人気ブログランキング |
ボビー・ソロ「ほほにかかる涙」「Mrs. Robinson」とイタリア版トミー・テデスコの高速ガット・プレイ
タイトル
Una lacrima sul viso
アーティスト
Bobby Solo
ライター
Mogol, Lunero (Sattiとクレジットしたものもあり)
収録アルバム
Tutti i sucessi di Bobby Solo
リリース年
1964年
f0147840_22595738.jpg

とくになにかきっかけがあったわけではなく、ふと思いだして、昔、愚兄がもっていたボビー・ソロの「ほほにかかる涙」が懐かしくなり、ベスト盤を聴いてみました。

サン・レモ音楽祭というものがあって(まだあるのか?)、「ほほにかかる涙」はその最優秀曲になったとかなんとか、45回転盤のスリーヴにそんなことが書いてあったような記憶があったのでたしかめました。

f0147840_2311082.jpg

ちょっとハズレ。「入賞曲」でした。ま、ともかく、サン・レモのライヴのクリップを貼りつけますが、これが奇妙なのです。音楽好きの方はどこがおかしいか、ほんの数小節でわかるでしょうが。

ボビー・ソロ ほほにかかる涙(Una lacrima sul viso)


おわかりですね? ライヴじゃねーだろー、盤じゃんか、とケチをつけようとしたら、ちゃんと審査員から46年前に物言いがあり、ライヴ音楽以外はコンテストの対象にならないと、入賞はキャンセルされたそうです。それなら、日本盤の宣伝文句のほうがインチキということになりますが、昔からそういうデタラメな業界だから、いってもしようがありませんな。天網恢々疎にして漏らさず、いま天罰が下っている最中だから、まあ、ここは腹立ちを抑えておきます。

昔の45回転盤の歌詞には、原綴の上にカタカナでルビが振ってあり、イタリア語などなにも知らない小学生でもいっしょに歌えるようになっていました。だから、いまでもこの曲の歌詞はかなり覚えています。ファースト・ラインだけでも記憶しているイタリアの曲は、「ほほにかかる涙」だけですし、ファースト・ラインがそのままタイトルになっているおかげで、この曲だけは原題で書かれていても判別できます(ただし、歌詞はダウナラクリマソルヴィーゾなのに、タイトルにはダはないことを忘れ、まちがって記憶していた)。

久しぶりに「ほほにかかる涙」を聴いて、クラヴィオラインかユニヴォックスかミュージトロンあたりの特殊なキーボードでオブリガートを入れていることに改めて気づきました。同じころによく聴いていた(やはり愚兄の所有物である)デル・シャノンのHats Off to Larry(邦題「花咲く街角」ケッケッケ!)と同じサウンドで、このあたりに範をとったか、またはジョー・ミークの影響かもしれません。いや、音色としてはやはりミュージトロンでしょうね。

f0147840_23521745.jpg

f0147840_23523246.jpg

f0147840_23524784.jpg
上からクラヴィオライン、そのイギリス版であるユニヴォックスのコンサート・グランド・モデル、そしてミュージトロンとその開発者にしてデル・シャノンの盤でプレイしたマックス・クルックその人。大元はクラヴィオラインで、ユニヴォックスもミュージトロンもそのヴァリエーションという捉え方でいいらしい。

それから、この曲で、このアレンジで、この編成で、間奏がバンジョーというのも意外性があって、楽しめます。ちょっと珍が入っていますが。

◆ マカロニ・ポップ・サイケ ◆◆
一曲だけでサヨナラというのもつれないと思い、ベスト盤の他の曲も聴いてみました。これが、へえ&あっはっはの連発で、なかなか楽しいリスニングだったので、そのあたりをサンプルにしてみました。まずはスコット・マケンジーのサマー・オヴ・ラヴ讃歌のカヴァーから。

サンプル San Francisco (Be Sure to Were Some Flowers in Your Hair)

どこの国も同じで、アメリカの大ヒット曲のローカル盤はつねに需要があったのでしょう。イギリスみたいに、英語のままのカヴァーじゃないのだから、日本同様、ローカル盤にもそれなりの意味があります。でも、これはやっぱり笑ってしまいました。アメリカ人が西城秀樹のYMCAを聴いたら、こんな気分になるのではないでしょうか。あ、あれは日本人でも笑うから、例としては不適切やもしれず。

f0147840_23535950.jpg

どこの国もそうですが、プレイヤーはそれなりのレベルにあるし、きっちりプレイしています。まあ、オリジナルはハル・ブレインとジョー・オズボーンのリズム隊だから、どうしたってカヴァーは見劣りしますが、アコースティック12弦はかなり弾けるプレイヤーです。

しかし、そういう色目で見るからでしょうが、金管とゴングがイタロ・ウェスタン風に響き、ちょっとちがうんじゃないのー、といいたくなります。ま、そこがローカル線各駅停車の旅らしいところ、ということにしておきます。

f0147840_23542556.jpg

もう一曲、こんどはサイモン&ガーファンクルの68年の大ヒット、Mrs. Robinsonのカヴァー。またしてもオリジナルではハル・ブレインがトラップ・ドラムとコンガを叩いている曲です。

いま、オリジナルのほうを聴き直して、ベースがジョー・オズボーンには聞こえず、だれだか判断できず、でも、かなりうまいし、ラインの取り方のハーモニック・センスがすばらしいので、検索してみたら、ラリー・ネクテルとしているソースがありました。なるほど! キャロル・ケイさんの、ラリーはピアノはたいしたことなかったけれど、ベースはうまかった、という言葉そのまま。仲間の評価はお世辞抜き、厳密ですなあ。いや、それはともかく、ボビー・ソロのカヴァーです。

サンプル Bobby Solo "Mrs. Robinson"

思わず笑ってしまうのはわたしだけなのでしょうかねえ。どうしても頬がゆるんでしまいます。ボンジュルノっていわれても困りますぜ。

San Franciscoでもそこそこギターが活躍していますが、こちらは、シンガーを押し退けんばかりに弾きまくっています(左チャンネルのセカンド・ギターも控えめながらうまい)。これがガットをフラット・ピッキングするというトミー・テデスコと同じスタイル。イタリア版トミー・テデスコです、って、テデスコ自身イタリア系なのですが。

おちょくりはまったくなし、大まじめに、このギターはなかなか楽しめます。きっと60年代のイタリアを代表するセッション・ギタリストなのでしょう。わかってみたらハリウッド録音だったなんて、アンチ・クライマクスがあったりするのが怖いところですが。


metalsideをフォローしましょう
by songsf4s | 2010-11-07 23:56 | その他