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佐藤勝・武満徹『狂った果実』および寺部頼幸「想い出」補足

今日はみなさんお花見でしょうか。わたしは家から出られず、調べものと書き物の一日。明日はできれば写真を撮ろうと思いますが、どうなりますやら。

一昨日、とんでもない強風のなか、所用で外出したついでに染井吉野と大島桜を撮りました。公園の段々になった水の流れが、強風で逆流しそうになったのには仰天しました。噴水は十メートル以上曲がって、まるで水撒き。

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日本国領土から、対岸の非日本国領土の桜を見る。こちらは八分咲きぐらいだったが、あちらはまだ三分から五分というところ。なにゆえに?

昔、サンフランシスコ・ジャイアンツのホームグラウンド、キャンドルスティック・パーク(ビートルズが最後にライヴでプレイしたのはどこか、というクイズの解答。ただし、アップルの屋上はのぞく)で、インフィールド・フライ、バッター・アウトが宣告された内野フライが、とんでもない強風に運ばれてスタンドに入ってしまったことがある、最終的な判断はどうなったか、というクイズがありました。50メートルぐらいは流されたのだから、すごいものです。たとえば、上がった瞬間はセカンド・フライに見えたものが、あれえ、ライト・フライだ、と思ったら、それがフェンスを越えちゃったというような状況で、そんな馬鹿な、です。

クイズの答えは「風の中に舞っている」です。The answer is blowin' in the wind.いや、まじめな話、忘れちゃいました。バッター・アウトは取り消せないでしょう。でも、ホームランはホームランだから、得点は入って(もちろん、走者もみな生還にして)、同時にアウト・カウントはひとつ増える、なんていう三方一両損みたいな案ではダメでしょうかね。どなたか、このクイズの正解をご存知の方いらっしゃいませんか?

◆ 大いなる錯誤 ◆◆
今日、某氏からいただいた、佐藤勝の歌ものを集めた『佐藤勝ソングブック』というアルバムを聴いていて、「あれ?」と思いました。最初に入っていたのが「狂った果実」だったのです。過去、何度かゴチャゴチャ書いているので、いちおう「狂った果実」という映画または曲について、くわしく書いた記事を列挙しておきます。

『狂った果実』その1
『狂った果実』その2
『狂った果実』その3
『狂った果実』その4
石原裕次郎「想い出」

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それで、『佐藤勝ソングブック』を聴いていて、この「狂った果実」は、映画に使われた石原裕次郎の歌「想い出」のほうではないかという気がしたのです。しかし、上記の記事「石原裕次郎『想い出』」に書いたように、そんなはずはないのです。

曲を取り違えたのだろうと、当ブログの「石原裕次郎『想い出』」を開き、「想い出」のサンプルをプレイしてみました。ところが、これも『佐藤勝ソングブック』収録の「狂った果実」と同一の曲でした。はて?

こうなったら、映画で確認するしかありません。『狂った果実』の問題のシーンを見てみました。

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あちゃあ。わたしの勘違いでした。どこで取り違えが起きたかというと、『東京流れ者』の枕に、YouTubeで「想い出」のクリップを見つけた、と書いたときにです。これは佐藤勝作曲の「狂った果実」のほうだったのに、映画に使われた曲のほうだと思いこんでクリップを貼りつけていたのです。

その結果、上記の訂正記事「石原裕次郎『想い出』」のときのサンプルも、「想い出」ではなく「狂った果実」のほうをアップしてしまったのです。いやはや。

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ともあれ、ミスを訂正できるのは幸運なことです。ほかにもいっぱい眠っているミスがあることを思うと、落ち着かない気分になりますが、所詮、人生はミスの連続、To err is human, to forgive devineと「自習英文典」にありました。

◆ オルタネート・ヴァージョン ◆◆
さて、「想い出」の高音質ヴァージョンがあればアップするのですが、結局、わが家にあるのはさまざまな「狂った果実」ばかりです。調べると、石原裕次郎の編集盤のなかには「想い出」を収めたものがあるようです。ということは、フル・ヴァースを歌ったヴァージョンがあるのでしょう。ちょっと聴いてみたい気もします。

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かわりに「狂った果実」のオルタネートをアップしました。アレンジ、楽器の選択はハズレのような気がしますが、石原裕次郎のヴォーカル・レンディションは悪くない、というか、こういうリヴァーブのかけ方もよろしいのではないかと思います。映画のなかの「現実音」「自然音」として使うには加工しすぎでしょうけれど。

サンプル 「狂った果実」(オルタネート)

以前の記事で、「想い出」のほうが「狂った果実」よりずっといいなんてことを書きましたが、いまになると、甲乙つけがたく感じます。佐藤勝のコード・チェンジもやはり面白いところがあります。まったく無定見なんだからもー>オレ。

◆ 紅の翼セカンド・フライト ◆◆
さらにオマケです。

本日のDEEPさんのコメントを拝見して、「紅の翼」(The High and the Mighty)のアクセス数アップのひとつの要因が判明しました。ほかにも要因があると思いますが、わからないことをあれこれ考えてもはじまらないので、追求しません。

前回、最初のときにはオミットしたカヴァーをアップするかもしれないと書きましたが、シャドウズ人気なのか、それとも「紅の翼」人気なのかを判断する材料として、ふたつのヴァージョンをアップしてみました。

サンプル Reloy Holmes "The High and the Mighty"
サンプル Victor Young "The High and the Mighty"

どちらも素直なカヴァーで、それゆえに『紅の翼』その2のときにはオミットしてしまいましたが、両ヴァージョンともおおいに魅力的です。

ヴィクター・ヤング盤はイントロがストリングス、ヴァースから口笛になるのに対し、リロイ・ホームズ盤は口笛で入り、ヴァースでストリングスに移行しています。他人の盤を気にしてアレンジするものでしょうかね?

わたしの好みは、リロイ・ホームズ(ルロイ・ホルムスなんていう、「ギョエテとは俺のことかとゲーテいい」みたいなカタカナ書きもある!)盤で、途中からホルンが入ってくるところです。



狂った果実 [DVD]
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武満徹全集 第3巻 映画音楽(1)
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ベスト・オブ・ビクター・ヤング
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by songsf4s | 2010-04-03 23:58 | 映画・TV音楽