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ラウンジ春宵二刻――Lullaby of Broadway by the Fantastic Strings of Felix Slatkin
タイトル
Lullaby of Broadway
アーティスト
The Fantastic Strings of Felix Slatkin
ライター
Harry Warren, Al Dubin
アルバム
Street Scene
リリース年
1961年
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今日は野暮用も野暮用、(専業ではない)家業のために朝から外出しました。四月のひどい寒さのおかげで、いろいろなものが先送りになっていたらしく、藤ばかりでなく、花水木や木蓮も一斉に満開になっていました。満開の八重桜がたくさんあったのは、ちょっと驚きです。

ただし、いつも楽しみにしている近所の墓地の山藤は今年はまったくダメでした。神経質な株で、まったく咲かない年があるのです。かわりに足もとで菫が群れ咲いていました。

ヒナが孵る時期なので、燕のすがたもあちこちで見かけました。昨夜は青葉ずくの声を今年はじめてききました。「青葉ずく」とはよくも命名したもので、ほんとうに青葉とともにやってきます。こんな町中に残された狭い緑地で大丈夫なのかと思いましたが、去年ははっきりとステレオで啼いているのをきいたので、ペアリングできたようです。ウェブもないのに、ここに手つかずの緑地があるぞ、という情報がどうやって伝わるのでしょうかね。

青葉ずくが飛来した数年前、気になって調べたら、ホーホーと啼くのはずくの仲間で、梟ではない、ということを読んで、のけぞってしまいました。いつも同じことをいっていますが、なんでも調べてみるものです。

ことしは冬の終わりが二度あったみたいで、考えようによっては、一粒で二度おいしかったのかもしれません。いや、寒さを主体に考えれば、一粒で二度まずかったのかもしれませんが!

◆ フィーリクス・スラトキン ◆◆
今年二度目のいかにも春らしい陽気の日に合わせて、またしてもラウンジ・サンプラーをやってみます。

まずはフィーリクス・スラトキン。当家では過去に何度か取り上げています。本職は伝統音楽のヴァイオリニストで、そちらのほうの仕事としては、ハリウッド・ストリング・カルテットというのが有名なようです。あちらの世界では「弦楽四重奏団」とはいうのが慣例ですかね。

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コンダクトするフィーリクス・スラトキン。本業ではないのだが、スラトキンのコンダクトは本格的だったらしい。ネルソン・リドルはスラトキンにコンダクトを学んだという。彼の息子のレナードも指揮者だが、伝統音楽は守備範囲外なので、聴いたことはないし、評判も知らず。

で、あちらのことはよくわからないので、「こちら」の話としては、まずなによりも、20世紀フォックス音楽部のコンサート・マスターだった人で、昔のフォックス映画のどこかにかならずいたはずです。がしかし、そういうのはどれがどれやらわかりませんし、フランク・シナトラのコンサート・マスターやコンダクターとしての仕事も、つまるところ「他人の仕事」です。

わたしがこの人の名前を覚えたのは、The Fantastic Percussion of Felix Slatkin名義によるI Get a Kick Out of Youでのことでした。ティンパニーでI got a kick...out of youのところのメロディーをやってしまったのにはひっくり返りました。



このI Get a Kick Out of Youが収録されたアルバムのアレンジャーはボブ・トンプソンとわかって、こんどはトンプソンに注目して、少し集めてみたりもしましたが、今日はトンプソンのほうには入りこみません。

最近、The Fantastic Strings of Felix Slatkin名義のアルバム、Street Sceneを聴き、さすがは、と思いました。今日はまず、この「道」に関係のあるタイトルの曲ばかりを集めたアルバムから、「ブロードウェイの子守唄」Lullaby of Broadwayをサンプルにしました。

The Fantastic Strings of Felix Slatkin "Lullaby of Broadway"

途中、ストリングスが4分3連になる強引なアレンジにニヤニヤします。スラトキンのドラマーはシェリー・マンが多いのですが、このアルバム、というか、少なくともこのLullaby of Broadwayは彼ではないと思います。アール・パーマーでしょう。スネアのプレイにアールの特徴があります。リリースは61年、レーベルはリバティー、アール・パーマーがいても不思議はない状況、というか、この時期のリバティーは、アールがいなかったことのほうがめずらしいほどです。ドラマーが交代すると、同じアーティストの盤でも大きく手ざわりが変わるものです。

◆ ビリー・ミュア ◆◆
もうひとり、ついこのあいだ、はじめて聴いたNYのギタリストを数曲サンプルにしました。

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サンプル Billy Mure "Our Day Will Come"

ビリー・ミュアはセッション・ワークもあり、ボビー・ダーリンのSplish Splashやボビー・フリーマンのDo You Wanna Danceなどがミュアのプレイだと書いているところがありました。

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ハリウッドのトミー・テデスコやビリー・ストレンジ、あるいは同じNYでもアル・カイオラやトニー・モトーラのような洗練されたプレイではなく、うまいけれど、微妙にラフ・エッジの残存するところがこのプレイヤーの特徴と感じます。Our Day Will Comeが収録されたTeen Bossa Novaというアルバムはウェル・メイドで、ギター・イージー寄りのスタイルですが、初期のSupersonic Guitarsなどは、ギター・インスト・アルバムとしてはワイルドなサウンドです。

寄る年波、ワイルドなものにはあまり用がないので、さらに軟弱なトラックをふたつ。

サンプル Billy Mure "Days of Wine and Roses"

トレモロ・ピッキングのせいで、ちょっと50ギターズを連想してしまいます。いや、トミー・テデスコのような超高速の電光石火ランはやりませんが。

サンプル Billy Mure "Surfin' USA"

ちょっと珍が入っているところが面白いので、このSurfin' USAはそのつもりでお聴きください。50年代の微妙にワイルドだった時期ならぴったりだったかもしれませんが、このヴァージョンには、素材と解釈のズレの面白みがあります。
by songsf4s | 2010-05-01 00:00 | Instrumental