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グレイトフル・デッドのブランチ探し その6 Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu
 
もうお忘れの方もいらっしゃるでしょうし、お初という方もいらっしゃるでしょうから、この記事のタイトルの意味を改めて説明します。

グレイトフル・デッドがカヴァーした曲のオリジナル一覧というものがあります。ものすごく長いリストなので、ここに改めてペーストはしませんが、「グレイトフル・デッドのルーツ、ではなく、ブランチ探し序曲」という記事に全曲リストアップしてあります。

むろん、ファンとしては、デッドがどこから曲をもってきたかは知りたいことです。でも、問題は、デッドはおそろしくキャリアが長く、レパートリーも膨大で(ロック界の古今亭志ん生!)、これがあの曲のルーツといわれても、えーと、その曲って、デッドはいつカヴァーしたんだっけ、と頭を掻くようなものがたくさんあります。

ということで、ルーツから逆にたどって(いや逆にたどったものを、さらに逆にたどるのだが)、オリジナル曲のリストを参照して、デッドのカヴァー・ヴァージョンを見つけて聴いてみようというのが、この「グレイトフル・デッドのブランチ探し」シリーズの趣旨であります。ルーツの反対なのでブランチ。よろしいあるか?

◆ ロッキン風邪でブギーウギー流感なのよ ◆◆
本日はRockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Fluです。昔から好きな曲ですが、デッドがやっていたとは知りませんでした。しかも、もっともいい時期の録音があります。いや、そのまえに、オリジナルから。

ヒューイ・ピアノ・スミス Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu


うーん。こういうサウンドは好みの分かれるところでしょう。嫌いではありませんが、とくにこういうのが好きというわけでもありません。たしかに、ピアノ・プレイには独特の魅力がありますが。

デッドのヴァージョンのクリップはないので、かわりに、とりあえずジェリー・ガルシア・バンドのクリップを。ドラムはロン・タット、ベースはジョン・カーンという悪くないメンバーですが、ガルシアは不調のようです。

JGB Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu


といってすますのもなんなので、デッド・ヴァージョンはサンプルにしました。

サンプル Grateful Dead "Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu"

So Many Roadsボックスのどの曲だったか、サウンドチェックのときに、ジェリー・ガルシアが、この曲を知っているか、俺は若いころ歌ったことがある、といって、シンプルなカントリー・チューンを歌いはじめると、まわりがそろりとついていくところがありましたが、このRockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Fluはあれに似ています。

このトラックが録音された1972年のヨーロッパ・ツアーは、デッドの歴史におけるひとつのピークで、それを記録したアルバムEurope '72にはすぐれたトラックが多数収録されています。現在、流通しているヨーロッパ・ツアーの全曲を収録したボックスが72枚組、当時リリースされたLPは3枚組、それをCD化したものは2枚組、36分の1の競争率で選ばれたトラックと、あとからリリースされたそのアウトテイクの比較だから、という以上に、このRockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Fluのプレイは不安定です。

ビル・クルツマンなんか、まだ方針が立っていないという雰囲気のプレイで、お世辞にもすばらしいとはいえませんが、後半、なんとなく形ができてきて、あと数回、ステージでやれば、まったく黒さのない、デッド独特のヴァージョンができあがるのではないか、と想像してしまうところが、ファンとしては楽しいところです。

◆ LA的折衷サウンド ◆◆
わたしがもっともよく聴いたヴァージョンはジョニー・リヴァーズのものです。

ジョニー・リヴァーズ Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu


ドラムはジム・ゴードン、ベースはジョー・オズボーンです。ジミーは派手なことをするわけではありませんが、このアルバムでは終始一貫、レイドバックした、しかし、よけいな重みのないグルーヴをつくっていて、彼の代表作のひとつといえます。

記憶ですが、ギターはディーン・パークスとラリー・カールトン。どちらが主としてリードをとったのかは不明ですが、当時、「規定演技」のうまいプレイヤーだなあ、と思いました。クレジットはありませんが、ディーン・パークスはジョニー・リヴァーズの多くのアルバムをアレンジしたそうです。

ピアノはラリー・ネクテル。すごいプレイとはいいませんが、「明日に架ける橋」のできそこないクラシック風ピアノに比べれば(あの程度のプレイを誉める人間がたくさんいるのはどういうことなのだ? だれも音なんか聴いていないということか?)、はるかに賞賛に値するプレイで、ラリーとしては上々の部類だと思います。リオン・ラッセルだったら、こういう曲では泣く子も黙る凄絶なプレイをしたでしょうが。

でもまあ、つまるところ、この曲はジム・ゴードンとジョー・オズボーンの「ゲーム」であり、ほかのことはそれほど重要ではありません。黒さと余分な重さのない、それでいてソウルフルなグルーヴで、わたしのおおいに好むところです。

◆ その他のヴァージョン ◆◆
なにしろ有名な曲なので、ほかにもたくさんあります。もう満腹で、これ以上はけっこう、という方も多いでしょうが、いちおう貼り付けておきます。

ジェリー・リー・ルイス


ロイ・ミルトン&ミッキー・チャップマン


ロイ・ミルトンはセントラル・アヴェニューR&Bの代表的なシンガーで、LA南部のサウンドを知りたければ、いの一番で聴くべき人です。ミルトンはドラマーでもありました。当時は一発録りなので、ミルトンはドラムをプレイしながら歌ったために、他のシンガーより強いバックビートが録音されることになった、なんていう話も伝えられています。

もう2種、自前サンプルを。

サンプル Alan Price "Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu"

サンプル Ronnie Mack "Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu"

ロニー・マックはMemphisのヒットがある、ギター・インストの人なのですが、よくあったパターンで、女声ヴォーカル入りでやっています。このちょっと脂っけの強い音には、それなりの魅力があります。

時間がないので、以下はただベタベタとペースト。

パティー・ラベル


クリケッツ(ホワイト・ドゥーワップ風)



クリス・ファーロウ(ギター・ブレイクよし)


フレイミング・グルーヴィーズ


ジョニー・リヴァーズ(近年のライヴ。ドサでもそこそこ)



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グレイトフル・デッド
Steppin' Out with the Grateful Dead England 72
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ジョニー・リヴァーズ
Summer Rains: The Essential Rivers 1964-1975
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ヒューイ・ピアノ・スミス
Having a Good Time
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ジェリー・ガルシア
All Good Things: Jerry Garcia Studio Sessions
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(大量のボーナス・トラックを加え、リマスターしたスタジオ録音のソロ・アルバム4種に、ボーナス・ディスクを付した5枚組ボックス)
by songsf4s | 2011-06-04 23:57