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サンプラー テレビドラマ「サーフサイド6」のテーマ
タイトル
Surfside 6
アーティスト
unknown (TV OST)
ライター
Mack David, Jerry Livingston
収録アルバム
Television's Greatest Hits of the '50s and '60s
リリース年
1960年
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先月はなにやらせわしなく、とうとう検索キーワードご紹介をしませんでした。月末の総決算だけはあとからでも見られるようになっているので、10月31日のリストを以下に。

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月末にはだいたい落ち着き、「いつもの顔ぶれ」になっているもので、一部が入れ替わるだけです。山本薩夫監督『牡丹灯籠』は「和風ハロウィーン怪談特集」で取り上げたものなので、むろん今回が初登場です。

月初めは見かけないキーワードが多かったりするのですが、11月3日までの三日間の集計は以下の通り。

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Deep Purple、またはこれに「歌詞」というキーワードをプラスしたパターンは何度も登場していますが、このパターンは初めてです。曲名の前にある単語はソングライターの名前なので、ロック・グループのディープ・パープルではなく、ニーノ・テンポとエイプリル・スティーヴンズの例の曲を指しています。よって当家でもそれなりにお役に立てたでしょう。

お役に立てずに申し訳ないキーワードは三つ。小川眞由美(真由美)はおそらく『牡丹燈籠』のときに短く言及しただけです。彼女が出演した映画で、とりあげたいと思うものが数本あるので、将来、きちんと書くことがあるかもしれません。野村芳太郎作品になりそうです。

黒澤明『天国と地獄』のロケ地は、やるやるといって、なかなか手がつけられずにいます。横浜鎌倉はいいとして、小田原まで行くのがちょっと手間で(ものすごい出不精ゆえ)、実現にいたっていません。あの江ノ電を見下ろす道や、犯人のアジトがあったと想定される場所なども気になりますねえ。昔、何度か通りかかったような気がするのです。

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Aloha Weeksは、曲ではなく、たぶん、Pearly Shellsの記事で、参照したサイトの名前として書いただけではないかと思います。どうも生憎なことで、申し訳ありません。

◆ Surfside 6 in Miami Beach ◆◆
今日はまったく時間がとれず、いまも時計を見ながら全力失踪、いえ全力疾走中です。こういうときは、過去の記事にサンプルを追加するだけの、サンプラー・シリーズと決めています。

せっかくのご縁なので、前掲のキーワード・リストにあったSurfside 6にしました。オリジナル記事はSurfside 6 (TV OST)です。歌詞などはそちらをご参照あれ。

自前サンプルもアップしますが、そのまえにあまり音質のよくないYouTubeのクリップからどうぞ。

サーフサイド6 オープニング


つぎは自前サンプル。

サンプル Surfside 6 (TV OST)

小学校低学年のときに、この曲を毎週聴いて、いいなあ、と思っていたのだから、年をとってここに戻っていくのも、べつに不思議はなく、こういうサウンドは好きだなあ、と思います。女声コーラスもけっこう!

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ただ、ひとつだけ、今回ちょっと調べて、あれっと思ったことがありますが、それは後段で。

◆ ハワイアン・アイ ◆◆
サーフサイド6のテーマは手元にはカヴァーがないので、同じくワーナー制作の同系統のプライヴェート・アイものドラマ「ハワイアン・アイ」をいってみます。

まず、あまりよろしくないクリップから。途中でCMが入るところは、アメリカの視聴者には懐かしいのでしょうが、われわれ外国人には目新しいというべきのようです。

ハワイアン・アイ オープニング(CM付き)


つづいて自前のを行きますが、テレビ用のショート・ヴァージョンではなく、サントラ・アルバム収録のロング・ヴァージョンを行きます。ただし、LPリップでスクラッチありです。

サンプル "Hawaiian Eye"

いや、まったく、あざやかなもんです。楽曲の出来もいいのですが、それ以上にアレンジャーの構成力とサウンド・メイキングの技に圧倒されます。

もうひとつ、こんどはカヴァー・ヴァージョンです。

サンプル Werner Muller "Hawaiian Eye"

ウェルナー・ミューラーの音にはあまりなじみがないのですが、このカヴァーを聴いて、なるほど、名の売れた人はやはり売れるようにつくっていたのだな、と納得しました。

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◆ ティン・パン・アリー製 ◆◆
Surfside 6とHawaiian Eyeのテーマはともに作詞マック・デイヴィッド、作曲ジェリー・リヴィングストンです。二人のキャリアを読んで、あれ、と思いました。このコンビはいわばティン・パン・アリーの最後の生き残りで、テレビ音楽のみならず、ブロードウェイの芝居の音楽もつくっているのです。そして、あくまでもNYベースで仕事をしていたようなのです。

とはいえ、論理からいっても、音からいっても、録音はやはりハリウッドだろうと思います。大事な主題歌を、遠隔地で、責任のある人間の監督なしに録音する可能性は低いでしょう。録音スタジオを使わずに、撮影所のサウンド・ステージを使うことも多かったようですし。

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この時代は、テレビ番組の制作が、NYからハリウッドへと移行する潮目でした。50年代後半、テレビが家庭に浸透した結果、ハリウッドの映画スタジオはどこも赤字に転落し、各社、生き残りをかけてテレビ番組の制作に乗り出します(もちろん、すこし遅れて、日本も同じことを経験する)。

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Christopher Anderson "Hollywood TV: The Studio System in the Fifties"
ハリウッドの映画に関する本は無限にあるが、映画の都ハリウッドの消滅について書いた本は、バド・シュールバーグの回想記や『ハリウッド帝国の興亡』、Neal Gabler "Empire of Their Own: How the Jews Invented Hollywood"など、少数しかない。そして、そのあとに生まれた、「テレビの都ハリウッド」に関するものは、わたしの知るかぎり、このHollywood TVしかない(見てくれからはそう思えないだろうが、テキサス大学出版局が刊行した歴とした学術書)。50年代のハリウッドになにが起きたかを知るには最適の一書である。そして、60年代に誕生した「音楽の都ハリウッド」に関する研究書はまだ存在しない。

それまでテレビ番組はすべてNYで制作され、全国にネットされていたのですが、ドラマの制作能力にかけては、映画会社のほうがはるかに巨大なノウハウとリソースを蓄積してきたわけで、ひとたび、ハリウッドの各社がテレビ番組の制作に乗り出せば、当然ながらNYの制作能力では歯が立たず、あっという間にドラマの制作はすべてハリウッドに引っ越してしまいました。

何度もあちこちに書きましたが、この点はニール・サイモンが自伝で証言しています。NYにはテレビ・ライターの仕事はなくなり、みなハリウッドに引っ越し、サイモン自身もしかたなく移住したというのです(すぐにNYに逃げ帰った)。

テレビ番組制作競争で出遅れたワーナーは、やっとのことで「シャイアン」をヒットさせ、そして「サンセット77」の大ヒットで、レシピをつかみます。しかし、今夜は時間切れ、つづきは次回に。


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Television's Greatest Hits, Vol.1: From the 50's and 60's
Television's Greatest Hits, Vol.1: From the 50's and 60's

ウェルナー・ミューラー Hawaiian Swing
Werner Muller "On Broadway/Hawaiian Swing"
On Broadway Hawaiian Swing

ハワイアン・アイOST
Hawaiian Eye
Hawaiian Eye
by songsf4s | 2010-11-04 23:57 | 映画・TV音楽