今朝、ツイッターを見て、最初に目に飛び込んだのは、モンキーズのデイヴィー・ジョーンズの訃報でした。享年六十六。
デイヴィー・ジョーンズやモンキーズについては、ずいぶんたくさんツイートしたので、ここでは一曲だけ、モンキーズ以前の、まだデイヴィッド・ジョーンズといっていた時代の録音を貼りつけます。
David Jones - What Are We Going to Do?
裏づけなんかなにもありませんが、ドラムはハル・ブレインでしょう。問題はギターです。ソロはビリー・ストレンジのプレイに聞こえます。当てずっぽうですがね。グレン・キャンベルなんかもこういうサウンドでよくやりましたが。
しかし、考えてみると、コルピクスというのは、コロンビア映画の子会社で、コロンビアとスクリーン・ジェムズがつくった合弁会社のコルジェムが、テレビのモンキーズの制作主体になります。
たしかマイク・ネスミスもモンキーズ以前にコルピクスからシングルを出していたと思います。となると、あの、スティーヴ・スティルズが落とされたとか、チャーリー・マンソンまでやってきたという有名なオーディションは、ずいぶんインチキなものだったのじゃないでしょうか。自社アーティスト優先!
さて、本日もまた、ヴェンチャーズのリードをプレイした時代のビリー・ストレンジのセッション・ワークを聴きます。まずは大物の大ヒット曲。
Nat King Cole - Ramblin' Rose
じつは、ビリー・ストレンジ御大が七十五歳の記念につくったバイオDVDが引っ越し荷物に入ったままで、再見できないため、この特集はずっとブラインドで書いています(まもなく、またしても引っ越すことになりそうだが、つぎはきっと荷物を全部開くので、発見できるだろう!)。
この曲は重要なので、そのDVDで言及されていました。たしか、最初はペダル・スティールでオブリガートを入れたが、うまくいかずに頓挫してしまい、ビリー・ストレンジの発案で、このようにギターでオブリガートを入れる形に変更し、無事にセッションを終了した、という話だったと思います。
追記 このページのコメントにあるとおり、その後、畏友オオノ隊長が以前アップなさったクリップを再公開してくださいました。
記憶とちょっと違うのは、ペダル・スティールがうまくいかなかった、わけではなく、理由は不明ながら、セッションはうまくいかず、ビリー・ストレンジが「カントリー・スティール・ギター」を入れてはどうかと提案した、となっていることです。じっさいにはスティールではなく、フェンダーのふつうのギターのプレイですが。
どうであれ、いわれてみれば、たしかに、ヴェンチャーズのバラッド系の曲で聴かれるようなギター。音楽はジャンルで見ていくとわからなくなっちゃうのです。
それにしても、この曲、買いはしなかったものの、子どもでもよく知っていたほど日本でもエア・プレイがありました。あとで、その曲でギターを弾いた人と知り合い、友だち呼ばわりすることになるとは、人生、生きてみないとわからないものだ、と溜息が出ます。地味ながら、すばらしく味のあるプレイでこういう重要な曲のヒットを助けた人を、心から誇らしく思います。
ナット・キング・コールのRambling Roseの前年になりますが、ビリー・ストレンジは運命の女性のバッキングをすることになります。またしても、日本人には聴かせないというユーチューブの選別的検閲に引っかかったので、サンプルで。
サンプル Jeanne Black "He'll Have to Stay"
これはジム・リーヴズの大ヒット曲に対するアンサー・ソングでした。
Jim Reeves - He'll Have to Go
アンサー・ソングというは、まずヒットしないものと相場は決まっていますが、ジーン・ブラックのHe'll Have to Stayは一握りの例外に属し、ビルボード・チャート4位まで行く大ヒットになりました。
おそらく50年代終わりのカントリー・サーキット、とりわけクリフィー・ストーンのホームタウン・ジャンボリーあたりで知り合ったビリー・ストレンジとジーン・ブラックは、恋に落ちます。
ところが、どういう事情があったのか、二人は結婚できず、それぞれべつの配偶者を得、子どもたちを育て、月日が流れます。そして、ともにやもめになった二人は再会し、結婚して、晩年をともにします。
この話をキャロル・ケイさんにうかがったときは、へえ、そういうこともあるのだなあ、でした。むろん、現在もジーンさんは、ビリー・ストレンジ・サイトのBBSでホステス役を果たされていらっしゃいます。
同じころ、そのジーンさんの妹、ジェイニー・ブラックのセッションでも、ボスはギターを弾きました。
Janie Black - Lonely Sixteen
こちらのほうがポップで、ギター・プレイにもビリー・ストレンジらしさがあらわれています。
この60年代はじめの時期には、まだいくつか判明しているセッション・ワークがあるのですが、残りは次回ということに。
Click and follow Songs for 4 Seasons/metalside on Twitter