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サンプラー11のB レス・バクスターのQuiet Village
タイトル
Quiet Village
アーティスト
Les Baxter
ライター
Les Baxter
収録アルバム
Ritual of the Savage
リリース年
1951年
他のヴァージョン
多数
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やっとつぎの映画を3本まで絞り込んだところで、まだ再見すらしていないため、今日も映画に戻ることができませんでした。あまりいろいろなものを宙ぶらりんにしておくのはぐあいが悪いので、今日はQuiet Villageの後編をやります。

Quiet Villageというと、近年ではマーティン・デニーということになっているようです。シングル・ヒットもしているので、無理もないとは思うのですが、これはそれこそ、あそこにもある、ここにもあるという代物で、いまさら気は動きません。

もっとも、マーティン・デニーも、代表作だから、何度も形を変えて録音していて、それなりにヴァリエーションがあります。チャチャ・アレンジなんていう珍なものもあるのですが、同じように珍ではあるものの、録音し直す意義がそれなりにあると感じるのは、ムーグ・ヴァージョンです。

マーティン・デニー ムーグ・ヴァージョン


改めて聴くと、ムーグの音の太さにギョッとします。ムーグだアープだと、アナログ・シンセサイザーしかなかった時代は、のちのように、シンセだからダメとは思いませんでした。シンセが音楽の質を落とすようになるのは、ディジタルになってからのことです。

デニーはずっとハワイで録音していたわけではなく、後年はハリウッドで録音していたようで、このムーグ版Quiet Villageもハリウッドだと思います。これが収録されたアルバムには、ハル・ブレインやキャロル・ケイに聞こえるトラックがいくつか収録されています。エレクトリック・ギターも使った、かなりロック寄りのアルバムなのです。

◆ レス・バクスターのリマスタード・モノ ◆◆
さて、自前のサンプル。またかよ、といわれそうですが、変わり種も面白いものの、やはりオーセンティシティーも重要なので、まずレス・バクスターのオリジナル・ヴァージョン、ただし、前回サンプルにしたデュオフォニック盤ではなく、モノーラル盤です。

サンプル Les Baxter "Quiet Village" (remastered mono)

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これはリマスター・ベスト盤、The Exotic Moods of Les Baxterという2枚組からとったもので、目下入手可能な最善のヴァージョンです。ほんとうはFlacでお聴きいただければと思うのですが、そこまでやるとサンプルという建前が崩れてしまうので、MP3でご勘弁願います。モノ・エンコードの上限である160Kbpsです。

◆ ヘンリー・マンシーニ盤 ◆◆
つぎはヘンリー・マンシーニ盤です。1966年のアルバム、Music Of Hawai収録のトラックです。

サンプル Henry Mancini "Quiet Village"

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毎度、ハリウッドのサウンドは、この土地が培ってきた分厚い音楽インフラストラクチャーが支えているのだと申し上げていますが、それはそれとして、個々のアレンジャーの技量というのはもちろん無視できません。星の数ほどいるハリウッドのアレンジャーのなかでも、ヘンリー・マンシーニはクリーム・オヴ・ザ・クロップ、上位の一握りに入る人です。

オリジナル記事に書いたように、ヘンリー・マンシーニのQuiet Villageは、いかにもハリウッドらしい、そしてまた、いかにもマンシーニらしい、広がりと奥行きのあるサウンドで、文句のない出来です。退屈するほど単純ではないものの、複雑すぎることもない音の構築で、この「ほどのよさ」もマンシーニの持ち味といえるでしょう。

◆ ビル・ジャスティス盤 ◆◆
つづいてビル・ジャスティス盤。

サンプル Bill Justis "Quiet Village"

レコーディング・アーティスト、サックス・プレイヤーとしてのビル・ジャスティスは、Raunchyの大ヒットで知られます(アーニー・フリーマンのカヴァーもヒットした)。裏方としては、まずはメンフィスのサン・レコードで、ジェリー・リー・ルイス、ジョニー・キャッシュ、ロイ・オービソンといったこのレーベルのスターたちのアレンジャー、A&Rとしてスタートし、60年代にナッシュヴィルに移り、チャーリー・リッチなどのカントリー・スターのアレンジやプロデュースをします。その後、60年代の後半あたりと思われますが、ハリウッドに移ってアレンジの仕事を続けます。

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ナッシュヴィルだかハリウッドだかは不明ですが、ジャスティスがアレンジを担当したアーティストをあげると、ロジャー・ミラー、ドン・マクリーン、B・J・トーマス、ディーン・マーティン、ケニー・ロジャーズ、ボビー・ゴールズボロ、トミー・ロー、マール・ハガード、ボビー・ヴィントン、エヴァリー・ブラザーズ、タミー・ウィネット、アル・ハート、ディノ・ディジ&ビリー、ロニー・ダヴ、フロイド・クレイマー、コニー・フランシス、アンディー・ウィリアムズ、パッツィー・クラインなどなど、長いリストになります。

確たる裏づけはないのですが、ビル・ジャスティスがハリウッドに移ったのは60年代終わりのことのように思われるので(ジャスティスのクレジットがあり、ハリウッド録音だったエキゾティック・ギターズのデビューは1968年)、この1965年リリースのQuiet Villageは、ナッシュヴィルで録音されたのかもしれません。

まず冒頭、左チャンネルのベースの上に、チェロ、ヴィオラなどであろう低めの弦の持続音を載せる技に、ムム、ただ者ではない、と感心してしまいます。途中から、その場所にホーンをもってくるのですが、弦ほどではないにしても、これはこれで味があります。パーカッションの使い方がエキゾティカというよりラテンですが、大オーケストラのQuiet Villageを聴いたあとだと、いいチェンジアップに感じられます。

◆ オマケ ◆◆
前回のヴォーカル・カヴァー特集のつづきで、Quiet Villageも歌ものをあげておきます。2種類の歌詞のちがうヴァージョンを聴いたことがありますが、ここでは比較的近年の1996年にリリースされたものを。

サンプル The Ensemble of Seven "Quiet Village"

このアンサンブル・オヴ・セヴンというグループについてはなにも知りません。90年代なかばのリリースなのに、アナログだというところに方向性が示されています。このEPに収録されている他の曲がTabooにCaravanというのを見ても、それがわかります。最初はスペイン語のナレーションですが、途中から英語歌詞の歌になります。なんだかBrazilみたいにreturnを繰り返しています。時間がないので歌詞の聴き取りはやりませんが、わかりやすいディクションなので、耳で聴いても意味はつかめるでしょう。いや、たいしたことはいっていません。

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ここではあげませんでしたが、キムラさんのAdd More Music(当ページの右のメニューにリンクあり)では、50ギターズ(独立ページ)とエキゾティック・ギターズ(レア・インスト・ページ)で、それぞれのQuiet VillageのLPリップを聴くことができます。どちらもなかなか楽しめます。


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The Exotic Mood
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レス・バクスター Ritual of the Savage
Ritual of the Savage/The Passions (With Bas Sheva)
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Music of Hawaii
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by songsf4s | 2010-06-12 23:56 | Exotica