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玉置宏没す

司会者の玉置宏氏が亡くなったそうです。享年七十六。まだいくらでもご活躍できた年齢で、じつに残念なことです。

歌謡番組の司会者として一世を風靡したのは、ある年代以上の方々には常識で、訃報もそちらのほうに重心のかかったものが多いようです。

いっぽうで、落語をはじめとする演芸に造詣が深く、そちらの方面でも活躍なさったので、氏が館長を務めた「横浜にぎわい座」の地元紙「神奈川新聞」の追悼記事は、そちらのほうに力点がおかれています。

もっとも詳細で、他紙が無視した事情にも言及しているのは、「日刊スポーツ」の「玉置宏さん死去、著作権問題でも心労」という記事です。わたしも、ほんとうの死因は、この記事がいうように「心労」だろうと思います。それだけに、無性に腹立たしく思います。

◆ 幼稚な放送局と大人の司会者 ◆◆
玉置宏氏が司会をつとめたNHK第1放送の「ラジオ名人寄席」は、わたしにとっては「最後に残ったラジオ番組」でした。ラジオをあまり聞かなくなってからも、この番組だけは毎回熱心に聴くだけでなく、最初はテープで、その後はPCで録音をしました。そういう落語、演芸ファンは日本中におおぜいいらっしゃることでしょう。「最後の孤塁」でした。

それが一昨年のいつだったか、突然、打ち切りになり、そのあとで、TBSが権利をもつ音源を無断で放送に使用したため、その責任をとったのだという記事を読みました。

もちろん、玉置宏氏に落ち度はあったのでしょう。でも、そんなおおごとにせずに、NHKとTBSのあいだで話し合い、内々に済ませることだってできたでしょうに、なんと幼稚で愚劣なトラブル処理だと、心底腹が立ちました。

TBSは玉置宏氏からの弁済金1300万円が必要なほど貧乏なのでしょうか? あれほど放送界に尽力した人に対して、放送局がそういう仕打ちをするとは、信じがたいことです。謝罪を求め、それですませるのが、まともな大人でしょう。

噺家がほんとうにいいのは還暦をすぎてからです。玉置宏氏の話芸も、やはり近年のほうが好ましいと思っていました。TBSの問題がなければ、もっとずっと長生きし、いよいよ味のある話で「ラジオ名人寄席」を楽しい番組にしてくださったでしょう。腹立ちは収まりませんが、多くの録音が残ったことで、良しとしましょう。ご冥福をお祈りします。
by songsf4s | 2010-02-13 23:47 | 追悼