人気ブログランキング |
カール・スティーヴンズ(チャック・セイグル)のロッキン・オーケストラ
 
まだ、前回までつづけてきたエキゾティカ・シリーズにケリがついていないのですが、日々、聴くものは変化していき、今日はエキゾティカとまったく無関係ではないものの、分類するならばインストゥルメンタル、あるいはラウンジ、あるいはオーケストラ・ミュージックと呼べる(ただし、横断的なサウンド)盤を聴いていました。

ごちゃごちゃいうまえに、ユーチューブに一曲だけ、そのアルバムのトラックがあったので、貼り付けておきます。はっきりいって、ベスト・トラックでないどころか、ワーストに近いほうなのですが……。

カール・スティーヴンズ&ヒズ・オーケストラ Tea for Two


なにがよくないかというと、ドラムがフィルインでミスっていて、そのミスのありようが気に入らないのです。ストップ・タイムでドラムだけになったときのフレーズはきれいにやってくれないと……。

話はいきなりわき道に入り込みますが、このお馬鹿なTea for Twoを聴いて、もうひとつ似たようなアレンジがあるのを思い出しました。クリップがないので、以前、「ニック・デカロのItalian Graffitiのオリジナル3 Tea for Two後編」という記事のときにアップした自前サンプルを再度貼り付けます。

サンプル Nino Tempo & April Stevens "Tea for Two"

f0147840_23472326.jpg

このアレンジ、サウンドは、わたしのゲテ嗜好を満足させるところがあり、Tea for Twoの好きなヴァージョンのひとつです。

まじめな話、ニーノ・テンポの声は大好きですし(フラットする欠点はあるが。いや、それもチャーム・ポイントになりうるのがポップ・ミュージックというものだが)、アール・パーマーと推測できるドラムのプレイも好みです。

また、いつもはウェル・メイドな方向に向かってしまうハリウッドなのに、ニーノが意図したのか、かなりラフなミキシングで、それも好ましく感じます。

話をカール・スティーヴンズに戻します。このHigh Society Twistというアルバムは、ツイストといえるかどうかはひとまずおき、人口に膾炙した曲をレヴ・アップする、という方針でつくられています。オーケストラと称しているし、管が活躍する曲もあるのですが、ギターが主役のトラックもあります。

サンプル Carl Stevens & His Orchestra "Yellow Roses of Texas"

カール・スティーヴンズというのは、ちょっと面白いキャリアの持ち主で、プロとしてのスタートはシカゴ、50年代終わりにNYに移り、さらに、おそらく1962年にハリウッドに移住して、リプリーズ・レコードのA&Rになっています。

裏方としてのディスコグラフィーは見つかりませんでしたが、マーキュリー・レコードのA&Rの時代にデル・ヴァイキングスのアルバムでコンダクターとしてクレジットされている(ということはすなわち、たいていの場合、アレンジもしたことを意味する)のと、リプリーズで、サミー・デイヴィス・ジュニアのAt The Cocoanut Groveなど、いくつかの盤にアレンジャー、コンダクターとしてクレジットされている(別名のチャック・セイグルで)例がありました。

このHigh Society Twistは、1962年のリリースのようなので、ハリウッド録音かと考えたくなりますが、レーベルはマーキュリー、すなわちチェック・セイグル=カール・スティーヴンズのシカゴ、NY時代の勤め先なので、NY録音と考えられます。

f0147840_053844.jpg

データからもそういえるのですが、感覚的にも、このドラマーたちはハリウッドのエースたちより一段落ちるタイムで、ひとりはかなり困ったプレイヤーなので、ハリウッドではなく、NYの音に感じられます。そのNY的な欠点が露呈してしまったのがTea for Twoです。

しかし、サンプルにしたYellow Roses of Texasをはじめ、ギターについては、それなりに楽しめるトラックがあります。NY録音であるという仮定に立って、危なっかしい推測をするなら、トニー・モトーラ、アル・カイオラといった、NYの旧世代セッション・ギター・プレイヤーたちの仕事ではないかと思います。とくに、アル・カイオラのサウンドに近縁性を感じます。

Al Caiola - Magnificient Seven


カール・スティーヴンズ(チャック・セイグル)はほかにもアルバムがあり、ギターは活躍しませんが、それなりに面白いサウンドで、ちょっと集めたくなりました。

べつに嫌がらせをするわけではないのですが、カール・スティーヴンズのアルバムを取り上げようと思った最大の動機は、このヴァージョンの存在です。

サンプル Tommy Tedesco "Tea for Two"

トミー・テデスコのアルバムだから、当然ハリウッド録音、こちらのドラマーはアール・パーマーです。しかも、リリースはカール・スティーヴンズの盤と同じ1962年。ハリウッドがNYに打っちゃりを食らわすのは、セールスの面では1963年以降だということですが、サウンドのレベルとしては、すでに1962年にこれだけの差が付いていたことが、この二種のヴァージョンにあらわれています。グルーヴがNYの敗因だったのはまちがいないでしょう。

なお、トミー・テデスコのTea for Twoを含むアルバム、Twangin' 12 Great Hitsは、右側のサイド・バーにリンクがあるAdd More Musicの「レア・インスト」ページでサンプル音源をダウンロードすることができます。No. 18がTwangin' 12 Great Hitsです。なかなか楽しいアルバムなので、Tea for Twoがお気に召した方は、AMMをご訪問なさるといいでしょう。


Click and follow Songs for 4 Seasons/metalside on Twitter
metalsideをフォローしましょう


ニーノ・テンポ&エイプリル・スティーヴンズ
Deep Purple / Sing the Great Songs
Deep Purple / Sing the Great Songs
by songsf4s | 2011-05-17 23:51