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I'll Capture Your Heart by Singing by Bing Crosby & Fred Astaire(『スイング・ホテル』より その1)
タイトル
I'll Capture Your Heart by Singing
アーティスト
Bing Crosby, Fred Astaire and Virginia Dale
ライター
Irving Berlin
収録アルバム
Holiday Inn Original Soundtrack
リリース年
1942年
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このところ、毎日、タイトルが長いから削れといわれてばかりいます。そのため大幅に省略し、大事な情報をたくさん書き落としたので、以下にわたしが意図した正しいタイトルを書いておきます。

クリスマス映画3のA I'll Capture Your Heart by Singing by Bing Crosby, Fred Astaire and Virginia Dale(映画『スイング・ホテル』より その1)

エクサイトに思いきり嫌がらせをされましたが、気を取り直して、以下、本文。

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これまで比較的新しい映画を見てきたので、こんどは古典的クリスマス映画にしようと思案し、『スイング・ホテル』にしました。

いまや原題の「ホリデイ・イン」のほうがわかりやすいのですが、公開当時は、もちろん、ホテル・チェーンのホリデイ・インは知られていなかったし(この映画がヒントになってホテル・チェーンが生まれたのだから当然!)、そもそも「イン」といわれても、宿屋、居酒屋を連想する観客はほとんどいなかったのでしょう。

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それでやむをえず「ホテル」という言葉を織り込んで、ビング・クロスビーとフレッド・アステアの共演作にふさわしい単語をあれこれ考え、アステアのほうから『スウィング・タイム』を思いだし、『スイング・ホテル』というタイトルを捻り出したのだと想像します。出来の悪い邦題なので、そろそろ『ホリデイ・イン』と改題するべきです。ここでは原題のカタカナ書きで通します。

『ホリデイ・イン』は映画としての出来を云々する以前に、わたしの考えでは、三曲の有名なクリスマス・ソングが歌われたために、クリスマス映画の古典としてリストからはずすことができません(もう一曲、クリスマスとは関係のない有名曲の初出でもあるのだが、そのことは後述)。テーマ曲のHappy Holiday、Let's Start the New Year Right、そしてもちろん、White Christmasの三曲です。

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たまたま、今日、バックアップをHDDに書き戻した関係で、検索するとWhite Christmasは80種ほどがあふれてこぼれだし、おぼれそうになったので、今日はやめておくことにしました。一昨年のWhite Christmas その1White Christmas その2で委曲は尽くしたので、今年はどこかで軽く補足するだけにするつもりです。

◆ 「ソング&ダンス・マン」の人格分離 ◆◆
いちおうプロットを追います。『ホリデイ・イン』は典型的なバックステージもので、ビング・クロスビーは歌手、フレッド・アステアはダンサーと、そのままの役を演じます。

話はクリスマス・イヴのナイトクラブからはじまります。ビング・クロスビー、フレッド・アステア、双方の相方をつとめている女性が、二人のあいだにはさまっていたけれど、結局、アステアを選び、ビングを袖にする、ビングはこれを機会にコネティカットの山荘に引っ込み、現今いうところの「スロウ・ライフ」を送ることにしたと宣言する、というのが導入部。

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このビング・クロスビーとフレッド・アステアの「友情ある対立」をめぐって、ストーリーは展開することになります。フレッド・アステアの役は、悪人ではないものの、ビング・クロスビーの敵役なので、脚本はそれなりに配慮してはいるものの、損な役回りです。でも、『アステア・ザ・ダンサー』によると、仲のいいビングと共演できて楽しかったと回想しているそうです。

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この設定の妙味は、フレッド・アステアがしばしば演じた「ソング・アンド・ダンス・マン」の話ではなく、ソングとダンス、双方の第一人者の顔合わせなので、「ソング・マン」と「ダンス・マン」に役割が完全分離している点にあります。設定から考えて、主演はビング・クロスビーとフレッド・アステアしかない、となったのか、それとも、この顔合わせが先に決まって、それに添って書かれたのか。まあ、後者でしょうね。この二人でなければうまくいかない設定です。

もちろんミュージカル仕立てで、ビングは歌い、アステアはソング・アンド・ダンスの両方をやります。あまり目立たないようにと気を遣ったのでしょうが、アステアの歌だって、ビングほどではない、というだけで、十分に魅力的です。

I'll Capture Your Heart by Singing


最初のナンバー、ビング・クロスビー、フレッド・アステア、ヴァージニア・デイルの三人組ショウ芸人が演じるのは、"I'll Capture Your Heart by Singing"です。ビング・クロスビーのクルーニングとフレッド・アステアのタップを生かすための、バラッドとダンス・チューンを合体させたハイブリッド・アレンジが秀逸です。もちろん、楽曲の出来も上々。さすがはアーヴィング・バーリン、聴いたとたん、すぐに歌いたくなってしまいます。ファースト・ヴァースのhot toddyとdead bodyの押韻にはおおいに笑いました。

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◆ 年間15日 ◆◆
しかし、コネティカットの田舎に引っ込んだビング・クロスビーは、翌年のホリデイ・シーズンにいたり、一年のカントリー・ライフをかえりみて、かくてはならじ、商売をしようと決意し、(たぶん)ニューヨークのフレッド・アステアの楽屋を訪ねます。

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「ハイウェイの生活は一休み、農場でくつろぎの一時をどうぞ、ダンス、フロア・ショウ、家庭料理、休日のみ営業」といったことが書いてある。

というようなビラをわたし、休日にだけ営業するインを開きます。innは宿屋や居酒屋などの訳語をあてられますが、この「ホリデイ・イン」は二階があって宿泊できそうではあるものの、そういう様子はまったく描かれず、ナイトクラブのような営業形態です。つまり、飲食物とショウで客をもてなすのです。

この部分がアーヴィング・バーリンの原案のようで、年間15日の休日に合わせて、季節感のある曲をこのクラブを舞台に歌い、踊る、という趣向です。したがって、これまた純粋なクリスマス映画ではなく、クリスマスにはじまり、クリスマスに終わる、年中行事絵巻ミュージカルなのです。

トレイラー


以上のクリップでおわかりでしょうが、この映画からはEaster Paradeも生まれています。休日に合わせて楽曲を書くとなると、当然、イースターの歌も必要で、この曲の誕生となったのでしょう。

わたしは、曲を聴いた順というか、映画を見た順が逆だったので、以前は、Easter Paradeが、フレッド・アステアではなく、ビング・クロスビーの持ち歌とされている意味がよくわかっていませんでした! 初出は『ホリデイ・イン』のビング・クロスビー・ヴァージョン、のちにこの曲からフレッド・アステアとジュディー・ガーランドの『イースター・パレード』がつくられた、という順番です。

話はまだ前ふりぐらいのところなのですが、例によってまったく時間が足りず、あとは次回へとつづく、とさせていただきます。

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ホリデイ・イン OST(ホワイト・クリスマスOSTと2オン1)
Holiday Inn & White Christmas
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by songsf4s | 2009-12-04 23:31 | クリスマス・ソング