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そして、メル・テイラーもいなかった+鈴木清順、宍戸錠語る
 
本日は休日にしては、ツイッターのタイムラインが静かで、「日活100年」アカウントから流れてきた、先日の鈴木清順監督と宍戸錠の対談というか、舞台挨拶のようなものを読んで、ふむふむ、がっはっは、などとやっていました。

日活サイトの「『鈴木清順 再起動!』 トークショーは立ち見ファンでいっぱい!」

いくつか面白い話が出てきましたが、このくだりが、モスト・フムフムでした。

宍戸錠「今年は日活のプレ100年祭で、先日NYのリンカーン・センターへ行って挨拶したんですよ。通訳をつけるから日本語で大丈夫と言われたので、『絶対に英語でやってやる!』と思ってね。英語なんか喋れないんだけど、そういう時は喋っちゃうんだよね。
舞台に出たら『ピストル持った格好をして下さい!』と言われて、写真を撮られたんだけど、リンカーン・センターにはポラロイド写真が貼ってあってね。最初に貼ってある人がクリント・イーストウッドで、その次の俳優がちょっとわからなくて、その次の俳優が……俺なんだよ! ヤッター! と思いましたね。日活でも石原裕次郎がいて、小林旭がいて、三番目に宍戸錠がいた。だから、『ああ、俺はいつも3番手なんだなあ』と思いながら、それでも3番目に自分が写っている写真を見た時には感謝感激で涙が出るくらい嬉しかったです。その写真が 『Gate of Flesh』、つまり鈴木先生の 『肉体の門』 なんですよ。あれはニューヨークでも、ものすごくウケているんです!」

日活には「ダイアモンド・ライン」なんていうのがあって、これは石原裕次郎、小林旭、赤木圭一郎、和田浩二という顔ぶれでした。むろん、宣伝用に会社が考えたもので、つまり「会社が売りたい順」です。

しかし、赤木圭一郎の早逝で、こんな売り文句は吹き飛んでしまいます。裕次郎の骨折が重なって、主演男優不足に悩んだ会社は、エースのジョーを主役に起用します。あれこれ考え合わせると、「三番目」というエースのジョーの認識は、日活の歴史全体で捉えれば、そのとおりかもしれない、と思ったのでした。

ピストルをもつ格好をしてください、とはまた、NYのプレスも日本とノリはいっしょ! こういうとき、照れずにさっとやってくれるのがエースのジョーのすばらしさです。

談志の死にショックを受けて、いや、そのまえから、仕事も一段落だから飲むぞ、というツイートをしていた人が、だいぶ聞こし召され、エースのジョーについてあれこれツイートされていました。

おまえ、俺より抜き撃ちが早くなったら、二代目を継がせてやるといったくせに、いざ勝ったら、お前は早いだけだ、殺しの美学がない、といって継がせてくれなかった、なんておっしゃっていて、ニヤニヤしてしまいました。

いや、つまり宍戸錠という人は、照れるも照れないも、抜き撃ちの早さをおおいに誇りにしているのでして、そういうところが、やはりたまらなくエライと思うのであります。

ふつうじゃないというのは、偉大です。たしか、昔、銃刀法違反で取り調べられたりしたことがおありだったと記憶しています(呵呵)。けっこう、映画を地で行く人なのでしょう!

もうひとつ。

宍戸錠「ある撮影の時、『今日は屠殺場で牛を殺してもらうから、眉間に完璧にバカーンッと入れろ』と言われたので、『堪忍して下さい。牛肉はステーキにしないと食えなくなります。殺すのは無理です』とお願いしたことがありました。それが『肉体の門』 という作品で、英語で言うと『Gate of Flesh』 と言います。understand?」

ちょっと意味不明のところもありますが、むろん、牛を殺せといった人は鈴木清順監督です。映画監督というのは、こういう無慈悲なところがあるからなあ、と笑いました。

『肉体の門』予告編(ちょっと露骨な描写があるので、プレイする前にご一考を)


いや、いまは動物愛護団体がうるさいので、ほんとうに殺したりするとまずいことになります。なら、牛肉食うなよ、と思うのですが、まあ、みなさん、菜食主義者なのでありましょう。

いや、馬が倒れたりすると、無事であってくれよ、と思いますけれどね。骨折したらおしまいですから。

足立正生監督が、処女作で、ほんものの××を使ったという話を聞いて、うひゃあ、とのけぞったことがあります。いや、この話はやめておきます。映画の世界はとんでもない、というか、足立監督がとんでもないだけかもしれませんが。

談志の死を悲しみ、ふと、エースのジョーが死んだら、悲しいではすまないぞ、と狼狽した方のツイートを読んでいて、わたしも、ジョーが健在で、いまも、拳銃を撃つ格好をしてくれ、という注文に嬉々として応じている、というのは、なんともありがたいことだと思いました。それがリンカーン・センターでの出来事だというのだから、なおさらです!

今回の鈴木清順シネマテーク「鈴木清順 再起動!」は12月16日までつづくそうです。

わたしは今回は行かないだろうと思いますが、高校のときに池袋文芸座地下のシネマテークで見たきりになっている『密航0ライン』がちょっと気になります。伊勢佐木町と元町でロケをしていた記憶があり、そのあたりをもう一度見てみたいのです。

◆ Just another instrumental project from L.A. ◆◆
静かな休日は、立川談志没の未確認情報が流れたあたりから、だんだん騒然としてきて、談志師匠とは無関係なことでも、おや、ほう、というツイートが流れはじめ、昼下がりから忙しいことになってきました。

当家にもときおりコメントをお寄せくださる、われらが「長老」(いつのまにやらお互い「アラカン」となり、洒落にならなくなってきた!)キムラセンセが、つぎのようなことをつぶやいて、談志に気を取られていたわたしは、虚をつかれてしまいました。センセ、外交電報送りましたが、開戦に間に合わず、結果的に事後承諾とさせていただきますので、どうかあしからず。

「本を読みながら、Media Monkeyにシャッフルさせて音楽を流していたら、Mel Taylor & The MagicsのThe In Crowdが流れてきた。途中から流れるギターに驚いた。グレン・キャンベル80%、ビリー親分20%の確率。もうけた気分。」

このツイートのときは、ほう、それはありそうな話、と思っただけなのですが、そのつぎで、ええ、となりました。

「気になったので、アルバムを聴き直している。Bullseyeのギターは間違いなくビリー親分。というか、そもそもこのアルバムのドラムはメルなのか?違うんじゃないか。プロデューサーがディック・グラッサーだし。違うという方にぜんざい1杯賭けとこう。」

あたしなんか、すぐに、首をかけるの、腹を切るのと、軽々しくいっちゃうのですが、さすがにセンセはぜんざい一杯、穏当というか、腹が据わっていないというか、命を大事にするというか。

いや、そんなことはどうでもよくて、メル・テイラーのアルバムなのに、メル・テイラーが叩いていないのかよ、まあ、サンディー・ネルソンの盤で叩いているのがアール・パーマーだったという例もあるからな、と思ったのです。

ともあれ、ユーチューブにあったメル・テイラー名義のトラックを貼りつけます。

Mel Taylor & the Magics - The "In" Crowd


おお、かっこいいギター、だれなのか5秒以内に札を張れ、といわれたら、目をつぶってビリー・ストレンジへと。しかし、センセがこちらだと主張するグレン・キャンベルも、トミー・テデスコもありそうで、悩ましいところです。

センセがあげられているBullseyeはクリップがないので、サンプルをアップしました。アナログ・リップ、低音質です。

サンプル Mel Taylor & the Magics "Bullseye"

こちらのリードギターはストレートなトーンなので、The "In" Crowdより明解にビリー・ストレンジじゃん、といえます。ビリー御大は、あまりワイルドなプレイをしませんが、たまにやると、The "In" Crowdみたいな感じなのです。でも、グレン・キャンベルといわれると、たしかに、グレンはよくこういうプレイをしているな、とも思います。今日は歯切れが悪いなあ>俺。

いや、もう時間切れで、この話題をまとめる余裕がなくて、焦っているのです。

さきほど引用したツイートのつぎに、キムラセンセからは追って書きが届きました。

「あとから、日本盤に付いている山下達郎のライナーを読むと、『メルテイラー・本人が演奏メンバーや選曲の経緯などに関して全く記憶が無いと再三コメントしている(何か彼にとって不快な要因があったのかもしれない)』とあります。キック踏ませてもらえなかったのが…。」

これには大笑いでした。やはり、ご当人とは関係ないところで企画が進み、名前と引き替えに金をもらっただけ、というパターンだったようです。いくつか、メル・テイラー風のドラムもあるのですが、ぜんぜんちがうじゃん、というトラック(たとえばWatermelon ManやA Taste of Honey)もあります。

もうひとつクリップを。

Mel Taylor and the Magics - Skokiaan


メル・テイラーではないとして、ではだれだ、といわれると、わたしにはなんともいいかねます。アール・パーマーとハル・ブレインの線はまずないでしょう。

すでにジム・ゴードンは活躍しはじめていますが、あまりジミーのような雰囲気もありません。ジム・ケルトナーの線もゼロ。もうちょっとクラスの落ちる人ではないでしょうか。ジョン・グェランのように突っ込んではいませんが、おみごと、というプレイもありません。

メル・テイラーのソロだなんて、あの突っ込むドラムを聴かされるのはかなわんなあ、と思っていたのですが、まじめに聴いてみれば、とくにタイムが早すぎて気分が悪くなるようなトラックはなく、タイムは訓練で改善されるのだな、と納得したのでした。ん? ちがうか。

本文の趣旨とはかけ離れた、とってつけたような結論をとってつけてしまい、どうも失礼しました。今日は談志没と、粋人、もとい、酔人の宍戸錠談義で消耗してしまったのでした。


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メル・テイラー
イン・アクション
イン・アクション
by songsf4s | 2011-11-23 23:52 | 映画