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2011年 05月 22日 ( 1 )
Remembering Tommy Tedesco 2: Out of Limits (The Marketts)
 
本題の前に、例によって、お知らせです。散歩ブログを更新しました。外題は、

「ツバメの電線音頭」

です。前回は、こちらとツイッターの両方に更新情報を書いたら、本来は閑散たるはずのわが散歩ブログとしては前代未聞の多数のお客さんがいらしたので、今回はツイッターはなし、こちらだけにしました。プレッシャーがかかるのは当家だけで十分、あちらはまだしばらく、気ままにやりたいと思っています。

◆ 二の枕: 長門裕之 ◆◆
すでにご存知のように、長門裕之没だそうです。かつて日活で活躍した俳優ではありますが、当家で取り上げた映画で、長門裕之が出演したのはたった一本、『狂った果実』だけです。

いちおう、リンクを張っておきましたが、ご覧になるほどのことは書いていません。なにしろ、この映画の長門裕之はあくまでもカメオ・アピアランス、『太陽の季節』と出演者やスタッフが重なるからという理由と、映画初出演の弟・津川雅彦への激励という意味で登場しただけでしょう。

もうひとりの出演者の兄・石原慎太郎といっしょに、不良学生として登場し、石原裕次郎たちと浜辺でもめて、あっさりのされてしまいます。あちらの記事を開くのも面倒だという方のために、その部分をコピーしておきます。写真とそのキャプションでしか言及していないのです。

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カメオ・アピアランスと特別出演は、『太陽の季節』に主演した(というより津川雅彦の兄としてか)長門裕之と、裕次郎の兄で、この映画の原作、脚本を書いた東京都知事。海岸の遊園地で岡田真澄にからんだばかりに、裕次郎たちとゴロをまくハメになり、二人ともあっさり片づけられてしまう。痛そうかつ悔しそうな顔の都知事は、素人にしては演技派!

以上、ペースト終わり。

◆ プレイヤー、トム・テデスコ ◆◆
今日もトミー・テデスコについて少々。

まず、ウェブ上でもっともたくさんトミー・テデスコのトラックが聴ける、オオノさんのブログへのリンクを。右のサイド・バーにあるリンクと同じものですが。

オオノさんのブログ

オオノさんのブログのトミー・テデスコ・タグ

このタグで引っかかるページにおかれたサンプルを聴けば、トミーのプレイの概要は簡単にわかります。わたしの記事ではまだるっこしいという方は、直接、オオノさんのサンプルをお聴きになってください。

先日、ご紹介したAdd More Musicの「レア・インスト」および「50ギターズ」、さらに上記のオオノさんのブログを合わせると、相当なトラック数になるので、トミーの紹介はそれで十分かもしれません。でもまあ、わたしなりに、好きなトラックもあれば、ちょっと書きたいこともあるので、いろいろダブりはありますが、しばらくは、Remembering Tommy Tedescoシリーズをつづけようと思います。

とりあえず一曲、オオノさんがユーチューブにアップされたものを。

トミー・テデスコ Dee Dee's Dilemma


オオノさんがクリップに注記されていますが、これはトミー・テデスコとピート・ジョリー・トリオの共演です。わたしはピアノを聴かない人間ですが、ピート・ジョリーとリオン・ラッセルは例外で、ピアノ単体でも面白いと感じます。

ピート・ジョリー・トリオのベースはチャック・バーグホーファーで、この人もまたジョリー同様、ハリウッドのスタジオでセッション・プレイヤーとして活躍しました。二人ともクリス・モンテイズ・セッションの常連でした。

また、バーグホーファーはハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスのメイン・ベース・プレイヤーでもあったそうで、二人ともA&Mレコードとのつながりが強かったことになります。ピート・ジョリー、チャック・バーグホーファー、ともにタイムがいいのでスタジオ・ワークの適性がありました。

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写真上 右からピート・ジョリー、ひとりおいてハル・ブレイン、ジェリー・マリガン。写真下 チャック・バーグホーファー(中央)

ドラムのニコラス・マーティニスというプレイヤーは、ピート・ジョリーの盤でしか見た記憶がありませんが、マックス・ローチやグレイディー・テイトのような、ひどいタイムではなく、安定しています。タイムのいい人は、概してタイムの悪いプレイヤーを嫌うものなので、ピート・ジョリーとチャック・バーグホーファーのいるところには、やはりそれにふさわしいドラマーがやってきたのでしょう。

トミー・テデスコは、このトラックでは当然、L5あたりのギブソン・ジャズ・ギターを使っていると思われます。テレキャスターのときとはちがって、ギブソンをもったときのトミー・テデスコはまじめに弾きます。

このGuitars of Tom Tedescoというアルバムは、企画者側の考え(すなわちセールス重視)と、トミーの考えが入り混じったような選曲に見えますが、この曲はトミーの考えで選ばれたのではないでしょうか。

◆ 雇われガンマン、トミー・テデスコ ◆◆
トミー・テデスコは、自伝のなかで、「マーケッツのギタリスト」などとは呼ばれたくないと明言しています。嫌がらせをするわけではないのですが、実物を聴くと、トミーのコメントの意味がより明確になるので、おひとつどうぞ。

マーケッツ Out of Limits


こちらはテレキャスターでしょう。バーニー・ケッセルやハワード・ロバーツなど、ジャズ・プレイヤーがセッション・ワークにしばしばテレキャスターを使っているのを不思議に思ったことがあります。ケッセルがいっていたのだと思いますが、その理由は、軽くて持ち運びが楽だからだそうです!

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フェンダー・テレキャスターとバーニー・ケッセル

トミーがなぜマーケッツでのプレイを嫌ったかは、たちどころにおわかりでしょう。ギター・プレイヤー、などと胸を張れるような仕事はしていません。アレンジャー(このアルバムはギタリストでもあるレイ・ポールマンが譜面を書いたのだろう)に指定されたとおりに弾いているだけです。彼は読譜と運指とピッキングの技術を提供したのであって、音楽的な意味では貢献していません。

このあたりはひとそれぞれですが、トミーは傍観者的タイプだったのだと思います。要求されたことはなんでもする(あるいは「できる」)かわりに、要求されないことはまったくしないタイプだと考えています。

しかし、できあがったアルバムをトータルで見れば、プロデューサーのジョー・サラシーノの意図したとおりになったのだと感じます。ハル・ブレインが叩きまくっていることや、管のアレンジやレズリー・ギターの効果的な使用などのおかげで、なかなか楽しめるものになっています。

もう一曲いこうと思い、ユーチューブを検索したら、インチキな再録音ヴァージョン(そんなものがつくられるほど売れているのか?)が転がり出てしまったので、正しいヴァージョンを自分でアップしました。同じく、アルバムOut of Limits収録のトラックです。

サンプル The Marketts "Twilight City"

イントロでハル・ブレインがBe My Babyビートを使っているのが笑えます。セッションによってメンバーはちがいますが、アップライト・ベース=ジミー・ボンド、ピアノ=リオン・ラッセル、パーカッション=アール・パーマー、ギター=トミー・テデスコおよびレイ・ポールマン(および不明のギタリスト)、ダンエレクトロ6弦ベース=ビル・ピットマンといった編成の写真がCDには収録されています。

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このTwilight Cityは、上記パーソネルに近いと感じます。ギターは4本、テレキャスター、レズリー・ギター、アコースティック(ないしはアンプラグドしたフルアコースティック・ジャズ・ギター)、ダンエレクトロ(AFMのコントラクト・シートでは、ベースではなく、ギターと記載される習慣だった。つまり、ベースではなく、1オクターヴ低くチューニングするギターとみなされたので、パーソネルを読むときには注意が必要)=ビル・ピットマンでしょう。

トミーはこの曲でも、譜面に書かれたラインを弾いただけに聴こえます。ポップの世界はジャズやクラシックと違うので、自己主張をするのはプロデューサーひとりだけで十分なケースがしばしばあります。この盤はジョー・サラシーノのものであり、プレイヤーはみな雇われガンマンにすぎません。ハル・ブレインがやりたい放題に叩いているのは、たんに結果というか、サラシーノがそう望んだからにすぎないのだと想像します。

あと二曲用意してあったのですが、長門裕之関連記事のことを書き足したので、今日はここまでで切り上げます。


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マーケッツ
Out of Limits
Out of Limits
by songsf4s | 2011-05-22 18:04 | Guitar Instro