人気ブログランキング |
祝 オフィシャル・ゲーリー・チェスター・ウェブサイト誕生 その11 ドゥーワップ篇
 
まずは、前回のインストゥルメンタル篇に入れておくべきだったトラックを補足しておきます。

ウィリー・ボボ Hip Monkey


ウィリー・ボボはパーカッション・プレイヤーなので、チェスターはトラップのみをプレイしているのでしょう。チェスターのドラミングはなかなかけっこうなのですが、全体のサウンドとしては味が足りない、不満の残るトラックです。

同じアルバムからもうひとつクリップがあがっていたのでそれも貼り付けておきます。

ウィリー・ボボ Tell Like It Is


◆ ブラック・ドゥーワップ ◆◆
このゲーリー・チェスター・シリーズの7回目、ガール・グループの巻で、ガール・グループはチェスターの主たる仕事場のひとつだと書きましたが、ガール・グループが勃興する以前の彼の主たるフィールドは、ドゥーワップだったといっていいでしょう。

まずは、ドゥーワップ・アンソロジーにはかならずといっていいほど採られる大ヒットにしてスタンダード。ただし、ドラムはメトロノーム状態ですが。

クレスツ Sixteen Candles


つぎもまた大ヒットですが、またしてもドラムはタイム・キーピングをするだけといったプレイです。

ファイヴ・サテンズ In the Still of the Night


こういうミディアム・スロウの曲というのは、ほかにやりようがないのでしょう。

つぎはヒット曲ではありませんんが、ドラムを聴くならやっぱりアップテンポでなくては、といいたくなります。

エドセルズ Shake Shake Sherry


◆ ライフタイム・ベスト・トラック ◆◆
ドゥーワップというのは、通常、コーラス・グループによるものですが、次の曲なんぞは、ソロ・シンガーによるホワイト・ドゥーワップといっていいのではないでしょうか。子供のとき、大好きだった曲です。

ジョニー・シンバル Mr. Bass Man


ベースを歌っているのはロニー・ブライトというシンガーです。いくつかのドゥーワップ・グループで歌い、60年代終わりにはコースターズに加わったということです。

この曲がヒットした1963年、わたしは小学校四年生でしたが、いかにもそれくらいの年齢の子どもが好みそうな曲だと、久しぶりに聴いて思いました。

あとになって、子どものときに好きだった曲のドラマーは、ハル・ブレインだったり(サム・クックのAnother Saturday Night)、アール・パーマーだった(ボビー・ヴィーのRubber Ball)ことがわかって、なんだ、まったく進歩していないのか、と呆れます。だから、Mr. Bass Manのドラムがチェスターであっても、これはもう神の摂理、やっぱりな、です。

しかし、今回、多数のトラックを再聴しましたが、これはチェスターのライフタイム・ベストといっていいのではないでしょうか。三つの次元ですばらしいプレイだと思います。

第一の次元はグルーヴ。子どもが聴いても年寄りが聴いても、じつに気分が昂揚するノリで文句がありません。フラム(左右のスティックを微妙にずらして、ほぼ同時にヒットするプレイ)によってグルーヴを作っていると感じます。

そういうプリミティヴなレベルより一段上のメタなレベル、ドラミング設計については、このシリーズで聴いたトラックのなかでもっとも複雑で、譜面として非常にすぐれています。

チェスターは、うまいだけでは十分ではない、創造的でなければだめだ、といっていたそうですが、それを完璧に実践したのはハル・ブレインのほうです。ハルが生み出したドラム・イディオムは無数にあり、将来、歴史的跡づけが精緻になれば、彼がオリジネイターだったことが証明されるリックが山ほどあるでしょう。プレイよりもドラム譜作曲者としての才能を評価される可能性が高いと思います。彼よりうまいドラマーはその後たくさん出現したけれど、これほど多くのドラム・イディオムを創造した変革者は空前絶後だということです。

それに対して、おそらくNYのプロデューサーが保守的だったからでしょうが、チェスターはメトロノームのようにシンプルなプレイばかりやらされています。ハル・ブレインのようなリック創造者の側面は感じません。

そのなかで、唯一、このMr. Bass Manは、譜面だけでも面白いと感じます。むろん、ヴァースの空の小節のプレイではありません。何度も出てくるストップ・タイムでのスネアとタムタムのコンビネーション・プレイのことです。

ハル・ブレインはじつに無数のパターンを考案していますが、こういうものはハルもやっていません。ヴォーカルのリズムに合わせた結果でしょうが、たぶん、チューニングの異なる二つのタムタムを使ったフラムが非常にいい響きですし(ハル・ブレインはこれを「ドップラー効果」といった)、プレイもきっちりやっていて、響きの面白さを十全に生かしています。

最後に、すでに述べたも同然ですが、チューニング、サウンドについても、文句がありません。ドラムにかぎらず、下手な人は音の出が悪いものです。うまいドラマーはチューニングがよく、かてて加えて、スティックワークがいいので、きれいな音が出るものなのです。

置き場所がなくなってしまったのですが、せっかくリストアップしておいたので、ディオン抜きのベルモンツのトラックを、コーダとして貼りつけておきます。

ベルモンツ Diddle Dee Dum (What Happens When Your Love Has Gone)



Click and follow Songs for 4 Seasons/metalside on Twitter
metalsideをフォローしましょう



ウィリー・ボボ Let's Go Bobo
レッツ・ゴー・ボボ
レッツ・ゴー・ボボ


ジョニー・シンバル(MP3ダウンロード)
Mr. Bassman (Alternate)
Mr. Bassman (Alternate)


ジョニー・マエストロ&ザ・クレスツ
Johnny Maestro & The Crests For Collectors Only
Johnny Maestro & The Crests For Collectors Only


ファイヴ・サテンズ
Five Satins Sing Their Greatest Hits
Five Satins Sing Their Greatest Hits


ライノ・ドゥーワップ・ボックス
Doo Wop Box
Doo Wop Box
by songsf4s | 2011-06-28 23:48 | ドラマー特集