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2010年 02月 01日 ( 1 )
I'll Get You by the Beatles
タイトル
I'll Get You
アーティスト
The Beatles
ライター
John Lennon, Paul McCartney
収録アルバム
N/A (45 release)
リリース年
1963年
他のヴァージョン
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ビートルズの話はワン・ショットのつなぎのつもりだったのですが、きょうもまだ頭のなかはジョン・レノンの声で埋め尽くされているので、鈴木清順と宍戸錠の『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』は、今日も先送りにさせていただきます。日活ファンのみなさんには、どうかあしからず、と申し上げておきます。

◆ 軽くこじれてみる ◆◆
たとえば、古今亭志ん生をしつこく聴いているうちに、だんだんこじれてきて、好きなのは「火焔太鼓」ではなく、「佃祭」だの「二階ぞめき」だのと、妙なところに入りこんでいったりします。

これがビートルズともなると、こじれにこじれ、裏の裏の裏の裏で、結局、表に戻ってI Want to Hold Your Handがいい、などと言い出しかねないまでにふかーくふかーく掘ってしまいます。それではあまりにも高踏的かつアヴァンギャルドすぎて、だれにも話が通じなくなるので(通じるってば>俺)、ここではノーマルに、一回転半のこじれ、ぐらいで考えてみます。

だれにもそんなことはきかれないのに、自問自答しますが、「一回転半ひねる」とどういう曲が出てくるか? 筆頭はやっぱりI'll Get Youであり、Thank You Girlでしょう。とくに前者は、デビュー時の超高速時空のなかで、うっかりB面に入れてしまったジェムであり、むしろ、アルバム・トラックとして、重要なポジションをあたえるべきだったと思います。たとえば、It Won't Be Longのような、ノン・シングルの重要曲を思いだしていただきたいわけです。No Replyでもいいですけれどね。

いや、まあ、そこまでいうと、I'll Get Youには家賃が高すぎるかもしれませんが、公式見解でなく、友だちどうしの酒の席の話なら、わたしはI'll Get Youをビートルズのベスト14にいれます。なんで14なんだって? イギリスのLPのトラック数に決まっているじゃないですか。

ごちゃごちゃいわずに、「一回転半のひねり」で14曲を選んでみましょうか。

No Reply
I'll Get You
You're Gonna Lose That Girl
I'll Be Back
All I've Got to Do
Ask Me Why
I Should Have Known Better
Yes It Is
How Do You Do It
I Will
I Don't Want to Spoil the Party
What Goes On
If I Fell
You Won't See Me

ほとんど即興ですが、なかなか味があるじゃないか、と自画自賛しちゃいました。リンゴのリードは入れたのに、ジョージが入っていないのは不公平かもしれません。Devil in Her HeartかDon't Bother Meでしょうかね。いいえ、嫌がらせでこの2曲を挙げたわけではなく、はすに構えたわけでもなく、ジョージがリードをとったものとしては、わたしはまじめにこの2曲が好きなのです。でも、これでは泉下のジョージが赤面するかもしれないのですこし妥協すると、I Need Youでしょうか。

この即席リストをあれこれつつきまわすだけで、とうぶんのあいだ当家は、ほかになにもできなくなるような気がします。

思うのですが、上のリストを見て、快哉を叫んだ方が一握りはいらっしゃるのじゃないでしょうか。「だれもがずっといいたかったのに、どうしてもいいだせなかったビートルズについての7つの事柄 その1」なんていうタイトルにしてもいいか、と思うほどです。呵々。

ためしに、何曲かについて、なぜ選んだのかを書いてみましょうか。

◆ How Do You Do It? ◆◆
たかだか20年ぐらいしか聴いていない、というのが最大の理由です。まだ気分が摩滅していないのです。最初に聴いたときは、やっぱりジョンの声はすごい、と感じ入りました。この曲のギター・ブレイクからしてすでに遅れているジョージも、めずらしい人だと思います。ふつうは走るか突っ込むかするものなんですがね!

ビートルズ ハウ・ドゥー・ユー・ドゥー・イット


ただし、どちらのほうにヒット・ポテンシャルがあるかといったら、やはりジェリー&ザ・ペイスメイカーズのヴァージョンです。YouTubeにはライヴしかないので、彼らのヴァージョンはオミット。

ジョンとポールのレンディションは、「最低限の義務は果たした」といったあたりで、気が乗っていないのは明らかです。しかし、この楽曲とジョンの声の組み合わせは、やはりおおいに魅力的。

◆ Ask Me Why ◆◆
How Do You Do It?は風向きしだいで14曲からはずしてしまうでしょうが、Ask Me Whyは昔からつねに上位にとどまっています。理由は説明するまでもないでしょう。やはりジョンのヴォーカル、もっと正確にいえば、これほどジョンの声が魅力的に捉えられた録音はほかにあまりない、ということに尽きます。Makes me CRYのところでの、ヴォイス・クラッキングをお聴きなさいというのですよ。これがジョン・レノンとグラム・パーソンズの共通の魅力です。



いやはや、この曲はまずいですな。涙腺の元栓を狙い撃ちしてきます。

◆ I'll Get You ◆◆
まあ、正直にいえば、I'll Get Youを「ビートルズの14曲」に入れるのは、ちょっとやりすぎと思います。でも、散歩のときの鼻歌レパートリーとしては、つねにベスト・テンから脱落したことはなく、いまでもよくイマージン・アイム・イン・ラヴ・ウィズ・ユー、イッツ・イージー・コズ・アイ・ノウとがなっています。many, many, many times beforeと、never, never, never, never blueの繰り返しが楽しく、また、ちょっと難所でもあります。



ほんの初期だけですが、ビートルズは、というか、ジョン・レノンは、チャック・ベリーのひそみに倣ったのか、飾りとしてしばしば6thの音を入れました。この曲のリズム・ギターも、6thなんかなくてもまったく差し支えないのですが、いまになると、6thを入れるところがまさに初期のビートルズらしさに感じられます。

いま、6thを使わないアレンジを想像してみました。たぶん、ノーマルなコードでやると、甘みが強くなってしまったのではないでしょうか。6thをはさむロックンロール・リズム・ギターにすることで、微妙な甘みをつくりだしたように感じます。

これはささいなことのようですが、ビートルズのヒット・レシピの本質はそこにあったような気もします。美しいバラッドにロックンロールの「よごし」をかけて、時代の好尚にピッタリ合ったビター・スウィートネスを生み出した、といったあたりです。


Anthology 1
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Past Masters
Past Masters, Vol. 1
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by songsf4s | 2010-02-01 23:54 | その他