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カテゴリ:Guitar Instro( 30 )
更新のお知らせとトミー・テデスコ少々
 
(5月22日追記: サンプルHeartacheのリンクを修正しました。こちらを聴こうとして、Moonglowにたどり着いてしまった方には、お詫びを申し上げます。今度はちゃんとHeartacheにつながります。楽しいトラックなので、ぜひ御一聴を。)

 
昨夜、散歩ブログを更新しました。今回の外題はなんのひねりもなく、名を体をあらわす、そのままで、

鎌倉・腰越の写真館

としました。眠くて、シャレも出なかっただけですが。昭和戦前のモダニズム建築、商店建築のお好きな方はぜひどうぞ。ツイッターで、鎌倉在住の方に「穴場」といわれましたが、あと数十メートルで藤沢という場所なので、鎌倉観光のスポットには勘定されないでしょう。でも、わたしは腰越の通りが好きです。江ノ電撮影ポイントですし。

てなことだけで終わりにできない悪い癖、ちょっとサンプルをアップしました。

サンプル Tommy Tedesco "Moonglow"

サンプル Tommy Tedesco "Heartaches"

どちらも、先日ご紹介した12 Twangin Great Hitsに収録されたもので(好き放題に切り取って再利用させていただき、相すみませぬ>キムラセンセ)、やはり管といっしょにテーマを弾くところにおおいなる魅力があります。

この組み合わせ、なさそうで、やっぱりほとんどないのです。ブルースのほうであったような記憶がありますが、あっちの人たちは、きっちりアレンジにしたがってプレイしたりはしないので、この盤のような気持のいいものは、まあ、原理的にないだろうと思います。こんな風にきっちりやったらブルースじゃなくなってしまいますから。

で、トミー・テデスコという人が読譜の第一人者、初見、ワン・テイクでOKという人だから、ホーンとのアンサンブルがきれいで、じつに気持がいいのです。純粋にトミーのプレイを楽しむならほかの盤のほうがいいでしょうが、この盤にはアンサンブルの楽しみがあるのです。

このアルバムは、全体をAdd More Musicの「レア・インスト」ページで聴くことができるので、サンプルがお好みに合えば、右のサイド・バーにあるAMMへのリンクをご利用になって、あちらをご訪問されてみるといいでしょう。

本日五月二十一日もまた、昨日同様、鎌倉のあたりを跋渉するので(昨日はウォーキング、今日はトレッキングというニュアンス)、たぶん当家の更新はできません。できるとしても、散歩ブログのほうでしょう。週末なので、できれば、当家のほうは明日の日曜、いつもとは異なり、昼間に更新したいと思っています。

それでは、よい週末を。
by songsf4s | 2011-05-21 09:29 | Guitar Instro
Remembering Tommy Tedesco 1: WhisperingおよびFrenesi
 
前回の「カール・スティーヴンズ(チャック・セイグル)のロッキン・オーケストラ」で、トミー・テデスコのアルバム、Twangin' 12 Great Hitsを聴いたら、止まらなくなり、今日はトミーのプレイばかり聴いていました。

このアルバムは全曲、Add More Musicで聴くことができるので、右のサイド・バーからAMMを訪れ、「レア・インスト」ページをご覧になっていただきたい、ということを繰り返しておいてから、AMMで頂戴したファイルをネタにします。

トミー・テデスコのリーダー・アルバムでもっともよく聴いたのはこのTwangin' 12 Great Hitsでした。その理由は、主として、ハリウッド的に洗練したニューオーリンズR&Bとでもいうべきサウンドのほうでした。

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このアルバムは好きなトラックが目白押しで悩むのですが、どれでも大丈夫だから、原曲との乖離が面白いこの曲を。音源はAMMのものを拝借しています。

サンプル Tommy Tedesco "Whispering"

どこがWhisperingなのだというにぎやかなサウンドですが、このアルバムは、前回とりあげたHigh Society Twist同様、有名な曲を高速化したトラックが多数収録されていて、基本的にはそういう方針でつくられたものです(箸休めとして、遅い曲も一握りだがある)。

テデスコという人は、セッション・ワークについては、その内容に関心のない人で、依頼されたことをやるだけというタイプだったようです。リーダー・アルバムといっても、これはポップ系の企画盤、彼のメイン・ラインであるジャズではないので、内容には関心がなく、注文どおりに弾いただけでしょう。

f0147840_2348583.jpgこのようなドゥエイン・エディー風トワンギング・サウンドでやっているのはこれ一枚だけです。エディーとちがうのは、あちらが低音弦一辺倒なのに対し、トミーはすべての弦をブリッジ近くで強くピッキングしています。高音になると、あまりトワングしないものだなあ、と笑いそうになります。巻き線じゃない弦では、ああいう効果は出ないのだと、実証してくれました!

ということで、トミー・テデスコは、どんなことでも、やれといわれればやってみせる、というアナザー例証で、その点では面白くはありますが、彼のギターの代表作などといったら、泉下のトミーが気を悪くするでしょう。

しかし、ドラマーはインストでは暴れていいことになっています。1962年、絶頂期にあったアール・パーマーは、ワイルドなニューオーリンズ・スタイルに先祖返りしたように、楽しげにプレイしています。

サンプル Tommy Tedesco "Frenesi"

わたしのタイム感は、ハル・ブレインの時代に培われたもので、彼のタイムがもっとも自然に感じられます。アール・パーマーは、とくにニューオーリンズ時代にそうでしたが、しばしばフィルインですこし拍を食います。トータルとしてのタイムは正確なのですが、小節の中では、ジャストではなく、すこし前にくる拍があります。彼自身は、ニューオーリンズ(最近、土地の人はノーリンズと略すことがあると知った)はキックの使い方がよその土地とはちがうのだといっていますが、それはそれとして、すこし拍が詰まるのは、50年代的なパラダイムといっていいのではないかと思います。

そういうアールのスタイルは、気になるときもあるのですが、こういう文脈では、拍が詰まったところも、南部的な味わいの一要素に感じられます。

このアルバムのトミーのギターは面白くない、といったかのような印象を与えたかもしれませんが、ギター単独のプレイという面ではなく、このアルバムを通じて繰り返される、管といっしょにテーマをプレイするスタイルはおおいに楽しめます。これが、ヴェンチャーズのHawaii 5-0につながった、なんてことはいいませんけれどね!

ヴェンチャーズ Hawaii 5-0


ヴェンチャーズのメンバーはゼロで、ギターはトミー・テデスコ、ベースはキャロル・ケイ、ドラムはCKさんの記憶ではジョン・グェランだそうで、わたしもそうだと思います。耐えられないほどタイムが悪いので、ハル、アール、二人のジムといったエース級ではないのは明らかです。ハリウッド音楽界の大崩壊はジョン・グェランの活躍とともにはじまった、なんていいたくなります。

◆ セッション・ワーク ◆◆
すこし他のアルバムも聴いてみます。こんどはトミーが気を悪くしないであろうトラックを。

トミー・テデスコ Cavatina


映画『ディア・ハンター』のテーマです。映画ではジョン・ウィリアムズがリードを弾き、トミー・テデスコがセカンドをプレイしたそうです。そのときから、トミーは、これは「俺の曲」だと思っていたそうで、あとでカヴァーしたというしだい。

テレキャスターをもったときのトミーはかなりいい加減で、ミスなんか気にしないようなところがありますが、ガット・ギターを持つと人格が変わります。

すこしガットによるセッション・ワークを並べます。

ゲーリー・ルイス&ザ・プレイボーイズ Sure Gonna Miss Her


この曲はアレンジャーのリオン・ラッセルがギター・パートを書いたのですが、何人かが試してうまくいかず、トミーが呼ばれて、ワン・テイクでキメたという伝説が残っています。プレイヤーとしての資質の核心ではないのですが、トミー・テデスコは読譜もすぐれていて、まわりのプレイヤーに教えていたということを、たしかハル・ブレインがいっていました。

アソシエイション Rose Petals, Incense and a Kitten


こちらのほうがトミー・テデスコのガット・プレイの特徴がより明確に出ています。ヴィブラートとピッキングの強さが彼のスタイルでした。ベースはいわれなくてもジョー・オズボーンとわかるサウンド、プレイです。

フィフス・ディメンション Up Up and Away


ドラムはいうまでもなくハル・ブレイン、ベースはジョー・オズボーン、そしてトミー・テデスコはガットのオブリガートをプレイしています。エンジニアはボーンズ・ハウ。まぎれもなく、レッキング・クルーの到達点、代表作のひとつです。この躍動感こそがレッキング・クルーの音でした。

ハル・ブレインのスネア、タムタム、フロアタムにかけるリヴァーブを動的に変化させているボーンズ・ハウの技にもご注目。ディジタル・ミキシングなんてことのできなかった時代なので、ミックス・ダウンのときに、リアルタイムでフェイダーを操作したにちがいありません。まるで楽器を弾くようなものです。

録音からずいぶん時間がたってから、カーラジオで流れてくるのを聴いて、涙が出そうになり、思わずハル・ブレインに電話して昔話をしたという、セッション・ギタリストとしての、トミー・テデスコの代表作、エルヴィス・プレスリー、Memories。作者のひとりは、トミーの同僚、ビリー・ザ・ボス・ストレンジです。



ドラムはハル・ブレイン、ベースは、たしかチャック・バーグホーファーだったと思います。

こういういかにもエンディングにふさわしい曲で終わるのは本意ではないので、あえてにぎやかな曲でしめたいと思います。

リード・ギターはビリー・ストレンジとトミー・テデスコがシェアし、ドラムはハル・ブレイン、ベースはデイヴィッド・ゲイツ、ペダル・スティールがウェイン・バーディック、キーボードがアル・ディローリーというメンバーのワン・ショットのスタジオ・プロジェクト、アヴァランシェーズのアルバム、Ski Surfin'から、タイトル・カットです。

アヴァランシェーズ Ski Surfin'


どちらがどのパートを弾いているか、わたしはビリー・ストレンジさんに質問したことがあるのですが、答えは「もはや俺にもわからない。あのころはトミーとよくリックを交換していた」でした。

ということで、もはやだれにも否定されないことを承知のうえで、楽な当てずっぽうをいうと、最初にメロディーを弾くほうがボス、あとからワイルドなインプロヴをするのがトミーと考えています。

オオノさんのブログにはトミー・テデスコの音源が大量にアップされているので、次回はできれば、そのご紹介をしたいと思います。


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エルヴィス・プレスリー(DVD)
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ゲーリー・ルイス&ザ・プレイボーイズ
Best of
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アソシエイション
バースデイ+3
バースデイ+3


フィフス・ディメンション
Very Best of
Very Best of
by songsf4s | 2011-05-18 23:45 | Guitar Instro
ハンク・マーヴィンと十人のインディアン(にはちょっと足りなかった)
 
昨日はゴールデン・ウィークの中日だったにもかかわらず、お客さんが非常に多く、記録をとっているわけではないのですが、十本指に入るほどでした。パートナーのブログも過去最高のヴィジター数だったそうで、やはり天気が悪くて、ウェブで遊ぶことにしたかたが多かったのでしょう。

われわれは、歩け歩けなので、夕方から小雨と読んで、ただし、雨は確実に降ると考えて、すぐに避難できる横浜を歩いてきました。天気のいいあいだは野毛のほうを歩いてランチ、その後、海のほうに行き、また山手のほうにのぼろうとしたところで降られたので、あとは海岸のショッピングモール地帯のビルを巡礼しました。

ランドマーク・タワーやワールド・ポーターズや赤レンガ倉庫なら、雨に濡れずに長時間遊べる、というのは、きわめて独創的な考えというわけではないので、さしもの巨大モール群も、ちょっとした混雑で、浅草の観音様にお参りしに来たようなことになってしまい、笑いました。

◆ アパッチの群 ◆◆
さて、今日もウォーキング・ブルーズはつづくのでして、まもなく出かけるのですが、コメント欄に寄せられたk_guncontrolさんのシャドウズに関する話に関連するクリップを貼り付けておこうと思います。

まず、オリジナルであるシャドウズのアパッチから。

ザ・シャドウズ Apache


これについて、シャドウズのだれかの談話がウィキペディアにある、というのがk_guncontrolさんのコメントでした。以下のような話です。

What's the most distinctive sound of our group? We often wondered what it is ourselves. Really, it is the sound we had when we recorded "Apache" - that kind of Hawaiian sounding lead guitar... plus the beat

「ぼくらのもっとも特徴的なサウンドは何かだって? それは自分たち自身、よく考えることでね、じつのところ、その答えはすでにApacheでのサウンドにあるんじゃないかな。あのハワイアン的なリード・ギターの音さ。それに、もうひとつはビートだろう」

ここには、イタリア製のエコー・マシンを使ったとあって、なるほど、それでよそとはちがう音になったかと腑に落ちました。ふつう、ギターのエコーというと、アンプに付いているリヴァーブを考えるのですが(無数のプロが録音につかったフェンダーの代表的なアンプのモデル名がTwin Reverbだというのはなぜかといえば、発売されたとき、リヴァーブがこのアンプの最大の武器だったからだ)、そうではなかったということです。

さらにk_guncontrolさんはハンク・マーヴィンのエコーに関するコメントを紹介していらっしゃいます。

ハンク・マーヴィン、ApacheとWonderful Landのエコーについて


エコーは二次元でコントロールします。SpeedとDepthです。ここで、ハンク・マーヴィンは、曲によって速度を変化させることを語っています。

ここでは二曲を例にしていますが、わたしは、 Apacheより、後半で取り上げられたWonderful Landのほうがずっと好きで、こちらは自分でもよくプレイ・アロングしています。弾いて楽しい曲です。

シャドウズ Wonderful Land


ハンク・マーヴィンは、しばしば、曲の中間部分で、ミュート・ピッキングを使います。ミュートを使うと、エコーによる残響がはっきりとしたリズムで聞こえることが、前出のクリップのなかで語られています。

ハンク・マーヴィンは意識していたかどうかわかりませんが、これはすでに1950年ごろ、レス・ポールが自作ディレイ・マシンを使ってやったことです。いま、曲を見つけている時間はないので、これについてはあとで補足することにします。ミュート・ピッキングとリヴァーブの組み合わせというのは、とりわけインストゥルメンタルのギター・ミュージックではなくてはならない手法だと思います。

おまけとして、Apacheのカヴァーをいくつか貼り付けます。まず、シャドウズ盤をさしおいて、アメリカで大ヒットしたヨルゲン・イングマンのカヴァー。



はっきりいえば、シャドウズ・ヴァージョンのまえではまったく問題外のつまらない出来です。それなのになぜアメリカでは、シャドウズではなく、イングマンの盤がビルボード・チャートをかけあがったかといえば、プロモーションのせいだろうと推測します。

露骨にいえば、「ペイオーラ」=賄賂です。音楽業界では当然の慣行でした(刑事事件となったことがある)。いかに「プラグ」するかが勝負であり、会社にとって腕利きの「プラガー」はアーティストなどよりはるかに重要だったほどです。どこの世界でも、敏腕営業マンがビジネスを成り立たせているのでありましてね。

さらにべつのカヴァー。スタジオ・プロジェクトです。インクレディブル・ボンゴ・バンド、フィーチャーリング・ジム・ゴードン・オン・ドラムズ、Apache



オリジナルからはるか彼方に来ていますが、これはこれで好きです。ジム・ゴードンとしてはとくに出来のいいものというわけではありませんが、この人が叩けば、たいていのドラマーの絶頂時のプレイの数倍はすぐれたグルーヴになるわけで、わたしとしては、ジミーのドラミングはいつだって大歓迎です。しかも、中間部では、邪魔な上ものがすべて消え、ジミーのバックビートとボンゴだけになるのですから、文句ありません。

もうひとつ、今度は変り種、以前、「無理に歌えば」という記事で取り上げたことのある、ソニー・ジェイムズによるApacheのヴォーカル・カヴァーです。



あっはっは。何度聴いても、珍とマジが入り混じった妙な感じがたまりません!

それでは行ってまいります。今日は逗子から名越切通し経由で鎌倉へと歩く予定です。


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シャドウズ
Complete A's & B's
Complete A's & B's


ヨルゲン・イングマン
Apache: Guitars of Jorgen Ingmann
Apache: Guitars of Jorgen Ingmann


インクレディブル・ボンゴ・バンド
Bongo Rock (Rmxs)
Bongo Rock (Rmxs)
by songsf4s | 2011-05-04 09:39 | Guitar Instro
ギター・オン・ギター10 続タル・ファーロウ Tal Farlow Quartet

順序が前後してしまいましたが、今回はひとつ前にさかのぼって、タル・ファーロウの初リーダー・アルバム、Tal Farlow Quartetの曲を聴いてみます。

ドラムは、前回取り上げたThe Tal Farlow Albumと同じジョー・モレーロなので、それだけでも楽しめるアルバムだと保証されたようなものです。

セカンド・ギターはドン・アーナン、ベースはクライド・ロンバーディーと、セカンド・アルバムとは異なりますが、このあたりはドラマーとちがって、決定的な役割は果たさないので、わたしは気にしません。

まずは一曲。タル・ファーロウ自身のオリジナル曲です。

サンプル Tal Farlow "Rock 'n' Rye"

前回のThe Tal Farlow Albumには、遅めのいいトラックがなく、むやみに速いのが二曲になってしまったので、今回は意識的に遅くしてみました。といっても、ミディアム・アップないしはアップです。前回が超アップテンポだったのでありましてね。

Ronk 'n' Ryeは、これくらいのテンポがいちばん気持いいか、です。あまり速いとグルーヴもへったくれもなく、ただ精確にプレイするだけで精いっぱいになってしまいます。

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よけいなつけたりですが、rock and ryeというのは、ライ・ウィスキーのオン・ザ・ロックではありません。氷砂糖入りのライ・ウィスキー・ベースのカクテルです。デイモン・ラニアンのどの短編だったか、クリスマスもののひとつ、ミンディーズ・バー・アンド・レストランか、グッド・タイム・チャーリー・バーンスティーンの店で、いつもの連中が飲んだくれているという出だしのものがありました(「ダンシング・ダンのクリスマス」?)。そのときに飲んでいるのが、「ロック・キャンディー入りのライ・ウィスキー」でした。ものを知らなかった学生のわたしは、「ロック・キャンディー」とはなんだろうと思って辞書を引き、氷砂糖と書いてあったので、ズルっとなりました。

ロック・アンド・ライなんていうカクテルは、わたし自身が飲んだことはないのはもちろん、だれかが飲んでいるのも見たことがありません。日本ではあまり飲まないものなのでしょうか。作り方は簡単で、材料はライ・ウィスキー、氷砂糖、レモンだけだそうです。フレッシュ・レモン・ジュースではなく、ライム・ジュースでもいいとありますが、こちらのほうが面倒でしょう。

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デイモン・ラニアンの訳者はどうも苦手です。氷砂糖といえば簡単に意味がわかり、イメージもわくのに(寒いときにはうまいのだろう、とか)、ロック・キャンディーなんて言葉を使うので、とたんにわからなくなります。「片目のジャニー」なんかも、原題を見てひっくり返りました。One-Eyed Johnnyですからね! ペンギンに収まっているので、ラニアンは原書で読みましょう。

もう一曲、また似たようなテンポですが、こちらもすばらしいグルーヴが楽しめます。作者もやはりタル・ファーロウ自身。

サンプル Tal Farlow "Splash"

ギターの記事なのに、やはりドラムを聴いてしまいます。ジョー・モレーロのブラシはほんとうにきれいで、こういう味がわかるようになったのは、年をとることの数少ない利益だなあ、なんて思います。若いころはブラシなんか嫌いでしたものね。

時期はセカンドとほとんど変わらないのですが、スタジオの違いか、エンジニアリングの違いか、あるいはタル・ファーロウ自身の意気込み自体がちがっていたのか、このTal Farlow Quartetのほうが、音にエッジがあり、やはり昇竜の勢いにあるプレイヤーはいいなあ、と思いました。

以前はヴァーヴ時代ばかり聴いていましたが、将来は、最初の二枚だけを聴くようになるかもしれないなあ、とこの二日ですこし方向転換したのでした。


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Tal Farlow MP3
Lover (1998 Digital Remaster)
Lover (1998 Digital Remaster)


Flamingo
Flamingo


Splash
Splash


Rock 'N' Rye
Rock 'N' Rye


All Through The Night
All Through The Night


Tina
Tina


by songsf4s | 2011-02-09 23:58 | Guitar Instro
ギター・オン・ギター9 タル・ファーロウ The Tal Farlow Album

なにか映画をやろうかとも思うのですが、このところ見たものに手ごろな作品はなく、なにか思いつくまでのつなぎとして、久しぶりにギター・オン・ギターをいってみようと思います。

タル・ファーロウはすでに「ギター・オン・ギター6 チャーリー・バード、タル・ファーロウ、ハーブ・エリスのSo Danco Samba」という記事で、「ギター・オン・ギター」シリーズに登場させていますし、「Skylark その2 by Tal Farlow」という記事でもとりあげています。

そもそも、ジャズのほうで最初に好きになったのはタル・ファーロウでした。中学のときにタル・ファーロウのリヴァイヴァルがあったようで(「幻の名盤」といっていたような気がする!)、そのときにラジオで数トラック聴いたのがきっかけでした。子供のことだから、どこがどう気に入ったのか、いまとなってはもう自分自身でもわかりませんが。

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そのときに聴いたのはヴァーヴ時代のもので、「ギター・オン・ギター」シリーズに適したようなものはありませんでした。最近、わが家ではまたタル・ファーロウ・リヴァイヴァルで、あれこれ聴いていて、初期に2枚だけ、セカンド・ギターをしたがえたアルバムがあることを思い出しました。

時間的順序が逆になり、新しいものを先に出してしまうことになりますが、今日は(たぶん)2枚目のリーダー・アルバム、The Tal Farlow Albumからのトラックを聴きます。

まず、ミュージカルBy Jupiterのために書かれたロジャーズ&ハートのEverything I've Gotから。

サンプル Tal Farlow "Everything I've Got"

こういうのはすごく好きです。2本のギターのからみも楽しいですし、ドラムがいいので、気持のよいグルーヴが楽しめます。なんともきれいなブラシで、ちらっとバディー・リッチを思い出しました。以下にメンバーをあげておきます。

Barry Galbraith Guitar
Oscar Pettiford Bass
Joe Morello Drums

ジョー・モレーロはこのあと、デイヴ・ブルーベック・カルテットに加わり、そちらのほうで知られることになります。

ジョー・モレーロ ハンド・ドラミング


キャラクターもバディー・リッチに近いのか、手によるドラミングなどという変なことをやって楽しませてくれます。後半、やはりバディー・リッチがよくやった片手ロールを聞かせてくれるところでも、ニコニコしてしまいました。

デイヴ・ブルーベック Take 5


いやあ、けっこうなドラミングで。昔のジャズ・ドラマーのなかには、とりわけ有名な人に多いのですが、正確なタイムを要求されるポップの世界から入ったわたしのような人間には我慢できないほどタイムの悪いプレイヤーがかなりいます。モレーロは、バディー・リッチ同様、ジム・ゴードンやジム・ケルトナーの正確なタイムに慣れたリスナーでも十分に楽しめる、タイムのよいドラマーです。

もう一曲、The Tal Farlow Albumから、やはりアップテンポのものを。

サンプル Tal Farlow "Blues in the Closet"

次回もタル・ファーロウのギター・オン・ギターです。


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Tal Farlow
ザ・タル・ファーロウ・アルバム
ザ・タル・ファーロウ・アルバム


by songsf4s | 2011-02-08 23:54 | Guitar Instro
ニール・ルヴァングの(Ghost) Riders in the Sky

前回の(Ghost) Riders in the Skyのコメントで、Mashi☆Toshiさんが、ビリー・ストレンジ御大の最近のインタヴュー・クリップにふれていらっしゃいます。コメントをご覧にならない方もいらっしゃるでしょうから、ここにURLを再掲しておきます。

クリップ1
クリップ2

ちょうどそういう時間帯になってしまったので、いま、これを書きながらちらっと聴いただけですが、前半では、フィル・スペクターのZip-A-Dee-Doo-Dah、ナンシー・シナトラのBang Bang(彼女がギブソンのセミアコをくれたので、それを使った)、ビーチボーイズのSloop John B.(例のPet Sounds Sessionsのライナーでふれていたフェンダーの12弦のこと)、それから、ナット・キング・コールのRambling Roseにあのギターによるオブリガートを加えたエピソードなどを語っています。

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左からリー・ヘイズルウッド、ナンシー・シナトラ、ビリー・ストレンジ

知らなかったのはギブソン・セミアコの話だけですが、ご本人の口から語られるとまた格別です。それから、十年ほど前、エルヴィスのA Little Less Conversationのリミックス・ヴァージョンがイギリスでチャート・トッパーになって(映画『Ocean's 11』にもハル・ブレインの派手なイントロ・リックのあたりが利用された)、その作曲者であるビリー・ストレンジさんに思わぬ脚光が当たったように、『キル・ビル』のおかげで、アルバム・トラックにすぎなかったBang Bangのナンシー・シナトラ・ヴァージョンも、いまになって特別なトラックになったようです。

このクリップについては、いずれちゃんと最後まで見て書くことにします。今日は取り急ぎご紹介だけ。

◆ ニール・ルヴァング ◆◆
さて、今日はべつのセッション・ギタリストの話です。

前回の(Ghost) Riders in the Skyで、YouTubeのクリップを見ていて、うまいなあ、と思ったのは、ローレンス・ウェルク・オーケストラのギタリスト、ニール・ルヴァングです。

ローレンス・ウェルク・オーケストラ・フィーチャーリング・ニール・ルヴァング (Ghost) Riders in the Sky


しかし、この曲は技術のショウケースになるようなタイプではないので、やはりローレンス・ウェルク・ショウからのクリップをもうひとつ。

ニール・ルヴァング San Antonio Rose


冒頭でローレンス・ウェルクが「Our new guitar man Neil LeVang」と紹介しているので、徴兵されたバディー・メリルに代わって、ニール・ルヴァングがローレンス・ウェルク・オーケストラのギタリストになった(1962年?)直後の収録でしょう

つぎはそのローレンス・ウェルク・オーケストラの新旧ギタリスト共演、バディー・メリルとのギター・デュオで、同じ曲をやっています。

ニール・ルヴァング&バディー・メリル San Antonio Rose


San Antonio Roseもカントリー・シンガー、ギター・プレイヤーの双方がしばしばカヴァーしていて、チェット・アトキンズ、レス・ポール、両者のデュオ盤、ヴェンチャーズ、50ギターズ、エキゾティック・ギターズ、ボブ・ウィルズ、タク・シンドー、スプートニクス、ビリー・ヴォーンなど、わが家にも相当数があります。

ニール・ルヴァング Galloping Guitar


いやあ、指が細くて長くて、うらやましいかぎりです。関節が柔らかいのか、運指にまったく無理がなく、タイムが安定していて、こういう2ビート系の曲をじつに気持よくプレイしてくれます。いまでもカントリーの世界では、つねにこのようなタイプのギタリストが生まれているのでしょうけれど、こういうストイックな味わいがあるかどうかは微妙なところです。

ニール・ルヴァング&バディー・メリル Green Hornet


再びギター・デュオ。甲乙つけがたい腕で、ローレンス・ウェルクが、当初はバディー・メリルのピンチ・ヒッターとしてニール・ルヴァングを雇ったのに、結局、両者とも手放せなくなったのはよくわかります。おかげで、こういうゴージャスなギター・デュオを、アメリカの視聴者は毎週聴けたのだから、うらやましくなります。

ローレンス・ウェルクというと、わたしのような人間は「ヴェンチャーズのCalcuttaのオリジナルをやった人」などという認識の仕方ですが(正確にはオリジナルではないのだが、ややこしい経緯はCalcutta by the Venturesという記事に書いた)、1951年にラジオではじまった「ローレンス・ウェルク・ショウ」を、55年から82年までテレビでやりつづけたのだから、すごいものです。50年代終わりにウェルクのショウに雇われたニール・ルヴァングは、82年の番組終了までローレンス・ウェルク・オーケストラの一員でありつづけたそうです。

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ルヴァングという、おそらくはフランス人の姓のおかげで、名前は記憶していたのですが、どこで記憶したのかよくわからず、キャリアを眺めました。たぶん、エルヴィス・プレスリーのサントラのクレジットで名前を見たのだろうと思います。相当数のセッション・ワークがあるようですが、残念ながら、いま、特定のトラックをあげることはできません。

Neil LeVangの名前で登録されているクリップは多くはありませんが、ローレンス・ウェルクのクリップは、なにしろものすごい長寿番組なので、たいへんな数があります。まだまだニール・ルヴァングやバディー・メリルのすばらしいプレイを発見できるでしょう。

手元にはニール・ルヴァング名義の音源はなく、ローレンス・ウェルクのもので、ギターが大活躍するトラックがあればと思ったのですが、バディー・メリルがペダル・スティールで活躍するハワイアン・アルバム、そして、ニール・ルヴァングとは関係のない、バディー・メリルのソロ・アルバムぐらいしかなくて、自前サンプルは断念しました。なにか適当なものが見つかれば、後日補足することにします。


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by songsf4s | 2010-10-02 23:55 | Guitar Instro
ギター・オン・ギター8 オールマン・ブラザーズ・バンドのJessica
タイトル
Jessica
アーティスト
The Allman Brothers Band
ライター
Dickey Betts
収録アルバム
Brothers and Sisters
リリース年
1973年
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先日、ギター・オン・ギター6 チャーリー・バード、タル・ファーロウ、ハーブ・エリスのSo Danco Sambaで、バッキンガムズのMercy, Mercy, Mercyのクリップを貼りつけました。

だれも弾くフリすらしていないひどい代物で、コードぐらい押さえりゃいいじゃないか、と腹が立ちました。そのときは客をナメているだけだろうと思ったのですが、あとからちょっと考えをめぐらせてみました。

他のバンドと同じく、バッキンガムズはスタジオではプレイしていなかったのですが、それでも、ツアーに出るときには、当然、新しいシングルのリハーサルはするでしょう。そこまでいけば、ギターもコードを知っているし、ベースもラインを覚えているはずです。

しかし、あのクリップはテレビ出演時のものなので、ツアーのためのリハーサルはまだしていなかったのではないでしょうか。だから、まだコードすら知らなくて、ただ漫然とフレットを握るだけになってしまったのかもしれない、なんてことを考えました。

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でもねえ、曲はMercy, Mercy, Mercyですからねえ。ブルースみたいなもので、コード進行がどうしたとかいうご大層な曲じゃないわけで、キーさえわかれば、あとはコード・チャートすら不要でしょう。そんな高校生にもできることすらしない連中だったわけで、なにをかいわんやです。

まったく芸能ビジネスというのは、旨みも多いのだろうけれど、こういう連中に、「時間厳守」「笑顔を忘れるな」「人前で唾を吐くな」だのと、三歳児をしつけるようなことを毎日いいつづけ、ものごとを動かしていくというのは、じつにもう賽の河原の石積みのような難行苦行だろうなあと思います。

これだから、あの世界には美談があまりないのも無理はないと思います。ルー・アドラーが、ママズ&パパズが壊れてしばらくたって、ホームレスのようになっていたデニー・ドーハティーを見つけ、まっすぐにして、とにかくスタジオに押し込んでアルバムをつくった、なんていうのは美談に繰り込んでいいのだろうと思います。飲んだくれている昔のスターを見つけたら、気づかれて、小銭をせびられる前に逃げ出すのがふつうでしょう。

◆ 相方なしのギター・オン・ギター ◆◆
なにごとも適当なところで終わると味がありますが、今夏のようにくどいと、ゆく夏を惜しむ、なんて言葉も出なくなります。「ギター・オン・ギター」シリーズは、そろそろくどくなりつつあるので(というか、早い話が、書いている当人が飽きてきた)、予定したものをいくつかあまし、今回でいったん終わることにします。残りは、またそういう気分になったときに聴くことにします。

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Eat a Peachの録音のとき、ドゥエイン・オールマンが急死したため、オールマン・ブラザーズのギター・プレイヤーはディッキー・ベッツひとりになってしまいます。これで終わりにならなかったところから、オールマンズのギター・オン・ギター・スタイルの裏側にあったのは、ドゥエイン・オールマンではなく、ディッキー・ベッツの好みだったのではないかと推測することができます。

曲作りからもそれがうかがわれるように思います。ディッキー・ベッツはポップ指向があったと思われるのです。それが、それまでのオールマンズとはずいぶん隔たった印象のあるRamblin' Manと、そのヒットに端的にあらわれたと感じます。

オールマン・ブラザーズ・バンド "Ramblin' Man"


前回聴いたBlue Skyと同様の行き方で、イントロ、オブリガートはギター・オン・ギター、最初のギター・ブレイクはふつうのソロという構成です。ひとりになっても、スタイルは変えていないのです。面倒くさがらずに、ひとりでオーヴァーダブをしたわけです。

すこしだけちがうのは、二度目のギター・ブレイクは、いわゆるソロ、インプロヴではなく、数本のギターをからませた、アレンジされたものになっていることです。ドゥエイン・オールマン生前よりも、コントロールの度合いが進んでいるのです。まあ、ひとりでやるほうが、こういうことは揉めず、簡単に話がまとまるのかもしれませんが。

◆ インスト・ギター・オン・ギター ◆◆
Ramblin' Manが収録されたアルバム、Brothers and Sistersにはもう一曲、ギター・オン・ギターのトラックが収録されています。こちらはインストです。

サンプル  The Allman Brothers Band "Jessica"

ディッキー・ベッツは数回にわたってオーヴァーダブをしたと思われます。やることは規定演技ばかりですから、想像するだに面倒で、退屈で、こういうサウンドが好きじゃないとできないだろうと思います。

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Brothers and Sistersは、Ramblin' Manがヒットしたおかげもあって、オールマンズとしてはもっとも世に知られたアルバムでしょう。当時はわりによく聴きました。

しかし、このへんが微妙なところなのですが、つぎのアルバムのときには、もうこのバンドには関心がありませんでした。シングル・ヒットがなかったということもありますが、それ以前にBrothers and Sistersというアルバムに奥行きがなく、飽きてしまったようです。

ウソかホントか、リトル・フィートのローウェル・ジョージが、グレイトフル・デッドのShakedown Streetをプロデュースしたとき、どうやったらシングルをヒットさせられるのだろうと、ジェリー・ガルシアとボヤきあったそうです。そりゃ、トップ40ヒットが欲しい気持はわかりますが、デッドが末永く愛されたのは、柄じゃないのにポップに傾斜するなどという愚かなことをしなかったからではないでしょうか。

◆ こっちの空も青い ◆◆
最後に、オマケといっては失礼かもしれませんが、面白いと思ったのは一曲だけで、単独では記事にならないレーナード・スキナードのクリップを加えておきます。

レーナード・スキナード Sweet Home Alabama


ラジオでイントロを聴いた瞬間、いいギター・サウンドだなあ、と感心しました。こういう路線で押してくれればファンになったと思うのですが、曲の出来もよく、ギターの重ね方も楽しい、なんていうのは、このSweet Home Alabamaだけだったように思います。ニール・ヤングの呪いでしょう! いや、ロック・バンドというのは、工夫のない、無考えなヘヴィー・サウンドという盆地へと安易に流れて、そこに沈殿してしまう性質を本来的に備えているのかもしれません。

それでは次回はまた映画に舞い戻るとします。


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オールマン・ブラザーズ Brothers and Sisters
Brothers and Sisters
Brothers and Sisters


レーナード・スキナード Second Helping
Second Helping (Reis)
Second Helping (Reis)


by songsf4s | 2010-08-28 23:50 | Guitar Instro
ギター・オン・ギター7 オールマン・ブラザーズ・バンドのBlue Sky
タイトル
Blue Sky
アーティスト
The Allman Brothers Band
ライター
Dickey Betts
収録アルバム
Eat a Peach
リリース年
1972年
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オールマン・ブラザーズ・バンドには、ドゥエイン・オールマンとディッキー・ベッツという二人のプレイヤーがいたので、しばしば二人のギター・オン・ギター・アンサンブルを聴くことができます。

しかし、初期の代表曲、In Memory of Elizabeth Reedできかれるギター・アンサンブルは、ジャズ・コンボのフロント、たとえばテナー・サックスとトランペットがいっしょにテーマをプレイするのに似ていて、個々のソロに突入するまでの「間借り」のようなニュアンスでした。

オールマン・ブラザーズ・バンド In Memory of Elizabeth Reed


いや、それでも複数のギターがいっしょにテーマをプレイする、などという例はそれまでに聴いたことがなかったので、In Memory of Elizabeth ReedやWhipping Postを聴いたときは、いいサウンドだなあ、と思いました。長いソロは嫌いなので、途中でほかのことを考えてしまうのがつねでしたけれど!

オールマン・ブラザーズ・バンド Whipping Post


こちらはいちおう形式としては曲がりなりにもヴォーカル曲なので、ドゥエイン・オールマンとディッキー・ベッツが同じオブリガートを入れるという形でのアンサンブルです。こういうのが好きなのですが、残念ながら、すぐ長いソロに突入してしまって、ああ、うまいなあ、と思っているうちに寝てしまったりするのでした。

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◆ ほんとうのアンサンブルへ ◆◆
ギターが好きなクセに、根が外道なので、ソロはあまり好みません。長いソロを聴いて面白いと思うのはマイケル・ブルームフィールドぐらいです。ブルームフィールドも、いいものはほんの一握りにすぎませんし、それもフレージングだけではダメで、彼独特の艶のある音の出が伴っていないと面白くありません。8小節か16小節というのが、どんな楽器であれ、ソロとして適切な長さだと思います。32小節なんて、音を聴くどころか、小節数を勘定することすらできないじゃないですか!

ドゥエイン・オールマンもたしかにうまいと思うのですが、ギター・アンサンブル的観点からいうと、ディッキー・ベッツの存在のほうが大きいような気がします。だいたい、オールマンズは、スタジオでもべつにキッチリしたアレンジをするわけではなく、「生まれっぱなし」みたいなサウンドであり、その弱点を個人技でカヴァーしている、という雰囲気でした。

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その印象が変わったのは、ダブル・アルバム、Eat a Peachのスタジオ録音サイドでのことです。たんに「二人のプレイヤーがいるから両方にスポットライトを当てる」という、脳味噌など必要としない原始的アレンジではなく、ポップに一歩寄った、洗練されたアレンジを彼らがはじめて試みたのは、このディッキー・ベッツ作の曲だと思います(地味なのでアクセスは少ないだろうし、ファイル・サイズも大きいので4sharedにアップした。使いにくいだろうが、あしからず)。

サンプル The Allman Brothers Band "Blue Sky"

出だしはきっちり二本のギターをアレンジしてコントロールしています。重要なのは「コントロール」=抑制です。放し飼いではアンサンブルになりません。間奏に入ったところで、先祖返りしてサルに戻ったような箇所もありますが、ソロの途中で二本をからませてくるところが、もう「生まれっぱなし」の無意識過剰考え足らずバンドではなくなりつつあることを示しています。

もうすこし聴くべきトラックはあるのですが、今夜はもはや時間切れ、中途半端ですが、オールマンズの項はもう一回つづけることにさせていただきます。


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オールマン・ブラザーズ・バンド Fillmore East
The Allman Brothers at Fillmore East


オールマン・ブラザーズ Eat a Peach
Eat a Peach (Dlx) (Exp)
Eat a Peach (Dlx) (Exp)


by songsf4s | 2010-08-27 23:52 | Guitar Instro
ギター・オン・ギター6 チャーリー・バード、タル・ファーロウ、ハーブ・エリスのSo Danco Samba
タイトル
So Danco Samba
アーティスト
Charlie Byrd, Tal Farlowe and Herb Ellis
ライター
Antonio Carlos Jobim, Vinicius de Moraes
収録アルバム
Great Guitars of Jazz (DVD)
リリース年
2004年
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枕のつもりで書きはじめたことが、例によってあれこれ脇道に入ったために、枕とはいえない長さになってしまいました。そこで予定を変更し、まず、ギター・オン・ギターの番外編として、三人のギタリストの共演をお聴きいただきます。いえ、みなさんお年寄りで、同窓会のようなリラックスしたプレイですから、そのつもりで、バーを下げてからお聴きください。

サンプル Charlie Byrd, Tal Farlowe and Herb Ellis "So Danco Samba"

DVDから切り出してMP3にしたものです。CDにもなっていたような気がするのですが、検索では見つかりませんでした。

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むろん、若いころのような押しの強いプレイ(とくにタル・ファーロウ)ができるわけではなく、それどころか、なんというか、「俺のギターを聴け」というより「おまえのプレイを聴こうじゃないか」というムードです。

しかし、落語と4ビートはお年寄りがやっても、ちゃんと味が出るのがありがたいところで、これがロックンロールだったら失笑しかできません。いや、そういうのをときおり現実に見かけるのがおそろしいところですが。

チャーリー・バードは若いころとそれほど変わらず、ハーブ・エリスはそこそこ、タル・ファーロウはもうそろそろ指が動かなくなるかな、という雰囲気です。So Danco Sambaは、もちろんチャーリー・バードの音からはじまり、ハーブ・エリスがほんの数小節だけテーマに加わったあと、まずタル・ファーロウがソロをとります。

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ハイライトは、後半、ドラムとベースも消えて、チャーリー・バードとハーブ・エリスだけになる箇所です。ちょっとした打ち合わせとリハーサルだけでステージに上がっているのでしょうが、さすがは大ヴェテラン、半世紀前からいっしょにプレイしてきたようなリラックスしたアンサンブルを聴かせてくれます。

◆ モビー・グレイプの6枚シングル・デビュー ◆◆
さて、枕のはずだったのに、なぜか長くなってしまった話題です。

先日のモビー・グレイプのRounderの記事へのコメントで、tonieさんが、全曲をシングルにしたことについて、ちらっと言及なさっています。コメントに書かれたことなのだから、コメントで説明すればいいようなものですが、これがやや面倒なのです。

モビー・グレイプのレーベルであるコロンビア、すなわちCBSは、あの時代は(また極端なものを持ちだすが、誇張なので気になさらないように)いわば「ジョニー・マティスの会社」「アンディー・ウィリアムズのレーベル」でした。

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もちろん、ディランだのサイモン&ガーファンクルだのもCBSのロースターにはいたのですが、これもまあ、サウンド的には控えめな、いわば「保守路線」であって、ディランがロック寄りに傾いて、マイケル・ブルームフィールドがテレキャスをもってやってきても、デモーニッシュなランを弾かせるわけではなく、「ブルームフィールド? どこに?」状態のLike a Rolling Stoneがギリギリ精いっぱいこれ以上はないという掛け値なし、あら情けなやの「CBSロック・サウンド」でした。

サークルもCBSですが、あれもほら、フォーク・ロック風であって、ギュイーンとかゴワーンとかはやらないし、ヘヴィー・バックビートも使わないのはご存知の通り。よそから獲得したイギリスのチャド&ジェレミーも、「バックビートを入れるフォーク・デュオ」です。

なにもリストを見ず、記憶に頼って書くだけですが、1966年までにCBSがリリースした精いっぱいロック的なシングルは、バーズの8 Miles Highあたりだろうと思います。そのつぎがバッキンガムズのKind of a Dragかなあ、という感じ。

バッキンガムズ Don't You Care

(Kind of a Dragのほうが有名だが、好きなのはこちらのほう。彼らもスタジオではプレイしていないので、気にしなくてもいいのだが、それにしても、音とまったく関係ない動きをしているドラマーの左手は困る! この曲以後、多くのトラックでベースはキャロル・ケイがプレイした)

バッキンガムズ Mercy Mercy Mercy

(だれも弾いているフリなんかぜんぜんしていない! ギターはありえないコードを押さえているし、ベースは指を固定したまま、ドラムはバックビートではないところで左手を動かす。他のシングルとちがい、この曲のドラムだけは突っ込んでいないので、ジョン・グェランではないと思う。ハル・ブレインの可能性あり)

多少の例外はあるかもしれませんが、1966年までのCBSというのは、おおむねそういうレーベルでした。1967年はじめにあっては、CBSは「古くさい体質」の会社だったのです。

1967年は曲がり角の重要な年です。それなのにこんな状態では、会社の将来が危ぶまれます。年明けから世間はサイケデリック路線に突っ走りはじめていたのでありまして、66年暮れに保守の牙城リプリーズがリリースしたエレクトリック・プルーンズのI Had Too Much to Dream (Last Night)がビルボード・チャートにはいってきたのだから、CBSとしても考えざるを得ないでしょう(ただし、この曲はプロのソングライターの書いたもので、会社としては、モンキーズとさして懸隔のない、お子様タレント商売の変形と考えていたのかもしれない。たしかに、ギターのギミックは怪奇ソングの効果音の親類である)。

エレクトリック・プルーンズ 今夜は眠れない

(当時はマーシャルのアンプを直列でつないでどうしたこうしたとか、なんかすごいことを報道されていたが、このギター・ギミックもじつはリッチー・ポドラーがつくったそうで、このバンド、スタジオでなにをしたのか、わたしにはいまだにわからない。もっとも確率の高い答えは「なにもしなかった」または「カラオケにヴォーカル・オーヴァーダブをした」だろう)

ちょうどエルヴィスが登場したときと同じで、バスに乗り遅れるな、という競争になったようで、RCAはジェファーソン・エアプレイン、WBはグレイトフル・デッド、キャピトルはクウィックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスというように、メイジャー・レーベルのタレント・スカウトが、サムソナイトに札束を詰め込んで(かどうかは知らない。小切手帳を胸に、だろうなあ)サンフランシスコ詣でに励んだといいます。

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ここからのCBSは過ぎたるは及ばざるがごとし的な爆走をしたのは、ざっとあの時代に彼らがリリースした盤を眺めればわかります。モビー・グレイプと同じころに、ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーと契約したのはまあいいとして、チェンバーズ・ブラザーズだの、シカゴだの、雪崩れるようにそちら側へと急傾斜で転がり落ちていき、ジョニー・マティスは忘れられることになってしまいます。

とまあ、そのような「クソ、また出遅れたか」状況で獲得したモビー・グレイプをどう売り出すかというときに、あの「weirdness」の時代の狂躁状態らしいアイディアが生まれました。「いっそ、全曲をいっせいにシングル盤にしてみてはどうだ? きっと大きな話題になるぜ」とだれかがいい、だれもが正気ではなかった時代なので、そのままこの愚案は実現してしまった、というしだいです。

冷静に考えれば、そんなことをしたらどれもヒットしないとわかるはずなのですが、会社のだれかは「1964年に、ビートルズは同時に何曲ビルボードに送り込んだ?」などと、比較にもならない比較でもやったのでしょう。事故が起きるときというのは、あとで冷静に振り返れば、信じられないほど馬鹿馬鹿しい判断ミスが重なるものです。

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もちろん、グレイプが大成しなかったのは、彼ら自身の問題の結果なのでしょうが、出足で大きく失敗するというのは、どんな分野だろうときびしいハンディキャップになるので、運もなかったと思います。Somebody to Loveが大ヒットしたジェファーソン・エアプレインとは天と地の相違です。

売れているあいだは、メンバー間の確執はとりあえず取り繕うことができますが、経済的にうまくいかなければ、感情的対立は増幅されることになります。もともと、長く一緒にやってきたメンバーではなく、デビュー直前に寄せ集められたグループなので、風雪の時代をともに耐える、なんて気分にはならなかったであろうことは容易に想像がつきます。

かくしてモビー・グレイプは、「デビュー・アルバムの全曲を同時にシングルとしてリリースしたロック・グループは?」というクイズの答え、たんなる珍奇なスーヴェニアでしかなくなってしまったのでした。

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しかし、ひるがえって考えると、そもそも「アルバム」はなぜ「アルバム」と呼ばれるかといえば、複数の78回転盤をまとめて、ひとつのパッケージにしたからです。何枚も盤があるところがまさに「アルバム」なのです。

多くはクラシックの長い曲をひとまとめにしたものだから、後年の「シングル盤」とはちょっとちがうのですが、でも、複数枚のセット、という意味では、モビー・グレイプは、アルバムをばらしてシングルをつくることで、アルバムの成立過程を逆にたどった、と云えなくもありません。

以上、コメント欄で書くわけにもいかず、記事に引っ越して、書き散らし候。

話はコロッと変わりますが、今日はなぜかアダモが聴きたくなったのでした。十分に長い時間さえあれば、確率的にこの宇宙ではどんなことでも生起しうる、のだそうですが、長く生きすぎた結果、アダモが聴きたい日に遭遇してしまいました。インシャ、ラー!

サルヴァトーレ・アダモ Inch Allah


サルヴァトーレ・アダモ En blue jeans et blouson d'cuir


まちがえて青江美奈のクリップを開いたかと思ったのでした!

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モビー・グレイプ Moby Grape (1st.) with bonuses
Moby Grape
Moby Grape


Great Guitars of Jazz [DVD] [Import]
Great Guitars of Jazz [DVD] [Import]


by songsf4s | 2010-08-26 23:54 | Guitar Instro
ギター・オン・ギター5 トッド・ラングレンのLove of the Common Man
タイトル
Love of the Common Man
アーティスト
Todd Rundgren
ライター
Todd Rundgren
収録アルバム
Faithful
リリース年
1976年
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時系列でいえば、これ以前に、へえ、と思ったギター・アンサンブルはあるのですが、ちょっとジャンプして1976年のトッド・ラングレンのトラックに進みます。

時系列順序にしたがって取り上げた、前回のモビー・グレイプのRounderが、「ギター・オン・ギター」サウンドとしては中途半端というか、不完全燃焼気味で、今回はこれ以上のものはヴェンチャーズのLolita Ya Yaしかないという、歌伴のギター・オン・ギターとしては最高峰、ほとんど完璧な出来のトラックを取り上げたくなったのです。

先日のアンドルー・ゴールドのIn My Lifeの記事で、トッド・ラングレンの完コピ・アルバムであるFaithfulにも言及しましたが、そういうトラックはLPのA面に集めてあり、B面はふつうの曲になっています。そのFaithfulの、べつに面白くもないB面における鶏群の一鶴、一曲だけ目立っていたのがLove of the Common Manです。

サンプル Todd Rungdren "Love of the Common Man"

2本のエレクトリックによるハーモニクスを使ったイントロ・ギター・リックも、派手ではないものの、さすがはトッドというアイディアで、これはまじめにつくった、いいトラックかもしれないと、瞬時にリスナーを身がまえさせます。

アコースティック・リズムを使ったヴァースのコードもけっこうです。そして、ヴァースの最後、Too late tomorrow/And everyoneのところで、左右に配した複数(右2、左1か?)のエレクトリックによるオブリガートが入ってくるところで、これだ、この音だ、と思います。

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LPを手放してしまったので、記憶で書く。たしか、デザインはこのように90度傾いていた。盤の取り出し口がそういう位置にあったのである。Faithfulの古いアメリカ盤LPをお持ちの方がいらしたら、確認してご連絡をいただけたらと思う。また、最近は文字の比率を大きくしたCDがあるようだが、LPはこれくらいの比率だったと思う。ゲーリー・バートンのDusterもそうだが、文字サイズの比率だけいじるようなこそくなデザイン変更は醜悪だ。そんなことをするなら、デザインを一新するほうがいい。まあ、まもなく盤自体が消えるのだろうから、どうでもいいが。

こういう展開できたのだから、間奏も当然、複数のギターによるもの以外にはありえません。きちんとデザインしたうえで、きれいに重ねた、お手本のようなギター・オン・ギター・サウンドです。ヴェンチャーズのLolita Ya Yaにまったく引けをとりません。まあ、あちらは全編がギター・オン・ギター、こちらはオブリガートと間奏だけなので、技術難度も、かけた手間もちがいますが、音の手ざわりは同質のすばらしさです。

◆ マルチ・トラック・レコーディングの血 ◆◆
トッド・ラングレンは、初期に、Runt: Ballad of Todd RundgrenとSomething/Anything?という二作で、多くのトラックをほとんどひとりで録音しています(前者ではベースをトニー・セイルズがプレイし、ダブル・アルバムSomething/ Anything?のD面をのぞく3面のトラックをすべてひとりで録音している)。

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エミット・ローズがすべてひとりでやったアルバムを1970年にリリースしていますが、なんだか精気のない寂しいサウンドで、わたしはあまり好きではありませんでした。トッドは、エミット・ローズよりずっと豊かで、にぎやかなサウンドをつくっています。キャラクターのちがいに由来するのかもしれませんが、音楽的に見るならば、楽器を重ねることに対する考え方のちがいが生んだ結果といえるのではないでしょうか。

Runt: The Ballad of Todd Rundgrenには、目立ったギター・アレンジはなかったと思いますが、Something/Anything?には、すでにLove of the Common Manの萌芽があります。

トッド・ラングレン I Saw the Light(スタジオ録音)


YouTubeの音ではわかりにくいかもしれませんが、キャロル・キングのパスティーシュのようなこのI Saw the Lightのギターによる間奏も、やはり一本ではなく、二本のギターで同じフレーズを弾いています。

ひとりで多重録音をしていれば、いやでも音の重ね方ということを深く考えざるを得なくなり、神経がとぎすまされていったのだろうと思います。トッド・ラングレンはすぐにひとり多重録音をやめてしまいますが、このときの経験はのちのプロデューシングに生かされたと感じます。その結実がLove of the Common Manですが、彼がプロデュースしたグランド・ファンク・レイルロードLocommotionのヴォーカルの厚みにも、そうした嗜好が仄見えます。

もう一曲、1972年のSomething/Anything?から、C面収録のトラックをひとつ。ギター・オン・ギター的観点からはイントロにすべてがあります。

サンプル Todd Rundgren "Couldn't I Just Tell You"

こちらは複数のアコースティック・ギターで同じリックをプレイし、そこにさらに、途中からエレクトリックも重ねて(こちらも複数だと思われる)、豊かなギター・サウンドをつくっています。とくに面白い曲ではないのですが、ギターのコンビネーションだけで十分にグッド・フィーリンを実現しています。

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トッド・ラングレンの面白さは、ギターにかぎらず、「音をいかに重ねるか」にあります。ギター・オン・ギターという文脈で持ちだしたので、ギターの重ね方に興趣のあるトラックを選びましたが、もっと広い意味でいえば「サウンド・オン・サウンド」ということをつねに強く意識して盤をつくったミュージシャンのひとりといえます。

表面的な音は異なるのですが、音に対する考え方の本質において、トッド・ラングレンは、、サウンド・オン・サウンドの始祖レス・ポール、その完全なる完成者フィル・スペクター、そして、それをべつの文脈にパラフレーズし、洗練を加えたブライアン・ウィルソンといった人びとの系譜につらなっているのは明らかです。たまたま、ギターを弾くことの多いプレイヤーだったので、いくつか典型的な「ギター・オン・ギター」サウンドのトラックを残しましたが、それ以前に、もっと大きな意味で、つねに「サウンド・オン・サウンド」を追求したミュージシャンだったといえるでしょう。

ここまでくるともう極北、あとは薄味にならざるをえないのですが、まだ興味深いギター・オン・ギターの例が70年代にはあるので、もうすこしこのシリーズをつづけることにします。


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Something/Anything
Something/Anything

Faithful
Faithful



by songsf4s | 2010-08-25 23:52 | Guitar Instro