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2007年 12月 19日 ( 1 )
Silver Bells by Bing Crosby & Carol Richards
タイトル
Silver Bells
アーティスト
Bing Crosby & Carol Richards
ライター
Ray Evans, Jay Livingston
収録アルバム
Christmas with Bing Crosby
リリース年
1957年
他のヴァージョン
Alvin & The Chipmunks, Andre Kostelanetz, Andy Williams, Anne Murray, Barry Manilow, Bing Crosby & Ella Fitzgerald, Bing Crosby & Rosemary Clooney, Booker T. & the MG's, Brenda Lee, Burl Ives, Clint Walker, Dean Martin, Donny & Marie, Doris Day, Elvis Presley, Elvis Presley & the Imperials Quartet, Elvis Presley (alt. take), Fats Domino, Johnny Mathis, Olivia Newton-John, Percy Faith, Ray Conniff, Ruth Welcome, the Supremes, the Temptations, the Ventures
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今日もヴァージョンが山ほどある有名曲です。そのこと自体にはもう慣れたのですが、今回はどうにも看板が決められず、もっと早く登場させるつもりだったのに、ここまで引っぱってしまいました。

このクリスマス特集だけでなく、当ブログでは過去にそんなことをした例がないのですが、今回にかぎっては他力本願、ビルボード・チャートに看板を決めてもらいました。いや、うちには1955年以降のチャートしかないので、もっと大ヒットしたヴァージョンがあるのかもしれませんが、そのへんは不明なのだから仕方がありません。二日連続でビング・クロスビーが看板ですが、まあ、天下のクリスマス男だから、そういうことも起きる、ということでご了承を願います。

◆ クリスマスの街頭 ◆◆
この曲の背景や各ヴァージョンについては、あとで書くことにして、いつものように歌詞を見ていきます。コーラスから入るのが圧倒的多数派のようなので、まずはコーラスから。

Silver bells, silver bells
It's Christmas time in the city
Ring-a-ling, hear them ring
Soon it will be Christmas day

「シルヴァー・ベル、シルヴァー・ベル、都会のクリスマス・シーズン、リンリンと鳴るベルを聞いてごらん、もうすぐクリスマスがやってくる」

コーラスというのは、タイトルを繰り返す、イメージだけのものにしておき、あまり強い意味をもたせないほうがいいのですが、これはまさにその典型です。つづいてファースト・ヴァース。

City sidewalks, busy sidewalks
Dressed in holiday style
In the air there's a feeling of Christmas
Children laughing, people passing
Meeting smile after smile
And on every street corner youll hear...

「街の歩道、忙しく人が行き交う歩道、クリスマスのために着飾った人々、クリスマスの雰囲気がただよっている、子どもたちは笑い、人々は通りすぎていく、どの顔も笑顔また笑顔、そしてどこの街角でも聞こえてくる……」

f0147840_13217.jpgなにが聞こえてくるかといえば、当然、シルヴァー・ベルでして、そこはコーラスで歌うという仕組みです。

以下はセカンドにして最後のヴァース。ストーリーものではなく、情景描写ものなので、なにかが起きたり、変化したりするわけではありません。

Strings of street lights, even stoplights
Blink a bright red and green
As the shoppers rush home with their treasures
Hear the snow crunch, see the kids bunch
This is santa's big scene
And above all this bustle youll hear

「買い物客がそれぞれの宝物をもって家路を急ぐなか、街灯の連なり、そして信号の灯までもが、赤と青の光をまたたかせている、雪を踏みしめる音、子どもたちが群れ遊ぶ声を聞いてごらん、これがサンタの晴舞台さ、そしてこうした騒ぎの上に聞こえるだろう……」

といって、またコーラスの「シルヴァー・ベル」へとつながります。

◆ とりあえずビール三本、もとい、とりあえずビング三種 ◆◆
この曲の成り立ち、背景はあとまわしにして、さきに、いくつかヴァージョンを見ておきます。とくにひどいものはなく、どれも水準以上、AかAマイナスぐらいの感じで、Bはあまりなく、Cは皆無といっていいでしょう。

f0147840_13553.jpg看板に立てたビング・クロスビーとキャロル・リチャーズのデュエット盤は、オーセンティックな雰囲気に充ち満ち、「これが正調だ!」という感じです。作者のエヴァンズのインタヴューが、オープニングにこのヴァージョンを使っているのも、もっともだと思います。

ビングはほかにもいくつかこの曲を録音しています。まず、ローズマリー・クルーニーとのデュエット。全体の音としては、こちらのほうが落ち着きが感じられます。つまり、エンジニアリングがいいということです。きれいなバランシングで、音像に奥行きがあります。

もうひとつはエラ・フィッツジェラルドとのデュエット。何度も書いているように、わたしは彼女の歌を憎悪しているので、途中で聴くのをやめました。デュエットになると、ちょっと味が変わる人がけっこういるもので、とくに女性シンガーには多いのですが、エラはやっぱりエラ、ダメです。どうして、すっと、自然に歌えないのでしょうか。いつもほどひどくありませんが(そりゃ、ビングの前だから、常識のある人間なら暴れたりはしませんやね。シナトラだって三舎を避けたんだから、エラごときは三歩下がって師の影を踏まずですよ)、やっぱり、口のなかで曲をこねています。

◆ 女性シンガー ◆◆
f0147840_140957.jpgエラにくらべれば、ダニーとマリーのオズモンズ盤のほうが、ずっときれいに、素直にやっていて、好感がもてます。きれいな歌は、ふつうの人はきれいに歌うものと昔から決まっているんだぜ>エラ。名曲を片端からめちゃめちゃに壊して暴れるシンガーは、ソングライターに呪い殺されちゃうぞ。

f0147840_141564.jpgドリス・デイは、曲を壊してしまうタイプではないので、素直に歌っていて、悪くありません。ただ、わたしには賞味期限切れの歌い方のように感じられますが、ノスタルジックだ、なんていう褒め方もできるでしょう。まあ、同じ言葉でけなすこともできるのですが。

ついでなので、さらに女性シンガー。ブレンダ・リーはワルツ・タイムを強調して、カントリー風味にしています。うーん、どうでしょう。悪くはないけれど、とくにどうということもなし、でしょうか。女性シンガーはあとにしておけばよかったと後悔しかけています。

f0147840_1421486.jpgアン・マレイも、録音時期がちがうだけで、ブレンダ・リーと同じ方向性です。ちょっと背筋を伸ばしすぎで、Amaging Gracesでも聴いているような気分、つまり、ここは教会かよ、という感じになるところが、やや難あり。まあ、あちらとしては、クリスマスなんだからあたりまえじゃないの、と反論するでしょうが、毎度申し上げるように、当方、いたって不調法、安売りのハムより薄い信仰心しかもたない人間なのであります。いや、音楽は「信仰」しているつもりなんですがね。

スプリームズ盤は、アレンジは悪くないと感じます。ダイアナ・ロスのベタベタ声がお好きな方は楽しめるでしょう。わたしはダイアナ・ロスは40年前から嫌いです。

その点、テンプテーションズのほうは、ベタつきがなく、わたしにはまだしも好ましい出来に感じますが、とくにどうこういうほどすぐれてもいません。

◆ 男性シンガー ◆◆
f0147840_1474353.jpgビング以外の男性シンガーでまず聴くべきは……アンディー・ウィリアムズですね、自分で自分の選択に驚いちゃいますが。これまたサウンドが立派。アレンジャーとエンジニアの名前が知りたくなります。こういう音像をつくってくれれば、わたしごときはゴチャゴチャいわずに、口を閉じてサウンドを聴きます。

ファンとしては、ディーン・マーティン盤もやっぱり謹聴し……いや、リラックスして楽しみます。まあ、悪くはないけれど、ディノのクリスマス・ソングにはもっといいものがたくさんあるな、という感想です。

f0147840_1482759.jpgサウンドということでは、バール・アイヴズ盤もなかなかすごいものです。スペクターのきわめて人工的なリヴァーブの使い方は大好きなのです。でも、ふつう、というのはつまり、フィル・スペクター以外のケースという意味ですが、リヴァーブというのは上品に使うべきものでして、バール・アイヴズ盤のリヴァーブは、サウンド・エンジニアリングの教科書からたったいま切り抜いたみたいに、端正でパリッとしています。アンディー・ウィリアムズ盤以上にいい音像かもしれません。

エルヴィスは……やっぱり、クリスマス・ソングには向かない人なのじゃないでしょうか。子どものころ、エルヴィスが嫌いだったことを思いだしちゃいます。もっとシャキッと、グルーヴに乗って押しまくってくれるようなものなら、エルヴィスを聴きたいのですが、スロウな曲になると、やっぱり俺は「失われたエルヴィス世代」なんだ、と思います。

まだヴォーカルものはありますが、先を急ぐことにします。メシより好きなインストへ。

◆ This is orchestras' big scene ◆◆
インストでは、やはりパーシー・フェイスが筆頭でしょうか。いや、実力伯仲のオーケストラ(いや、リーダーが、というべきでしょうね。プレイヤーは重なっていたりします)が揃っているので、どれもみな出来がよくて、目移り、迷い箸の亡者になっちゃうのですが。

f0147840_152752.jpgとにかく、順不同ということにして、パーシー・フェイス。これはもうみごとな音像です。サウンドを楽しむには、やはりヴォーカルは邪魔だ、と持論が出そうになります。こういう音の広がりを、フィル・スペクターはどう思っていたのだろうか、なんて、あらぬことまで考えてしまいます。まったく畑違いの両者ですが、イメージしていた音は、案外、壁一枚でとなりどうしの三軒長屋だったのじゃないでしょうか。

三軒長屋のもう一軒、ヘンリー・マンシーニ盤もなかなかけっこうな出来です。ひょっとして、パーシー・フェイスと同じスタジオじゃないかという響きです。マンシーニはハリウッドのRCAの巨大なスタジオAを使っていたはずです。パーシー・フェイスはどうなのでしょうね。ともかく、同じ響きに聞こえます。さすがは「クラシックのRCA」、オーケストラはいい音で鳴ります。

f0147840_1533731.jpg以前にも書きましたが、マンシーニのクリスマス・アルバムはメドレーが多く、Silver Bellsは、Winter Wonderlandとのメドレーになっています。後半のほうのSilver Bellsは、マンシーニの「通常フォーマット」のひとつ、混声コーラス入りでやっています。これがいつもいいんですよね。レイ・コニフなんかよりよほどきれいです。

アンドレ・コステラネッツ(ご常連さんはそろそろこの名前を覚えてくださったでしょうか。記憶してご損はないと思いますよ。なかなかいいオーケストラです)は、サウンドとしては文句がありません。でも、ちょっと明るすぎるように思います。

わたしの感じ方にすぎませんが、この曲には、華やかなような、陽気なような、でも、どことなくもの悲しいような、人恋しいような、そういう微妙な陰影があって、気分しだい、歌い方しだいで、ふと涙が出そうになります。コステラネッツ盤は、明るい面しかなくて、やや平板に感じます。聴く人の気分によって、楽しくもなれば、寂しくもなるような、気分をそのまま映す鏡のようになっているのが、この曲のレンディションの理想ではないでしょうか。

◆ インスト・コンボ ◆◆
f0147840_1575843.jpgコンボもいいものがあります。まず、やむをえず何度かけなすハメになったMG's盤。Silver Bellsはいい出来です。わたしがもっとも好むMG's本来のスタイル、血が騒ぐグルーヴはありませんが、これはこれでいいと感じます。ダック・ダンのよさでしょうかね。

ヴェンチャーズ盤は、彼らのクリスマス・アルバムのハイライトのひとつでしょう。でも、この曲のアレンジの出典(何度も書いたことをまた繰り返しておくと、ヴェンチャーズのクリスマス・アルバムは、同時代の有名曲のイントロやアレンジを借用している)は、じつにわかりにくいものです。Silver Bellsのアレンジは、アルバムThe Fabulous Venturesに収録された、Only the Youngという曲をもとにしているのです。なかなかいい曲ですが、ファン以外はまず耳にしたことがないでしょう。

f0147840_1594840.jpgしかし、ベースにした曲がどうであれ、このトラックは好ましい出来です。Only the Youngをベースにしたため、通常とはちょっと異なるコード進行になったのも、結果的によかったと感じます。ひょっとしたら順序は逆で、コードに手を加えているうちに、Only the Youngに似てしまったので、同じアレンジを適用した、という道筋かもしれません。White Christmasでも同じことをいいましたが、アマチュア・ギタリストがクリスマスにプレイ・アロングしたいトラックのひとつでしょう。

f0147840_222985.jpgコンボではなく、ソリストですが、ルース・ウェルカムという人のツィター演奏によるSilver Bellsもあります。いや、もっているわけではなく、ファイルの「ご喜捨」を受けただけですが、なかなか楽しめました。

ツィターという楽器にさわったこともなければ、構造も知らないので、なぜそうなるのかさっぱりわからないし、このサウンドが普遍的なものなのか、この人独特のものなのかもわかりませんが、ハワイアン・スティール・ギターのような音になるときがあります。結果として、どことなくトロピカルな雰囲気と冬の感覚が同居した、面白いSilver Bellsになっています。そういえば、アヴァランシェーズもウィンター・サウンド・ア・ラ・トロピカルでした。

f0147840_2114740.jpgもう一曲、ついこのあいだ入手したギター/オーケストラ・インスト盤(たったこれだけのヒントで、あれだな、とわかってしまう人がいらっしゃるでしょうね)に収録されたSilver Bellsもあるのですが、隠し球なので、この盤の収録曲を看板に立てる日まで、しまっておくことにします。いいんですよ、これが。当ブログでは禁句扱いの「傑作」という言葉がノドまで出かかります。

◆ 鳴らした鐘が五億回 ◆◆
Silver Bellsという曲自体は、どなたでも、だれかのヴァージョンでお聴きになったことがあるでしょう。数百種のヴァージョンがあるそうですし、作者のひとりレイ・エヴァンズは、九十一歳のときのインタヴューで、累計で5億枚売れたといっています(何度も聴き直しましたが、たしかに、five hundred million recordsといっています)。ほんとうにそこまでいったかどうかはわかりませんが、まあ、少なめに見積もっても数千万枚は堅いでしょう。考えてみると、クリスマス・ソングというのは、とてつもないものなのだなと、なんだか意気消沈しそうになります。

f0147840_2324842.jpgこの曲は、二人の作者がまだパラマウント映画の社員だったときに割り当てられた映画『レモン・ドロップ・キッド』(なんか、つまらない邦題がついていましたが、つまらないゆえに失念)の挿入曲として書いたものだそうです。

二人の作者のうち、長生きしたほうのエヴァンズによると、二人は会社とは半年にいっぺん契約更新をしていました。ちょうど、契約更改の時期が迫り、二人はしばらくヒットからは見放されていたため、会社は契約更新に乗り気ではなく、プレッシャーのなかで仕事に入った、といっています。

ストーリー(後述)の都合で、クリスマス・ソングが必要になったのですが、エヴァンズは、二人とも乗り気ではなかったといっています。すでにこんなにたくさんクリスマス・ソングがあるのに、いまさらまた新しいものを書いてどうするのだ、と思ったそうです。エヴァンズは、あとで自分の愚かさを神に感謝した、といっていますがね!

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ピアノの前にジェイ・リヴィングストン、立っているのがレイ・エヴァンズ

二人のオフィスに、小さなベルがあったので、それをモティーフに、最初はTinkle Bellsという曲を書きました。tinkleは「チリンチリン」という音をいいます。そうしたら、リヴィングストンの奥さんに、そんなタイトルのクリスマス・ソングを書くなんて、どうかしている、tinkleにはべつの意味があるのを知らないのか、と呆れられてしまったのだとか。辞書には「《幼児・口》おしっこ」と出ています!

そこで、またべつの曲を書こうとしたのですが、結局は出発点に戻り、同じ曲をSilver Bellsと変えて、映画に使ったということのしだい。おしっこから5億枚とはまた、おそれいりはべりけりのトニー谷ざんすな。エヴァンズは、5億枚売れた曲を書くことができたのだし、九十一歳まで生きられたのだから、これ以上なにも望むことはない、毎朝起きると、神に感謝している、とインタヴューを結んでいます。なにやら、かつてのお正月の金さん銀さんのように、クリスマスにはもってこいの、お目出度いキャラクターであります。

f0147840_2465127.jpg書き忘れたことがありました。レイ・エヴァンズとジェイ・リヴィングストンのコンビは、アル・カイオラでヒットした『ボナンザ』のテーマの作者です。さらにいえば、「馬がしゃべる、そんな馬鹿な」の『ミスター・エド』の主題歌も彼らの作品です。子どものころ、さんざん歌った曲の作者だったのであります。もっとも、「馬がしゃべる、そんな馬鹿な」という日本語詞を書いたのがどなたかは、いまだに知りませんが。

◆ ちょっとあらすじ(またかよ!) ◆◆
わたしは映画『レモン・ドロップ・キッド』は見ていません。知っているのは、この映画の原作、デイモン・ラニアンの『レモン・ドロップ・キッド』という短編小説だけです。やむをえず、ウェブであらすじを読んでみました(なんと、法律家の団体が運営するサイトに掲載された、映画のなかの法律、という論考シリーズの一編。いろいろな人たちがいろいろなことをやっているものですねえ。Rainy Night in Georgiaのとき、タクシーの写真を探していて、タクシー写真専門サイトというのに飛び込んだときもビックリしました)。

f0147840_25439.jpg読んでみて、ラニアンの原作と関係があるのは、主人公のキャラクター設定だけで、ストーリーは原作とはほとんど関係ないことがわかりました。ラニアンはクリスマス・ストーリーをたくさん書いてはいますが、短編小説『レモン・ドロップ・キッド』はクリスマス・ストーリーではありません。でも、映画はクリスマスにデッド・ラインが設定された物語です。どういうデッド・ラインかというと……。

レモン・ドロップ・キッド(ボブ・ホープ)は、競馬の予想屋、それもかなりインチキな(いや、競馬の予想に正直なものと不正直なものの区別があるとしての話ですが)予想屋です。日本でいう予想屋とは違い、客の賭け金をあずかり、勝ち馬と予想したものに賭けると称して、まるごと懐に入れてしまうのです。

もちろん、勝ち馬には、まちがっても勝てないヨボヨボの馬を指定します。いや、ラニアンいうのところの「ボート・レースみたいな代物」で走る「板みたいに硬直した馬」(stiff as a plank)ですな。stiffには「失敗」という意味があります。ヒットしなかったレコードもstiffです。負け馬という意味から、板を連想した比喩です。こういう表現のおかげで、ラニアンはいまも一部で根強い人気があるのです。

しかし、当てごととなんとかは向こうからはずれる、キッドはうっかり暗黒街の大物をハメようとし、それだけならまだしも、あろうことか、うっかり勝ち馬を当ててしまいます。しかし、金は賭けていないのだから、払いようがありません。暗黒街のボスは、「外科医のサム」という「人からものを取り出す」ことを専門にしているギャングを紹介し、クリスマスまでに1万ドル耳をそろえて(とはアメリカ人はいわないでしょうが)もってこなければ、外科医のサムがキッドを「開く」ことになる、と脅します。まるでアジかサンマですな。

f0147840_2553077.jpg追いつめられたキッドは、いろいろな人間を集めてサンタクロースの扮装をさせ、ニューヨークの街頭で偽募金をつのることになります。どうやら、サンタたちが街で金を集めているシーンで、Silver Bellsが流れたようです。

さて、キッドの作戦はどうなったか、というところで、そろそろ文字数制限が迫ってきたので、結末が気になる方はヴィデオでもごらんになってください。デイモン・ラニアンの苦い原作とはまったく異なる、ハッピーなクリスマス・ストーリーです。

ところで、ウェブで調べていて、レモン・ドロップ・キッドという名前の競走馬がいることがわかりました。ラニアンの「キッド」が客に奨める馬は、みな「板みたいに硬直している」ことになっているので、この名前では勝てないんじゃないかと思うのですが。

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by songsf4s | 2007-12-19 00:02 | クリスマス・ソング