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The Christmas Song その1 by the King Cole Trio
タイトル
The Christmas Song
アーティスト
The King Cole Trio
ライター
Mel Torme, Robert Wells
収録アルバム
N/A (78 release)
リリース年
1946年
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先週後半からずっと体調はよく、ひどい眩暈に襲われることはなくなりました。歩いていてときおりバランスを崩す程度で、急激な動きさえしなければ、どうということはありません。やはり、前回のコメントでキムラさんがおっしゃっていた病名はあたりだったようです。調べてみると、2、3週間で自然に治るものだそうで(そもそも治療薬は存在せず、医者がくれる薬はトラベルミンだとか!)、これも当てはまりました。

この数日は起きあがり、PCでいろいろな作業はしているのですが、ブログを再開するにはいたりませんでした。ものを書くというのは、やはり、ある程度の「高圧」が必要なのですが、目下、ひどい「低圧」状態で、なかなか「書きのスレッショルド・レヴェル」に到達できず、平常運転に戻れなかったというしだいです。まだ、以前のように書ける感触はないのですが、時季も時季ですし、去年の古物の流用ですが、いちおうクリスマスの飾りつけもしたので、クリスマス・ソングをひとつだけやってみるか、とデスクに向かってみました。

昨年のクリスマス・ソング特集は、「年内無休」の突貫工事のおかげで、予定した曲をほぼ消化したのですが、しまった、これがもれてしまったか、という痛恨の曲が一握りながらありました。その一曲がこのThe Christmas Songです。

去年の12月25日の記事にも書いたのですが、クリスマス当日は、当然、このThe Christmas Songでいくはずだったのに、ヴァージョン数が多すぎて、忙しさに負けてしまったのです。というわけで、今回は捲土重来、しかし、また負けては元も子もないので、以下にあげた30種ほどしかプレイヤーにドラッグしていませんし、この半分以上をヴァージョン検討からオミットするつもりです。

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Frank Sinatra (複数)
Al Caiola & Riz Ortolani
Chet Atkins
Tony Mottola
The Three Suns
Henry Mancini
Jackie Gleason
Nelson Riddle
Percy Faith
Louis Armstrong & Friends
Mel Torme
The 4 Seasons
The Isley Brothers
The Jackson 5
James Brown
Smokey Robinson & The Miracles
The Temptations
Rick Nelson
The Supremes
The Carpenters
Connie Francis
Doris Day
Andy Williams
Bing Crosby
Johnny Mathis
Perry Como
Sammy Davis Jr.
The King Cole Trio
Nat King Cole [Alternate Take]
Herb Alpert & The Tijuana Brass
Booker T. & The MG's

Nat King Cole Trio - The Christmas Song (Original Recording Without Strings)


◆ まず栗ではじまり…… ◆◆
曲の出来もAクラスですが、クリスマス・ソングらしさは主として歌詞に表現されるものなので、万やむをえず、じつに久しぶりに歌詞の検討をやってみます。リハビリ中の人間にはちょっとキツいのですがね。それではファースト・ヴァース。

Chestnuts roasting on an open fire
Jack Frost nipping at your nose
Yuletide carols being sung by a choir
And folks dressed up like eskimos

「たき火の上で栗が焼け、寒さに鼻の先が赤くなる、聖歌隊がクリスマス・キャロルを歌い、人々はエスキモーのように着込んでいる」

辞書には、「an open fire おおいのない(壁炉の)火」とあるので、文脈によっては室内の煖炉の可能性もあるのですが、このヴァースの残り三行は戸外の描写と思われるので、an open fireも戸外にあるとみなして解釈しました。

ファースト・ラインというのは、その曲のアイデンティファイアとなり、われわれはしばしばこの一行でその曲を記憶することになるので、きわめて重要です。どの文化でも、年中行事というのは特定の食べ物とむすびついているもので、このファースト・ラインはそれを意識したものなのでしょう。

われわれのクリスマスはかなり「なまった」行事で、借り物にすぎず、クリスマスらしさを演出する要素がたくさん抜けていて、焼き栗もクリスマスとはむすびつきません。それでも、たき火の上の栗は香ばしいのだろうなあ、ときおり大きな音をたてて爆ぜるのだろう、などというぐあいに想像力を発動させてしまうこのファースト・ラインは、きわめて好ましく、そしてまた、いかにもクリスマスらしいものに感じます。

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昨年のクリスマス・ソング特集に何度か登場しましたが、Jack Frostは寒気の擬人化で、「ジャック・フロストが鼻をつまむ」というのは、すなわち、寒さで鼻先が赤くなることをいっています。

メル・トーメによると、もうひとりの作者、ボブ・ウェルズは、うだるような夏の日に、冬のことを考えて涼しくなろうとして、やがてこのファースト・ヴァースとなる断片を書いたのだそうです。つまり、歌詞を書くつもりはなく、たんに寒そうなものを思いつきで並べただけだったのだとか!

◆ つぎに七面鳥を詰め込み…… ◆◆
つづいてセカンド・ヴァース。

Everybody knows a turkey and some mistletoe
Help to make the season bright
Tiny tots with their eyes all aglow
Will find it hard to sleep tonight

「七面鳥と寄生木の飾りがあれば、クリスマスが華やかになることはだれでも知っている、幼い子どもたちは目を輝かせ、今夜はなかなか寝つけないだろう」

寄生木についても、去年の特集、とくにオーティス・レディングのMerry Cristmas Babyで、クリスマスとセイヨウヤドリギのあいだにどういう関係があるかを検討しています。こうした背景と、寄生木の飾りの下ではキスをしてもよいという習慣も、日本にクリスマスが渡来するときに脱落してしまった属性のひとつです。

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ここで注目したいのは七面鳥です。くどくなりますが、年中行事にそれらしさをあたえる重要な要素のひとつは食べ物です。セカンド・ヴァースでもやはりクリスマスにふさわしい食べ物を登場させたのでしょう。曲はメル・トーメ、詞はウェルズが主で、メル・トーメが補作しているとのことなので、ファースト・ヴァースはウェルズ作ということ以外は、だれがどこを書いたのかわからないのですが。

◆ キャンディーで仕上げ ◆◆
以下はブリッジ。

They know that Santa's on his way
He's loaded lots of toys and goodies on his sleigh
And every mother's child is gonna spy
To see if reindeer really know how to fly

「子どもたちは、橇にオモチャやお菓子を山ほど積んで、サンタがもうすぐやって来ることを知っている、ありとあらゆる子どもたちが、トナカイがほんとうに飛べるのか覗いてみるにちがいない」

この場合のgoodyは、クリスマスであることを考えれば、キャンディーやチョコレートなどの「糖菓」と限定してしまってかまわないでしょう。またしても同じことをいいますが、ここにも食べ物が登場するのは偶然などではなく、クリスマスらしさを演出するためであることはいうまでもありません。

every mother's childの「すべての母の」は、「ひとり残らず」という強意表現です。

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サードにして最後のヴァース。

And so I'm offering this simple phrase
To kids from one to ninety-two
Although it's been said many times, many ways
"Merry Christmas to you"

「そういうしだいで、一歳から九十二歳の子どもたちに、このシンプルな言葉をお贈りしましょう、まあ、いままでに何度となく、そして、さまざまな形でいわれてきたことだけれど、でもとにかく、『メリー・クリスマス・トゥ・ユー』」

久しぶりの記事で、長く遠ざかっていた歌詞の検討などしてしまったので、本日は力尽きてしまいました。音楽面の検討は次回ということにさせていただきます。

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ナット・キング・コール(中古CD、トリオ・ヴァージョンのThe Christmas Songも収録)
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by songsf4s | 2008-12-22 22:36 | クリスマス・ソング