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2011年 11月 13日 ( 1 )
The Best of Jim Gordon補足3 アルバート・ハモンド、ゲーリー・パケット&ザ・ユニオン・ギャップ
 
今日はPet Sounds検討を一休みして、先日来、飛び飛びでやっている、ジム・ゴードンのクレジットについて少々。

本題の前に、ひところ見失っていたジョニー・キャッシュ・ショウでのデレク&ザ・ドミノーズのクリップを再発見したので、貼りつけておきます。ジム・ゴードンのベーシックなセットの全体像がわかります。

Derek And The Dominos - It's Too Late


それほどすごいプレイではありませんが、どのヒットもタイムがきれいで、リラックスしてグルーヴを楽しむことができます。

それにしても、クラプトンを蹴散らさんばかりに攻め込むボビー・ウィットロックにニヤリとします。ドミノーズ破綻の真の原因はこれではないでしょうかねえ。Laylaだって、ボビー・ウィットロックとジム・ゴードンとドゥエイン・オールマンがいたから、格好がついているのでしてね。

いま、ちらっとカスタマーレビューとやらを見て苦笑しました。ドミノーズの唯一のスタジオ録音は「もはや語り尽くされた感のある名盤」なのでそうです。

どうして、そのように無考えにクリシェを使うのでしょうか。意識せずに自然にクリシェが出てきたら、危険信号です。判断停止、他人の判断借用開始、と宣言したも同然だからです。

ウェブによって、われわれはマスメディアから解放されたのだと思っていました。いや、まだそう信じているのですが、評論家言葉を無考えにコピーしてまき散らす輩があとを絶たないのはどういうことなのでしょうか。

こういうのを見るたびに、自分の書くものの危うさを自覚し、冷や汗が出ます。慣用句の助けなしに文章を書くのはむずかしいのはたしかです。しかし、慣用句を使う一瞬、そのことを自覚し、数秒でいいから、他の道をさぐり、うまくいかずに慣用句を援用する、といった「逡巡の手順」はぜったいに必要です。

今後、「もはや語り尽くされた感のある名盤」などという言葉を使いそうになったら、自分自身に、「名盤であるなら、いくらでも切り口は残されている、語り尽くされることなどありえない。評論家人種の陳腐な言葉で語り尽くされてしまうようなら、そんなものは名盤のはずがない」と自分自身をぶん殴ろうと思います。

では、心して、盤のたすきの陳腐な売り文句にならないように注意しつつ、本日の本題へと。

◆ やっと晴れそうなカリフォルニアの空 ◆◆
今回は、「この曲はハル・ブレインなのか、ジム・ゴードンなのか」と右往左往した曲を二種聴いてみます。

まずは、サザン・カリフォルニアでは雨は降らないんだぜ、でもなあ、いざ降るとなれば猫犬降りなのよ、というアルバート・ハモンドのビルボード・チャート・トッパー。

Albert Hammond - It Never Rains in Southern California


これはハル・ブレインのトップ・テン・ヒッツ・リストにあがっています。それで、ずっとハルのプレイと考えてきました。イントロ・リックのハイピッチ・タムの音も、ハルのオクトプラスセットのものに思えたのです。

しかし、だれかがコントラクト・シートを発掘したのか、近年、ジム・ゴードンのプレイであるとするソースをいくつか見かけました。

ということで、何度か、心を空にして聴いてみました。ジム・ゴードンの第一のシグネチャーは、フロアタムの一打によるアクセントである、という自分でつくった聞き分け規則第一条にしたがって、これはジミーのトラックと結論を出しました。

00:50から00:51にかけて、ファースト・ヴァースが終わり、ファースト・コーラスに入る直前、まずタムタムをフラムで一打(フラムは両手で叩くから二打というべきかもしれないが、両手のほぼ同時ヒットなので、一打と勘定しておく)、つづいて、フロアタムの強い一打を入れています。

これはハル・ブレインはあまりやらず、ジム・ゴードンはしばしば使った手法なので、この曲のストゥールに坐ったのはジミーである、という最終結論にしました。

ハル・ブレインのディスコグラフィーは、パーカッションをプレイしたものもリストアップしています。このアルバート・ハモンドのビルボード・チャート・トッパーも、そのケースではないでしょうか。

Albert Hammond "It Never Rains In Southern California" (アルバム全体)のクレジット

Albert Hammond - vocals, guitar
Joe Osborn - bass
Ray Pohlman - bass
Hal Blaine - drums
Jim Gordon - drums
Jay Lewis - guitar
Larry Carlton - guitar
Michael Omartian - keyboards
Don Altfeld - percussion
Carol Carmichael - vocals

二人のベースの聞き分けはイージー・アズ・パイです。レイ・ポールマンとジョー・オズボーンではサウンドもスタイルもまったく違います。曲のほうの"It Never Rains In Southern California"のベースはジョー・オズボーンです。

◆ 近ごろ愛すると? ◆◆
もう一曲、これはハル・ブレインがリストアップしていたわけではなく、こちらが勝手に、ハルのプレイだと思いこんだ曲です。

Gary Puckett & the Union Gap - Woman Woman


ドラムがどうの、という前に、久しぶりにまじめに聴いて、「And lately when I love you, I know you're not satisfied」のラインで、あっはっは、と大笑いしてしまいました。中学のときのバンドでこの曲をやったのですが、歌詞の意味なんかぜんぜんわかっていなかったようです。考えてみると、ずいぶん露骨な歌詞じゃないですか!

てなことはどうでもよくて、最近、何度か、このトラックはジム・ゴードンのプレイであるとしているソースにぶつかりました。こちらはハル・ブレインのディスコグラフィーにあるわけではないし、音を聴いても、ハルかジミーのどちらかにしか思えず、ジミーだとするなんらかの根拠(たとえば、だれか関係者の証言)があるのなら、そういう結論でけっこうだと思います。

いや、まったく、ハル・ブレインとジム・ゴードンが重なっているアーティストはやっかいです。ハル・ブレインのトップ・テン・ヒッツにあるゲーリー・パケット&ザ・ユニオン・ギャップの曲は、こちらのほうです。

Gary Puckett & The Union Gap - Young Girl


こちらはハル・ブレインなのだとしたら、Woman Womanがまたわからなくなって、元の木阿弥、ふたたび混迷に陥りそうです!

そういう危険な方向は避け、せっかくだから、ゴールデン・カップスのWoman Womanをサンプルにしました。記憶していたとおり、リード・ヴォーカルはマモル・マヌーでした。OggからMP3に再変換したものです。

サンプル The Golden Cups "Woman Woman "

なんと申しましょうか、「若々しい」というあたりか。良くも悪くとも、あの時代らしい音です。カップスは愛想ひとついうでもなく、笑顔を見せるでもなく、じつにとっつきの悪いグループでしたが、いまになると、可愛いくらいで、つまり、こっちが年をとったのだな、とがっかりしました。


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by songsf4s | 2011-11-13 23:45 | ドラマー特集