- タイトル
- Summer Wind
- アーティスト
- Frank Sinatra
- ライター
- Johnny Mercer, Heinz Meier, Hans Bradtke
- 収録アルバム
- Strangers in the Night
- リリース年
- 1966年
- 他のヴァージョン
- Wayne Newton, duet version with Julio Iglesias by the same artist
今日は各地で暑さがぶり返したようですが、当地もおそるべき猛暑で、敬老の日の行事で倒れる人でも出るのじゃないかと思ったほどです。
もういくらなんでもタイトルに「夏」とついた歌を取り上げるのは苦しいか、なんて思いかけていたのですが、どうしてどうして、今年の夏はそんな甘いものではないようです。
予定していた夏の終わりの歌は残り2曲、今日はその片方、Summer Windを軽くいってみます。オリジナル記事は、以下の三本です。
Summer Wind その1:Frank Sinatra
Summer Wind その2:Frank Sinatra
Sommervind:Grethe Ingmann
最後のグレタ・イングマンのSommervindは、シナトラのSummer Windの原曲で、デンマーク語で歌われています。オリジナル記事をご覧になればわかりますが、Apacheをヒットさせたヨルゲン・イングマン(そのため、オリジナルのシャドウズ盤はアメリカではヒットせず、それが祟ったか、シャドウズがアメリカでブレイクすることはついになかった)の当時の夫人で、どうみてもローカル版レス・ポール&メアリー・フォードです。
オリジナル記事にも書いたとおり、フランク・シナトラのSummer WindはアルバムStrangers in the Nightに収録されていますが、ハル・ブレインをはじめとする若手のエースたちのプレイではないと考えられます。
ネルソン・リドルのアレンジによるアルバムの進行中に、Strangers in the Nightが大ヒットしたために、シングルがアルバムを乗っ取る形でアマルガムをつくったために、メンバーが異なるのです。Summer Windはネルソン・リドルのアレンジなので、プレイヤーもリドル・セッション常連の古手レギュラーたちと推定されます。
サンプル Frank Sinatra "Summer Wind"
サンプルのアクセス数から見て、当家のお客さんにはシナトラ・ファンはあまりいらっしゃらないようですが、シナトラが好きだろうと嫌いだろうと、ハリウッドのサウンドのすごさは上ものには左右されないので、いつも満足させてくれます。
いや、シナトラの完璧主義のおかげで、プレイヤーは最初のテイクをノーミスでキメなければいけないし(フランク・シナトラのレコーディングでは、通常、テイク1のみで、テイク2はないものと思わなければいけない)、場所はユナイティッド・ウェスタン、エンジニアはビル・パトナムか、またはリー・ハーシュバーグやエディー・ブラケットなどのパトナム門下生たちなので、つねにハイ・レベルの音です。Summer Windで卓に坐ったのはリー・ハーシュバーグだとされています。
◆ ウェイン・ニュートンのカヴァー ◆◆
グレタ・イングマンのオリジナル盤は、いちおう聴くことは聴きましたが、とくに面白い出来ではないので、サンプルは略します(例によって、HDDから削除してしまった!)。いちおう、YouTubeにクリップがありますが、スピーカーを傷めそうなイヤなノイズがするので、貼りつけませんでした。それでも聴いてみたいという方は、YouTubeで検索なさってみてください。
ほかに、ウェイン・ニュートンのヴァージョンがあります。これまたハリウッド録音と思われるので、サンプルにしました。
サンプル Wayne Newton "Summer Wind"
クリス・モンテイズと同系統の、薄くて軽い邪魔にならない声で、暑いときには悪くないと思います。ウェイン・ニュートンは「ラス・ヴェガスの帝王」なのだそうですが(まあ、シナトラもディノもいないから、繰り上げということ)、こういう声の人が年をとると、どういうことになるのかと思います。あまり聴いてみたい気はしないのですが……。
Summer Windにもシナトラにもまったく関係ないのですが、今日は記事が短いので、最近見て、思わず頬がゆるんだ写真を拝借して貼りつけます。
フランク・シナトラ
Strangers in the Night (Dlx)
ウェイン・ニュートン
Danke Scheon/Red Roses For A Blue Lady