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Baby It's Cold Outside その1 by Dean Martin
タイトル
Baby It's Cold Outside
アーティスト
ライター
Frank Loesser
収録アルバム
A Winter Romance
リリース年
1959年
他のヴァージョン
Ann Margret with Al Hirt, Johnny Mercer with Margaret Whiting, Carmen McRae with Sammy Davis Jr., Buddy Clark with Dinah Shore, Ray Charles with Betty Carter, Avalanches, Jimmy Smith & Wes Montgomery
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クリスマスというと、やはり子どもが中心になりますし、そもそも宗教行事なので、あまり「大人」の雰囲気の曲は目立たないのですが、そこはそれ、蛇の道は蛇(関係ないか)、やっぱり「大人のクリスマス・ソング」というのもあります。たとえば、当ブログすでに取り上げたもののなかでは、Let It Snow!などは、やや大人っぽい歌でした。

極端なものとしては、ケイ・マーティンという人(バックバンドはハー・ボディーガーズという名前!)の、その名もI Know What He Wants for Christmas (But I Don't Know How to Wrap It)というアルバムがあります。ジェケットは、ここに出すのはちょっとなあ、というデザインです。包む方法がわからなかったので、包まないことにしてしまったらしいのです。部分的ならオーケイでしょうかね。

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この女性はただのモデルで、ケイ・マーティンという人ではない。念のため。

ほほう、と思い、聴かせてもらいましたが、「大人の曲」満載でした。いや、ジョークとして笑える出来で、けっして悪いものではありません。音楽もまじめにやっています。ただし、最近では100ドルは堅いそうなので、ちょっと手が出せません。いや、買えないという意味です。いや、だから、LPを買えないということ。誤解なきよう。

本日のBaby It's Cold Outsideは、ふつうの値段で買えます。ということはつまり、ケイ・マーティンほど「大人の曲」ではなく、ちょっとだけ「大人の曲」、ちょうどLet It Snow!ぐらいのムードで、テレビで歌っても、東海林太郎スタイルの直立不動で、怪しい所作をつけなければ問題ありません。

◆ やっぱり帰らなきゃ ◆◆
それでは歌詞を見ていきますが、アドリブの入りこむ余地が十分にある構成ですし、なお悪いことに、まだだれのものを看板に立てるか決めていないのです。Silver Bellsをはじめ、過去にも拮抗した首位争いがありましたが、Baby It's Cold Outsideは、候補が二つではなく、いくつもあって、これまででもっともむずかしい判断になりそうです。

Dean Martin - Baby It's Cold Outside


看板が決まるまで待っていてははじめられないので、歌詞はディーン・マーティン盤でいくことにします。この曲は男女デュエットで歌うことを前提にして書かれています。パーレンのなかは男性シンガーが歌うパートです。どこからどこまでひとかたまりなのか、よくわからないのですが、タイトルのBaby it's cold outsideが出てくるところまでで一周とみなしました。長くてすまん。

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I really can't stay
(But baby it's cold outside)
I've got to go away
(But baby it's cold outside)
This evening has been
(Been hoping that you'd drop in)
So very nice
(I'll hold your hands, they're just like ice)
My mother will start to worry
(Beautiful, what's your hurry)
My father will be pacing the floor
(Listen to the fireplace roar)
So really I'd better scurry
(Beautiful, please don't hurry)
But maybe just a half a drink more
(Put some records on while I pour)
The neighbors might faint
(Baby it's bad out there)
Say what's in this drink
(No cabs to be had out there)
I wish I knew how
(Your eyes are like starlight now)
To break this spell
(I'll take your hat, your hair looks swell)
I ought to say "no, no, no sir"
(Mind if i move in closer)
At least I'm gonna say that I tried
(What's the sense in hurtin' my pride)
I really can't stay
(Oh baby don't hold out)
Baby it's cold outside

「ホントにもういられないのよ」
(ベイビー、外は寒いよ)
「やっぱり行かなきゃ」
(でも、ほんとうに寒いんだぜ)
「今夜はほんとうに……」
(きみが寄ってくれないかなとずっと思っていたよ)
「……楽しかったわ」
(手をかしてごらん、氷のように冷たいよ)
「そろそろお母さんが心配しはじめるわ」
(なにをそんなに急ぐ必要があるんだい)
「お父さんは部屋を行ったり来たりするわ」
(薪が燃える音をきいてごらんよ)
「だから、ちょっと急がないと」
(頼むから、そんな急がないでくれよ)
「でも、ちょっと飲むぐらいならいいかしらね」
(飲み物をつくっているあいだに、なにかレコードでもかけておいてくれないか)
「ご近所はビックリして気絶しちゃうでしょうね」
(外はひどい寒さだよ)
「ねえ、このお酒、なにが入っているの?」
(タクシーもつかまらないさ)
「なんとかしたいんだけど……」
(きみの瞳はまるで星のように輝いているよ)
「……この金縛りをね」
(帽子を取ってやろう、きみの髪はすばらしいからね)
「こういうときは『あら、おやめになってくださらない』っていわなきゃいけないのよね」
(もうちょっとそっちにいってもいいだろ?)
「とにかく努力はしたと、あとで言い訳できるわよね」
(ぼくのプライドを傷つけたってしかたないじゃないか)
「やっぱり帰らなきゃ」
(そんなにすげなくするなよ)
「(二人いっしょに)やっぱり外は寒い」

微妙に会話が噛み合わずにズレたり、裏側で起きている「所作」をうかがわせたりするこの歌を表現するには、なによりも男女の呼吸が重要なので、なかなかやっかいですが、うまくいくと、理想的なデュエット曲に聞こえます。最後のいっしょに歌うところは、「外は寒いぞ」という男と、「やっぱり外は寒いものね」という女の、それぞれ異なったニュアンスでありながら、意見が一致するところがなんともみごとです。

もう一点、「マウス」(可愛い子ちゃん)役と「ウルフ」のラインが、ほとんど韻を踏んでいることにもご注意を。

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◆ ああ、でも外は寒い ◆◆
後半も同じ長さなのですが、ここで打ち切りというわけにもいかないので、つづけることにします。

I simply must go
(Baby it's cold outside)
The answer is no
(Baby it's cold outside)
Your welcome has been
(How lucky that you droped in)
So nice and warm
(Look out the window at that storm)
My sister will be suspicious
(Gosh your lips look delcious)
My brother will be there at the door
(Waves upon the tropical shore)
My maiden aunts mind is vicious
(Gosh your lips are delicous)
But maybe just a cigarette more
(Never such a blizzard before)
I've gotta get home
(But baby you'd freeze out there)
Say lend me a coat
(It's up to your knees out there)
You've really been grand
(I thrill when you touch my hand)
But don't you see?
(How can you do this thing to me?)
There's bound to be talk tomorrow
(Think of my lifelong sorrow)
At least there will be plenty implied
(If you got pneumonia and died)
I really can't stay
(Get over that old out)
Baby it's cold
Baby it's cold outside

「とにかく帰らなきゃ」
(でも、外は寒いよ)
「答えはノーよ」
(でも、外は寒いよ)
「あなたのおもてなしは……」
(寄ってくれてほんとうにうれしいよ)
「……ほんとうにすばらしかったわ」
(窓から外を見てごらんよ、ひどい吹雪だから)
「妹に疑われちゃうわね」
(きみの唇はなんともすばらしく見えるね)
「きっと兄さんが迎えに来ちゃうわ」
(まるで南の海の波のようだ)
「わたしには独身の叔母さんがいるんだけれど、それはもう意地が悪いのよ」
(うーん、きみの唇はなんともすばらしいな)
「でも、タバコをもう一本くらいなら、まだいいかしらね」
(こんなひどい吹雪はいままでに見たことがないよ)
「うちに帰らなきゃ」
(でも、いま外に出たら凍えちゃうよ)
「コートを着せてくださらないこと?」
(膝までくるほどの雪じゃないか)
「おもてなし、ありがとう」
(きみの手がぼくの手にふれるとドキドキするよ)
「でも、わかってちょうだい……」
(どうしてそんなひどい仕打ちができるんだ?)
「……明日は人に会わなければなの」
(きみをいま外に出したら、ぼくは一生後悔するだろうな……)
「まあ、いろいろなことがありうるでしょう」
(……きみは肺炎にかかって死んじゃうからね)
「ほんとうに帰らなければなのよ」
(そのセリフは聞きあきたよ)
「(二人いっしょに)ベイビー、外はほんとうに寒い」

笑ってしまうのは、唇の件です。最初はlook delicious「すばらしそうに見える」だったのが、つぎのつぎのラインでは、are delicious「すばらしい」と断定しているところです。この間になにがあったかというと、なんて野暮なことはいいませんが。

歌詞がとほうもない長さのため、文字数制限を超えそうなので、ここで記事を二つに割ることにします。各ヴァージョンの検討はつぎの記事をご覧ください。
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ディーン・マーティン
My Kind of Christmas
My Kind of Christmas
by songsf4s | 2007-12-21 00:04 | クリスマス・ソング