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2008年 01月 12日 ( 1 )
Stella Blue by Grateful Dead その1
タイトル
Stella Blue
アーティスト
Grateful Dead
ライター
Robert Hunter, Jerry Garcia
収録アルバム
Steal Your Face
リリース年
1976年(録音は1974年)
他のヴァージョン
live versions of the same artist, a symphonic version by Russian National Orchestra (conducted by Lee Johnson)
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グレイトフル・デッドの曲には、歌詞で冬や雪や寒さに言及しているものが相当数あるのですが、ほかのどんな曲よりも強く冬を感じさせるのは、このStella Blueです。

もちろん、客観的な裏づけなどないので、これはあくまでもわたしの感じ方にすぎませんが、Wake of the Flood収録のスタジオ盤をはじめて聴いたときから、冬の夜空のきらめきを感じましたし、Steal Your Face収録のライヴ・ヴァージョンでは、さらに強く冬を感じました。

ときおり、ネタに困って、強引な季節分類をやっているのはたしかですが、この曲は正真正銘、サウンドに冬が織り込まれています。Believe me!

◆ 自己言及メタ・ソング ◆◆
このあいだのEyes of the Worldでは、歌詞の検討を途中で端折ってしまいましたが、Stella Blueの歌詞には、昔から好きなラインがあるので、わからないながらも、今日は頭から尻尾までいってみたいと思います。それでは、ジェリー・ガルシアがその五十有余年の生涯で書いた、もっとも美しいバラッドのファースト・ヴァース。

All the years combine
They melt into a dream
A broken angel sings from a guitar
In the end there's just a song
Comes crying like the wind
Through all the broken dreams
And vanished years

Stella Blue

「あらゆる歳月をすべてまとめ、それはひとつの夢へと融けこむ、壊れた天使がギターから歌う、最後にひとつの歌だけがあり、風のように咽び来たる、すべての破れた夢と消え失せた歳月を通り抜けて……青き星よ」

ロバート・ハンターの作品には、音楽そのもの、さらにはバンドや聴衆に言及した「メタ・ソング」がかなりあります。わたしは、この詩は、詩そのもの、音楽そのもの、そして、詩作それ自体について語った、多重メタ・ソングだと思っています。

f0147840_23563189.jpgなお、以前にもふれたデッドの歌詞研究サイトによると、ハーモニー社という楽器製造会社から、Stellaというブランドのギターが発売されていて、ブラインド・ウィリー・マクテルをはじめ、戦前のブルーズ・プレイヤーがよく使ったのだそうです。関係があるのかないのか、わたしには見当もつきませんが、今日は飾りがないので、いくつかStellaの画像をおいておきました。ついでなので、ブルー・スターという蘭および朝顔の品種もおいておきます。これはたんなるシャレ。

セカンド・ヴァース。


When all the cards are down
There's nothing left to see
There's just the pavement left
And broken dreams
In the end there's still that song
Comes crying like the wind
down every lonely street that's ever been

Stella Blue

「すべてのカードが開かれれば、もはや見るべきものはない、ただ舗道と破れた夢が残るのみ、最後にまだあの歌が残り、風のように咽び泣く、かつて存在したあらゆる孤独な通りに……青き星よ」

ここも自己言及的ヴァースのように思います。世阿弥と同じように「秘すれば花」といっているのではないでしょうか。

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◆ 錆びた弦 ◆◆
つづいてブリッジ。サウンドのほうは、それまでの静かなムードから一転して、フォルテになるところです。

I've stayed in every blue-light cheap hotel
Can't win for trying
Dust off those rusty strings just one more time
Gonna make'em shine

「青いライトのあらゆる安宿に泊まったが、どうしても試してみるところまでたどり着けない、あの錆びた弦のほこりをもう一度だけはらい、光り輝かせよう」

f0147840_015975.jpgここは難所です。青いライトとはなにを指すのか。単純に、ネオンサインを思い浮かべてしまうのですが、たぶん、それでは短絡的すぎて、大ハズレではないかという気がします。いや、だからといって代案があるわけではないので、困っちゃうのですが。

Can't win for tryingもよくわかりません。辞書でwinを引くと、You can't win for losingという用例があります。意味は「《口》 どうしても勝てない[成功しない]、 完全にやられている」だそうです。いちおう、これをもとにして解釈してみましたが、どんなものでしょうか。そもそも、なにを指すのかわからないのだから、「解釈」になんかなっていないのですが!

stringはギター弦を指すとはかぎりませんが、ファースト・ヴァースでギターが登場していることですし、「錆びた」とあるので、金属であることはまちがいなく、弦と解釈して大丈夫でしょう。ロバート・ハンター自身、ミュージシャンなのです。

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最後のヴァース。

It all rolls into one
And nothing comes for free
There's nothing you can hold for very long
And when you hear that song
Come crying like the wind
It seems like all this life was just a dream

Stella Blue

「すべてはひとつになり、そしてタダでは得らるものはなにもない、なにごとも永きにわたって保つことはできない、そしてあの歌が風のように咽び来たるのを聴くと、この人生はすべてただの夢だったように思えてくる……青き星よ」

本日は歌詞を見るだけで力尽きたので、山ほどある各ヴァージョンの検討は明日以降にさせていただきます。

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by songsf4s | 2008-01-12 23:51 | 冬の歌