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フェンダー・ベース・プレイの夜明け その1──コニー・スミスとジョー・オズボーン
 
本題に入る前にお知らせ。散歩ブログを更新しました。

今回の外題は「春の山 土筆尽くされつくづく土筆」です。

それから、当ページ自体も(作業をしたのはわたしではなく、パートナーだが)すこし改変しました。上端に各年度ごとのインデクスへのリンクをつけ、下端には各種特集の一覧をおいて、ナヴィゲートしやすくしましたので、ご利用をお待ちしております。

◆ Lucille ◆◆
さて、コメントをご覧になる方はお気づきでしょうが、先日から、k_guncontrolさんのコメントにお答えしようと、初期のフェンダー・ベース・プレイヤーのあれこれについてコメント欄に書いています。

こういうことは、やはり音そのものを例示しながらのほうがやりやすいので、これまでのポイントの整理を兼ねて、コメント欄から記事本文へと引っ越してつづけさせていただきます。

まず、k_guncontrolさんの最後のコメントの一部を引用させていただきます。

「最初の質問でちょっと言葉が足りなかったのですが、具体例を挙げると"I Saw Her Standing There"などで聴ける、ピック弾きによる8分音符の連続のフレージングと、50年代ロックとは異なるノリは、誰/どの曲がルーツなのか、ということを知りたい、というのがそもそもの主旨でした。」

ビートルズ I Saw Her Standing There


このようにスペシファイすると、一般論と違って、なかなかむずかしくます。わたしは、ルーツはひとつではないと考えます。

第一のルーツは、フェンダー・ベースでもなければ、フラット・ピッキングでもなく、アップライト・ベースによるものではないでしょうか。すなわち、リトル・リチャードのLucilleにおけるフランク・フィールズのプレイです。

リトル・リチャード Lucille


これは史上最初の8ビートの曲で、シンバル、ベース、ギターがそろって8分でプレイしています。こういう発想、グルーヴは、このときに誕生しました。そして、I Saw Her Standing Thereも、ポールはフランク・フィールズと同じようにストレート・エイスによるプレイをしています。

ただし、Lucilleのころには、まだフェンダー・ベースという楽器は一般的ではなく、一握りのプレイヤーしかいませんでした。フィールズももちろん、旧世代のベース・プレイヤーで、アップライトしか使っていません。

◆ Summertime Blues ◆◆
フェンダー・ベースをスタジオ機材として利用した黎明期の大ヒット曲としてわたしが記憶しているのはこの曲、アール・パーマー・オン・ドラムズ、コニー・スミス・オン・ベース、エディー・コクラン、Summertime Blues



ここでコニー・スミスはフェンダー・ベースを8分で、なおかつ、フラットピッキングでプレイしています。スタジオでフェンダー・ベースを使った曲としても、ごく初期のひとつでした。フェンダー・ベースはまだ一般的というには程遠く、ほとんどのトラックではアップライトが使われていました。

以上の二曲を組み合わせると、I Saw Her Standing Thereにおけるポールのプレイ・スタイルは導き出せるとわたしは考えます。典型的な50年代ロックンロールではなく、というのがk_guncontrolさんのお望みですが、50年代にはすでに基本的なものはあったと感じます。

ただし、こういう風にピンポイントでヒントとなったものを狭めて考えていいかどうかは微妙だと感じます。特定の曲やプレイが前提になっているわけではなく、先行する音楽の総体から、なんとなく導き出されたというケースもしばしばあったことでしょう。

したがって、当事者が、これはこの曲がもとになっている、と明言しないかぎりは、ここに淵源がある、と断ずるのは困難だと感じます。「このあたりと想定することができる」ぐらいのニュアンスでしか、第三者には語れないと思うのです。

◆ ジョー・オズボーン登場 ◆◆
ハリウッドのスタジオでは、50年代も押し詰まったころからフェンダー・ベースが必要とされるようになり、キャロル・ケイさんにうかがったところでは、当初はギターが本業のレイ・ポールマンがその役割を担い、ほとんど一手販売の様相を呈したそうです。この状況は63、4年までつづきます。

したがって、ヴェンチャーズのベースはだれがプレイしたか、などと考えるときは、じつはあまり悩まずに、いや、極論するなら、一曲たりとも、一音たりとも聞かずに、状況から、レイ・ポールマンと断定してしまってもかまわないのです。ほかにはプレイヤーがいないも同然だったのですから。

ただし、レイ・ポールマンは親指フィンガリングなので、ちょっと変わったグルーヴのため、今回の考察の対象にはなりません。

63年には、リック・ネルソンがツアー・バンドの維持をやめ、64年ごろからフリーになったジェイムズ・バートンとジョー・オズボーンのスタジオ・ワークが増えることになります。同時に、キャロル・ケイさんがベースをプレイするようになり、また、ラリー・ネクテルのスタジオ・ワークも散見するようになります。

ビートルズのアメリカ上陸と軌を一にして、ハリウッド音楽界に、その後の数年間を支える代表的フェンダー・ベース・プレイヤーが輩出したのは、やはり、ある種の必然だったのでしょう。

ジョー・オズボーンは、たぶん1961年、アップライトのジェイムズ・カークランドに替わってリッキー・ネルソン・バンドのレギュラーになります。つまり、キャロル・ケイさんとちがって、ビートルズ登場以前のベース・プレイが記録されているということです。

時間が足りず、今回はごく初期のプレイが聞ける、リッキー・ネルソンのヒット曲をふたつあげるにとどめます。

Hello Mary Lou


Travelin' Man


じつは、ジョー・オズボーンがプレイしている姿というのは、今回はじめてみました。ツイッターにも書きましたが、あの時代、アメリカで生活していれば、こういうクリップを毎日のように見られたわけで、毎度ながら、彼我の落差に腹立たしさを感じます。

とりあえず、ジョー・オズボーンのプレイがどうこうではなく、リッキー・ネルソンのヒット曲になってしまいましたが、次回、もう少しプレイを中心にいくつか聴くことにします。


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by songsf4s | 2011-04-18 23:36