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Cindy, Cindy by Ricky Nelson (OST 『リオ・ブラボー』より その3)
タイトル
Cindy, Cindy
アーティスト
Ricky Nelson (OST)
ライター
traditional
収録アルバム
Rio Bravo
リリース年
1959年
他のヴァージョン
Elvis Presley
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2009年5月7日追記
Cindy, Cindyのパーソネルに関する補足を末尾に加えました。


この連休にはもう役立たないのですが、新聞で「観光客呆然、トンビにあぶらげ」という記事を読んだので、トビ対策をまた繰り返しておきます。

わたしは鳥類学者でもなんでもないので、散歩のときの観察で得た結果にすぎませんが、トビは視力がすぐれ、カラスほどではないにしても頭がよく、そして、カラスなど比較にならないほど高度な飛行技術をもっています。

トビはわれわれの死角である背後から来るので、壁を背負えば安心です。たとえば、鎌倉の海岸のように、道路の下にコンクリートの擁壁があるなら、これを背中にすれば確実に来襲を防げます。公園などで、生い茂った樹木を背後にするのも、同じ原理から有効です。ただし、なかには、オアフ島を襲う艦上爆撃機のように、背後の狭い進入路から襲いかかり、小さな脱出路から去っていくハイテクニック・エリート飛行家もいるので、ウィングスパンより大きな隙間がないほうが安心できます。

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不思議なのは、大人数でバーベキューをしていると、まったく無警戒なのに襲撃を受けないことです。人の多さが理由かと思ったのですが、どうやらそうではないようです。視線が四方に向かっていて、死角がないため、襲いにくいのだと思われます。この仮説にしたがって実験してみました。テーブルに向かわず、ベンチに食べ物を置き、二人で向かい合って食べてみたのです。つい警戒の視線をあげてしまうため、明白な結果は得られませんでしたが、偵察には来るものの、ついに来襲はありませんでした。「目が合ったら襲ってこない」という定理を立てても大丈夫でしょう。二人連れでも、お互いに向かい合うようにすると、来襲の確率をぐっと下げることができると思います。

鳶にあぶらげをさらわれれば、食べ物が無駄になるのと交換に、話の種を手に入れられますが、ときには嘴や蹴爪でケガをすることもあるので、やはり警戒したほうがいいでしょう。とくにお子さんがいらっしゃる場合は、要注意です。

◆ テーマ ◆◆
さて、本日は『リオ・ブラヴォー』の最終回です。順番が逆になってしまいましたが、ディミトリー・ティオムキンのスコアは、前回のEl Deguelloばかりでなく、テーマもよくできています。



いかにも50年代の西部劇らしく、スケール感があると同時にリリカルな曲で、こういう時代に育ったからなのでしょうが、西部劇のテーマというと、わたしはこのようなタイプのサウンドを思い浮かべます。こちらもまた、コーラスでマイナーに転調するところ(ヴァースはGではじまるが、ここはBmに行く)が、やはり哀愁路線寄りなのですが、ヴァースはオーソドクスな昔の西部劇の雰囲気を濃厚に漂わせています。

短く切られていますが、エンディングでは、このメロディーに歌詞をつけ、ディノが歌ったヴァージョンが流れます。こちらもわるくありませんが、マイナーにいくところは、歌よりもハーモニカのほうが深い哀調があります。ディノはソロで歌ったリメイクのMy Rifle, My Pony and Meと、この歌ありテーマのカップリングでシングルをリリースしたようです。

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このときはちゃんと「マーティン」と書いていたのに、どこで「マーチン」に化けたのか? 例によって、悪貨が良貨を駆逐したのだろう。

◆ Cindy, Cindy ◆◆
前々回にご紹介した、My Rifle, My Pony and Meを歌ったあと、こんどはリッキーがリードをとり、ディーン・マーティンとウォルター・ブレナンがハーモニーをつけて、もう一曲歌います。



ディーン・マーティンのMy Rifle, My Pony and Meに、スタジオでのリメイクがあったように、リッキーのこの曲にもリメイクがあります。しかも、二種類もあって、どういうことなのかと思います。この二種のリメイクのおもな違いはギター・ソロで、プレイヤーが異なっているように聞こえます。山勘ですが、ひとつはジェイムズ・バートン、もうひとつはそれ以外のギタリストによるものだと思います。さらに山勘をいうと、もうひとりのプレイヤーはジョー・メイフィスだろうと考えています。

sample

f0147840_2320217.jpgバートンのプレイはリックの盤ではあたりまえなので、メイフィスと思われるほうのヴァージョンをサンプルにしました。メイフィスは主としてモズライトのダブルネックを弾いていたようなので、このトラックがモズライトに聞こえるかどうかが、判断の手がかりになりそうです。はて、どうでしょうか?

ピアノはリック・ネルソンのセッションではしょっちゅう耳にしているスタイルなので、山勘のレベルを超えて、もうすこし確度の高い推測ができます。たぶんジーン・ガーフでしょう。

◆ エルヴィスのカヴァー ◆◆
Cindy Cindyはずいぶん昔のフォーク・ソングで、山ほどカヴァーがあるようですが、どういうわけか、わが家には一種類、エルヴィス・プレスリーのヴァージョンがあるだけです。

f0147840_23215424.jpg70年6月にナッシュヴィルのRCAで録音されたトラックで、ギターはジェイムズ・バートン、チップ・ヤング、チャーリー・ホッジーズの三人なので、リードは当然、バンド・マスターのバートンでしょう。耳で聴いてもバートン間違いなしのスタイル、サウンドです。ベースはノーバート・パトナム、ドラムはジェリー・カリガンというメンバーで、この時期のエルヴィスのドラマーとしてはロン・タットのほうが好みですが、カリガンもなかなか悪くないプレイをしています。

いままじめに三回聴いて思いましたが、このバートンのソロはなかなか楽しめます。エリック・クラプトンなんかが典型ですが、ギタリストというのは習慣の奴隷になりがちで、「指なり」の決まりきったソロをやってしまうものです。いや、ほかの楽器でも「指なり」というのはよくあると思いますが、どこへ行くか、はじめから予想がついてしまい、3小節ですでに「またかよ」とあくびが出ているのに、それが64小節もつづいて、リスナーが熟睡してしまうソロというのは、そういう「習慣」の産物です。

f0147840_23232193.jpg古来、インプロヴというのは、この「指なり」との不断の戦いなのですが、たいていの人間は凡庸な頭脳しかもちあわせていないので、人とはちがうことなどできないのです。かてて加えて、「好ましい」と「クリシェではない」を両立させるのはきわめて困難で、「風変わりでクリシェの幣は免れているが、下品で好ましくない」か、または「上品だけれどクリシェの塊で『あくび指南』の最適の稽古台」かのどちらかになりがちです。

ということで、このエルヴィス盤Cindy, Cindyのジェイムズ・バートンのソロは、トーンの作り方のうまさが目立つだけ、プレイとしては地味、という羊の皮をかぶっていますが、そのじつ、当たり前のところに行かないように、じつに注意深くラインをつくっていて、むむ、できるな、と唸らせるプレイです。しかし、OggをMP3に変換するのも面倒だし、どちらにしろ、それほど多くの方がご興味を持つわけではなく、Boxのスペースがもったいないしと、理由は山ほどあるので、サンプルはネグらせていただきます。エルヴィスなので、わたしがアップするまでもなく、そのへんにゴロゴロ落ちています。

次回は、『リオ・ブラヴォー』から連想する二本の映画のどちらかをいってみようと思っていますが、映画を見終わらなかったら、テレビのテーマにしようかとも考えています。

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2009年5月7日補足
コメント欄にあるように、Cindy, Cindyのパーソネルがわかりました。片方はバートンじゃないのではないかというわたしの当てずっぽうはハズレで、こちらもバートンのプレイだそうです。ピアノはジーン・ガーフという推測は当たりでしたが、これは当たって当然というぐらいの明白なプレイです。いやまあ、それをいうなら、ギターだって、バートンといっておくのが、この時期のリックに関しては当然なのですが、それでもギャンブルをやるところがわたしの無鉄砲な投機精神。そういう強引な推測が好きなのです。

面白いのは、ウォルター・ブレナンが参加したヴァージョンは、ハワード・ロバーツとビリー・ストレンジがギターだということです。ブレナンがいるということは、映画ヴァージョンだと思うのですが、サントラではアコースティック一本のように聞こえます。ひょっとしたら、映画ヴァージョンにも、映画には使われなかった別テイクがあるということかもしれません。いったい何種類録音したのやら。

それから、多数派のタイトルをそのまま採用して、Cindy, Cindyとしましたが、リックのヴァージョンは、コメントでいびやまさんがお書きのように、Cindyだけのようです。考えてみると、Cindy, Oh Cindyと混同しやすいので、Cindy, Cindyと繰り返さずに、Cindyひとつにするというタイトルのほうがいいかもしれません。
by songsf4s | 2009-05-05 23:50 | 映画・TV音楽