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2010年 05月 17日 ( 1 )
サンプラー4 アトランティックスのAdventures in Paradise
タイトル
Adventures in Paradise
アーティスト
The Atlantics
ライター
Dorcas Cochran, Lionel Newman
収録アルバム
Bombora
リリース年
1963年
他のヴァージョン
Henry Mancini, Johnny Gibbs & Orchestra, Arthur Lyman, The Gene Rains Group, the Paradise Island Trio, Werner Muller
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『八月の濡れた砂』はじつに困った映画で、あの映画のなかにいた感覚がいつまでも揺曳し、つぎの映画に頭を切り換えることができません。いつまでもそんなことはいっていられないので、腹をくくったつもりだったのですが、結局、書きはじめるには至りませんでした。

となれば、サンプルの出番。今日の南関東は強い日射しが照りつけ、久しぶりに汗をかくような天気でした。こうなると、飲み物も冷たいものが欲しくなるように、聴くものも素直に反応して、エキゾティカ方面に気分は傾きます。

◆ アトランティックス盤 ◆◆
エキゾティカはいろいろ書いてきましたが、今日は主流からちょっと外れるアトランティックスのAdventures in Paradiseをいってみようと思います。オリジナルの記事は、

Adventures in Paradise その1:the Atlantics

Adventures in Paradise その2:Henry Mancini

の二回です。

それではまず、めずらしいギター・インスト版エキゾティカ、アトランティックスのカヴァーからどうぞ。

サンプル The Atlantics "Adventures in Paradise"

ギターによるエキゾティカというと、エキゾティック・ギターズのトラックのなかには、その名のとおり、エキゾティカに分類していいものが相当数あります。しかし、やることが上品というか、露骨なエキゾティカというのはすくなく、どことなく、というか、そこはかとなく、というか、そういう味のエキゾティカです。したがって、バードコールなんか使わないのです。

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その点、アトランティックスのAdventures in Paradiseは、深く考えずにマーティン・デニー流のエキゾティカをストレートにギター・コンボに移し替えたもので、リヴァーブとトレモロもじつに気分よく、マーティン・デニーよりこっちのほうがずっとエキゾティックじゃないかなんて思います。ピアノよりギターのサウンドのほうがはるかに好きだといっているだけにすぎませんが、でも、深くトレモロがかかった状態でミュートした音なんて、なんともノスタルジックないい響きで、ユートピアのサウンドです。

◆ さらに二種 ◆◆
昔はよくわかっていませんでしたが、まじめにエキゾティカを集めて思ったのは、マーティン・デニー流エキゾティカは方言ないしは亜流にすぎない、あれを本流と思うのは歴史感覚の転倒だ、ということです。

もちろん、どんな分野でも、ジャンル成立以前の前史、前駆というのはあるもので、そういうもののことも分析したことがありますが(たとえば、ポール・ホワイトマン・オーケストラのThe Japanese Sandman)、オーセンティックなエキゾティカ、ジャンルとしてのエキゾティカ、「近代エキゾティカ」の父がレス・バクスターであることは動かせません。

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バクスターがQuiet Villageで生み出したサウンドをエキゾティカの原器とするならば、やはり正調エキゾティカはオーケストラ音楽だと思います。じっさい、ピアノでは弦楽器のような音階と音階の中間の音が出せず、エキゾティカに必要な「はろばろとした気分」を十全に実現することができません(だからこそ、逆に、マーティン・デニーはバードコールを必要とした)。

という我田に水を引くために、二つのサンプルを並べます。

サンプル Johnny Gibbs & Orchestra "Adventures in Paradise"

サンプル Arthur Lyman "Adventures in Paradise"

前者はストリングスとコーラスによる表現が、この曲の半音進行にふさわしく、けっこうな出来です。

後者のアーサー・ライマン盤は、ライマンがヴァイブラフォーン・プレイヤーなので、当然、音階と音階の中間の音は表現できません。それを補っているのはヴァイブの涼しげなサウンドでしょう。べつに悪いものではなく、まずまずの出来ですけれどね。

◆ ゲーリー・バートンその後 ◆◆
前回、ゲーリー・バートン・カルテットのサンプルについて、どうせほとんどアクセスはないだろう、などとよけいなボヤキを書いてしまったら、そこに反応されたのか、それとも、たんにゲーリー・バートンないしはラリー・コリエルが思ったより人気があるだけのか、いま見たら、そこそこのアクセスがありました。よけいなことは書かないほうがいい、と後悔したのでありました。

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by songsf4s | 2010-05-17 23:53 | 映画・TV音楽