょっと足りなかった)
 
昨日はゴールデン・ウィークの中日だったにもかかわらず、お客さんが非常に多く、記録をとっているわけではないのですが、十本指に入るほどでした。パートナーのブログも過去最高のヴィジター数だったそうで、やはり天気が悪くて、ウェブで遊ぶことにしたかたが多かったのでしょう。

われわれは、歩け歩けなので、夕方から小雨と読んで、ただし、雨は確実に降ると考えて、すぐに避難できる横浜を歩いてきました。天気のいいあいだは野毛のほうを歩いてランチ、その後、海のほうに行き、また山手のほうにのぼろうとしたところで降られたので、あとは海岸のショッピングモール地帯のビルを巡礼しました。

ランドマーク・タワーやワールド・ポーターズや赤レンガ倉庫なら、雨に濡れずに長時間遊べる、というのは、きわめて独創的な考えというわけではないので、さしもの巨大モール群も、ちょっとした混雑で、浅草の観音様にお参りしに来たようなことになってしまい、笑いました。

◆ アパッチの群 ◆◆
さて、今日もウォーキング・ブルーズはつづくのでして、まもなく出かけるのですが、コメント欄に寄せられたk_guncontrolさんのシャドウズに関する話に関連するクリップを貼り付けておこうと思います。

まず、オリジナルであるシャドウズのアパッチから。

ザ・シャドウズ Apache


これについて、シャドウズのだれかの談話がウィキペディアにある、というのがk_guncontrolさんのコメントでした。以下のような話です。

What's the most distinctive sound of our group? We often wondered what it is ourselves. Really, it is the sound we had when we recorded "Apache" - that kind of Hawaiian sounding lead guitar... plus the beat

「ぼくらのもっとも特徴的なサウンドは何かだって? それは自分たち自身、よく考えることでね、じつのところ、その答えはすでにApacheでのサウンドにあるんじゃないかな。あのハワイアン的なリード・ギターの音さ。それに、もうひとつはビートだろう」

ここには、イタリア製のエコー・マシンを使ったとあって、なるほど、それでよそとはちがう音になったかと腑に落ちました。ふつう、ギターのエコーというと、アンプに付いているリヴァーブを考えるのですが(無数のプロが録音につかったフェンダーの代表的なアンプのモデル名がTwin Reverbだというのはなぜかといえば、発売されたとき、リヴァーブがこのアンプの最大の武器だったからだ)、そうではなかったということです。

さらにk_guncontrolさんはハンク・マーヴィンのエコーに関するコメントを紹介していらっしゃいます。

ハンク・マーヴィン、ApacheとWonderful Landのエコーについて


エコーは二次元でコントロールします。SpeedとDepthです。ここで、ハンク・マーヴィンは、曲によって速度を変化させることを語っています。

ここでは二曲を例にしていますが、わたしは、 Apacheより、後半で取り上げられたWonderful Landのほうがずっと好きで、こちらは自分でもよくプレイ・アロングしています。弾いて楽しい曲です。

シャドウズ Wonderful Land


ハンク・マーヴィンは、しばしば、曲の中間部分で、ミュート・ピッキングを使います。ミュートを使うと、エコーによる残響がはっきりとしたリズムで聞こえることが、前出のクリップのなかで語られています。

ハンク・マーヴィンは意識していたかどうかわかりませんが、これはすでに1950年ごろ、レス・ポールが自作ディレイ・マシンを使ってやったことです。いま、曲を見つけている時間はないので、これについてはあとで補足することにします。ミュート・ピッキングとリヴァーブの組み合わせというのは、とりわけインストゥルメンタルのギター・ミュージックではなくてはならない手法だと思います。

おまけとして、Apacheのカヴァーをいくつか貼り付けます。まず、シャドウズ盤をさしおいて、アメリカで大ヒットしたヨルゲン・イングマンのカヴァー。



はっきりいえば、シャドウズ・ヴァージョンのまえではまったく問題外のつまらない出来です。それなのになぜアメリカでは、シャドウズではなく、イングマンの盤がビルボード・チャートをかけあがったかといえば、プロモーションのせいだろうと推測します。

露骨にいえば、「ペイオーラ」=賄賂です。音楽業界では当然の慣行でした(刑事事件となったことがある)。いかに「プラグ」するかが勝負であり、会社にとって腕利きの「プラガー」はアーティストなどよりはるかに重要だったほどです。どこの世界でも、敏腕営業マンがビジネスを成り立たせているのでありましてね。

さらにべつのカヴァー。スタジオ・プロジェクトです。インクレディブル・ボンゴ・バンド、フィーチャーリング・ジム・ゴードン・オン・ドラムズ、Apache



オリジナルからはるか彼方に来ていますが、これはこれで好きです。ジム・ゴードンとしてはとくに出来のいいものというわけではありませんが、この人が叩けば、たいていのドラマーの絶頂時のプレイの数倍はすぐれたグルーヴになるわけで、わたしとしては、ジミーのドラミングはいつだって大歓迎です。しかも、中間部では、邪魔な上ものがすべて消え、ジミーのバックビートとボンゴだけになるのですから、文句ありません。

もうひとつ、今度は変り種、以前、「無理に歌えば」という記事で取り上げたことのある、ソニー・ジェイムズによるApacheのヴォーカル・カヴァーです。



あっはっは。何度聴いても、珍とマジが入り混じった妙な感じがたまりません!

それでは行ってまいります。今日は逗子から名越切通し経由で鎌倉へと歩く予定です。


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シャドウズ
Complete A's & B's
Complete A's & B's


ヨルゲン・イングマン
Apache: Guitars of Jorgen Ingmann
Apache: Guitars of Jorgen Ingmann


インクレディブル・ボンゴ・バンド
Bongo Rock (Rmxs)
Bongo Rock (Rmxs)
by songsf4s | 2011-05-04 09:39 | Guitar Instro
One Monkey Don't Stop No Show その6 夜の部
 
ここから記事を改め、3月25日夜の部に入ります。いつもよりちょっと遅くなりました。そろそろ一日二回発行体制はおしまいかな、と思っております。

まず、ツイッターで拾ったものから。アラン・E・ウォルター著『衰退するアメリカ 原子力のジレンマに直面して』に出てくるリスクに関する論考から、

さまざまなリスクの評価

まじめなものなのでしょうが、わたしは笑ってしまいました。なんとなく「数字のマジック」みたいなところがありますし、これを当てはめていくと、わたしなんか最悪のパターンに見えるからです。なんたって、男であることは危険、独身であることは危険、貧困であることは危険、ていうんですから、よく生きているな、と思っちゃいます!

ということで、ジェイムズ・ブラウンのボヤキから夜の部をキックオフ。JBはむせび泣く、It's a Man's Man's Man's World



ちょっと用ができたので、つづけて音楽。朝からずっと聴こうと思っていたというだけで、べつに意味はないのですが、黙っておいたら、きっと象徴性があるように思えるでしょうな。

ヒューズ・コーポレーション、so I'd like to know it, you got a notion, Rock the Boat



どんどんいきます。ただ70年代前半の大ヒットというだけの連想なのですが、置いてみると、やっぱり象徴性があるように見えるのは、わたしの妄想でしょうか。

ドビー・グレイ、復活の大ヒット、Drift Away



この曲のギターは、当時、ほう、と思いました。いま振り返れば、いかにもあの時代らしいというか、スムーズなランではなく、フィンガーピッキングで、わざとじゃないのかってくらいに、あっちこっちでひっかかっちゃうところに耳を引っ張られました。

ザ・バンドのロビー・ロバートソンがもてはやされたりしたのもそういうあたりじゃないのでしょうか。時代の気分てやつです。

しかし、70年代前半のギターというと、やっぱりわたしの周囲のアマチュアにとって衝撃だったのはこれじゃないでしょうか。

エイモス・ギャレット・オン・ギター、ジミー・ゴードン・オン・ドラムズ、マリア・マルダー、Midnight at the Oasis



まあ、われわれが、ギンギラギンのギターに騒ぐ年齢ではなくなったちょうどその時期に大ヒットしたということなのでしょうが、けっこうパラダイムの転換に近いようなものを感じるプレイでした。

ものすごく地味なのですが、ジム・ゴードンのドラミングも注目です。やっぱりサイドスティックは天下一品のきれいな響きですし、だれでしたっけ、この曲のアコースティック・リズムは、ジェフ・マルダーだったか、ギターの刻みと重なったハイハットもすばらしいグルーヴを生んでいます。

三日ぶりにひげを剃ってすっきりして再開。あと3曲が限界でしょう。コーヒーより俺たちのほうが先だとスターバック、Moonlight Feels Right



だんだん、フリーハンドでは曲が出てこなくなりつつあり、絶句の瀬戸際に追い込まれています。ツイッターも今夜は比較的静かで、話題を借りてくるわけにもいきません。金曜の夜で、みなさん、目の前のあれこれに忙しく、いちいちツイートなんかしてられるか、というか、さらに一歩進んで、ツイートなどできない「深刻な」状況にあるとか、そんなあたりでしょうか。

わたしは自分で積極的にフォローしたのは友人と、ごく最近の「チーム中川」だけで、あとはフォローしてくださった方をフォローしているだけなのですが、けっこういいTL(タイム・ライン。ツイッターをおやりになっていない方には説明がむずかしいが、自分がフォローしている人たちの総体としての状況が表示される画面、なんて説明でわかるかどうか)になったなあ、と思います。

音楽のほうが中心なのですが、映画好きの方も、落語好きの方も、小説好きの方もいらっしゃるし、なんだかよくわからない人もちゃんといるし(笑)、映画でフォローしてくださった方が、話してみたら、自分のようにグレイトフル・デッドが好きだったりと、バイアスのかかり方が似ていたりします。下世話にいうところの類は友を呼んだかっこうです。

いい音のクリップが見当たらないのですが、アンドルー・ゴールド、Thank You for Being a Friend



わたしが好きなのは、知的でいながら、馬鹿話が大好き、エロも辞さず、地球の危機にも、笑い話を思いついたら、披露せずにはいられないような人です。震災の直後は、騒然とし、同時に、馬鹿話が消えましたが、すぐに気を取り直したように、けっこう可笑しな話をしてくれます。もちろん、まじめな話もたくさんありますが。

こういうのはフォローしないほうがいいな、と思いながらフォローを返した人もいます。アイコンからはみ出しそうな胸に笑ってしまったのと、いかにもパアそうな若い女の子のアイコンで、こういうのを看板にしているのはどういう奴かと思って、フォローを返してみたのです。

昔、「オッドマン」理論とかいうのがあって、チームの平準化による沈滞、発想の画一化を防ぐために、はぐれ者を入れるといい、なんていっていました。そういうつもりでフォローを返したのですが、それほどの脳味噌攪拌効果はありませんでした。

よくまあ、その場に合ったタイトルの曲が思い浮かぶものだ、と自画自賛、ジョニー・ナッシュ、Stir It Up



さて、アフター・ミッドナイトなので、これで終わりにします。どうだというわけではなく、ただ、そういえばこんな曲もあったというだけ、ルッキング・グラス、Brandy (You're A Fine Girl)


by songsf4s | 2011-03-25 20:55