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I Don't Want to Spoil the Party by the Beatles
タイトル
I Don't Want to Spoil the Party
アーティスト
The Beatles
ライター
John Lennon, Paul McCartney
収録アルバム
For Sale
リリース年
1964年
他のヴァージョン
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週刊朝日一件をチラチラ見ていて、こうなるということが天下に曝されただけでも、政権交代は意味があったな、と思いました。醜いはらわたがのぞける地割れでした。

なんて、いつになく天下国家のことを書くと、われながらひどく不似合い。おまえ、いま立っているのは奇蹟だ、明日にはまちがいなく死んでいる、といわれたら、何党もどこ党も検察も弁髪もイワシの頭も知ったことじゃありません。

じゃあ、なにを気にするでしょうね。いまならば、梅の咲きぐあい、ふきのとうが出ていないか、どうも妊娠の気配があるわが家の外猫のようす、メジロの飛来する数と頻度と鳴き声、なんていう、まわりの「自然」(「半自然」というべきか)のことじゃないでしょうか。

そういえば、このあいだ、リスがうちの柚子をもっていくところを目撃しました。餅は餅屋、わたしなんか、トゲに刺されてひいひいいいながら実を採りますが、リスはあの剣の山を舗装道路のようにするすると登っていき、しっかり実を叩き落とし(かじり落として)、降りて拾い直し、悠々と去っていきました。

思いましたね。あいつがわたしを怖がらなければ、どんどん下に落としてもらい、それを拾うという戦術をとれば、トゲに刺されることはなくなる、なんとか手なずける方法はないものか、とね。しかし、リスの上前をはねるようじゃ、人間も終わりだな、と考え直しました!

◆ For Sale:どうせ売りもの買い物、あたしゃしがない安女郎 ◆◆
今日もやるのかよ、と半信半疑で、三日目の「ライヴ更新」に突入です。またしても、テキトーにでっちあげた楽曲リストをコピーしておきます。

No Reply
I'll Get You
You're Gonna Lose That Girl
I'll Be Back
All I've Got to Do
Ask Me Why
I Should Have Known Better
Yes It Is
How Do You Do It
I Will
I Don't Want to Spoil the Party
What Goes On
If I Fell
You Won't See Me


繰り返しになりますが、順番には意味がありません。ランダムです。

For Saleはあまり評判のよくないアルバムで、「疲れた表情を見せるファブ4を捉えた陰鬱なジャケット」などと、外見にまでケチをつけた研究書を読んだことがあります(たしか、Tell Me Whyというタイトルで、悪くない本だった)。

しかし、そういうことというのは、見るほうの気分しだいでもあって、わたしは、あの望遠で撮った粒子の粗い写真が好きですし、受ける印象は「大人になったビートルズ」です。まあ、たしかに疲れてはいたでしょうけれどね。

きびしいスケデュールで、曲作りの時間をとれず、すべてレノン=マッカートニーの曲で埋め尽くされた前作A Hard Day's Nightから一転して、ロックンロール・カヴァーの多いアルバムになりました。しかし、それはしかたないでしょう。苦しいときはお互い様、って、カンケーないか。

◆ No Reply ◆◆
しかし、オリジナル曲は依然としてハイレベルなのです。そこがやはり奇蹟のソングライター・チーム、普通の尺度では測れません。なかでもとくに好きだったのはNo Reply。ひょっとして、エルヴィスのReturn to Senderがヒントだったりして。



もちろん、最大の理由はいつものようにジョンの声とヴォーカル・レンディションです。軽くキメたように聞こえますが、あとからAnthology収録の初期テイクを聴いて、やはり、仕上げるまでにいろいろ試みていることがわかりました。

最善のレンディションを見つけるジョン・レノンの能力はすごいものです。やはりAnthology収録のFor Saleのトラック、Mr. Moonlightの初期テイクでも、歌いだしでホールドした直後に、ポールが「いい線いってたじゃん」というのに対して、ジョンが「あとちょっとだったな」と答えているところがあります。

たしかに、九分通りうまくいったのですが、これでオーケイではないだろう、もっとうまく歌えるはずだ、と思わせるもので、こちらは岡目八目でそれがわかって当然ですが、ご当人がその場できっちり、あとちょっとだった、こんどは完璧に決めてやる、と思っていたのだから、嗚呼ジョン・レノン、とため息が漏れました。

No Replyも、最後はきっちりキメにいった、というみごとなヴォーカル・レンディションですし、声にも例によってたまらなく愛おしい魅力があります。

とりあえずここまででアップ。以下、本日も数パラグラフずつ五月雨式に追加していきます。

No Reply 初期テイク


前回のI'll Be Backとちがって、この曲ははじめから目的地はわかっていて、あとはいいテイクにむかってひた走るだけ、というパターンに聞こえます。なによりも、ジョンがキメられるかどうかに成否はかかっています。

まさに「ジョン&ポール」の時代の曲だと感じるのは、シャウト気味のI saw the lightやI nearly diedの部分です。ここで、例によってポールがリード/メロディーをtake overし、ジョンは下のハーモニーにまわっています。つまり、キーを下げないかぎり、ジョンが単独では歌えない曲だということです。いや、そういうネガティヴな言い方はやめましょう。「二人でいっしょに歌う」ことを前提として書かれた曲、というべきですね。

わたしはつねに、これがHelp!までのビートルズの本質だと思ってきました。だから、二人が別々に歌うようになってからのものでも、コール&レスポンスのようなからみ方でいいから、とにかく知らんぷりはしない曲を好んでいます。いや、まあ、その話はあとでゆっくり。

No Replyでもうひとつ魅力的なのはグルーヴです。とくに、二本のギターが裏拍にアクセントを置くリズムをつくっているのが、子どものころは、なんだかすごく大人っぽいサウンドに感じられましたし、いまでもこのアレンジはクレヴァーだと思います。

◆ I Don't Want to Spoil the Party ◆◆
友人がパティー・ペイジのテネシー・ワルツの78回転盤をもっているのですが、レーベルにはPatti Page with Patti Pageと書いてあります。ごくごく初期の多重録音なので、その点を強調したかったのでしょう。

その伝でいうとI Don't Want to Spoil the Partyは、「ジョン・レノン&ジョン・レノン・ウィズ・ザ・ビートルズ」というところでしょうか。ヴォーカル・デュエットはジョン・レノン自身によるオーヴァーダブ、うしろのウーアー・コーラスはポールとジョージでしょう。ただし、ミドル・エイトでは、ジョンが下のハーモニーにまわり、高いところにいくメロディーはポールが引き継ぐという、いつものスタイルになっています。



また聴き直していたら、どこがどういいというのがすごくむずかしく感じられてきて、タイプの手が止まってしまいました。

好きなのは、たとえば、

There's nothin' for me HERE

I wonder what went WRONG

といったあたりのジョンの声と歌い方です。いや、そういう言い方だと、どうも具合が悪いですな。ヴァース全体にジョンのヴォーカルの魅力が横溢していて、部分で捉えてみても仕方がないような気もします。

なんだか、まぶたが痙攣するし、頭はややボケ気味、タイピングはスロウダウンなので、今夜はこのへんにしておきます。
by songsf4s | 2010-02-03 23:53 | その他