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祝 オフィシャル・ゲーリー・チェスター・ウェブサイト誕生 その8 フィル・スペクター/クリスタルズ篇
 
散歩ブログを更新しました。

「泰山木(タイサンボク)を見下ろす、とまではいかなかったが」

◆ スペクターぶりのドラミング ◆◆
本日のゲーリー・チェスター・トラックス、フィル・スペクター篇と銘打ったはいいのですが、羊頭狗肉の感無きにしも非ずです。まあ、スペクター・ファンなら、NYのトラックにはそれほどすごいものがないのはよくご承知なので、タイトルを見た瞬間、当方の苦衷をお察しくださったでしょうが。

フィル・スペクターは、才能ある若者に惚れやすいレスター・シルのおかげで、NYに行き、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーに弟子入りすることになります。リーバーとストーラーもまた、シルのおかげで世に出たのであり、彼らはビジネス・パートナーでもありました。

NYでのスペクターは、あまりいいことはいわれていないようですが、それは問題ではありません。問題は、どこからどう見てもまごうかたなきスペクター・サウンドといえるものができあがるのは、NYではなく、ハリウッドでのことだったという点です。NYのスペクターはまだ試行錯誤をしていたように見えます。

一家を成してからもときおりNYで録音していたようですが、そうしたトラックにとくに見るべきものはないようです。わたしが知るかぎり、重要な盤はすべてハリウッドで録音され、ロネッツのデビュー以後、NYからはスペクターのヒットは生まれていません。

フィル・スペクターがNYで録音した、唯一のヒットらしいヒットであるこの曲(いや、There's No Other Liker My Babyだってチャート・ヒットではあるのだが)では、ゲーリー・チェスターがドラム・ストゥールに坐った、らしいのですが……。シンシア・ワイルとバリー・マン作。

クリスタルズ Uptown


ゲーリー・チェスターはスネアだけでプレイしたようで、キックも入れていないように聞こえます。まあ、プロだから、そんなことでめげたりはしないでしょうが、でも、楽しくもなかったでしょう! それにスペクターの仕事としても、中途半端に感じます。

アルバム・トラックにすぎませんが、つぎはエコーの使い方にスペクターらしさが仄見えるトラックです。

クリスタルズ Gee Whiz


こちらのほうが、のちのスペクター・サウンドにつながる音作りで、チェスターのドラミングも、フィルインとしてではなく、空の小節の基本パターンにタムタムの8分4打を織り込むという、ハル・ブレインがやりそうなスタイルになっています。

クリスタルズ Look in My Eyes


これまたのちにハル・ブレインがロネッツのSo Youngでやったようなドラミングです。いや、おそろしくオーソドクスなドラミングで、似るとか似ないとかいうようなものではありませんが。いちおう、比較対照してみます。

ロネッツ So Young (Hal Blaine on drums)


まあ、オーソドクスなドラミングをしても、ハル・ブレインは派手です。いや、そもそも、途中からオーソドクスとはいいかねるドラミングに変化するのですが!

しかし、このように東西の録音を並べてみると、フィル・スペクターという人は、やはりドラミングに関して明白な好みをもっていたことが伝わってきます。

チェスターの拡大版ディスコグラフィーに書かれているクリスタルズのSeventeenとは、この曲のことでしょう。

クリスタルズ What a Nice Way to Turn Seventeen


これまたLook in My Eyesのようなドラミングで、オーソドクスの極致ですが、しかし、バックビートを叩けたのはラッキー、というのも変ですが、このシリーズをずっとお読みになっている方ならおわかりのように、大昔のドラマーはほとんど仕事をさせてもらえないこともめずらしくなかったのでして、こういう曲はいいほうなのです。

ゲーリー・チェスターのディスコグラフィーにリストアップされているクリスタルズのトラックは、もうひとつ、Frankenstein Twistというのがありますが、これはクリップが見つかりませんでした。手元にはあるのですが、わざわざアップするほどのものでもないので、これは略させていただき、羊頭狗肉フィル・スペクター篇はこれにて完。


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クリスタルズ
Da Doo Ron Ron: the Very Best of the Crystals
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ロネッツ
Be My Baby: the Very Best of the Ronettes
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by songsf4s | 2011-06-24 22:29 | ドラマー特集