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岡本喜八監督『日本のいちばん長い日』 その3

これまでの2回は、ただ俳優の顔と役名を並べただけなので、プロットがぜんぜんわからないでしょうが、まだたいしたことは起きていないのです。軍部、とくに陸軍の抵抗にあって、政府はポツダム宣言受諾に踏み切れず、結局、天皇ご親裁となり、受諾が決まる、というあたりまでです。

当然、降伏反対、断固継戦を主張する人びとも紹介され(これまでにふれた人を役者の名前でいえば、黒沢年男、中丸忠雄、井上孝雄、高橋悦史、田崎潤)、波乱も暗示されます。

◆ 「老悪童」たち ◆◆
東宝映画だから当然ですが、『日本のいちばん長い日』のキャストは、あるときは黒澤映画に見えたり、あるときは東宝特撮映画に見えたりします。いや、若大将映画に見えたり、駅前シリーズに見えたりはしませんが!

しかし、他社の映画を思いだすシークェンスもあります。

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竜岡晋(石渡荘太郎宮内大臣)と中村伸郎(木戸幸一内大臣)

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北竜二(蓮沼蕃〔しげる〕陸軍中将、侍従武官長)

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この中村伸郎と北竜二の組み合わせは、小津映画ファンにはおなじみです。『秋日和』、『彼岸花』、『秋刀魚の味』という晩年の三部作で活躍する「老悪童」たちを演じたからです。さらに佐分利信や笠智衆が加わると完璧なんですが、どうであれ、これも意識的なキャスティングであり、意識的なショットでしょう。

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小津安二郎『秋刀魚の味』 左から中村伸郎、三宅邦子(背中)、北竜二、笠智衆

天皇はラジオ放送を通じて国民に直接、無条件降伏の決定を知らせる決断をします。歴史がどうこうということを離れていうなら、この決断のおかげで、映画のストーリーテリングの核ができあがり、以後、この放送を中心に話が動くことになります。

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石田茂樹(NHK荒川技術局長)

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加東大介(NHK矢部国内局長)

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森野五郎(NHK大橋八郎会長)

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北村和夫(佐藤内閣官房総務課長)

もちろん、徹底抗戦派のクーデター計画もプロットのいっぽうの柱であり、映画は彼らの策動を追いますが、いずれ、若手将校たちの話は放送の件と合流することになります。この両者がないと、映画としては苦しい展開になったでしょう、というか、映画化しようなどとは、だれも考えなかったでしょう。いっこうに話がまとまらない閣議だけでは客が全員寝ちゃいます。

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佐藤允(古賀秀正少佐、近衛師団参謀)

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久保明(石原貞吉少佐、近衛師団参謀)

「王城の警衛」、天皇のボディーガードであるはずの近衛師団の将校たちが、クーデターを企図するのだから、毎度ながら帝国陸軍のメンタリティーというのはよくわかりません(ま、天皇をダシにした、「維新の志士」とかいう、薩摩や長州のテロリストどもの親類だと思えばいいのかもしれない)。事態は二・二六事件に似た相貌を帯びはじめます。

◆ 長老たち ◆◆
いっぽう、ライヴか録音かでもめていた天皇の放送は録音と決まり(閣議の議題になる!)、その準備がはじまります。

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神山繁(宮内省加藤総務局長)

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浜村純(宮内省筧庶務課長)

天皇が放送局に来てスタジオで録音するなどというのはありえないわけで(当時のJOAKは田村町にあったのだから、宮城の「ほんの筋向かい」だが!)、宮内省の役人たちが場所の選定をしたりします。浜村純の宮内省職員はドンピシャリ。

いっぽう陸軍では、荒尾大佐の発案で、長老たちが集められ、部下の妄動を抑える、という一札を入れることになります。

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小瀬格(若松只一陸軍次官) 左は荒尾大佐(玉川伊佐男)

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岩谷壮(杉山元陸軍元帥)

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今福正雄(畑俊六陸軍元帥)

このあたりからすこしテンポが速くなり、描写が立体的になり、「映画の娯しみ」がふくらみはじめます。

ちょうどいまの時期を扱っているところにもってきて、政治家、官僚、軍人しか出てこないので、みな正装しているため、じつに暑そうな画面になっていて、冬に見たほうがいい映画なのですが、とりわけ、クーデターの首謀者のひとり、畑中少佐(黒沢年男)があちこち駆けずりまわって、口角泡を飛ばして議論する様は、見ているだけで熱中症になりそうです。

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坂を上るので、北の丸(近衛師団)か市ヶ谷台(陸軍省)に向かっているのかと思ったのですが、ついた先は、なぜか低地の第一生命館です。暑さと畑中少佐の不屈の闘志を描くために、高台から低地に向かうという地理的リアリズムは捨てたのかもしれません。

戦後、第一生命館は進駐軍に接収され、GHQが置かれたことはよく知られていますが、太平洋戦争中はここに東部軍管区司令部が置かれていたそうです。むろん、わたしはその時代を知っているわけではありませんが、映画やドキュメンタリーでおなじみの「東部軍管区発表」という例の空襲警報の出どころです。

第一生命館はすでに建て替わっていますが、皮一枚残す気色の悪い建築法で、ファサードの列柱だけは保存されました。建築学者はみなこのファサードを絶賛するのですが、素人の目には四角い棒がただ並んだ鶏小屋の化け物にすぎず、かつて近代建築行脚をしたときも、フィルムと現像代の無駄だから、この建物は素通りしました。いまだに嫌いです。わたしが好きなのは「装飾への強い意志を持ったデザイン」を有する建築だけです。

さて、汗だくになって四角い棒のあいだを駆け抜けた畑中少佐を迎えたのはこの人。

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石山健二郎(田中静壱陸軍大将、東部軍司令官)

田中静壱〔しずいち〕大将の写真を見ると、まったく雰囲気がちがいますが、わたしは石山健二郎が好きなので、かまわん、かまわん、です。「なにをしにきた!」と畑中少佐を一喝するところも、堂に入った将軍ぶりで、大向こうから声がかかりそうです。

もっとドンドン顔写真を並べるつもりだったのですが、そろそろ時間切れ、次回は「サスペンス映画」らしいところに入れるので、もっとスピードアップしたいものです。

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# by songsf4s | 2010-08-07 23:49 | 映画
岡本喜八監督『日本のいちばん長い日』 その2

前回の『日本のいちばん長い日』その1で、この映画の英訳題がJapan's Longest Dayというのは不都合だと書いたところ、いつも当ブログを裏から支えてくださっている三河のOさんから私信をいただきました。

『日本のいちばん長い日』のスコアは佐藤勝が書いたのですが、Oさんによると、その佐藤勝のCDなどでは「The Emperor and a General」という英語題名が使われているそうです。この単数形の「将軍」は、当然、阿南惟幾大将を指しているのでしょう。Japan's Longest Dayではあんまりなので、こちらの英訳題を使ってほしいものです。

◆ 日本男子の半分 ◆◆
さて、前回に引きつづき、今日も思考停止して、『日本のいちばん長い日』のキャストを登場順に見ていこうと思います。

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中丸忠雄(椎崎二郎陸軍中佐)

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加藤武(迫水久常内閣書記官長)

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川辺久造(木原通雄内閣嘱託)

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玉川伊佐男(荒尾興功陸軍大佐)

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井上孝雄(竹下正彦陸軍中佐)

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二本柳寛(大西瀧治郎海軍中将、軍令部次長)

ここらで一休み。ただ写真に人名と役職をつけているだけですが、これが案外神経を使うもので、もう疲れつつあります。いやはや。

迫水〔さこみず〕久常内閣書記官長は加藤武が演じています。昔、この人の『大日本帝国最後の四か月』という本を読みましたが、行文から受けた印象は、加藤武のようなタイプではありませんでした。いかにも帝大出の切れ者という雰囲気で、無骨なところは感じられませんでした。

最近は知りませんが、昔は大西瀧治郎中将は、多くの人が知っていた軍人で、「特攻隊の生みの親」といわれていました。じっさいには特攻隊の発案者ではないそうですが、その後、特攻隊の強力な推進者になったという点については、歴史的に疑義はないと思います。『日本のいちばん長い日』では、大西中将はかの「二千万特攻論」をふりかざして東郷外相に迫ります。

「外相、もうあと二千万、二千万の特攻を出せば、日本は、かならず、かならず勝てます!」
「大西さん、勝つか負けるかはもう問題ではないのです。日本の国民を生かすか殺すか、ふたつにひとつの――」
「いや、もうあと二千万、日本の男子の半分を特攻に出す覚悟で戦えば――」


ふーむ。これだけでは狂人にしか思えませんが、人間というのはそう単純なものではなく、大西瀧治郎は真珠湾攻撃計画の立案者でもあり、すぐれた知性の持ち主であったことを推測させる業績もあります。

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小林旭の「ダイナマイトが百五十屯」も非現実的な数字ですが、二千万人の特攻隊、日本の男子の半分というのも、植木等ですら歌わないだろうという、呆れかえった数字ですな。いま首都圏の人口はどれくらいでしたっけ。東京、神奈川の老若男女をすべて合わせるとそれくらいの数字ですか。冗談じゃありません。

1945年3月10日の東京大空襲の死者が約10万と推計されています。広島や長崎の死者もその前後の数ですし、ドレスデン空襲もやはり10万前後の死者といわれています(日本人は東京大空襲や長崎広島のことは大騒ぎするくせに、同じ時期に、やはりアメリカの爆撃によってドレスデンが瓦礫の山になったことを知らなすぎる。自分の苦しみだけ騒ぎ立て、他者の苦しみに無神経というのは、個人だったら鼻つまみものだ。なお、捕虜としてドレスデン空襲を経験したカート・ヴォネガットは『屠殺場5号 あるいは子供十字軍』を書き、ジョージ・ロイ・ヒルによって映画化された)。それを見れば、二千万人の特攻という数字がいかに馬鹿馬鹿しいか一目瞭然です。

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そもそも、その特攻隊員を乗せる戦闘機をどうするのでしょうか。二千万機の戦闘機と搭載する爆弾をつくれる生産力が日本にあれば、戦争に負けるはずがなく、特攻隊だなんていう、窮鼠猫を噛む破れかぶれの戦法など、洟も引っかけられなかったでしょう。

ふーむ。やはり、戦争中のどこかの時点で、まともな判断のできない状態になってしまったのだと思います。大西中将は当初、金と時間をかけて訓練したパイロットを、一回の飛行で貴重な機体もろとも死なせてしまう特攻隊は愚劣な計画だといったそうなので、そのあたりまではきちんとした判断力があったことになります。その後、その無意味な作戦に指揮官として従事し、つぎつぎと自殺飛行に送り出していくあいだに、情緒破綻に陥ったのではないでしょうか。

日活アクション・ファンにとっては、二本柳寛はいつもクールなギャングのボスです。当家で過去に扱った映画でいえば、『霧笛が俺を呼んでいる』『拳銃無頼帖 抜き射ちの竜』のボスが二本柳寛でした。

大人になってから小津安二郎の『麦秋』で、北鎌倉のプラットフォームのシーンの二本柳寛を見て、「ウッソー」と思いましたが、『日本のいちばん長い日』の大西中将役も、日活アクションのときとはまったく異なった演技をしています。『日本のいちばん長い日』で、まず最初に「おや?」と居ずまいをただしたのが、この大西=二本柳登場シーンでした。わたしは二本柳寛が好きなのですが、残念ながら、出番はこのシーンのみ。さても、オールスター映画は忙しないことですわ。

◆ われわれは勝手に戦う ◆◆
さらにキャスト一覧をつづけます。

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八世松本幸四郎(昭和天皇)

さすがに昭和天皇は、「天皇」などと字幕は出ません! キャメラは幸四郎の顔を正面からアップで捉えることはなく、ミドルショット、しかも手前の人物の頭で顔を半分隠したり、背後から撮ったり、手袋をし、椅子の肘掛けを握る手を捉えたりと、間接的に描いています。

こういう顔すらろくに映らない役を松本幸四郎のような役者が演じるのだから、そりゃもう豪儀なものですぜ。ま、天皇だから、「役不足」なんてことはぜったいにありませんがね!

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高橋悦史(井田正孝陸軍中佐)

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三井弘次(新聞記者)

三井弘次は役名なしの新聞記者として登場します。市井の人物を演ずることの多かった俳優ですが、なぜか新聞記者の役も、わたしが知るかぎり三回やっています。あとの二本はいずれも黒澤明作品で、『天国と地獄』と『悪い奴ほどよく眠る』です。『日本のいちばん長い日』のキャスティング・ダイレクター(というクレジットが日本映画にはないのはなぜ?)は、黒澤映画での三井弘次の役どころを意識していたにちがいありません。

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島田正吾(森赳〔たけし〕陸軍中将、近衛第1師団長)

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土屋嘉男(不破博陸軍大佐)

この映画の島田正吾はけっこうでした。こういう人が脇にいると映画に重みと厚みが加わります。近年の時代劇がつまらないのは、こういう、画面に登場しただけで年輪を感じさせる年配の役者が払底したからだと思います。出番は多くないものの、非常に重い役どころに新国劇の重鎮が坐る――いやあ、いまになると、なんとも贅沢だなあ、と溜息が出ます。

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近衛師団司令部の建物は、現在、東京国立近代美術館工芸館となっていて、だれでも内部を見ることができます。さすがは「王城の警衛」、陸軍省とはだいぶ趣のちがう、優雅な煉瓦造のネオゴシック風建築です。十年ほど前、なかに入ったときは、ここで森師団長が殺害されたことは、すっかり失念していました!

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田崎潤(小園安名海軍大佐、海軍航空隊厚木基地司令官)

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平田昭彦(菅原英雄海軍中佐、厚木基地副長)

これは以前、「横浜映画」という記事で書きましたが、この田崎潤と平田昭彦の厚木基地首脳コンビは、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』の秘密組織の親玉と腹心の組み合わせで、東宝特撮ファンは思わず頬がゆるんでしまいます。

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『日本のいちばん長い日』厚木基地の幹部、田崎潤(手前)と平田昭彦。

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『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』〈赤イ竹〉のボスと幹部。左から平田昭彦、田崎潤、天本英世。

しかし、この小園安名大佐は、終戦のときにもっとも頑強な抵抗をした人で、笑ってばかりもいられません。この『日本のいちばん長い日』が終わっても、まだ数日のあいだ、厚木基地の航空戦力を一手に握って、徹底抗戦を主張しつづけ、政府と海軍首脳を懊悩させることになるのです。終戦の詔勅をきいて、兵士を集め、本日をもって帝国海軍は消滅した、以後、われわれは勝手に戦う、と訓示したというのだから、すごいものです。

しかし、あれだけの戦力を掌握しながら、結局、戦闘機一機出撃させなかったのはなぜなのか、さっぱりわかりません。ただ一回の戦闘に全戦力を投入する覚悟があれば、すぐそこ(いや、つまり房総沖)まで来ていたアメリカ太平洋艦隊の空母を沈めるくらいのことはできたでしょうに。マラリアによる高熱で、ただ朦朧としていただけ?

いやはや、ただスクリーン・キャプチャーを並べ、名前を書いているだけなのですが、時間はあっという間に過ぎ去り、そのくせ映画はまだはじまったばかりで、さっぱり進まず、さらに2、3回は『日本のいちばん長い日』をつづけることになりそうです。ほかの戦争映画も用意しているので、簡単に駆け抜けようと思ったのですが、なかなかどうして、いちばん長い日というだけのことはあります。


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# by songsf4s | 2010-08-06 23:47 | 映画