あらすじというのはじつに面倒なもので、うまく、面白く書くには技術を要します。MovieWalker(というか、もとはキネ旬だが)みたいになっては、面白い映画もみな駄作に見える、というか、なにがなんだかさっぱりストーリーがわからなくなってしまいます。
森一生監督『薄桜記』(五味康祐原作)は、プロットが複雑で、しかも、面白みは話の展開にかかっているタイプなので、簡単にあらすじを書くわけにもいかず、ああでもない、こうでもないと頭のなかでこねまわしているうちに疲労困憊して、ツイッターとユーチューブに逃げました。
とりあえず、ジャック・ニーチーを聴いてみました。当たり前の曲で、あえて貼りつけるまでもないのですが、これが起点になったので、いちおう置いておきます。
Jack Nitzsche - The Lonely Surfer
ドラムはハル・ブレイン、ダノ・リードはビル・ピットマン、ギターはトミー・テデスコ、記憶しているのはそれくらいですが、大サーフ・クラシックなので、とくに付け加えるべきことはありません。
リッチー・アレン&ザ・パシフィック・サーファーズがカヴァーしているのかと思って、そのクリップを聴いてみました。
Richie Allen & The Pacific Surfers - The Lonely Surfer
というように、まったくべつの曲ですが、これはこれでなかなかけっこうなサウンドです。ドラムはアール・パーマーでしょうか。スネアのサウンド、プレイがアールに聞こえます。
べつの記事に書いたかもしれませんが、リッチー・アレンとはすなわちリッチー・ポドラー、ハリウッド録音のさまざまなギター・インストなどにクレジットされているギター・プレイヤーです。
当然、パシフィック・サーファーズというのも、スタジオ・プレイヤーたちに決まっています。ドラムはハル・ブレインかもしれません。
しかし、なんだか、聴いたような気もするので、検索してみたら、ちゃんともっていました。たんに記憶からとんでいただけでした。
もうひとつ、The Lonely Surferの関連クリップを聴きました。これが思わぬセレンディピティー、って、予想していてはセレンディピティーになりませんが。
The What Four - Gemini 4
アップローダーの説明によれば、リプリーズ・レコードのリリース、プロデューサーはディック&ディーディーだそうで、つまり、ハリウッド録音、プレイしたのはハリウッドのスタジオ・プレイヤー、ということまでは読みとれます。
ディック&ディーディーをいちおう聴きましょう。
Dick & Dee Dee - Thou Shall Not Steal
この曲のドラムはハル・ブレインでしょう。であるなら、というので、検索してみたら、Vinyl Highway: Singing as Dick and Dee Deeというディーディー・フェルプスの回想記に、ドラムはハル・ブレインかアール・パーマー、ベースはレイ・ポールマンかキャロル・ケイであると、ちゃんと書かれていました。
これでディック&ディーディーとレッキング・クルーの関係ははっきりしました。したがって、ホワット・フォーという、おそらくシングル1枚をリリースしただけで消えたグループも、いつものスタジオ・プレイヤーたちの仕事と考えて問題ありません。
ということで、案外な拾いもの、と思ったのも当然、「あのバンド」だからうまくてあたりまえ、というアンチ・クライマクスでした。
しかし、ほんとうはつぎの曲を聴こうかと思って、似たタイトルの曲に流れてしまっただけなのですが。
The Ventures - Gemini
これだけ完璧にプロフェショナリズムに徹したプレイとなると、ツアー用ヴェンチャーズなんかひとりも参加していないのは見え見えで、悲しいものがありますなあ。わっはっは。
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ジャック・ニーチー
Lonely Surfer

リッチー・アレン&ザ・パシフィック・サーファーズ
Surfer's Slide

ディーディー・フェルプス著
Vinyl Highway: Singing As Dick and Dee Dee
