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Hal Blaine Takes You to Surfin' Vol. 6
 
(7月30日午前9時45分追記 あとからチェックしていて、エラい間違いを発見しました。Jan & DeanのPop Symphony No. 1のなかからハル・ブレインが全編ロールを使っているトラックを選んでサンプルにしたつもりだったのですが、それはDrag Cityなのに、勘違いでSurf Cityをアップしてしまいました。相当数の方がSurf Cityにアクセスされたようで、失礼いたしました。改めてDrag Cityをアップし、リンクを追加しました。)

前回、Wall of HoundのO旦那に、アン=マーグレットのパーソネルを頂戴したことを書きました。以前のアン=マーグレットとハル・ブレインの記事に誤りがあるとのご指摘でした。

クレジットを読んで、記事に修正を加えようと思ったのですが、結局のところ、記事を構成するに足る楽曲はなくなってしまい、修正で対処するのは断念し、あの記事はこのまま冥界に葬ることにしました。Bye Bye Birdieの盤ヴァージョンのサンプルだけ、なにかの記事の付録として、もう一度貼りつけるつもりです。

ということで、O旦那には感謝、お客さん方には陳謝申し上げます。

◆ And sufin' is here to stay ◆◆
そろそろクリップが見つからなくて苦しくなってきましたが、そのあたりはサンプルで補って、本日もサーフ・アンド・ブレインです。

トラックでプレイしたのがほとんど同じ人たちだというばかりでなく、サーフ・ミュージックは上ものも見かけどおりではなく、かなり錯綜しています。

いちばん有名なのは、ジャン&ディーンのSurf Cityでブライアン・ウィルソンがリードをとったことと、そのお返しに、ビーチボーイズのBarbara Annでディーン・トレンスがリードをとったことでしょう。

Surf Cityはこのハル・ブレイン・シリーズですでにかけたので、もう一曲のほうを聴いてみます。小学校六年、本格的にラジオを友として生きるようになったときにヒットしていた曲で、たいした出来じゃないと思いつつ、流れればやっぱりシングアロングしてしまいます。歌うはディーン・トレンス。

ビーチボーイズ Barbara Ann


ハル・ブレインはこのセッションに呼ばれたものの、先約があって、途中で抜けています。この曲ではタンバリンをプレイしているのでしょうが、よくわかりません。ベースはジョー・オズボーンです。

このシリーズでは、ほかに、ブルース・ジョンストンとテリー・メルチャーが、いくつかリップ・コーズの盤で歌っていることも書きました。すでにThree Window Coupeを取り上げましたが、リップ・コーズのもう一曲のヒットもブルース&テリーが歌っています。

リップ・コーズ Hey Little Cobra


リードはテリー・メルチャーでしょう。しかし、なんともはやという「互換性」で、わかっていても呆れます。ここにジャン&ディーンのヴォーカルが載っていても、なんの違和感もないでしょうしねえ。

よく似ているのはSurf CityやDrag Cityですが、そのへんはすでにかけているので、そういうことにはこだわらず、とにかくジャン&ディーンを。

ジャン&ディーン Dead Man's Curve


ジャン・ベリーが事故で瀕死の重傷を負ったのは、この「死者のカーヴ」ではなかったものの、その近くだったそうです。スティングレイかなにか、スポーツカーをすっ飛ばしていて、停車していたトレイラーの下にもぐりこんでしまったというのだから、よく生きていたものです。ハルはHal Blaine and the Wrecking Crewのなかで、ジャンの事故とその後の療養、リハビリのことをくわしく語っています。

ここまで書いたところで、是非入れなければいけないクリップが残っていたのを思い出しました。畏友オオノさんがアップされた、めずらしいハル・ブレインのライヴ、アーティストはジャン&ディーンです。

ジャン&ディーン Surf Cityほか


ジャン・ベリーはびっこを引いています。テレビ・ドラマの撮影で危うく列車に轢かれそうになり、骨折したということがHal Blaine and the Wrecking Crewに出ていますが、そのときのことでしょう。

オオノさんがお書きになっていますが、ハル・ブレインのほかにも、このライブではトミー・テデスコ(めずらしく口ひげをはやしている)、ドン・ピーク、レイ・ポールマンなどがプレイしています。これはどこのライヴだったか、LAかその近郊だったと思います。そうじゃないと、なかなかこのメンバーでステージには上がれません。ハリウッドのレギュラーはスタジオに幽閉されていたも同然でしたから。

f0147840_0265034.jpg

ハル・ブレインは、ジャン&ディーンとナンシー・シナトラを特別扱いしていました。あまりライヴではプレイしなかった全盛期にも、彼らと彼女の仕事はやったようです。ナンシーはラス・ヴェガスでのショウだから大変だったそうです。週末はハリウッドに帰ってスタジオの仕事をし、ウィークデイにはまたラス・ヴェガスという調子だったそうです。

ナンシーは、金に糸目をつけずにベストのスタッフを集めたといっているので、当然、払いもよかったのでしょう。盤で稼いだ金をすべて注ぎ込んだというのだから、採算度外視だったようで、あとでパパに説教されたといっています。そういうのはビジネスとはいえないね、というわけです。ごもっとも。

f0147840_2350574.jpgもちろんパパは、みずから芸能界の友人たちに電話をかけ、娘がラス・ヴェガスにデビューするんだ、ぜひ行ってやってくれと頼んだそうです。フランク・シナトラの頼みを断れるハリウッド・スターは、あの当時、そうたくさんはいなかったにちがいありません。サンズの客席はものすごく派手なことになったそうです。

このショウをフィルムに収めておけば、あとでVCRやDVDにしておおいに稼げただろうに、惜しいことをしたものです。まあ、NBCで放送されたナンシー・シナトラ・スペシャルはその後パッケージになり、いまでも楽しめますけれどね。これまた豪華ショウです。

閑話休題。ジャン&ディーンは二人しかいないので、ビーチボーイズのような大人数のハーモニーを録音するのは面倒だし、そもそも、二人ともあまりピッチがよくありませんでした。コーラスが得意なはずがないのです。

では、どうしていたのかというと、楽器のほうにもプロがいたように、歌のほうにもスタジオ・シンガーというプロフェッショナルがいました。

しかし、ジャン&ディーンの場合、ある時期はこの二人がハーモニーをやっていたといわれています。フィル・スローン&スティーヴ・バリー、ザ・ファンタスティック・バギーズ、Hot Rod USA



フィリップ・スローンは、まるでジェリー・コールのようなリードギター弾きたがり少年だったので、この曲も間奏は彼のプレイかもしれません。

尻取りはこれくらいにして、そろそろなにかインストをいってみたいと思います。といったはいいけれど、なかなかぴったりのものがなくて、ユーチューブを掘り返してしまいました。

名前はご存知ないでしょうし、このシリーズには何度も登場したパターンですし、始まるまでに手間どって、ちょっと間が抜けていますが、しかし、そうしたあれこれがあっても、やはりプレイの豪快さが魅力、ザ・カタリーナーズ、Banzai Washout



これはめずらしくパーソネルがわかっています。ドラムのハル・ブレインのほかは、ギター陣がビリー・ストレンジとトミー・テデスコの両エースに加えてジェリー・コール、キーボードがリオン・ラッセルとブルース・ジョンストン、ベースがレイ・ポールマン、そしてサックスがスティーヴ・ダグラスです。

ブルース・ジョンストンをのぞけば典型的なレッキング・クルーのサブセットです。一枚だけLPがあるのですが、ヴォーカルは開いた口がふさがらず、顎がだらーんと垂れるほどひどくて、とても聴けたものではありません。下手なだけでなく、味もなく、取り柄ゼロです。

サーフ・インストというと、高血圧タイプが多いのもたしかですが、いっぽうで、選曲するわたしの都合もあります。クレジットなしでわかるハル・ブレインのプレイというと、派手なものに偏ってしまうのです。サイドスティックで軽く2&4を叩いているのでは、ハル・ブレインとアール・パーマーとジム・ゴードンの区別はぜったいにつきません。

つぎの曲はクレジットはないし、かならずしも典型的なハル・ブレインのスタイルではないのですが、バック・カヴァーにハルの写真があるし、じつにあざやかなロールなので、問題ないでしょう。ジャン&ディーン・ウィズ・ザ・ベル・エア・ポップス・オーケストラ、むろん、そんなオーケストラが存在したわけではないけれど、でもとにかく、Surf City

サンプル Jan & Dean with the Bel-Aire Pops Orchestra "Surf City"

(間違ってアップしたトラックもそのまま残しておくことにします。サンプル Jan & Dean with the Bel-Aire Pops Orchestra "Surf City"

タムタムを16分で豪快に叩きまくるハル・ブレインもいいのですが、どこまでも美しいロールもまたたまらなく魅力的です。バーズのセッションで、テイクの合間に、ハルがロールをやるところが記録されていますが、これがまたあざやかなのです。そこらのただ棒を振りまわすだけの芸能人にはぜったいにできません。才能と経験のたまもの。

f0147840_0273028.jpg

つぎは、サーフじゃねーだろー、とブーイングがあるかもしれませんが、サーフ・ミュージックのぎりぎり紫外領域に入り込んでみます。

ウェイン・ニュートン Comin' on Too Strong


サーフ・ミュージックとフィル・スペクター・サウンドの幸せな結婚、というあたりでしょうか。媒酌人はブルース&テリーとハル・ブレイン。ハルはBe My Babyリックを再演しています。

もうひとつ、すこし遅めのムーディーなサーフ・インストをいっていみます。

サンプル Bruce & Terry "Roger's Reef vol. 2"

テンポは高血圧タイプではありませんが、ドラマーの立場からいえば、こういうテンポで、なおかつアレンジの締め付けがゆるいのもまた、叩きまくるにはもってこいだったりします。

しかし、Hal Blaine and the Wrecking Crewのなかで、ハルは、ある時期から、かならず譜面を書くようになった、といっています。こういう曲でもやはり、インプロヴではなく、譜面を書いたのでしょうかねえ。

まあ、サム・クックのAnother Saturday Nightのように、フリー・ウィーリンに聞こえるプレイでも、じつは譜面を固めてあったことがあとでわかったので、いちおう、どんなケースでも譜面を書いたのだとしておきましょう。

これまた、紫外領域に踏み込みますが、わたしは昔から夕暮れの浜辺が見える音だと思っています。鎌倉の由比ヶ浜に住んでいたころ、夕方、よくこの曲をかけました。かのPet Sounds Sessions Boxより。

ビーチボーイズ Let's Go Away for a While


(追記 このクリップは状況を説明しているが、最後のほうに出てくる、スライドギターはバーニー・ケッセルのプレイだと確信している、という部分は、べつの説もあることを書き加えておく。現物が手元にないのだが、たしか、Pet Sounds Sessionsのライナーには、あとで、ビリー・ストレンジがスライドをオーヴァーダブしたと書かれていたと記憶している。わたしの記憶間違いならば、どなたかコメント欄で訂正していただきたい。)

いきなり、ブライアンがホールドして、ハルに、スネアを入れるな、と指示しています。プロデューサーは星の数ほどいますが、ブライアンは非常に鋭敏なドラミング・センスをもっていて、たいていの場合、的確な修正をしていると感じます。

Wouldn't It Be Niceの入口のアレンジが、ハルではなく、ブライアンがドラミングを修正した結果、ああなったのだとPet Sounds Sessionsでわかったときは、すごいアレンジャー/プロデューサーだと思いました。ハルはいたってノーマルな入り方をしたのに、ブライアンが、unusualな入り方をするように指示しているのです。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

今日は長門勇のチャンバラ映画をやっと見終わりました。その続編も見るつもりだったのですが、ふと気が変わって、フランソワ・トリュフォーが見たくなりました。いや、まだ手をつけていませんけれどね。

そろそろなにか映画をやりたいと思って、すこしずつ準備を進めています。しかし、次回は、まだSurf'n'Blaineしていると思います。


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ビーチボーイズ
Party / Stack-O-Tracks
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リップ・コーズ
Hey Little Cobra & Other Hot Rod Hits / Three
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ジャン&ディーン
Complete Liberty Singles
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ブルース・ジョンストン
Surfin' 'round the World!
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ファンタスティック・バギーズ
Anywhere the Girls Are the B.O.
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ブルース&テリー
The Best Of Bruce & Terry
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ビーチボーイズ
ペット・サウンズ(MONO&STEREO)
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ウェイン・ニュートン
Collector Series
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by songsf4s | 2011-07-29 23:30 | ドラマー特集