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One Monkey Don't Stop No Show その1 夜の部
 
3月20日ここから夜の部に入ります。

ロング・ウォーク完了。不覚にも小さなマメをつくってしまいました。なんか痛いなとは思ってはいたのですが、マメになっているとは思いませんでした。これも地震後、閉じこもっていた影響のようです。

音楽、今宵の一曲目は、タイトルから意味を読み取らないでね、といいたくなるトッド・ラングレン、I Saw the Light。



今日は予定通り、横須賀市阿部倉の勝手に命名「白木蓮街道」に行って来ました。横浜横須賀道路のアンダーパスを境に二分される長い並木で、大楠隧道まで、二百本ほどあるでしょうか。ちょっとした眺めです。低地のほうは満開の木もありますが、横横道路と大楠隧道のあいだは日当たりが悪いので、まだ数日かかりそうです。

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昨日今日、ずいぶんいろいろな花を見ました。柊南天、馬酔木、蕗のとう(花ではない?)、桜、白木蓮、木蓮、辛夷、連翹、木瓜、姫踊子草、犬のフグリ、各種の桜や梅、木五倍子などなど。木五倍子(きぶし)は、なんだかひどく春らしいものに感じます。それから、柳の新芽も強力。

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「気に染まぬ風もあろうに柳かな」

きょうはどういうわけか、むやみにお客さんが多いのですが、原因なんか当てずっぽうもでてこないので、深く考えずに通り過ぎます。なにか気に入らないということであれば、どうぞコメントに。

さて、お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、「まだ原発マッチポイントがつづく夜もロックンロール5」という記事に、バリー・マン&シンシア・ワイルの研究者でいらっしゃるMann-iaさんが、詳細なるコメントを書かれていらして、そろそろそれにお答えしなければいけないと思います。

まず、そのからみでこの曲をどうぞ、ロネッツ、I Wonder。ハル・ブレイン、派手ですぜ。



エコー・チェンバーによるエコー、ないしはリヴァーブは、どのようなことを狙って利用されるか、と考えると、やはり一様の目的で使われるわけではなく、いくつかの効果があるから、深さや、カヴァーする範囲が変化するのでしょう。

たとえば、思いつきでいうだけですが、リヴァーブは、

・ドラマティックなサウンドを構築するため
・「はろばろしさ」をあたえて、この世の外にいる感覚を生み出すため
・ピッチやタイムを不明瞭にして、技術の不足をごまかすため
・声や楽器の音を好ましい響きになるように変形するため

といった用途に使われます。

これはいい曲であるというわけではなく、何度か問題になったので、いちおうクリップを貼り付けるだけです。ロネッツ、Walking in the Rain。



もう一曲貼り付けて、ちょっと中断します。ひげ剃って頭洗わないと。じゃなくて、ロネッツ、You Baby



さて再開。ほんとうに今日はどういう風がどちらから吹いているのか、いずれにせよ強風で、わが家も揺れていますが、当ブログのカウンターもちょっとした騒ぎになっています。ガイガーカウンターだったら大変です。

そういえば、個人でガイガーカウンターをもっていて、USBかなんかでPCにつないで、リードアウトをリアルタイムで流している方たちがけっこういらっしゃるそうですね。不思議な世の中になったものです。それが、はからずも東電の日本国民に対するテロ攻撃のおかげで、にわかに脚光を浴びちゃったのだから、I'm too old for this、目が廻る、といいたくなります。

今日はもうご政道批判、テロ企業攻撃はしないので、どうかお平らに。いや、明日はまたやるでしょうけれど、カウンター増大が不気味で。

いきなり、リヴァーブの話にもどります。では、フィル・スペクターはなんのためにあれほど深くリヴァーブをかけたのか。だれでも答えられる設問ですね。だれも見たことのなかった圧倒的な大空中楼閣を構築し、そのなかでドカーンというドラマを展開して、われわれ客を呆然とさせたかったのです。

ポイントはドラマティズムです。これだけ押さえればフィル・スペクターのことはほとんどわかったも同然、と突然、香具師の口上じみてしまいました。がまの油を売りつける手つきが見えちゃいますな。

さて、Mann-iaさんのコメントの一部を抜き出します。

鶴岡さんの引かれた音源に深く首肯しつつ、
The Ronettesの"I Wonder"や
"I Wish I Never Saw The Sunshine"あたりも加えませんか。

はい。I Wonderは大好きです。まあ、お見通しでしょうが。もちろん、この曲もスターはハル・ブレイン。とりわけ、タムタムとキックの音は圧倒的。ハルは、ゴールドスターのエコーを通ると、自分のキックがどういう音になるか熟知していたにちがいありません。

いや、ジム・ケルトナーは、生のハル・ブレインのキックのサウンドを絶賛していましたがね。なんとかあの音を盗んでやろうとしたが、結局、ハルの音には似せられなかった、と。つまり、あれはラディックのセットの音というより、ハル・ブレインの脚の音だということでしょう。

そして、そのケルトナーがうらやんだthat beautiful bass drum soundは、鉄板エコーを通過すると、かつてだれも聴いたことのなかったドラマティックな音像に変身します。まあ、わかりきった話を言い換えているだけのレトリックにすぎず、すまんことです。

どうであれ、I Wonderでもストップタイムになると、ハルの"脚"音が聞こえるので、そのへんに意識の片足をおいてお聞きになってみてください。

あ、そうだ、忘れていたことを急いで書き添えます。You Babyでドラム・ストゥールに坐ったのは、ハル・ブレインではなく、アール・パーマーです。地味ですが、あれはあれで渋い楽しみのあるドラミングだと思います。

もう一曲、Mann-iaさんご推奨、ロネッツ、I Wish I Never Saw the Suinshine、アゲイン、アール・パーマー・オン・ドラムズ。



ドラムズはアールだというのは推測ですが、ま、大丈夫です。このへんは区別がはっきりつきます。わたしを信じなさい。わたしが、ハル・ブレインではなく、アール・パーマーだというのは、百パーセントの自信があるときです。
で、このドラミングもすごいし、リヴァーブを通ったあとのスネアのサウンドも圧倒的ですなあ。こういうサウンドをイメージした人はやっぱり只者であるはずがありません。

もう一カ所、Mann-iaさんのコメントを引用します。

"You Baby"でも同様ですが、
ダンス系ではなくメロディー系の作曲家Barryの楽曲では、
Halの腕力と脚力の見せ場はそもそも設けづらいでしょう)。


もちろん、そういう風にもいえるでしょう。ただし、穏やかなバラッドだからドラムはやりようがない、ともいえない面があり、ハル・ブレインはとりわけ、奇襲作戦の上手として知られているわけですよ。ビーチボーイズなんか、何度も隙間から攻撃を仕掛けきますし、フランク・シナトラでもやっています。それを今夜のお別れの曲にして、寝不足解消をはかってみます。

フランク・シナトラ、ウィズ・ハル・ブレイン・オン・ドラムズ、Strangers in the Night、スタジオはユナイティッド・ウェスタン、卓についたのはリー・ブラケット。さすがはビル・パトナムのスタジオ、こちらのリヴァーブもちょっとしたものです。

あ、そうそう。ポイントは、シナトラがマイクから離れたとき、ハルがどういう振る舞いに出るかです。こういう外角のボールの出し入れは、いかにもハル・ブレイン、感服します。パアなロック・ドラマーと決定的にちがうのは、こういう自己主張と気遣いの鋭敏繊細なバランスのとり方です。



これは何度も書いていますが、ハル・ブレインはこの曲でのドラミングに回想記でふれています。「Be My Babyビート」をベースに、ちょっと味付けを変えてみた、と。おわかりですな、両方のビートの共通点は。

では、おやすみなさい。
by songsf4s | 2011-03-20 18:38