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人もすなるグランド・ファンクなるものを吾もせむとや
 
散歩ブログを更新しました。

「紅白のブラシの木──横浜・金沢自然公園と動物園」

◆ Loco-Motionのドラミング設計 ◆◆
この曲ではじめると、またグランド・ファンクに入りそこなうかもしれませんが、昨日の「祝 オフィシャル・ゲーリー・チェスター・ウェブサイト誕生」という記事に寄せられた石原さんのコメントへのレスとして、今日も最初はLoco-Motionです。

リトル・エヴァ Loco-Motion


問題は、この曲のドラムはどうなっているのか、です。石原さんの分析は上記コメントをご覧になっていただくとして、ここではあたくしのヴァージョンを。

まずはっきりしていることは、ひとりのプレイヤーによる1パスではないということです。ひとりで2パスやったか、二人で1パスだったか、最低限二人ないしはひとりによるオーヴァーダブが必要です。たぶん延べ人数=3だと想像します。

メイン・プレイヤーは主として、右手はスネアで8分、左手はやはりスネアで2&4、というパターンをやっているのだと思います。アール・パーマーがニューオーリンズ時代を中心にしばしば使ったパターンです。

シンバルの8分の刻みもあります。でも、これ、ヘッドフォンで聴くとやや変なサウンドです。ライド・シンバルというのはふつう、もっとringするものなのですが、この曲のシンバルは残響がほとんどないので、片手でミュートしながら叩いているのかもしれません。となると、両手が必要で、このプレイヤーはほかのことはできません。

それからほとんどのバックビートに、タムタムかフロア・タムが重ねられていると思います。メイン・プレイヤーは両手でスネアを叩いているし、シンバルのプレイヤーがミュートをしているとすると、このタム類のために第三のプレイヤーが必要で、延べ三人という計算をしました。

ずいぶん面倒なことをしたものです。この曲のプロデューサーは、ジェリー・ゴーフィンとキャロル・キングというライター・チーム自身だったと思いますが、こういうことはどちらが考えたのか……。わたしの偏見でしょうが、キャロル・キングという人にすぐれたリズミック・センスは感じないので、ジェリー・ゴーフィンのアイディアかもしれません。

ついでといっては失礼かもしれませんが、こういうのもありましたな。

大滝詠一 恋の汽車ポッポ


ドラム・ストゥールに坐ったのはシンガー自身でした。

◆ 仄聞グランド・ファンク ◆◆
さて、もともとの話題であるグランド・ファンクにもどり、再び彼らのLoco-Motionを貼り付けます。

グランド・ファンク Locomotion


うーむ。当家のお客さんはすでにご存知でしょうが、わたしはラウド&ヘヴィー方面にはあまり縁がなく、ゼップのWhole Lotta Loveあたりで縁が切れています。

年をとってしまえば、数歳の年齢差などというのはあってなきがごとしですが、十代の一、二年というのは大きく、軽音の後輩たちがグランド・ファンクをカヴァーしているころ、わたしはぜんぜんべつのところにいて、ああいう音は子ども向けと考えていました。彼らの曲で覚えているのは数えるほどです。

グランド・ファンク・レイルロード Inside Looking Out


まあまあの出来なのではないでしょうか。とりたてて魅力を感じるわけではありませんが、不快ということもありません。ただ、わたしらの世代にとっては、この曲はグランド・ファンクには関連付けられていません。

アニマルズ Inside Looking Out


子供のころのほんの一、二年のちがいは大きい、というのはこういうことです。わたしは、オリジナルを聴きゃあいいじゃねえか、と思ったのですが、後輩たちはアニマルズなんか朝日の当たる家だけだと思っていたのです。ヒルトン・ヴァレンタインのリッケンバッカーがバキバキいっていて、アニマルズ・ヴァージョンは楽しいと思うのですがね。

つぎにイヤでも耳についたグランド・ファンクの曲はこれ。

グランド・ファンク・レイルロード Heartbreaker


メタルやラウド&ヘヴィー方面の人たちって、プレイヤーもリスナーも、不思議にマイナーが好きだなあ、と思います。ゼップのStairway to Heavenがそうですし、たまたま目にするメタルのグループはよく湿っぽい曲をやっています。マイナーは客に受けるし、ギターでインプロヴするのも楽だからでしょうか。

で、わたしはマイナーとスロウはあまり得意ではなく、なんでロックンロール・バンドが演歌を歌うのかな、と思ったりしたわけです。ゼップの天国の階段とやらも、大嫌いです。

この時期、わたしはどのあたりを徘徊していたかというと、毎度申し上げるように、スティーヴ・ウィンウッドとマイケル・ブルームフィールドがアイドルでした。

キンクスをはじめて買ったのは1967年だったと思いますが、本格的に「人生の友」になるのは、このころからだったと思います。レイ・デイヴィスとグランド・ファンクは距離があります。なんといってもレイは言葉の人で、わたしもその傾向が強いのでして。

Heartbreakerがリリースされた1970年には、グレイトフル・デッドがWorkingman's Deadでドラスティックな変貌を遂げ、以後、わたしは、この年までほとんど休暇なしにデッドヘッドをつづけています。

また、ハイティーン特有の傾向でしょうが、ディランのカタログをほぼすべて聴き(Self Portraitまでしか出ていないのだから、楽なものだった。いまは死ぬ思いだろう!)、ジャズもすこし聴きはじめていました(すぐに興味を失うが)。

◆ ラウド&ヘヴィー・ポップ ◆◆
それで終わっていれば、こんな記事は書かずに、すみません、わたしの人生とグランド・ファンクは交叉しませんでした、と書けばいいだけです。嵐の後楽園の大騒ぎは憫笑で終わりましたが、それからしばらくたって、へえ、と思う曲に遭遇しました。

グランド・ファンク We're an American Band


イントロのドラム・リックなんかは、子どもっぽく聴こえましたが、総じてよくできたポップ・チューンといってよく、意外な才能があるのね、と感心しました。しかし、すぐにトッド・ラングレンのプロデュースとわかり、なーんだ、じゃあ、トッドの音か、でした。

いま定義するなら、これは「ラウド&ヘヴィーの味付けをしたポップ・ソング」です。のちにパワー・ポップなんていうものも出てきますが、あれよりもさらにロックバンドのニュアンスが勝っています。そこがトッドのセンスだと感じます。

トッド・ラングレン Could't I Just Tell You


アコースティック・ギターをこういう風に使う人もあまりいないでしょう。この曲に見られるように、ポップな曲にラウド&ヘヴィー味をまぶすのは、デビューのときからすでにトッド・ラングレンの特質でした。

ナズ Open My Eyes


この曲ではトッドはリード・ギターだけで、ヴォーカルは他のメンバーですが(中間部で、一瞬、トッドらしい声がリードをとるが)、トッド・ラングレンらしさがすでに濃厚にあらわれています。

ハリウッド製のウェル・メイドなポップばかり聴いていると忘れそうになりますが、イギリスのバンドを中心に、こういう傾向は60年代のひとつの大きな潮流を形作っていたわけで(キンクス、フー、スモール・フェイシーズに代表させていいだろう)、かろうじて60年代に間に合ったトッド・ラングレンは、その遺伝子を濃厚にもったまま70年代に入ったと感じます。

シンデラレ・タイムなので、ここまででひとまずアップします。

そして、このあとにロコモーションがくるわけですが、これはWe're an American Bandほど面白くは感じませんでした。なんたって伊東ゆかりの曲ですからね。ロック・バンドがやるのは、○×をちょんぎって性転換するようなものと感じました。

伊東ゆかり ロコモーション


いくらサウンドを変えたって、この音はわたしの頭で鳴っていたわけで、うへえ、そりゃねーだろー、でした。

もうひとつ、グランド・ファンクのヴァージョンはピッチが狂っていて(いろいろおかしくて、犯人を特定できないが、ベースが主犯か)、強い違和感があります。それがプロデューサーの狙いであり、ヒットしたのだから、お見事、というべきかもしれませんが、わたしには面白いはずし方には感じられませんでした。タイムに関しては狭量、ピッチに関しては太っ腹なのですが、それでもこれは許容範囲外でした。

でも、つぎにヒットした(記憶がある)曲のほうは、いかにもロックバンドらしいシングルで、好ましいものでした。

グランド・ファンク Some Kind of Wonderful


ストレートで演歌的なところがなく、フリーのAll Right Nowやディープ・パープルのSmoke on the Waterのような位置にある、ロックバンドらしいポップ・チューンだと感じます。

フリー All Right Now


眠くなってきたので、つぎの曲で終わりにし、あとは明日にでも書き足します。

わたしは不思議なことに記憶していなくて、あとからベスト盤で知ったのですが、グランド・ファンクの最後のトップ10ヒットは、人まちがいしそうなほど「らしく」ない、ひどくポップな曲でした。

グランド・ファンク Bad Time


こんなフェビアンかフランキー・アヴァロンが歌うような、大甘のポップソングでは、長年のファンはがっかりしたでしょうな。長いあいだにはいろいろなことがあり、バンドは変容し、得体の知れないものに化けて消えていくのでありました。


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リトル・エヴァ
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Fire & Water (Dlx)
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by songsf4s | 2011-05-30 23:53