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2011年 05月 18日 ( 1 )
Remembering Tommy Tedesco 1: WhisperingおよびFrenesi
 
前回の「カール・スティーヴンズ(チャック・セイグル)のロッキン・オーケストラ」で、トミー・テデスコのアルバム、Twangin' 12 Great Hitsを聴いたら、止まらなくなり、今日はトミーのプレイばかり聴いていました。

このアルバムは全曲、Add More Musicで聴くことができるので、右のサイド・バーからAMMを訪れ、「レア・インスト」ページをご覧になっていただきたい、ということを繰り返しておいてから、AMMで頂戴したファイルをネタにします。

トミー・テデスコのリーダー・アルバムでもっともよく聴いたのはこのTwangin' 12 Great Hitsでした。その理由は、主として、ハリウッド的に洗練したニューオーリンズR&Bとでもいうべきサウンドのほうでした。

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このアルバムは好きなトラックが目白押しで悩むのですが、どれでも大丈夫だから、原曲との乖離が面白いこの曲を。音源はAMMのものを拝借しています。

サンプル Tommy Tedesco "Whispering"

どこがWhisperingなのだというにぎやかなサウンドですが、このアルバムは、前回とりあげたHigh Society Twist同様、有名な曲を高速化したトラックが多数収録されていて、基本的にはそういう方針でつくられたものです(箸休めとして、遅い曲も一握りだがある)。

テデスコという人は、セッション・ワークについては、その内容に関心のない人で、依頼されたことをやるだけというタイプだったようです。リーダー・アルバムといっても、これはポップ系の企画盤、彼のメイン・ラインであるジャズではないので、内容には関心がなく、注文どおりに弾いただけでしょう。

f0147840_2348583.jpgこのようなドゥエイン・エディー風トワンギング・サウンドでやっているのはこれ一枚だけです。エディーとちがうのは、あちらが低音弦一辺倒なのに対し、トミーはすべての弦をブリッジ近くで強くピッキングしています。高音になると、あまりトワングしないものだなあ、と笑いそうになります。巻き線じゃない弦では、ああいう効果は出ないのだと、実証してくれました!

ということで、トミー・テデスコは、どんなことでも、やれといわれればやってみせる、というアナザー例証で、その点では面白くはありますが、彼のギターの代表作などといったら、泉下のトミーが気を悪くするでしょう。

しかし、ドラマーはインストでは暴れていいことになっています。1962年、絶頂期にあったアール・パーマーは、ワイルドなニューオーリンズ・スタイルに先祖返りしたように、楽しげにプレイしています。

サンプル Tommy Tedesco "Frenesi"

わたしのタイム感は、ハル・ブレインの時代に培われたもので、彼のタイムがもっとも自然に感じられます。アール・パーマーは、とくにニューオーリンズ時代にそうでしたが、しばしばフィルインですこし拍を食います。トータルとしてのタイムは正確なのですが、小節の中では、ジャストではなく、すこし前にくる拍があります。彼自身は、ニューオーリンズ(最近、土地の人はノーリンズと略すことがあると知った)はキックの使い方がよその土地とはちがうのだといっていますが、それはそれとして、すこし拍が詰まるのは、50年代的なパラダイムといっていいのではないかと思います。

そういうアールのスタイルは、気になるときもあるのですが、こういう文脈では、拍が詰まったところも、南部的な味わいの一要素に感じられます。

このアルバムのトミーのギターは面白くない、といったかのような印象を与えたかもしれませんが、ギター単独のプレイという面ではなく、このアルバムを通じて繰り返される、管といっしょにテーマをプレイするスタイルはおおいに楽しめます。これが、ヴェンチャーズのHawaii 5-0につながった、なんてことはいいませんけれどね!

ヴェンチャーズ Hawaii 5-0


ヴェンチャーズのメンバーはゼロで、ギターはトミー・テデスコ、ベースはキャロル・ケイ、ドラムはCKさんの記憶ではジョン・グェランだそうで、わたしもそうだと思います。耐えられないほどタイムが悪いので、ハル、アール、二人のジムといったエース級ではないのは明らかです。ハリウッド音楽界の大崩壊はジョン・グェランの活躍とともにはじまった、なんていいたくなります。

◆ セッション・ワーク ◆◆
すこし他のアルバムも聴いてみます。こんどはトミーが気を悪くしないであろうトラックを。

トミー・テデスコ Cavatina


映画『ディア・ハンター』のテーマです。映画ではジョン・ウィリアムズがリードを弾き、トミー・テデスコがセカンドをプレイしたそうです。そのときから、トミーは、これは「俺の曲」だと思っていたそうで、あとでカヴァーしたというしだい。

テレキャスターをもったときのトミーはかなりいい加減で、ミスなんか気にしないようなところがありますが、ガット・ギターを持つと人格が変わります。

すこしガットによるセッション・ワークを並べます。

ゲーリー・ルイス&ザ・プレイボーイズ Sure Gonna Miss Her


この曲はアレンジャーのリオン・ラッセルがギター・パートを書いたのですが、何人かが試してうまくいかず、トミーが呼ばれて、ワン・テイクでキメたという伝説が残っています。プレイヤーとしての資質の核心ではないのですが、トミー・テデスコは読譜もすぐれていて、まわりのプレイヤーに教えていたということを、たしかハル・ブレインがいっていました。

アソシエイション Rose Petals, Incense and a Kitten


こちらのほうがトミー・テデスコのガット・プレイの特徴がより明確に出ています。ヴィブラートとピッキングの強さが彼のスタイルでした。ベースはいわれなくてもジョー・オズボーンとわかるサウンド、プレイです。

フィフス・ディメンション Up Up and Away


ドラムはいうまでもなくハル・ブレイン、ベースはジョー・オズボーン、そしてトミー・テデスコはガットのオブリガートをプレイしています。エンジニアはボーンズ・ハウ。まぎれもなく、レッキング・クルーの到達点、代表作のひとつです。この躍動感こそがレッキング・クルーの音でした。

ハル・ブレインのスネア、タムタム、フロアタムにかけるリヴァーブを動的に変化させているボーンズ・ハウの技にもご注目。ディジタル・ミキシングなんてことのできなかった時代なので、ミックス・ダウンのときに、リアルタイムでフェイダーを操作したにちがいありません。まるで楽器を弾くようなものです。

録音からずいぶん時間がたってから、カーラジオで流れてくるのを聴いて、涙が出そうになり、思わずハル・ブレインに電話して昔話をしたという、セッション・ギタリストとしての、トミー・テデスコの代表作、エルヴィス・プレスリー、Memories。作者のひとりは、トミーの同僚、ビリー・ザ・ボス・ストレンジです。



ドラムはハル・ブレイン、ベースは、たしかチャック・バーグホーファーだったと思います。

こういういかにもエンディングにふさわしい曲で終わるのは本意ではないので、あえてにぎやかな曲でしめたいと思います。

リード・ギターはビリー・ストレンジとトミー・テデスコがシェアし、ドラムはハル・ブレイン、ベースはデイヴィッド・ゲイツ、ペダル・スティールがウェイン・バーディック、キーボードがアル・ディローリーというメンバーのワン・ショットのスタジオ・プロジェクト、アヴァランシェーズのアルバム、Ski Surfin'から、タイトル・カットです。

アヴァランシェーズ Ski Surfin'


どちらがどのパートを弾いているか、わたしはビリー・ストレンジさんに質問したことがあるのですが、答えは「もはや俺にもわからない。あのころはトミーとよくリックを交換していた」でした。

ということで、もはやだれにも否定されないことを承知のうえで、楽な当てずっぽうをいうと、最初にメロディーを弾くほうがボス、あとからワイルドなインプロヴをするのがトミーと考えています。

オオノさんのブログにはトミー・テデスコの音源が大量にアップされているので、次回はできれば、そのご紹介をしたいと思います。


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ゲーリー・ルイス&ザ・プレイボーイズ
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アソシエイション
バースデイ+3
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フィフス・ディメンション
Very Best of
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by songsf4s | 2011-05-18 23:45 | Guitar Instro