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2011年 08月 05日 ( 1 )
エレクトリック・シタール・クレイズ 前編 1960年代
 
エレクトリック・シタール、ないしはシタール・ギターと呼ばれるギターの亜種があります。サイケデリック時代にシタールがあちこちで使われたのを受けて、シタール風の音(似てねーぞ、という意見もあったが!)が出るギターとして開発されました。

シタールには、じっさいには弾かない多くの共鳴弦が使われていますが、エレクトリック・シタールも、共鳴弦をつけているので、なにやらギターにオートハープが合体したような外観をしています。

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このあいだ、ヴィニー・ベルの曲をちょっとかけましたが、それ以来、気になっていたものですから、今日はサーフ&ロッドの箸休めに、エレクトリック・シタールを使った曲を並べてみます。

あれこれ考えたのですが、なかなか記憶はよみがえらず、最初に聴いたのはどの曲だったか、ついに判明しませんでした。たぶん、これではないかと思うのですが、自信なし。

The Box Tops - Cry Like a Baby


なかなかいいドラムで、セッション・プレイヤーのにおいがぷんぷんしています。第一候補はロジャー・ホーキンズ。ボックス・トップスという「バンド」は、実体はアレックス・チルトンとセッション・プレイヤーだったのかもしれません。

エレクトリック・シタールという楽器は、サイケデリック・ブームが産み落とした鬼子だと思うのですが、そこは鬼子、ごく初期から、すでにサイケデリックの文脈とは関係のないところで使われています。まあ、あたくしはアレックス・チルトンの声が好きなので、細かいことはいわずに楽しんでしまいますが。

すっかり忘れていましたが、同じころにヒットした(こちらのほうがボックス・トップスより早かったか)この曲でも使われていました。こちらはいちおうサイケデリック文脈です。

Eric Burdon & The Animals - Monterey


サイケデリック文脈とはいえ、インド音楽的にやっているわけではなく、ただのポップ・ミュージックだから、いきおい、エレクトリック・シタールも、たんに、変なイフェクターを通したギターにしか聞こえなくなります。このあたりで、この楽器の未来は定まったのではないでしょうか。

いま、自分の勘違いであらぬ曲を聴こうとして、なるほどと腑に落ちました。あの曲もエレクトリック・シタールじゃなかったっけ、とユーチューブを検索しそうになり、ちがった、あれはドブロだった、と思いとどまったのです。いや、べつに聴いたっていいのですが、エレクトリック・シタールではなく、ドブロですよ。為念。

Jeannie C. Riley - Harper Valley PTA


67年のビルボード・チャート・トッパーで、頭のなかではボビー・ジェントリーのOde to Billie Joeの隣あたりにおいてあります。

で、この勘違いも、わたしの脳内では、エレクトリック・シタールがリゾネイター・ギターのすぐ隣にしまわれているから起きたのでしょう。

まったくの憶測ですが、この人は、エレクトリック・シタールをドブロの親戚ぐらいのつもりで使ったのではないでしょうか。ジョー・サウス、人がすなるという戯れを吾もせむとや思ふ。

Joe South - Games People Play


使っているのはダンエレクトロ製のようです。やはり、当時はほかのメーカーのものはなかったのでしょう。

ジョー・サウスがこの大ヒット曲でリードを弾いたことは、わりによく知られていると思うのですが、ご存知ない向きのために、寄り道をして、彼のプロモーションをやっておきます。いや、ひどい耳タコだから、聴くまでもありませんが。

Simon & Garfunkel - The Sound of Silence (with Joe South on guitar)


つぎの曲は数本のギターが重ねられているので、どちらとも判断できなくて悩ましいのですが、いちおう貼りつけるだけ貼りつけておきます。

ディープ・パープルのカヴァーで知った方も多いでしょうが、作者はジョー・サウス、オリジナルはビリー・ジョー・ロイヤル、ということはつまり、以下のヴァージョンは作者自身によるセルフ・カヴァーということになります。

Joe South - Hush


うーむ、何度か聴いたのですが、やはり、低音弦のリックがギターともエレクトリック・シタールとも判断できませんでした。

つぎの曲の場合もやはり、新しいタイプのリゾネイター・ギターといった雰囲気で使われていると感じます。

B.J. Thomas - Hooked on a Feeling


うーむ、イントロ・リックがむずかしい。コピーしてみるまでもなく、聴いただけで、運指が面倒くさそうでめげます。

久しぶりに聴いたら、ずいぶん印象がちがっていたので驚きました。大ヒット曲なのですが、ミックスを変えられると、別人に出会った気分です。いくつか聴いて、いちばん昔のミックスに近いと感じるものを選びました。

また寄り道ですが、70年代にこの曲の変なカヴァーがヒットして、目が回りました。

Blue Swede - Hooked on a Feeling


その名の通り、スウェーデンのグループだそうですが、イギリス以外の外国のアーティストがビルボード・チャートに留まるのはきわめて困難で、このグループも、これ一曲だけだったように記憶しています。たとえほかにヒットがあったとしても、記憶に残らないほどつまらないものだったのでしょう。

エレクトリック・シタールのサウンドにはリゾネイター・ギター的な感触があるのはたしかで、カントリー系で使われたのも、さもありなんと思います。

しかし、どこからはじまったことなのか、この楽器は、やがて異なった方面で人気を博すことになります。淵源はたぶんつぎの曲ではないかと思うのですが、これまたたんなる印象にすぎず、自信なし。

Freda Payne - Band of Gold


ホランド=ドジャー=ホランドのトリオは、モータウン(すなわちベリー・ゴーディー)は正当な報酬を支払っていないと考え、独立することになりますが、モータウンが起こした訴訟のために、みずからは曲を書けなくなってしまいます。

その結果、彼らのレーベル、ホット・ワックス/インヴィクタスは、H=D=Hの楽曲という最大のセールスポイントを欠いたままスタートします。しかし、よくしたもので、いま振り返って、ホット・ワックスの楽曲はすぐれたものが多かったと思います。

卓越したソングライター・チームだから、他人の曲の善し悪しを判断するうえでも卓越した能力を発揮したか、または、自社のスタッフの名前を借りて、ソングライティングをつづけたのかもしれません。

ホット・ワックスのものとしては、Want Adsなどのハニー・コーンの曲がいちばん好みに合いますが、フリーダ・ペインにもいくつかいい曲がありました。とくに、彼女の最大のヒットである、このBand of Goldは飽きのこない佳曲です。

全編で活躍するエレクトリック・シタールも魅力的ですし、女声コーラスもおおいにけっこうです。これでドラムがもうすこし軽快でキレがあれば文句なしなのですが、鈍重さがきちんと欠点になり、上品にまとめるのに貢献しています。完璧は品がありませんから。

ことの先後をきちんと調べていないので、どの曲とピンポイントで指名することはできませんが、このフリーダ・ペインのBand of Goldあたりから、エレクトリック・シタールは非カントリー的な方面へと入り込んでいきます。しかし、今日はもう十分に曲を並べたので、そのあたりの詳細は次回に。


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by songsf4s | 2011-08-05 21:01