いやはや、いろいろなミスをやるもので、前回の記事をアップしている最中、『赤いハンカチ』の記事から写真のアドレスをコピーしているうちに、その記事を消してしまいました。
そちらの記事の復元に手間取った関係で、新しい記事のほうに手がまわらず、ろくに文字校もしないまま、キャプションも抜けた状態で公開することになってしまいました。
いちおう格好がついたのは今日の午後なので、それ以前にいらしてしまい、スクリーン・ショットの意味がわからず、気になるという方は、公開から半日後にできた現在の版をごらんいただけたらと思います。
◆ 中盤のプロット ◆◆
『俺は待ってるぜ』には、二度、横浜の町の長いモンタージュが登場します。ひとつは、前々回のプロットですでに書いた、石原裕次郎と北原三枝が町に遊ぶシーンです。
もうひとつのモンタージュに行く前にプロットの残りを書いてしまいます。どこまで書くかはまだ決めていませんが、ここから先はミステリー的要素が入ってきて、それが主眼ではないにしても、形式上は謎解きになるので、近々ぜひ見てみたいなどと思っている方は、読まないほうがよろしいでしょう。スクリーン・ショットを片目でチラッと見る程度にしておかれるように警告します。
早枝子(北原三枝)に襲いかかって逆に花瓶で殴られた柴田(波多野憲)は、町で島木と歩く早枝子を見かけて連れ戻そうとしますが、島木に軽くあしらわれてしまいます。柴田は再び島木を見かけたときに、子分にあとをつけさせ、レストラン「リーフ」を突き止めます。
前々回に書いたように、島木には兄がいて、先にブラジルに渡り、準備ができしだい弟を呼び寄せる手はずになっていました。しかし、ブラジルの兄からは一向に連絡がなく、いっぽう、島木が兄に送った手紙はみな宛先人不明で送り返されてきます。
ある日、島木が外出から帰ると、柴田の兄(二谷英明、このときは若くて顔に険があり、ギャングのボスがさまになっている)以下、弟や子分たちが店を占領していて、まだ契約が残っているので早枝子を返してもらおうと島木に迫ります。ちょっと小競り合いになりますが、そこに早枝子が帰ってきて、クラブに戻ることを承知し、その場は収まります。
しかし、島木は、この小競り合いのときに、柴田の子分(青木富夫。この映画は日活ギャングの中核が揃いはじめていたことを示している!)がもっていたメダルが気になります。
島木は、兄が土地を買う約束をしていた売主に問い合わせの手紙を送ったところ、約束の日になっても兄上はやってこず、その後、連絡もない、という返事を受け取り、愕然とします。
入国管理事務所に行って調べてみると、兄が日本を出た形跡のないことがわかります。しかし、荷物は乗る予定だった船にそのまま積まれて南米まで行き、送り返されていました。そして、警察で、兄が出発するはずだった前の晩に酒場のケンカで死んだ人間がいることがわかり、その現場写真によって、兄が死んだことが判明し、正当防衛ということで相手はお咎めなしと、すでに事件は片付いていたことを島木は知ります。
その酒場は「地中海」と名前が変わったものの、じつは早枝子がつとめる、柴田の兄が経営する店だったことがわかり、島木は早枝子に、柴田の子分が持っているメダルの刻印を確かめてくれないかと依頼します。それは、彼がボクシングの新人王になったときのメダルで、出発前に兄に渡したものに思えたのです。
早枝子の助けで、それが兄に渡したメダルであったことを確認した島木は、それをもっていた柴田の子分(青木富夫)をしめあげて、どこでどう手に入れたかをいわせます。
青木富夫にメダルをやった男はケンカで兄を殴り殺した男だったのですが、彼はすでに死んでいたことがわかり、こんどはその男を殺した相手(草薙幸二郎)に当たってみようと、裕次郎が町を歩きまわる、というところで、また長い横浜のモンタージュになります。
◆ 50年代横浜散歩 ◆◆
ということで、蔵原惟繕と高村倉太郎が、どのように1957年の横浜の町を捉えたかをすこし見ていきます。まず、序盤のデイト・シークェンスから。
べつのシークェンスも見るつもりだったのですが、デイトのみで時間切れとなりました。以下、次回へ。
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