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2011年 10月 20日 ( 1 )
ビートルズのヴァリアント Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band Sessions
 
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandというのは、わたしにとっては変なアルバムです。

1967年の夏休みの直前に買ったのだと思います。わたしは全寮制の中学高等学校の生徒で、夏休みはむろん家に帰っていたのですが、クラブの合宿など、寮でもいろいろやることがあり、しばしば横浜南部の里山を切り開いたキャンパスに戻っていました。

寮には二カ所にオーディオ・セットがあり、暇な時間は、われわれはつねにスピーカーの前のソファに陣取って、ビートルズを聴いていました。ラジオでも、町中でも、ビートルズが流れていました。あれほどどこにいっても、ビートルズの新作が流れていた時期というのはありませんでした。

後年、ジョニー・リヴァーズの曲を聴いて、そうだったなあ、と思いました。クレジットは忘れましたが、ドラムはハル・ブレイン、ベースはジョー・オズボーン、この二人だけは聞き誤りようがありません。

Johnny Rivers - Summer Rain


このクリップの1:20あたりにAnd the jukebox kept on playing Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandというラインが出てきます。これだけで、1967年の夏、いわゆるSummer of Loveを回顧した歌だということがわかります(Summer Rainは68年にヒットした)。これを聴いて、ほんとうにどこにいってもペパーズが流れていたあの夏が鮮明によみがえりました。

しかし、人生は生きてみなければわかりません。あれほど興奮し、あれほど繰り返し聴いたペパーズは、いつのまにか、めったに聴かないアルバムになっていました。

つまり、あの時代をみごとに体現したということなのでしょう。そのときをすぎてしまうとリアリティーを失い、ビートルズのこれまでのスタンダードに照らし合わせれば出来のよくない楽曲に、びらびらのドレスを着せて厚化粧させただけに思えてきました。落ち着いてよく見れば、美人というわけでもないのね、という、あれです。

むろん、化粧と衣裳は女の命、もとい、アレンジとサウンドは盤の死命を制します。しかし、アレンジとサウンド「だけ」では、エヴァーグリーンにはなれないのだと、いまペパーズを聴くと索然たる思いをします。

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レコーディング技術の面では興味深いことがたくさん起こりますし、いわゆる「ビートルマニア」が女の子のものだったのに対して、ペパーズが巻き起こした、やはりある種のヒステリアのようなものは、男の子と男のものでした。そう考えるなら、ペパーズは彼らの「アイドル廃業宣言」といっていいでしょう(それでも同世代の少女のなかにはまだ熱烈なファンがたくさんいたが!)。

驚くべきことに、というか、当然というべきか、いまになってペパーズを聞き返すと、とくに好きな曲というのはありません。懐かしくはあるものの、それ以上のものではないのです。

しいていうと、Anthologyに収録されたこのテイクにはちょっと心惹かれました。

The Beatles - Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise) (Take 5)


この曲も、いま聴いても、うんざりはしません。

The Beatles - Getting Better (Only Vocals,Bass & Drums)


このアニメーション、ほかの曲もあるのですが、要所要所できっちり音と手の動きをシンクさせてくるところが楽しめます。そういうディテールにこだわる人は多くはないですから。

このミックスは、クリップに説明のあるとおり、ドラム、ベース、ヴォーカルだけを使って、ギター、エレクトリック・ピアノ、シタールなどはオミットしています。

べつのマイナス・ミックス・クリップを貼りつけます。こんどはベースがオミットされています。

The Beatles - Getting Better down mix


完成品はとくに好きなわけではないのですが、つぎの曲は、バックトラックのみだと、なかなか楽しめます。

The Beatles - She's Leaving Home (track only)


こういうことというのは、マルチ・トラック・テープ、いや、ファイルをもっていれば、比較的簡単にできてしまいます。

ということで、そっと最後に、4トラックのうち、リード・ヴォーカルをのぞいた三つのトラックをおいておきます。

サンプル The Beatles "With a Little Help from My Friends" (track 1)

サンプル The Beatles "With a Little Help from My Friends" (track 2)

サンプル The Beatles "With a Little Help from My Friends" (track 4)

1はベースとタンバリン、2はドラム、ギター、ピアノなど、4はジョンとポールのバックグラウンド・ヴォーカルおよびギターのオブリガートです。

ふつうのマルチ・トラック・サウンド・エディターは、MP3ファイルではダメでしょうから、ここからWAVなどを起こさなければ、もう一度、ミックスすることはできません。差し障りがあるので、わざと音質を落とし、そして敷居を高くしているので、そのあたりはご賢察のうえ、ご容赦を願います。

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いずれにしても、自分でミックスをやってみたい、という方はほんの一握りでしょうし、これだけのトラックしかないと、バランシングについてはできることはそれほどたくさんはなく、各トラックをイコライザーなどで加工しないと、面白い別ミックスは作れないでしょう。

また、コンソールなら両手で操作できますが、ソフトウェアの場合、マウスでフェイダーの上げ下げをするのがふつうなので、リアルタイムの操作は困難です。キー・アサインによって、キーボードでフェイダー操作の可能なソフトウェアもあるかもしれませんが。

ブライアン・ウィルソンとGod Only Knowsについて話しながら、コンソールを操作するジョージ・マーティン


ジョージ・マーティンも、曲を分析するにはストリップ・ダウンするのが一番だといっているので、再構築をしないまでも、トラックをべつべつに聴いてみれば、なにか発見があるかもしれません。


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by songsf4s | 2011-10-20 23:54 | ブリティシュ・インヴェイジョン