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The Man from U.N.C.L.E.(「ナポレオン・ソロ」のテーマ)その2 by Billy Strange
タイトル
The Man from U.N.C.L.E.
アーティスト
Billy Strange
ライター
Jerry Goldsmith
収録アルバム
Secret Agent File
リリース年
1966年
他のヴァージョン
Jerry Goldsmith, the Ventures, Hugo Montenegro, the Challengers, Al Caiola, Si Zentner, The Reg Guest Syndicate, Teddy Randazzo, Dick Hyman
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数が多いので、各ヴァージョン検討はしんどいなあ、と思っていましたが(面倒なことになるのを恐れて、「他のヴァージョン」欄は少なめにしておいた。じっさいにはもっとたくさんある)、案ずるより産むが易し、いいものは一握りでした。ジャズ/ビッグバンド/オーケストラ系はほぼ全滅、楽しいのはロック系のカヴァーに集中しています。「そういう曲」だということでしょう。

ちょっと微妙なレースになったのですが、写真判定というほどではなく、半馬身差くらいで、アレンジ、グルーヴ、プレイの三拍子、そして、ドラム、ベース、リードの三拍子がそろった、ビリー・ストレンジ盤がトップと考えます。

話を進める前に、右のリンクからAdd More Musicにいらっしゃり、「Rare Inst. LPs」ページを開き、The Man from U.N.C.L.E.を収録したビリー・ストレンジのアルバム、Secret Agent Fileをダウンロードなさるようにお奨めします。Thunderballの字が見えるNo.50のアルバムがSecret Agent Fileです。AMMのオーナー、木村先生もコメントで賞賛されていますが、わたしもおおいに好んでいるアルバムです。Mr. Guitar、Great Western Themesと並ぶ秀作です。

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◆ ビリー・ストレンジ盤 ◆◆
クレジットはありませんが、ビリー・ストレンジ盤The Man from U.N.C.L.E.のドラムは、もちろんいつものようにハル・ブレイン、ベースもいつものようにキャロル・ケイであることはまちがいありません。

ビリー・ストレンジ名義の盤だからといって、つねに御大自身がギターをプレイするとはかぎりませんが(アレンジャー、コンダクター、バンドリーダーとしての盤だったりする)、The Man from U.N.C.L.E.のダンエレクトロ6弦ベースによるリードは、ボス自身のプレイでしょう。

かつて、Thunderballのリードにはどんな楽器を使ったのかとたずねたとき、あの当時、イフェクターを使うとしたらファズのみ(手製のファズボックスを使った)、あとはダンエレクトロを弾いたときもあった、という返信をもらいました。The Man from U.N.C.L.E.のリードも、フェンダーではなく、ダンエレクトロなので、ボス自身のプレイと考えて大丈夫でしょう。

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さて、この三人の主役のうち、だれがいちばん目立っているかというと、じつはハル・ブレインです。もうイントロから叩きまくりです。エンディング直前には、短い断片的なものですが、ドラムソロまでやっています。

ドラムひとりでは、ほんとうのグッド・グルーヴはつくれません。うまいベースの協力があってこそです。キャロル・ケイは女性なのに、いや女性「だから」なのか、当時のハリウッドのベース・プレイヤーのなかで、もっとも強面の男っぽいプレイをする人でした。こういう系統の曲になると、その「来るなら来なさい、相手になってやろうじゃないの」といわんばかりの男っぽいスタイルがいちだんと生きます。のちのMission Impossibleでのプレイを思い起こさせます。

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ビリー・ザ・ボスのダンエレクトロ(ダノ)もまたすごく男っぽいサウンドです。キャロル・ケイによると、ダノは造りの悪い楽器で、いい音を出すのはむずかしかったそうです。彼女はピックアップなどを交換して、やっと使えるものにできたと思ったら(グレン・キャンベルのBy the Time I Get to PhoenixやWichita Linemanの間奏に使われているダノは、ケイのものを借りてグレンがプレイした)、盗まれてしまったそうです。犯人はきっとグレン・キャンベル・ファンで、Wichita Linemanの間奏を、あの音で、自分でも弾いてみたかったのでしょう!

よけいなことはともかく、ボスのダノもすごいサウンドです。だいたいがひしゃげたような音になる楽器なのですが、The Man from U.N.C.L.E.のダノは一段とひしゃげて、ほとんど身体的な圧力となって迫ってきます。惜しいかな、ダノのソロはあっという間に終わってしまい、二度と出てきません。リード楽器はオルガン+グロッケン、管のアンサンブル+フェンダーギター、テナーサックスのインプロヴ、テナー+グロッケン、とめまぐるしく変化していく構成なのです。

f0147840_0202077.jpgビリー・ストレンジが、ダノのリードをはやばやと切り上げた理由は想像がつきます。なにしろ、ああいう楽器なので、いや、つまり、ギターとして利用されたとはいえ、実体はベース、当然、弦はベースのものなので、変化に富んだプレイ、ニュアンスのあるプレイはできないのです。考えてみてください、ベンドができないのだから、ギタリストにとってだいじな表現手段が禁じ手にされてしまうのです(もっとも、どの曲か忘れたが、ビリー・ストレンジはたしかダノでベンドをかけたことがあったと思う)。

でもねえ、理由は理解できますが、もうちょっと聴きたかったなあ、と感じる、カッコいいサウンド、ハードなプレイなんですよ。わたしが録音の場にいたら、ボスに、「エンディングにもう一度ダノを使ったらどうですか?」と恐る恐る進言したのに!

総じて、男の子が大好きなアクション・ドラマのテーマにふさわしく、じつにキリッとした、勇気凛々のサウンドです。こういうのを聴くと、1965年に音楽的な十字路に立っていたわたしが、クラシックやジャズにはいかず、ロックンロール街道を一路西に向かったのも当然だと思います。やっぱり、深夜のバーカウンターで酔っぱらい女がしなだれかかってくるような惰弱な音より、こういう装甲車が驀進するような音のほうが、いまでもはるかに好きです。

◆ ヴェンチャーズ盤 ◆◆
つぎにいいのはヴェンチャーズです。うちにあるThe Man from U.N.C.L.E.のなかでももっともテンポの速いヴァージョンのひとつで、速すぎてあっという間に終わってしまうほどです。

ヴェンチャーズのThe Man from U.N.C.L.E.の最大の美点はトーンの選択です。この曲は2パートのメロディーでできていますが、Aパートはギターでやっていて、アンプのトレモロをきかせたサウンドが魅力的です。1964年以降、ヴェンチャーズはモズライトを使っていることになっていますが、この曲のリードはモズライトには聞こえません。プレイヤーもノーキーではないでしょう。なんとなく記憶を刺激されるピッキングなのですが、だれなのか特定できず、イライラします。

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Bパートはオルガンでやっているのですが、このサウンドがまたいいのです。オルガンといっても、ハモンドやノーマルなコンボ・オルガンの音ではありません。なにか加工したか、または、オルガン類似の変な楽器(オンディオリンや、たしかミュージトロンといったと思うが、デル・シャノンのRunawayやHats Off to Larryの間奏で使われたものが代表的)かもしれません。

いつも、初期ヴェンチャーズの曲を取り上げるたびに、ハル・ブレイン、レイ・ポールマン、キャロル・ケイ、ビリー・ストレンジが基本メンバーだと申し上げていますが、In Spaceあたりからよくわからなくなります。ハル・ブレインがストゥールに坐ることもほとんどなくなりますし、リードもビリー・ストレンジには聞こえなくなります。

しかし、ツアー用ヴェンチャーズが丸ごとスタジオに入ったとも思えず、考えると頭が痛くなってきます。まあ、ドラムはよそのセッションでは聴いたことのないタイムなので、スタジオのプロフェッショナルではなく、たぶんメル・テイラーなのだと考えていますが(駆け出しの若いプロである可能性も残る。たとえばジョン・グェラン)、ほかのメンバーはよくわかりません。

64年以降、ヴェンチャーズの盤は、プレイの質より、サウンドのテクスチャーのほうに力点が移動します。ギミックだらけのIn Spaceはもちろん、そのつぎのアルバム、The Fabulous VenturesからシングルカットされてチャートインしたWalk Don't Run '64も、そのつぎのシングルヒットであるSlaughter on 10th Avenueも、サウンドのテクスチャーの目新しさが売りものでした。

Walk Don't Run '64とSlaughter on 10th Avenueでは、サックスにピックアップをつけ、それをレズリー・スピーカーに通した音が使われています(プレイヤーはスティーヴ・ダグラス)。そんな仕掛けだったことなど、当時は知らないので、オルガンなのだと思っていました(Slaughter on 10th Avenueでは、レズリー・サックスのみならず、リオン・ラッセルのオルガンも入っているので、話はややこしくなる。イントロから鳴っているモノフォニックな楽器がレズリー・サックス、中間部でソロをとるポリフォニックなほうはオルガン)。

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ジェイムズ・ボンドでは美女は半裸だが、ナポレオン・ソロでは美女は服を着ている。ちょっと危ないアングルではあるが!

わたしがヴェンチャーズを聴きだした65年はじめには、この2曲はまだ「現役の」ヒットで、どこへいってもかかっていました。じっさい、Slaughter on 10th Avenueは、65年の夏にも勢いが衰えていなかったように思います。

そのためでしょう、ヴェンチャーズというと、オルガンという印象があります(いや、オルガンではなく、レズリー・サックスなのだが、昔は知らなかったのだからしかたない!)。ヴェンチャーズをつかまえて、オルガンのバンドとは、われながらあまりの言いぐさですが、でも、あの音の印象は鮮烈でした。いまでも、スティーヴ・ダグラスのレズリー・サックスを聴くと、1965年の自分が世の中をどう見て、どういう暮らしをしていたか、リアルに思いだすことができます。

ヴェンチャーズ盤は、フラッティッド・フィフスの不安定なメロディーがもっとも強調された、奇妙な味のあるThe Man from U.N.C.L.E.であり、ビリー・ストレンジ盤と並ぶ、いい出来だと考えます。

◆ ハル・ブレイン二題 ◆◆
ギターものとしては、ほかにチャレンジャーズ盤があります。チャレンジャーズは「実在」のグループ(変な言い方だが、実在しないバンドもたくさんあるので、その反意語が必要になる)ですが、スタジオでは主としてハル・ブレインが叩き、チャレンジャーズのドラマーであるリチャード・デルヴィーはブースでプロデュースをしています。The Man from U.N.C.L.E.のドラマーもハルです。リードギターもだれとはわかりませんが、スタジオのプロフェッショナルでしょう。

となると、ビリー・ストレンジ盤といい勝負のできる出来になる布陣のはずなのですが、世の中、そう簡単には問屋が卸しません。ベースがショボいのです。チャレンジャーズのベスト盤に付されたおそろしく大ざっぱなパーソネルは、バンドのメンバーの一部はスタジオでもプレイしたと受け取るしかない書き方になっています。

ハリウッド音楽史研究者としては、そういうタワゴトは無視する習慣が身についているのですが(アーティストはみな、そのたぐいのエクスキューズをいう)、The Man from U.N.C.L.E.を聴くと、こんな鈍くさいプレイをするプロのベース・プレイヤーがいるとは思えず、チャレンジャーズのパーソネルにかぎっては、ほんとうのことが書いてあるのかしれないと、見方を変えました。

全体としてみれば、かなり健闘しているのですが、ほかの条件がビリー・ストレンジ盤に近いだけに、ベースの弱さがよけいに目立ちます。そのおかげで、ハル・ブレインのプレイまで、精彩のないものになっています。

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"Killer Surf! The Best of the Challengers" 盤を見つけるのが面倒なので、よそから頂いてこようと思ったのだが、おそろしく小さい写真しかなかったので、うちのをスキャンして、最大サイズで貼りつけた!

ヒューゴー・モンテネグロ盤The Man from U.N.C.L.E.のドラムもハル・ブレインです。なにしろ、音楽の都ハリウッドの黄金時代、ハル・ブレインは寝るまもないほど忙しく、彼のいうところの「トラヴェリング・キット」が3セット、ご本人がいくまえに、その日予定されているセッションがおこなわれるスタジオに先着し、専属セットアップ・マンが組み立てのみならず、チューニングまで終え(組み立ては簡単に覚えられるだろうが、チューニングを覚えるのはむずかしかったはずだ)、ご本人がギリギリでスタジオに駆けつけても(まえのセッションがオーヴァータイムになる可能性はつねにある)、すぐにプレイできるように準備万端整っている、というシステムをとっていたのです。

この搬送にかかる費用はレコード会社が負担します。ユニオンとの取り決めでそうなったのです。ミュージシャン・ユニオンには悪い側面もたくさんあり、衰微していったのも一面で無理もないと思います。しかし、50年代に映画界が壊滅し、多くのスタジオが空き屋になってしまったハリウッドが、60年代にいたって音楽の都として復活した理由のひとつは、このユニオンの強さだと思います。

いったん、スタジオ・システムの一員になれば、大リーグに昇格したようなもので、ツアーで働くのとは雲泥の差なのです。ドラマーの場合、運搬とセットアップとばらしというやっかいごとから解放され、ハリウッド・ヒルズの豪邸から、ポルシェなりロールズなり(ハルの場合は後者)に乗って、すぐそこのスタジオにぶらっと出かければいいのです。車にはスティックすら積んでおく必要はありませんでした。

ヒューゴー・モンテネグロに話を戻します。ハル・ブレインやキャロル・ケイはヒューゴー・モンテネグロのセッションのレギュラーでした。彼の最大のヒット、The Good, the Bad and the Ugly(『続・夕陽のガンマン』のテーマ)を聴いて、あまりにもお馴染みのサウンドだったため、キャロル・ケイに、この曲は、ベースはあなた、ドラムはハル・ブレイン、ギターはビリー・ストレンジ、ハーモニカはトミー・モーガンではないか、とたずねたら、そうだと確答をもらいました。自分のプレイはともかく、他人のことまでは保証できないでしょうが、ほかのパーソネルも、わたしは自信をもっています。とくにハル・ブレインはぜったい確実、トミー・モーガンも確度十分、ビリー・ストレンジだけは、それほど明快な手がかりがあるわけではなく、「感触として」そう思うだけです。

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The Man from U.N.C.L.E.のパーソネルも、The Good, the Bad and the Uglyに近いだろうと感じます。しかし、こちらのほうはオーケストラのニュアンスが強く、アレンジがややねじれていて、どのパートもプレイしにくそうにしているのが感じられ、気持ちよく乗れません。面白いディテールはあるのですが、全体が明快さに欠けるため、それがまとまって爆発力を得るにはいたっていないのです。なにをしたいかはボンヤリと見えるのですが、眼高手低、隔靴掻痒、アレンジやり直し、でしょう。

◆ その他のヴァージョン ◆◆
うーん、困ったなあ、ここから先は、なにか書くと、悪口雑言罵詈讒謗の連打になっちゃうぞ、最近、どこかの市長のことを、ありのままに馬鹿だと書いたら、名誉毀損で訴えられて、あろうことか、負けちゃったという雑誌があったばかりだからなあ、とためらっちゃいます。

馬鹿を馬鹿と呼べないような社会であってはいけないと思うのですがねえ。とくに公人は、馬鹿な振る舞いをしたら、馬鹿と呼ぶべきでしょう。馬鹿を利口などというと、いよいよ増長し、ろくなことをしなくなります。まあ、馬鹿な政治屋は、馬鹿といわれても、利口といわれても、どちらにしろ、ろくなことはしないのですが、でもやっぱり、馬鹿は馬鹿といってあげるのが親切であり、人間としてのたしなみでしょう。

わたしは心の底から親切な人間なので、ゴミを聴くと、たとえ手遅れでも、ゴミだよ、といってあげたくなっちゃうんですよねえ。いやまあ、The Man from U.N.C.L.E.のどのヴァージョンも、ゴミというほどのものはありません。ただ才気がなかったり、漫然とやっただけであったり、ただ便乗しただけであったり、まあ、そんなあたりです。ジャズ、ビッグバンド系統のThe Man from U.N.C.L.E.には、とくに聴くべきヴァージョンはないように思います。

アル・カイオラ盤は、うまくいく可能性もあったと思いますが、結果はアイディア不足というところです。ビリー・ストレンジ盤とヴェンチャーズ盤は、リード楽器のトーンそのものに工夫をし、フラッティッド・フィフスのある奇妙なメロディーの潜在性をうまく引き出していますが、カイオラはいつものカイオラのサウンドでやっていて、地味な仕上がりです。金管を中心にした管のアレンジも好みではありません。

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Al Caiola "Sounds for Spies and Private Eyes" 瞳のなかのドラマで勝負するという、LPならではのデザイン。CDサイズではなんのことかわからない。

そう思ってOSTを聴き直すと、注目していなかったのですが、こちらの管のほうが、魅力があります。ただし、純粋に盤として聴くと、中間でちょっとダレるのが難ですが。

世の中には奇特な人がいて、テレビから(というか、そのDVDから)音楽だけを拾った「ブートレグOST」なるものをつくり、配布していたので、聴いてみました。ところが、このテーマというのが、聴き覚えのないサウンドで、うちにあるOSTとは異なっているうえに、アーティスト名はジェリー・ゴールドスミスとなっています。

調べてみると、いつのものか知りませんが、新シリーズというのがあり(ソロ役はジョージ・クルーニーなので、かなり後年)、そのテーマと同じものでした。オリジナルのテーマより、アレンジが整理され、強調するべきものがちゃんと強調されていて、テーマについては、新シリーズのほうが出来がよいと感じます。とくに、管(弦も重ねているか?)によるカウンターメロディーが効果的ですし、ティンパニーの使用もうれしいおまけです。

◆ スピンノフ、パロディー、その他 ◆◆
人気シリーズともなると、スピンノフは生まれるは、パロディーのネタにされるは、屋台も出る大騒ぎになります。わたしは、エド・マクベインが長生きしたら、「でぶ刑事オリー」というシリーズが、87分署から枝分かれしただろうと思うのですが、残念ながら、そうはなりませんでした。シリーズ終盤は、オリーがつぎはなにをするか、という期待だけでページをめくっちゃったほどです。ピアノを習うと言い出したときは、まさか本気とは思わなかったのに、ちゃんとNight and Dayをマスターしたっていうのを読んで、大笑いしました。

えーと、ナポレオン・ソロの話でした。The Man from U.N.C.L.E.からスピンノフが生まれるとしたら、だれが考えてもThe Girl from U.N.C.L.E.です(安易!)。こちらのほうのテーマはテディー・ランダッツォー(辞書によると、ラーンダーツォーぐらいの発音になるらしいが)がやっています。これは純粋なOSTではないと思うのですが、ランダッツォーの名義でThe Girl from U.N.C.L.E.というアルバムが出ています。リズム・アレンジはボサノヴァで、男のほうとはだいぶおもむきがちがいます。テーマというより、どちらかというとエンディング・テーマに聞こえますが、なかなか悪くない曲です。

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ランダッツォー盤「アンクルから来た女」サントラには、男のほうのテーマも入っていますが、うーん、これはどんなものでしょう。リズム・アレンジは勘違いでは?

ヒューゴー・モンテネグロのアルバム、The Music from 'The Man from U.N.C.L.E.'はたぶん売れたのでしょう。続篇としてMore Music from 'The Man from U.N.C.L.E.'というのもリリースされました。盤の出来としては、わたしはこちらのほうがいいと感じます。たとえば、Run Spy Runなんて曲は、キャロル・ケイのシャキッとしたベースが生かされたいいサウンドです。

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The Man from T.H.R.U.S.H.というのは、タイトルしか見なかったので、ドラマに登場した「オフィシャルな」トラックなのか、それとも第三者のパロディーなのか、判断できませんが、ナポレオン・ソロが音楽界でも非常に人気があったことを示すひとつの証左になっています。

マルカム・ロキャ(Snowfallのときにこの人には一度言及した)のThe Man from Malibuは、パロディーになっていないと感じます。わたしがこのタイトルで曲をつくるとしたら、フラッティッド・フィフスのある、どことなくナポレオン・ソロ風のメロディーを、リヴァーブをきかせたギターで弾かせ、そこにオーケストラを重ね、ティンパニーを入れて、サーフ・ミュージックとラウンジ・ミュージックの合いの子のような曲にします。それくらいのことは、だれだって思いつくでしょうに!

まだ、便乗ものが相当数あるのですが、このへんで切り上げることにします。ナポレオン・ソロのテーマの、もっともよく知られたパロディーないしはスピンノフは、ほら、みなさんご存知の「あの曲」だと思うのですが、それはその曲を取り上げるときに書くことにします。それにしても、「あの」だの「あれ」だのといった、ウィットのかけらもない暗号名は改善しないといかんですなあ。

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by songsf4s | 2008-07-17 23:57 | 映画・TV音楽