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2011年 10月 18日 ( 1 )
ビートルズのヴァリアント Rubber Soul Sessions
 
ブライアン・ウィルソンをやろうなんて考えもあったのですが、とても二、三時間の準備ではとりかかれず、前回までの延長線上で、Rubber Soul収録曲と同時期のシングル、アウトテイクを聴きます。

今回利用するのは、主としてユーチューブ、さらにThe Beatles Artifacts、The Beatles Mythology、などのシリーズです。

前回まで依拠してきたThe Beatles Studio Sessionsはそれなりに整理されてわかりやすいのですが、今回はデータが不備なものもあります。できるだけ、マーク・ルーイゾーンのThe Complete Beatles Recording Sessionsとつきあわせるつもりですが、未確認のまま貼りつけることになるかもしれないので、そのへんはご容赦を。

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◆ 森を見て木を見ず ◆◆
woodの第一義は森ではなく、「1 木質, 木部; 材木, 木材, 材; 薪」です。

彼女は、ねえ、これ、いいでしょう? ノルウェイの森なのよ、なんていうと思いますか? とーんでもない。「ねえ、これいいでしょう、ノルウェイの木なのよ」といったのです。といっても、暖炉のそばに薪ざっぽうが積んであったわけではないでしょうけれど!

それでは「鳥は飛び去った」のテイク2から。バックビートありです。

The Beatles - This Bird Has Flown (Take 2)


ドラムが入っているのもちょっとびっくりしますが、最大の驚きは、エンディングの手前、So I lit the fire(ジョンはaといったり、theといったりしている。部屋に火をつけた? なんて歌詞があるとは思えないが!)のところにハーモニーがつけられていることです。

一瞬なので聴き誤っているかもしれませんが、ジョン自身のダブル・トラックでしょう。最終的に、よけいな装飾はオミットということになったのかもしれません。

Norwegian Woodは、This Bird Has Flownのワーキング・タイトルで、Rubber Soulセッションの初日、1965年10月12日に1テイクだけ記録されています。同月21日リメイクがおこなわれ(リメイクとするほど大きな転換とは思えないが)、テイク2から4までが録音されました。

よけいなことを書いて混乱させて申し訳ないのですが、マーク・ルーイゾーンは、take 2は「has a heavy sitar introduction and was recorded without drums or bass」と書いています。

はて? 上掲のクリップがほんとうにテイク2だとすると、ルーイゾーンのいう裸のテイク以外に、ドラムとベースとヴォーカルがオーヴァーダブされたものも存在する、ということだろうと考えられます。

こんどはほんとうにドラムもベースもなし、それどころか、シタールもないアコースティック・ヴァージョン。

The Beatles - Norwegian Wood (This Bird Has Flown) Take 3


ノーマン・スミスは、シタールはイヤなピークが出たりして、じつに録りにくい楽器だったと回想しています。シタールなしヴァージョンはノーマン・スミスのリクエストでしょう(嘘)。

つぎのテイク4が最終的にリリースされたものなので、この曲はこれでおしまいですが、謎が残りますなあ。ノルウェイの木とはなんなのか? ポールによると、壁や床も木でできた部屋なのだそうです。当たり前みたいな気がしますが。

So I lit the fire, isn't it good, Norwegian wood

朝早く、彼女は仕事に出かけ、部屋にとり残された男は、火をつけて、ノルウェイの木か、とひとりごちます。火をつけて? まあ、ストーヴかなにかと解釈しておきますが、謎の残る歌詞です。

◆ オーヴァーダブ多くしてテイク少なし ◆◆
なんだか、今回はすべてクリップがありそうな気がしたのです。まだすべて確認したわけではないですが、ここまでで狙ったものはみなクリップがありました。たとえば、

The Beatles - Nowhere Man (track only)


ヴォーカルがあると隠してくれるのですが、トラックのみだと、リンゴのロールが中途半端なのが気になります。ハル・ブレインのようなプロフェッショナルは、陶然となるほど美しいロールを聴かせてくれるのですが、バンドのドラマーは基礎ができていないものなのです。

本来ならリテイクするべきでしょうが、どうせヴォーカルが載る、気にするな、というあたりでOKとなったと思われます。じつにタイトなスケデュールのセッションでしたから。

つぎは手元のブートには収録されていないトラック・オンリー。

The Beatles - What Goes On (track only)


これは楽曲がどうこうというより、ジョンとポールがそろってバッキングにまわっているところがすばらしい(とくにジョンがおいしいところをいただいている)ので、バックトラックだけになってしまうと、そんなものか、ですがね。

それにしても、ポールのベースのグルーヴはすごいものだなあ、と毎度のように感心しちゃいます。リンゴのタイムがよくなっていくのは、ポールのおかげでしょう。

すごく面白い、というわけでもないのですが、いろいろ検索して、クリップを発見できなかったので、好き者のために貼りつけておきます。間奏がぜんぜんちがいます。たぶん、多くの方はコケると思うので、足下ご注意。

サンプル The Beatles "In My Life" (with alt. instrumental break)

これではどうもよろしくないよなあ、というので、後日、ジョージ・マーティンがあのピアノを弾くことになりますが、ピアニストではないので、ああいうものはうまく弾けないとご本人が認めているのでありまして、あれはスロウダウンしてオーヴァーダブしました。そのピアノの部分、スピード・アップ前の姿。

サンプル The Beatles "In My Life" (slowed-down piano break)

あとはとくにめずらしいものは発見できないので、つぎの曲でおしまいにします。

このヴァリアントは、ブートには何度も採録されていますし、めでたくAnthology入りも果たしています。しかし、(突然、プライヴェートな話になるが)中学時代のバンドメイトが、リリース・ヴァージョンよりこっちのほうがいいと思うといっていたのを思い出したので、貼りつけます。

The Beatles - I'm Looking Through You (take 1)


ヴァースのギター・アルペジオが入っている部分に強く感じますが、こちらのほうがリリース・ヴァージョンよりリリカルで、メロディーのよさが生かされています。

You're not the sameなどという、つなぎ目の部分は、逆にリリース・ヴァージョンよりラウド&ヘヴィーになっていて、これはこれでヴァースと対照的な味があります。

問題は、イントロではっきり聞こえるパーカッションに代表されるように、よけいな飾りを入れたことでしょう。いじりすぎてスッキリしなくなったので、いったんチャラにして、あのヴァージョンができあがったということじゃないでしょうか。ちょっと惜しかったと思います。

ブライアン・ウィルソン山脈登攀の準備はまだ整わないので、たぶん、この調子でSgt. Pepper'sまではやることになるだろうと思います。


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by songsf4s | 2011-10-18 23:57 | ブリティシュ・インヴェイジョン