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El Paso その2 by Grateful Dead
タイトル
El Paso
アーティスト
Grateful Dead
ライター
Marty Robbins
収録アルバム
Rockin' the Rhein with the Grateful Dead
リリース年
2004(録音は1972)年
他のヴァージョン
Marty Robbins, the 50 Guitars
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マーティー・ロビンズのことを調べていて、ニアミスをやっていたことに気づきました。Hickory Wind その2のときに、グランド・オール・オプリーが放送されるのはライマン・オーディトリアムからだとを書きました。まちがってはいなかったのですが、1972年からは、オプリーランドのグランド・オール・オプリー・ハウスから放送されるようになったそうで、危ないところでした。確認せずに、大丈夫だろうと見切って書くと、毎度、あとで冷や汗をかきます。

この事実に行き着いたのは、オプリーランドのこけら落としは、マーティー・ロビンズだったという記述を読んだからです。それはいつのことだ、と調べてみて、危なくバーズをありえない時空に送りこむところだったことに気づいたというしだい。調べてみると、ロビンズはオプリーにとってもっとも重要なシンガーのひとりだったようです。

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ライマン・オーディトリアム(上)とオプリー・ハウス

いやはや、それにしても、自分のカントリー・ミュージックに関する知識がいかに頼りないかを再認識するミスとの接近遭遇でした。ハリウッドのことなら、いちいち確認しなくても記憶していることは多いのですが、カントリー・ミュージックを扱うときは慎重に、と改めて思いました。

そもそも、われわれの世代の多くがカントリーと接するようになったのは、たとえば、フライング・ブリトー・ブラザーズ、グレイトフル・デッド、バーズ、ボブ・ディラン、グラム・パーソンズといった非カントリー系アーティストが、60年代終わりから70年代はじめにかけてカントリーへの傾斜を強めた結果でしょう。

ポコ、イーグルズのあたりでカントリーへの傾斜は一般化しますが、わたしの場合、だれよりもまずバーズ、ブリトーズを含むグラム・パーソンズに導かれていきました(したがって、イーグルズ、ポコあたりは、「原因」ではなく、「結果」ないしは「副産物」に見えた。「原因」はあくまでもグラム・パーソンズ)。

f0147840_23282457.jpgつぎに大きかったのは、やはりデッドです。じっさい、たとえば、はじめて聴いたマール・ハガードの曲は、デッドがカヴァーしたMama Triedです。グラム・パーソンズとグレイトフル・デッドの両者がカヴァーした人なので、ひところは、もっとも偉大なコンテンポラリー・カントリー・シンガーはマール・ハガードなのだと思いこんでいました。そして、El Pasoという曲を知ったのも、マーティー・ロビンズというシンガーのことを知ったのも、グレイトフル・デッドを通じてのことでした。

◆ ヴァージョン一覧 ◆◆
例によって、El Pasoの各ヴァージョンの録音日と収録アルバムを一覧しておきます。この曲のデッドによるスタジオ録音はありません。すべてライヴです。

1971.04.28……Ladies And Gentlemen...The Grateful Dead
1971.08.07……Dick's Picks Vol 35
1972.03.28……Dick's Picks Vol 30
1972.04.24……Rockin' The Rhein
1972.09.17……Dick's Picks Vol 23
1972.09.21……Dick's Picks Vol 36
1972.09.27……Dick's Picks Vol 11
1973.02.28……Dick's Picks Vol 28
1973.10.19……Dick's Picks Vol 19
1974.10.19……Steal Your Face
1976.10.10……Dick's Picks Vol 33
1977.05.19……Dick's Picks Vol 29
1977.10.14……Road Trips Volume 1, Number 2
1980.10.13……Reckoning (remastered CD)

もちろん、わたしがもっていないヴァージョンもたくさんありますし、まだリリースされていないものにいたっては、気が遠くなるほど膨大な量があります。自分で数えたわけではないので、話半分にきいておいていただきたいのですが、一説によると、デッドはEl Pasoを370回ほどステージでやったそうです。アーカイヴ・テープがすべてリリースされたら、とんでもないことになります。

Dick's Pick'sシリーズはどうやら終了らしく、最近はアーカイヴ・テープのリリースは配信に移行しています。フィル・レッシュ&フレンズのリリース状況を見ていると、いずれ、すべてのテープがリリースされる恐れもゼロとはしません。じっさい、そうなる予定だといっているソースもあります。

だれが聴いているのかと思いますが、こんな時代がくるはるか以前から、テーパーたちはライヴ・テープ・トレード雑誌を発行し(それも数種類!)、パーフェクト・コレクションを目指して日夜邁進していたのだから、やはり、相当数のリスナーがいるのでしょう。

ただし、配信をめぐって、ヘッズのボイコット運動があったそうで(デッドの会社がウェブでのファイル交換を禁じた)、どうなることやら。これまでの経緯からいって、デッド(およびiTune)側に非があると感じます。法律を盾にとれば、ヘッズはいよいよ激昂するでしょう。アップルのどん欲さのおかげで、あれは金になることがわかった、だから、タダで配るのはやめろなんて、そりゃ聞けませんよ。「シャンペンとポルシェのライフスタイルのため」とそしられて当たり前です。

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1971年のアルバムGrateful Dead(通称Skull & Roses)の見開きに書かれたファンへの呼びかけ。これを見て、わたしもデッド・オフィスに手紙を送った。デッドヘッズの公式の歴史はここからはじまっている。

◆ 71年と72年のヴァージョン ◆◆
デッドの曲は、同じ楽曲を比較すると、後年にいくにしたがってランニング・タイムが長くなる傾向があります。どの曲もインプロヴが長くなっていくのです。そのなかでEl Pasoは稀な例外です。はじめのころが長く、後年になると、短めになるのです。理由は簡単、最初はテンポが遅かったのです。

f0147840_23563032.jpg盤としてリリースされた最古のEl Pasoである、Ladies And Gentlemen...The Grateful Dead収録の71年4月28日ヴァージョンは、6:36です。マーティー・ロビンズ盤よりはるかに遅い、いかにもワルツというテンポなので、フル・ヴァースをうたえば、これくらいの長さになって当然でしょう。長いあいだ、テンポの速い後年のヴァージョンに馴染んできたので、71年4月28日ヴァージョンは違和感がありますが、虚心坦懐に聴くと、これはこれで悪くないかもしれないと思います。まあ、いかにも、まだ「手に入っていない」というヴァージョンですが。

同じ年の8月7日ヴァージョンでも、まだテンポは遅いままです。4月28日にくらべると、こちらはテンポの遅さがそのまま「ダレ」に聞こえ、やや落ちるパフォーマンスです。これくらいの時期のフィル・レッシュとビル・クルーズマンのプレイがもっともよかったので、それが救いになっていますが、レッシュのプレイの面でも4月28日のほうが面白いと感じます。

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72年3月28日ヴァージョンになると、だいぶテンポアップして、後年の形に近づいたと感じます。じっさい、このヴァージョンは最上のひとつでしょう。ここまでは、ノーマルなワルツでもなければ、ワルツを意識しないほど速いわけでもなく、中途半端なテンポで、クルーズマンがやや叩きにくそうにしていると感じますが、このヴァージョンではリラックスしたいいプレイになっています。わたしは、72年にキース・ゴッドショーが加わってから数年間のデッドがいちばん好きなので、いよいよ黄金時代に突入だ、とワクワクします。

Rockin' The Rheinというアルバムは、トリプル・ライヴ・アルバムEurope '72のアウトテイク集のようなものですが、もっともすぐれたデッドのライヴ・アルバムを生むことになったツアーなので、アウトテイクもいいものがあります。

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Rockin' The Rhein収録の72年4月24日ヴァージョンは、プレイに関するかぎり、やはりもっともいい時期のものだと感じます。冒頭、ボブ・ウィアの声がちょっとかすれているのが難点ですが、もともとヴォーカルで聴かせるバンドというわけでもないので、無視できる瑕瑾にすぎません。

このテイクからは、いよいよゴッドショーがデッドに馴染んできた感じで、彼らしいプレイが聴けるようになります。この72年のヨーロッパ・ツアーを通じてずっとそうなのですが、スネアのチューニングがすばらしく、クルーズマンのプレイを聴いているだけでも楽しくなります。ベストEl Pasoのひとつ。

Dick's Picks Vol.23収録の1972年9月17日ヴァージョンは、テンポをすこし落とし、初期の2ヴァージョンに近くなっています。このテンポはやめたほうがいいと思うんですがねえ、って、いまになってそんなことをいってもはじまりませんが。そもそも、初期ヴァージョンのテンポが遅いのは、ウィアが、速いテンポでスムーズにうたえる自信を持てなかったからだと思うのですが。またしてもデッドの「アレンジ彷徨癖」が出たか、というヴァージョン。

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Dick's Picks Vol.36収録の1972年9月21日ヴァージョンは、日付から明らかなように、Dick's Picks Vol.23と同じツアーの録音です。El Pasoについては、出来不出来の大きな差はなく、どの日もアヴェレージ以上になっています。そのせいで、だんだん、なにがいいんだか悪いんだかわからなくなってきます。耳が馬鹿になるというか。これは良くも悪くも特長のない、アヴェレージ・ヴァージョン。

さらにもうひとつ、同じツアーを記録したDick's Picks Vol 11収録の1972年9月27日ヴァージョンもあります。やっとのんびりテンポを脱して、速くなりました。やっぱり、これくらい速いほうがいいのではないでしょうか。毎日のようにやっていた曲なので、そろそろ気分を変えたくなった、という雰囲気。

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◆ Steal You FaceとReckoning ◆◆
この曲は、どれもみな、そこそこ以上のヴァージョンがそろっていて、書くことがなくなったので、ヴァージョン検討は打ち切りにさせていただきます。さすがは400回近くやっただけのことはあります。「手に入った」曲というべきでしょう。

ざっと聴き直したかぎりでは、やはりRockin' The Rhein収録ヴァージョンが、もっとも好ましく感じます。あなたが多くのデッドヘッズと同じく、Europe '72をすぐれた盤だと考えているなら、Rockin' The Rheinも気に入るだろうと思います。この時期のデッドはほんとうによかったと、しみじみしてしまいます。

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最初に聴いたデッドのEl Pasoは、Steal Your Faceヴァージョンでした。当時、リリースされていたEl Pasoはこれしかなく、あの時点では、悪い出来とは思っていませんでした。この曲が気に入り、作者のマーティー・ロビンズのことも気になったくらいです。しかし、その後、各種ヴァージョンが出そろってみると、もっといいものがたくさんある、という認識にいたりました。

ひとつだけ変わり種ヴァージョンがあります。アルバムReckoningのリマスター盤にボーナスとして収録された、1980年の復活アコースティック・セットでの録音です。この15周年ツアーを記録した、2つのダブル・アルバムから、キース・ゴッドショーが抜け、基本的にわたしの好まないデッドになってしまうので、せっかく復活したアコースティック・セットも、リリース当時は乗れませんでした。選曲も地味で、あまりお楽しみがありませんでした。

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しかし、リマスター拡大版になり、アウトテイクが出てきてみると、そちらのほうにいいトラックが多く、すこしだけ印象が変わりました。もちろん、ブレント・ミドランドが好きにはなりませんが、曲によってはまだ出しゃばっていなくて、ミドランドの声が聞こえないものもあるのです。Reckoning拡大版収録のEl Pasoも出来のいいヴァージョンです。はたと思いましたねえ。80年代、デッドを聴かなくなったのは、デッドがダメになったわけではなく、ブレント・ミドランドがダメだっただけなのだと。

◆ 驚きの94年ヴァージョン ◆◆
昨日もご紹介した、You Tubeにある1994年6月26日ヴァージョンを聴くと、いよいよその感が深まります。90年代のデッドというのは、うちにはあまりなく、ほとんど聴いたことがなかったのですが、意外にいいので驚きました。

f0147840_1104419.jpgもちろん、みんな年をとったなあ、という「落ち着きのある音」ですが、まず第一に、最晩年のジェリー・ガルシアの状態が、想像したよりずっといいことに驚きました。もちろん、声はもう出なくなっていますが(いまでは翌年に没することがわかっているので、声が出ないのは当然と感じてしまう)、ギター・プレイにはそれほど衰えを感じません。60年代終わりから70年代はじめにかけての絶頂期とくらべるわけにはいきませんし、何カ所かミスタッチはありますが、それでも大きな魅力があり、El Pasoでのプレイにかぎるなら、この日のガルシアのギターはベストのひとつです。

ボブ・ウィアがアコースティックを弾いているのにも驚きました。エレクトリック・セットでは、昔はアコースティックを弾くことはありませんでした。Reckoningヴァージョンを聴いても思いますが、El Pasoはアコースティックでやったほうがいいかもしれません。

f0147840_1115854.jpgそして、それよりも驚いたのは、ヴィンス・ウェルニックのピアノです。ウェルニック在籍時(1990-95年)の録音は、うちにはほんの一握りしかなくて、気づいていなかったのですが(お粗末!)、El Pasoでのプレイを聴いて、この人、キース・ゴッドショーよりいいかもしれないと思いました。わたしはピアノを聴かない人間ですが、こういうタイプのピアノは大好きです。

all in all、よし、90年代のデッドも集めるぞ、と興奮した94年ヴァージョンでした。まあ、たいていの人は、ガルシアがハーモニーを外しているのが気になって、落ち着かない気分になったでしょうがね! デッドヘッズというのは、特殊な人種なのです。

◆ 巨大なレパートリーの維持 ◆◆
世間では「セットリスト」というのを事前につくって、その曲をリハーサルしてからツアーに出るのが常識ですが、デッドはちょっとちがいます。いや、リハーサルについては、すくなくとも60年代にはハードにやったそうですが(11拍子のElevenのような曲を、4/4の曲のようにスムーズにやるには、リハーサルを繰り返すしかなかったのだという。これがその後の年月を支える財産になった。ジャイアンツの「地獄の伊東キャンプ」のようなもの)、世間でいうような「セットリスト」は存在しないのです。大ざっぱに決めてはいたようですが、予定になかった曲をやることも多かったそうです。

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これは、ふつうに考えられるように簡単なことではありません。コード進行や構成といったことは、しばらくやっていなくても大丈夫かもしれませんが(デッドはインプロヴが長いので、構成については事前の打ち合わせが役に立たないことが多い)、歌詞はそうはいきません。とくにEl Pasoのように長い曲で、しかも前後の入れ替えがきかないものはきびしいでしょう。

わたしは舞台を見たわけではないのですが、藤山寛美がリクエスト祭とかいうものを何度かやったことがあるそうです。もちろん、寛美の過去のレパートリーに限定するのですが、客がリクエストした演目を、その場でやってみせるという驚天動地の企画です。台詞だけだって、当然、どエラいことですが、衣裳、大道具、小道具を勘定に入れれば、どう考えても不可能にしか思えません。

バンドの場合、芝居よりはずっと楽ですが、それでも、台詞ならぬ歌詞の問題は、努力なしには乗り越えられません。ふつうの歌詞じゃないんですよ。太平洋戦争の宣戦布告文の外交無電のように、おそろしく長い暗号みたいなロバート・ハンターの歌詞ですからね。記憶の助けになってくれるような、ストーリーの流れなんてものはほとんどないのです。

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デッドは、長いジャムの途中で、だれかが「こっちへいこう」とリードしはじめたら(その曲のアイデンティファイアとなるフレーズを繰り返し弾く)、たいていは、そっちへいきます(ひとつだけ、ガルシアががんとしてべつの曲への移行を拒否したことが感じとれる録音があった)。その結果、歌に戻ったときには、予定になかった曲になっていたりするわけで、「いかん、歌詞を忘れた」というわけにはいかないのです。

デッドのライヴは融通無碍なことで知られています。いたってフリーフォームで、その日の気分まかせ、風に吹かれて漂うように、リラックスした、ルースといってもいいムードのステージが愛され、1965年以来、数千回におよぶライヴをおこない、ガルシア没後には、中規模の企業並みの売上げを記録したことさえありました(つまり、むくつけにいえば、世界のどんなバンドより大きな年商があった)。

しかし、懐手ではそんなことは実現できません。厖大なレパートリーのかなりの部分を、つねにステージにあげられる状態にしていたわけで、その裏側には全員の努力があったにちがいありません。ラリパッパで知られたバンドには、じつに不似合いなことですが、どう考えても、ロバート・ハンターの曲をあれだけたくさん覚えるには、努力なしというわけにはいかないはずなのです。

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噺家だって、しばらくやっていなかった噺を高座にあげるときは、おさらいをします。志ん生だって、ぞろっぺえのように見えるけれど、家でちゃんとさらっていたと、息子の志ん朝が証言しています(それでも、あれほどふにゃふにゃに崩れてしまうところが、志ん生の偉大さなのだが!)。志ん生同様、デッドもひどくぞろっぺえのように見えますが、とくにガルシアとウィアはつねに歌詞を忘れないようにする努力をしていたはずです。

El Pasoを聴いていて、ロバート・ハンターの作だけでもひどく覚えにくく、長ったらしい歌詞ばかりなのに、よくまあ、カヴァー曲まで、あんなに面倒な歌詞の曲を選んだものだと呆れ、そして、感心してしまいました。

◆ 50ギターズ盤 ◆◆
わが家にはもうひとつEl Pasoがあります。50ギターズ盤です。毎度同じことを繰り返して恐縮ですが、50ギターズについては、目下、Add More Music(右のメニューにあるリンクからいける)で、順次、ファイルが公開されているところです。El Pasoを収録したBorder Town Bandidoというアルバムも、すでに公開済みで、どなたでもお聴きになることができますので、よろしかったらダウンロードをしてみてください。

f0147840_0334971.jpg50ギターズといえば、「国境の南サウンド」ということになっているわけで(いや、わたしは、AMMのオーナーであるキムラセンセが「これはちょっと」とおっしゃる、ハワイアン・アルバムもそこそこ好きですが)、El Pasoはこのプロジェクトにピッタリの曲です(エル・パソは「国境の北」ですが、まあ、堅いことは抜きにして)。

このアルバムのアレンジャーはアーニー・フリーマン、リード・ギターはトミー・テデスコで、布陣として文句ありません。じっさい、これほどボーダータウンの雰囲気がよく出ているEl Pasoはないのじゃないかと思うほどです。ブラスを加えてさらにメキシコ(いや、エル・パソはアメリカだが!)の雰囲気を強調することなんか不要だと思うほど、ギターサウンドだけで十分にそれらしく感じます。ひょっとしたら、これがもっともオーセンティックなEl Pasoではないかとさえ思います。

わたしが、グレイディー・マーティンより、トミー・テデスコのプレイに馴染んでいるせいもあるでしょうが、やっぱりトミーはいいなあ、と感じます。なんだって弾けた人ですが、ガットがいちばん似合います。そう、ガットを使っていることも、50ギターズ・ヴァージョンがオーセンティックだと感じる理由のひとつでしょう。ムードのあるヴァージョンです。『ワイルド・バンチ』に使ってほしかったほど。

ところで、拝啓、キムラセンセ、グーグルで画像検索をかけたところ、目下、Border Town Bandidoのジャケット写真を公開しているサイトは世界でただひとつ、AMMだけのようです。50ギターズを取り上げるたびに感じるのですが、もうすこし大きな写真を公開なさってはどうでしょうか? きわめていい状態で貴重な盤を聴かせていただいていることには、深甚な感謝をしております。しかし、あの企画の唯一の瑕瑾はジャケット写真ではないでしょうか。稀少性に鑑みて、伏してご一考をお願いするしだいです。当家のアクセス状況を見るかぎりでは、近ごろは画像検索経由でいらっしゃる方も多く(その多くは海外からのお客さんでしょうが)、画像の面でも貢献なさってはいかがかと愚考するしだいです。

というわけで、本日も、AMMからいただいてきたジャケット写真を使用させていただきました。

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by songsf4s | 2008-05-20 23:56 | 風の歌