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ミステリアス・ドラマーズ――いまだに同定できない気になるプレイヤーたち
 
以前、ライノがリリースしたピーター&ゴードンのベスト盤のライナーを読んでいて、インタヴュワーがピーター・エイシャーに、「だれかプレイヤーの名前を覚えていますか?」と質問したところで、グイと目を引き寄せられました。

たとえば、こういう曲のことがずっと気にかかっていたからです。フィル・スペクターのテディー・ベアーズによる有名なビルボード・チャート・トッパーのカヴァー。

Peter & Gordon - To Know You Is to Love You


むろん、ドラマーの話です。イントロからヴァースへの移行部でのロールもきれいにやっていて、ほんの数小節で、信頼できるプレイヤーであることがわかります。イギリスのスタジオ・エースのひとりでしょう。

しかし、ピーター・エイシャーの答えは、ひとりも覚えていない、でした。タコ! ドアホ! 死ね! そういう耳をしているからラス・カンケルなんかでくだらない盤を山ほどつくったんだ、と怒鳴り散らしましたよ。

いや、いいんですよ、たんなるパアなシンガーで終わったのなら。でも、曲がりなりにでもプロデューサーとしてキャリアを築いた人でしょうに。それが、プレイヤーのすごみに気づかなかったでは、すまされませんよ。

これで、エイシャーがそれなりにブースのなかで成功できたのは、彼の力ではなく、たとえば、アンドルー・ゴールドのような才能のある人間の助力があったおかげだということがわかりました。はっきりいって三流の人物です。

派手なのを冒頭におきましたが、ピーター&ゴードンのトラックは、控えめなものでもいいドラミングがあります。

Peter & Gordon - If I Were You


プロだねえ、というプレイです。こういう人がいまだにアイデンティファイできないのは、じつに遺憾至極、まことに残念無念。

同じベスト盤のライナーで、ピーター・エイシャーがいっていましたが、ゴードンはリードを弾きたがり、スタジオでも彼が12弦を弾いた曲があるということでした。てことは、エイシャーより、ゴードン・ウォーラーのほうがプロデューサーとしての資質に恵まれていた可能性があります。まったく、世の中うまくいきません。

同じイギリスのドラマーではもうひとり、ずっと気にしているプレイヤーがいました。

The Walker Brothers - My Ship Is Coming In


Girl, we're gonna make itのあとの、微妙に遅らせたフラムなんか、悪くないセンスです。

ひょっとしたらピーター&ゴードンと同じプレイヤーかもしれないと感じるのですが、つぎの曲を聴くと、微妙にタイムがちがうような気がしてきます。

The Walker Brothers - (Baby) You Don't Have To Tell Me


タムタムからフロア・タムに流すプレイはいけるのですが、スネアのフィルインはきれいにいっていません。これを聴くとピーター&ゴードンのドラマーとは別人のような気がしてきます。いや、それでもこの曲はドラマーズ・チューンだと思いますけれどね。

書き忘れていましたが、ゲーリー・ウォーカー(リーズ)は、「契約の関係で」スタジオではプレイできなかったといわれています。もちろん、わたしはそういうチョボイチはてんから信じていません。スタジオで叩けるほどの十分な技量がなかっただけのことでしょう。

もうひとつ書き忘れ。ウォーカーズのドラマーの名前は、以前どなたかに教えてもらったと思います。しじゅう目にしていないので、忘れてしまいました。

ピーター&ゴードンも、ウォーカー・ブラザーズも、ともにライチャウス・ブラザーズをワーキング・モデルにしていました。

ライチャウスのドラマーといえば、なんといってもアール・パーマーですが、それは60年代の話。70年代のリユニオン・アルバムも、なかなかすぐれたプレイがあるのに、LPにはクレジットがありませんでした。

The Righteous Brothers - Rock and Roll Heaven


このあいだ、某所で、これはジム・ゴードンのプレイである、としているのを見たのですが、どうでしょうかねえ。フィルインに使われているハイピッチ・タムのサウンドは、ジミーのものに似ていますが、肝心のバックビートがあまりジム・ゴードンのようにきこえません。いや、否定ではなく、すんなり納得はできない、というだけですが。

もう一曲、同じアルバムから。

The Righteous Brothers - Dream on


こんどはスネアはジム・ゴードンに似ていますが、タムタムが似ていません。うーん。いずれにしても、このライチャウスのアルバムは、ドラマーが気になって、その解明だけを目的に集中的に聴いたことがあり、そのときも、ジミーのことはまったく思い浮かべませんでした。ジミーのプレイだとしたら、きわめて例外的なものといえます。

昔、同定を目指して徹底的に聴いたときは、悩みに悩んで、ライチャウスのアルバムで叩いたのは、この人ではないかという暫定的な結論に至りました。

Loggins & Messina - Angry Eyes


このロギンズ&メッシーナ(メシーナと書きたいが世間に妥協する)のドラマーは、名をメレル・ブリガンテといいます。ほんとうは、クリス・ヒルマンのアルバムを聴いていて、ライチャウスのドラマーに似ていると思ったのですが、そちらのほうは適当なクリップがないのです。

テンポが遅くて比較に使えないのですが、いちおうそのクリス・ヒルマンのアルバムClear Sailin'からタイトル・カットを。

Chris Hillman - Clear Sailin'


もっとほかにいい曲があるのですがねえ。クリス・ヒルマンのソロ・アルバムとしてはこれがいちばん好きです。

またロギンズ&メッシーナにもどってサード・アルバムからメレル・ブリガンテのプレイ。ハイピッチのタムが使われています。

Loggins & Messina - Watching the River Run


わたしの買ったLPはファースト・プレスではなく、もとは中袋にクレジットがあったのに、それが汎用的なものに変更され、クレジットが消えた可能性も否定できません。

そう思って、いま検索してみましたが、手がかりはありませんでした。このアルバムとジム・ゴードンを結びつけているのは、やはり、ジム・ゴードン・ディスコグラフィー・ブログスポットだけであり、たんなる推測にすぎないのではないかと思います。

もう一曲、取り上げようと思っていた曲があるのですが、時間切れになってしまいました。つづきをやることになるかもしれません。


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by songsf4s | 2011-12-16 23:58 | ドラマー特集