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〔雨の日に備えて〕 ジャズ・ヘイターのためのゲーリー・バートン=ラリー・コリエル入門の3
 
1968年、ゲーリー・バートン・カルテットは前年と同じラインアップで、2枚のアルバムをリリースしている。どちらもリリース日が判明しなかったのだが、ゲーリー・バートン・オフィシャル・サイトのディスコグラフィーによると、先にGary Burton Quartet In Concertがリリースされたらしい。

◆ マイケル・ギブス ◆◆
まずは、そのIn Concertのオープナー。拍手の入り方からすると、じっさいのライヴでも、この曲がオープナーだったのかもしれない。

The Gary Burton Quartet - Blue Comedy (HQ Audio)


バートン=コリエルの一作目DusterのオープナーBallet、同じ記事で扱った前作Lofty Fake AnagramのオープナーJune the 5, 1967、そしてこのBlue Comedyと、3曲いずれもマイケル・ギブス作。

当然、マイケル・ギブスとはどなたさんでありましょうか、と思う。

ゲーリー・バートンがバークリー音楽院に入ったのが1960年(たぶん十七歳)、その時、マイケル・ギブスはすでにバークリーの学生で、年齢もバートンの四つ上の先輩、バートンはギブスと同じくハーブ・ポメロイの指導を受けたそうで、云ってみれば、早坂文雄の薫陶を受けた佐藤勝と武満徹のような関係だった。

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マイケル・ギブス・コンダクティング

ハーブ・ポメロイとはどなたさん、なんて云うと、いよいよサブ・ルーティンのループに迷い込んで終わらなくなるし、そもそもわたし自身よく知らない時代に活躍した人なので、ごく簡略に。

ハーブ・ポメロイはトランペット・プレイヤーで、やはりバークリー音楽院出身、プレイヤーとしての実績も赫々たるものだったが、途中から理論のほうに転じ、母校の教授団に加わった。教え子の名前のリストはすごいことになっているが、そのあたりはご自分でお調べいただきたい。弟子の名前で先生の評価をするのは自分ではやりたくない。

理論家師匠と理論家兄弟弟子みたいな三人、兄弟子の曲を弟弟子が好んで演奏した、とまあ、そういう絵柄でご理解あれ。バートンものちにバークリー音楽院で教えるようになる。それも30年だかの教授生活。ミュージシャンと云うよりは教師だったというほうが適切なほどの長さだ。

Ballet、June the 5, 1967、そしてこのBlue Comedyと、いずれも好きな曲で、マイケル・ギブスはわたしの頭の中では好ましい作曲家に分類されている。

一枚だけマイケル・ギブスのアルバムを持っているが、これがなかなか魅力的、このシリーズのどこかでご紹介する。そのつもりですでにクリップのアップは完了している。

◆ Lines ◆◆
2曲目は飛ばして、つぎは3曲目。作者はラリー・コリエル。いかにもギター・プレイヤーが、ギターの特質を生かしつつ、自分も目立とうとした、といった雰囲気の曲である。

Gary Burton & Larry Coryell - Lines (1968 live version) HD


ギブソン・スーパー400なんて高いギターは弾いたことがないのでよくわからないが、ほうっておいてもこういう中音域が出てしまうものなのだろうか。このころのラリー・コリエルは、そもそも音の出からしてよかったなあと、死児の齢を数えてしまう。

ピアノの練習曲のようなところもあり、ビル・エヴァンスのピアノがインスピレーションになってヴァイブラフォーンをあのように弾く(つまり4本マレットでほとんどつねにコード・プレイをする)ようになったというバートンとしては、そこが気に入ったのか、後年も何度かライヴでプレイして盤に収録している。

◆ Walter L. ◆◆
つぎはゲーリー・バートン作。

The Gary Burton Quartet - Walter L. (HQ Audio)


生涯の代表作と云ってもいいだろう。自分でも何度もやっているし、他人のカヴァーもある。ほとんどモダン・クラシックになった。

カントリー好みのラリー・コリエルだが、ゲーリー・バートン・カルテットではあまりカントリー趣味を見せていない。この曲のイントロがコリエルのカントリー・テイストがストレートに出た唯一の例ではないだろうか。まあ、クワイアット・パートでのアンプラグド化コードも、カントリー・プレイヤー気分かもしれないが。

テーマの展開の仕方のせいか、ギターとヴァイブのデュオだからか、50年代のウェスト・コースト・ジャズのような味も感じるが、他のヴァージョンと比較してみると、それはこの組み合わせならではのことだったことが明らかになるので、つぎはその脇道へ。

◆ 別人のウォルター・L氏たち ◆◆
たぶん、であって、明言はできないのだが、Walter L.の初出はゲーリー・バートンが1966年にナッシュヴィルで録音したものだと思われる。

Gary Burton - 09 Walter L (HQ)


チャーリー・マコーイのハーモニカのイントロからして、もう予想を裏切るノリ、特徴的なメロディーだからアイデンティファイできるが、サウンド的にはまったく赤の他人である。

マコーイをはじめ、ケニー・バトリーやチェット・アトキンズやバディー・エモンズなど、ナッシュヴィル地付きのプレイヤーたちと、ロイ・ヘインズやスティーヴ・スワロウのような4ビート・ネイティヴなプレイヤーの混成部隊のプレイなのだが、結果として生まれた音もそういうハイ・ブリッドというか、鵺のような、というか、妙なアルバムの妙な曲である。

もう一種、こちらは1969年録音の他人のカヴァー。よりによってジム・ゴードンのリーダー・アルバムだが。

Jimmy Gordon & His Jazznpops Band - 06 Walter L (HQ)


明らかにライヴ・ヴァージョンではなく、オリジナルのTennessee Firebirdヴァージョンをベースにした、うしろに重心を置いた重いノリで、ライヴ・ヴァージョンの軽快で洗練された味はない。

ジム・ゴードンほどのプレイヤーにしては、サウンドのみならず、ドラミングも凡庸といわざるをえない出来だけれど、ヒット曲でもないのに、60年代にすでにカヴァーがあったということが、このWalter L.という曲の生命力をあらわしている。

デレク&ザ・ドミノーズの時にもジム・ゴードンにはソロ・アルバムの話があり、バンドメイトのボビー・ウィットロック同様、曲の準備をはじめていたが、結局、録音されることはなく、ジミーがつくった曲のひとつは、コーダとしてLaylaに組み込まれた。あのピアノ・コードも、ウィットロックではなく、ジム・ゴードンが弾いている。ま、有名な話だが。

この30年あまりずっと獄中にあるジム・ゴードンには、当然、金の使い途はほとんどないのだが、Laylaの印税が積み上がって、数字の上では非常に裕福なのだそうだ。これはあまり有名な話ではないかもしれない。

いや、そんなことより、A&Rのいいなりにドラムを叩いただけ、なんていう「リーダー・アルバム」ではなく、自分で曲も書いたLPをジム・ゴードンには残して欲しかった。



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Gary Burton Quartet in Concert: Live at Carnegie Recital Hall
カーネギー・ホール・コンサート


Gary Burton - Tennessee Firebird
テネシー・ファイアーバード
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by songsf4s | 2016-10-10 07:36 | 60年代
続The Best of Jim Gordon 02 ホール&オーツ、バートン・カミングス、インクレディブル・ボンゴ・バンド
 
なにか映画を取り上げようと思い、今日は市川崑の『幸福』を見ました。エド・マクベインの87分署シリーズ初期の秀作『クレアが死んでいる』にゆるやかに基づいた映画です。

いうまでもなく、面白ければ、今日の記事のタイトルは「市川崑監督『幸福』に描かれた87分署の刑事たち」なんてタイトルになっていたはずです。そうはならなかったということは、書くに足るほど面白くはなかったということです。

捜査の過程で、さまざまな家族の内実を見る、というのは87分署にかぎらず、ミステリーのよくあるパターンで、それがゾッとするような家であることも少なくありません。

だから、『幸福』に登場する狂った家族のことはいいのです。でも、それが主人公である水谷豊の家庭の事情と照らし合わされるのには、やりきれなくなりました。梅雨時に廃屋の地下室に閉じこめられたような映画で、救いは、刑事のひとり、谷啓の演技ぐらいでした。

まあ、『幸福』というタイトルがイヤで、いままで避けてきたのですが、直感は信じたほうがいいな、やっぱり、という出来でした。

市川崑の不幸は、なんといっても、夫人/脚本家の和田夏十の早すぎた死でしょう。後年の作品は、脚本の段階に戻って考え直してくださいな、とお願いしたくなるものが多く、相棒の脚本家と愛妻を同時に失うとはまたなんと不幸な、と思いました。

◆ ホール&オーツ ◆◆
ということで今日も音楽、またまたジム・ゴードンの登場です。幸い、上ものは入れ替え制、当然、音楽スタイルもどんどん変化していくので、またジム・ゴードンか、とうんざりはしないだろうと思います。

本日はまずホール&オーツ。ドラミング優先ではなく、上ものの都合を優先し、ヒット曲から入ります。1976年のアルバム、Bigger Than Both of Usから。

Hall & Oates - Rich Girl


時代の要請もだしがたく、さすがのジム・ゴードンも、70年代後半に入るとスネアのチューニングを低くします。残念無念。

したがって、あのキレのよいスネア・ワークは聴けなくなりますが、そういう悪条件に配慮すれば、このトラックもまた中の上ぐらいと感じます。すでに76年、見渡せばどこまでも茫々たる荒野、という時代ですから、そういう不幸な時代にあっては、得がたいグルーヴでした。

つぎは、Bigger Than Both of Usの前年、1975年にリリースされたエポニマス・タイトルのアルバムから。クリップがないので、サンプルを。

サンプル Daryl Hall & John Oates "(You Know) It Doesn't Matter Anymore"

上ものの出来はRich Girlよりこちらのほうが数段好ましく、ジム・ゴードンのプレイも、こちらのほうにより強い魅力を感じます。

ホール&オーツも、これくらいのところなら、聴いていてうんざりしないのですがねえ……。アップテンポも、バラッドも、イヤな味が舌に残るし、そのくせ肝心なところでは味が足りず、じつにバランスの悪いヴォーカル・レンディションばかりで、退屈な70年代を象徴するデュオでした。

いや、わたしはヴォーカルは箸でつまんで捨て、残ったトラックをおいしくいただける人間なので、気にせずにジム・ゴードンの話をつづけます。

同じアルバムから、こんどはシングル・ヒットを。

Hall & Oates - Sara Smile


ベタベタ粘つく気色の悪いバラッドで、60年代中期だったら、チャートインしなかったでしょうが、ジム・ゴードンはやるだけのことはやっています。

◆ バートン・カミングス ◆◆
残念ながら、口の中のねばねばを洗い流すのにもってこい、というような曲の用意はないのですが、こちらのほうがまだしもさっぱりしていると思います。

ゲス・フーのリード・シンガー、キーボード・プレイヤー、ソングライターだったバートン・カミングスのソロ・デビューから。

Burton Cummings - I'm Scared


冬の日の歌で、なにか怖ろしい体験をして、神にすがりたくなったといった話ですが、グッド・グルーヴによって内容の重さをうまく相殺しています。

◆ オマケはインクレディブル・ボンド・バンド ◆◆
まだホール&オーツのネバネバが舌に残っているので、なにか気分が明るくなるものはないかとHDDをひっくり返し(比喩なのだ!)ました。

冗談半分の企画もの、インクレディブル・ボンゴ・バンドはいかがでありましょうか。前にも取り上げましたが、IBBは全部かけてもOKなのです。

今日はおなじみの曲のアップデート・ヴァージョンです。前半はバックビートを叩いているだけですが、ジミー・ゴードンはエンディングにかけて豪快なヒットを連発します。

The Incredible Bongo Band - Wipeout


いつもそうですが、この曲でもフロア・タムがとんでもない鳴りで、わっはっは、です。

メンバーはよくわかりませんが、ギターのひとりはマイク・デイシーだそうで、この曲も彼のプレイでしょうか。

もう一曲いきましょう。このドアホ・ヒットをジム・ゴードンのドラムで聴くことになるとは思いませんでした!

Incredible Bongo Band - In a Gadda Da Vida


もともとパアな曲ですが、管でやると馬鹿っぽさがいっそう強調されて、笑いました。このコミック・アルバムにふさわしい選曲でありますなあ。

以上、やっぱり音楽は馬鹿でもアホでもまったくノー・プロブレムだけど、ベタベタしたりネチョネチョしたりグチョグチョしたりするのだけはやめようね、と思ったのでありました。


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ホール&オーツ(アルバムDaryl Hall & John Oates (1975)およびBigger Than Both Of Us (1976)の両者を含む)
Original Album Classics
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バートン・カミングス
Burton Cummings
Burton Cummings


インクレディブル・ボンゴ・バンド(CD)
ボンゴ・ロック
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インクレディブル・ボンゴ・バンド(MP3、Wipeoutを含む)
Bongo Rock
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by songsf4s | 2011-12-17 23:52 | ドラマー特集
続The Best of Jim Gordon 01 唯一のリーダー・アルバム、ジョージ・ハリソン、グレン・キャンベルなど
 
(サンプルのリンク、修正しました。陳謝)

「The Best of Jim Gordon補足」なんていうタイトルで、その後に聴いたジム・ゴードンのプレイを並べてきましたが、補足のほうが大きくなりそうな気配なので、今回からテイク・ナンバーをリセットし、ここからはリメイク・セッション、「続The Best of Jim Gordon」の、本日は第一回目とします。

◆ ジム・ゴードン唯一のソロ・アルバム ◆◆
ジム・ゴードンのソロ・アルバムというものがあるというのはどこかで読んだことがあったのですが、やっと現物を聴くことができました。

信じようと信じまいと、わたしは蒐集家ではないので、ブツの入手自体にはいたって不熱心です。たまたま遭遇すればよし、わざわざ探す気はないので、いままでほったらかしにしていましたが、じっさいに聴くと、このJimmy Gordon & His Jazznpops Bandの唯一のアルバムは、探すべきだったかもしれないと思いました。

そういってはなんですが、ハル・ブレインのソロよりずっと面白いと思います。時期のちがい、アレンジャーのちがい、というところでしょうが、全体のサウンドも面白いものがあるし、ジミーのプレイも申し分がありません。

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気持のいいグルーヴばかりで、どれをサンプルにしたものか迷い箸をしてしまいますが、ファイル・サイズも考えて、この曲にしてみました。

サンプル Jimmy Gordon & His Jazznpops Band "Flying Dutchman"

このジミー・ゴードン&ヒズ・ジャズポップス・バンドのHog Fatというアルバムは、ボブ・シールのフライング・ダッチマン・レコードからリリースされました。ジム・ゴードンはボブ・シールに気に入られたのか、このレーベルからリリースされたさまざまな盤でプレイしています。

ただし、フライング・ダッチマンのいろいろなセッションに参加した結果として、ソロ・アルバムが制作されることになった、という流れではありません。レーベルの発足直後に、ジミーのアルバムは録音されているのです。

どうであれ、この曲にFlying Dutchmanというタイトルがつけられたのは、レーベル名にちなんだのでしょう。インスト曲のタイトルはどうにでもなりますから。

アルバム・パーソネルは以下のごとし。

Jim Gordon - drums
Gary Coleman - percussion
Victor Feldman - percussion
Buddy Childers - trumpet
George Bohanon - trombone
Tom Scott - saxophone
Jim Horn - saxophone
Mike Melvoin - piano
Don Randi - piano
Jerry Scheff - bass
Don Peake - guitar
Louis Shelton - guitar
Dennis Budimir - guitar

ヴェテランはすくなく、1969年の時点における若手のプレイヤーたちが中心です。とくにギターのドン・ピークとルイス・シェルトンはこのころにハリウッドのスタジオでプレゼンスを強めていったといっていいでしょう。ただし、さすがにうまい、と思ったのはピアノですけれどね。

他のフライング・ダッチマン・レコードのリリースにも、興味深いものは数多くあるのですが、それは他日のこととします。

◆ ジョージ・ハリソンのWhat Is Lifeからジョージ・ハリソンをマイナスすれば ◆◆
つぎのクリップに行く前に、話の順序として、まずこれを。おなじみの曲です。

George Harrison - What Is Life


これを分解して、ジム・ゴードンのトラックだけを強調したミックスにしたクリップがありました。

George Harrison - What is Life (drums track)


いやはや、なんとも、すげえな、です。フロア・タムがこんなことになっているとは、いまのいままで知りませんでした。うまい人はなんでもうまいのですが、それにしてもジミーのフロア・タムはすごいものです。

こういうぐあいに、聴きたいものをなんでもかんでも分離して聴ける時代が来てくれないものでしょうか。その気になれば、こんなことは簡単なんですがねえ。CDはやめにして、固体素子メモリーで売ればいいだけです。いや、オンラインだってかまいませんが。好きな曲をみな分解して聴きたくなりました。感動的なプレイ。

◆ グレン・キャンベルとジミー・ウェブ ◆◆
グレン・キャンベルの初期のヒット(といっても、それ以前にすでに長いソロ・キャリアがあるのだが。「ヒットが出るようになったころ」と言い換えてもいい)でドラムを叩いたのは、スタジオの同僚、ハル・ブレインではなく、意外にもジム・ゴードンでした。

以前のThe Best of Jim Gordonには、そのなかから、Wichita Linemanを入れておきましたが、もうひとつの代表作であるこの曲もジミーのプレイでした。

Glen Campbell - By the Time I Get to Phoenix


ベースはキャロル・ケイ。この曲でもジミー・ウェブがピアノを弾いたのかもしれません。Wichita Lineman同様、アル・ディローリーの、空間を生かした控えめなサウンド・メイキングがいまも光芒を放っています。

グレン・キャンベルにとって、ブレイクスルーを助けてくれたジミー・ウェブは非常に重要なソングライターだったはずですが、70年代には他のソングライターの曲ばかりになっていきます。

そして、なにがきっかけになったのか、ふたたびジミー・ウェブの曲を歌ったアルバムReunion: The Songs Of Jimmy Webbが74年にリリースされました。

ヒット曲は生まれませんでしたが、いま聴けば、非常によくできたアルバムです。時代に合わせたのか、ドラム・ビートも以前より強調されていて、その面でもおおいに楽しめます。

ただし、問題があります。ドラムは二人クレジットされていて、もうひとりのドラマーはハル・ブレインなのです。

長いあいだ、Wichita Linemanはハル・ブレインのプレイと思いこんでいた人間としては、これは鬼門だなあ、と思うのですが、でも、非常に好ましいプレイなので、もったいないから、誤認の可能性のあることを承知のうえでクリップを貼りつけます。

Wishing Now - Glen Campbell


いや、さすがはジミー・ウェブという曲だし、ギターもいいし(もちろんグレン自身のプレイだろう)、ドラムもグッド・フィーリンで、文句のないトラックです。

エンディングのあたりを注意深く聴いてみて、やはりジミーと判断していいだろうと思いました。ハイ・ピッチの追加タムのサウンドがジミーのものに聞こえます。

出来はわるくないのに、あまり知られていないアルバムなので、もう一曲いきます。

Glen Campbell - Ocean In His Eyes


これはイントロを聴いた瞬間、ジミーだと思いました。スネアがいかにもジム・ゴードンらしいサウンドで鳴っています。とはいえ、この世にだれか、ハル・ブレインそっくりのサウンドがつくれるプレイヤーがいるとしたら、ジム・ゴードンただひとりというぐらいで、つねにミスの可能性はあるのですが!

アルバム・クレジットをコピーしておきます。

Glen Campbell - guitar, vocals
Jimmy Webb - piano
Hal Blaine - drums
Jim Gordon - drums
Joe Osborn - bass
Dean Parks - guitar
Buddy Emmons - pedal steel guitar
Larry Knechtel - keyboards

やはり70年代だなあ、と思います。かつてグレン・キャンベルの相方はビリー・ストレンジだったりしたのですが、ここではディーン・パークスです。

いや、ディーン・パークスもいいプレイヤーです。グレンと二人で、このアルバムではなかなか楽しいアコースティック・ギター・サウンドをつくっています。


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ジョージ・ハリソン
All Things Must Pass (30th Ann) (Dig)
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グレン・キャンベル
Reunion: Songs of Jimmy Webb
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by songsf4s | 2011-12-15 23:56 | ドラマー特集
now listening ジュディー・コリンズ Cook with HoneyとSomeday Soon
 
先日、「お嬢さん、失礼ですが、お名前は?――スターの向こうのガール・シンガーたち」という記事で、ハウディー・ムーンの、というか、ヴァレリー・カーターのCook with Honeyを貼りつけたとき、ジュディー・コリンズのヴァージョンもあったはずなのに、と思ったのですが、クリップが見あたりませんでした。

ではやむをえない、自分のを聴こう(落語「しわい屋」シテュエイション!)と思ったのですが、ファイルを発見できず、ついにその日は聴けませんでした。やっと見つけだしたので、本日はまず、そのジュディー・コリンズ盤Cook with Honeyから。

サンプル Judy Collins "Cook with Honey"

うろ覚えですが、たしか、ヴァレリー・カーターはこのヴァージョンでバックグラウンドを歌ったのだと思います。

しかし、ヴァレリー・カーター/ハウディー・ムーンのセルフ・カヴァーにくらべると、こちらは軽いというか、緊張がないというか、ハウディー・ムーンから逆算すると、ちょっと物足りない出来に感じます。

いや、楽曲というのは、はじめのうちはどうアレンジするのが適切か、見えない場合があるので、ジュディー・コリンズ盤ができたおかげで、ヴァレリー・カーターはやりやすくなったのかもしれません。

このブログのごくごく最初のほうで取り上げましたが、ジュディー・コリンズといえば、まずこの曲が指折られるでしょう。

Judy Collins - Both Sides Now


これまた、ジョニ・ミッチェルのセルフ・カヴァーにくらべると、軽いポップな仕上がりで、偶然なのか、そういう傾向があるのか、どちらなのだろうと首を傾げます。こちらについては、ジュディー・コリンズ盤には相応のよさがあり、いっぽうでジョニ・ミッチェル盤にもやはりおおいなる美点がある、と考えています。

Both Side Nowも好きでしたが、昔いちばん好きだったのはこちらの曲。

Someday Soon - Judy Collins


久しぶりに聴いて、なんだか溜息が出ました。ジュディー・コリンズもけっこうなのですが、バンドが、控えめなのに、実力おおありムードで迫ってきて、なんだよ、だれなんだよ、と驚きました。

すごくてあたりまえのメンバーでした。ドラムはわが愛するジム・ゴードン、ペダル・スティールはバディー・エモンズ、ベースはクリス・エスリッジ、ギターはジェイムズ・バートンとアルバムにはクレジットされています。これでは悪いサウンドなんかつくりたくてもつくれません。いやはや、名手がやると、軽く流しても、うまさがにじみ出てしまうなあ、と呆れました。

もう一曲、昔から好きなのがあります。いい音のものはないので、このアナログ起こしを。やはりジョニ・ミッチェルの曲です。

Judy Collins - Michael from Mountains


わたし自身は宗教的なものは、それだけの理由で十分に嫌いなのですが、日本ではいつのまにか、ジュディー・コリンズの代表作はつぎの曲になってしまったようです。

Judy Collins - Amazing Grace


なんか、うそっくせえー、と思います、偽善の悪臭紛々たる仕上がりでしょうに。こういう面が嫌いで、この人を聴かなくなったのですが、正しい選択だったと、いま聴いて改めて納得しました。

最後に、ジュディー・コリンズに捧ぐラヴ・ソング。この人も、当時はいろいろあったでしょうが、あとで、Amazing Graceが似合うような歌手はやめにしてよかったと思ったのではないでしょうかねえ!

Crosby, Stills & Nash - Suite: Judy Blue Eyes


ウッドストック・ヴァージョンもそれなりに印象的でしたが、スティーヴ・スティルズのベースが入っている、ダラス・テイラーのドラムが入っているという理由で、わたしはこちらのほうが好きです。

しかし、スティルズのアコースティック(この曲では左チャンネルにおかれている)というのは、どうしてこういう音になってしまうのでしょうか。昔も首を傾げ、いまもまた首を傾げました。

以前にも書いたと思いますが、スティーヴ・スティルズのベースもラインの取り方が独特で、それなりに好きでした。ジュディー・コリンズやジョニ・ミッチェルの曲でもベースをプレイしていましたが、どの曲だったか。あ、思いだしました。

いつもそうですが、では、「最後の曲」をもうひとつ!

Joni Mitchell - Carey


なんのことはない、以前、この曲のことを記事(Carey by Joni Mitchell)にしたことがあり、そのときにベースにもふれました。ボケ老人への道を着実に歩んでいるようです!


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ジュディー・コリンズ
the very best of judy collins
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ジュディー・コリンズ(5パック)
5CD ORIGINAL ALBUM SERIES BOX SET
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ジョニ・ミッチェル
Blue (Dlx) (Mlps)
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クロスビー・スティルズ&ナッシュ
Crosby Stills & Nash
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by songsf4s | 2011-11-27 23:57 | その他
The Best of Jim Gordon補足8 Gabor Szabo、バッファロー・スプリングフィールド、トム・スコット
 
今日はすでに笑ってしまうほどわずかな時間しか残っていないので、ちょっとジム・ゴードンの曲を聴くことにします。

もうまもなくシンデレラ・タイム、迷い箸をしている余裕はないので、1967年のアルバムに限定しました。

まず、おう、これもそうだったかと、ディスコグラフィーを見て思いだした曲から。たしか、ライノから出たボックス・セットにジム・ゴードンのクレジットがあったと思いますが、記憶曖昧なり。

調べずに書きますが、オーケストレーションはジャック・ニーチーだったと思います。それでフィル・スペクター風の音になったのか、はたまたゴールド・スター録音だったのか、悩んでいる暇はないので、さあ聴いた!

The Buffalo Springfield - Expecting to Fly


はじめて聴いたとき(日本ではリリースがおそろしく遅れ、はっぴいえんどよりあとで聴いたと思う。いや、つまり、はっぴいえんどのデビュー盤の献辞にバッファローの名前があるのを読んだあとで、バッファローの盤がパイオニアから遅れてリリースされ、それ、というので買った、という記憶なのだ)、これはすげえサウンドだ、と思いましたが、いま聴いても、さすがはジャック・ニーチー、と思います(いや、ニーチーじゃなかった場合、すごくバツの悪いことになるがwww)。

ジム・ゴードンのプレイについては、やはり「プリンス」といわれただけのことはあると感服します。アール・パーマーやハル・ブレインといった「キング」たちが、フィル・スペクターのセッションで見せた、「大きなドラミング」をジミーもやっています。

つづいて、Gabor Szaboとカリフォルニア・ドリーマーズ。ガボール・ザボって発音はないのですが、適切と思われる音訳をすると(そもそもハンガリー人は、姓、名の順だから、逆転しなければいけないし)、だれのことかわからなくなるので、原綴許されよ。

Gabor Szabo & The California Dreamers - White Rabbit

この盤を買ったときは、ジャズ系のエンジニアはドラムの録り方を知らないなあ、と呆れました。いや、正確にいえば、ドラムを強調したバランシングと、スネア・ドラムをシャープに鳴らすのがうまくない、という意味ですが。ジム・ゴードンが下手に聞こえたので驚きましたよ。

でも、まあ、その印象の半分は、このアルバムでちょっと叩いているジョン・グェランのトラックをジミーなのかと勘違いしたせいでもあるのですが。聴いてみます? 下手だから、頭を聴けば十分です。それだけで、このドラマー駄目だ、と結論が出せます。

Gabor Szabo & The California Dreamers - A Day in the Life


この三連! ドラムがあとから入っていく場合、最初のフィルインをカッコよく聴かせられないようでは、そのドラマーは望みはありません。舞台中央でおもいきりみえを切る場面なのに、そこでコケてどうするんですか。

ハル・ブレインやジム・ゴードンなら、そういう場面で、はずしてしまうようなトンマは絶対にしません。そこがホンモノとニセモノの決定的な違いです。

同じインパルスの、初期ジャズ・ロック・シリーズ、とでも名づけたくなる一連のアルバムでも、トム・スコットのほうが、いくぶんかましなサウンドでした。

と思ったのですが、ユーチューブにはこのアルバムのつまらない曲か、ひどい音のしかなくて、立ち往生してしまいました。しかたないので、すでにThe Best of Jim Gordonに入れた曲だし、音はよくないのですが、このトラックを。

Tom Scott with the California Dreamers - Blues For Hari


やっぱり、スネアの音がきちんと録れていなくて、タコなエンジニアです。これじゃあ、ドラマーが泣きますよ。

音質がよくなると、少しマシになるので、サンプルをアップしました。

サンプル Tom Scott "Honeysuckle Breeze"

なんだかあわただしいのですが、もうギリギリ、あと数分しかないので、これにて本日は幕。


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バッファロー・スプリングフィールド
アゲイン
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トム・スコット
HONEYSUCKLE BREEZE
HONEYSUCKLE BREEZE
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by songsf4s | 2011-11-25 23:58 | ドラマー特集
The Best of Jim Gordon補足7 E.C. was NOT there again
 
k_guncontrolさんのコメントを拝見して、すこしトム・ダウドが卓についたものを聴いていました。

アリサ・フランクリンのLady Soul、オーティス・レディングのOtis Blue、k_guncontrolさんがあげられたダウドのものは、どちらもいい盤で、とりわけ前者はロジャー・ホーキンズとジーン・クリスマンのドラミングが印象的です。

しかし、フェイム・スタジオやアメリカン・サウンド・スタジオというのは、それ自体が独立した特殊な世界(たしかトム・ダウドは、フェイムの機材に愕然としたということを書いていた記憶あり)で、なかなか他と比較するのはむずかしいと感じます。

アメリカン・サウンドで、ダウドがエンジニアリングではなくプロデュースをしたハービー・マンのヒット・アルバムから。ドラムはジーン・クリスマン。

Herbie Mann - Memphis Underground


ガキのころからこれが好きでしてね。ドラムというのは、ちゃんと録らないとカッコよく聞こえないのだから、だれがエンジニアにせよ、いい録音なのだと思います。

こちらはエンジニアリングもダウドなのだと思います。まだヤング・ラスカルズといっていた時期のヒット・シングル。

The Young Rascals - A Girl Like You


アリサ・フランクリンもいきましょう。いちばん有名な曲。ドラムはロジャー・ホーキンズ。

Aretha Franklin - Chain Of Fools


たしかに血沸き肉踊ります。ただ、わたしには、それがエンジニアリングの力なのか、フェイム・スタジオ本来の鳴りなのか、そのあたりがどうもよくわかりません。

まあ、考えてみると、ハリウッドの場合も、スタジオとエンジニアを混同しているのかも知れません。

わたしがもっとも好きなエンジニアはリー・ハーシュバーグです。

ユーチューブのクリップでどこまで伝わるか不安ですが、ハーシュバーグの代表作を。ドラムはもちろんハル・ブレイン、彼にとっても代表作のひとつ。ベースはキャロル・ケイ。

Harpers Bizarre - Anything Goes


はじめて聴いたとき、スティック・トゥ・スティック・プレイに目を丸くし、ハーパーズのドラマーってビッグバンド出身かよ、と感心しちゃいました。ものを知らないと安心して音楽が聴けますw

いや、録音の話。こういう立体感を追求したオーケストラのステレオ録音と、ドラム、ベースの太さを親柱としたR&B的音作りというのは、同じ平面で比較してもあまり意味がなさそうです。わたしはコンボの録音に対するセンスが鈍いような気がしてきました。

本日は、トム・ダウドがプロデュースした、デレク&ザ・ドミノーズの唯一のスタジオ録音アルバム、Layla and Other Assorted Love Songsです。って、ほとんど時間切れになってからこんなこといってどうするのか、ですが。

ということで、遠回りはせずに、まっすぐに行きます。

当時の印象としては、とくにすごくはないけれど、そこそこは聴けるアルバム、というところでした。ジム・ゴードンのプレイについても、まだ惚れ込むにはいたっていませんが、うまいなあ、と思いました。

Derek & The Dominos - Keep on Growing


というように、前のアルバム、いや、クラプトンのソロ・デビューとはまったくちがう、ジム・ゴードンらしさが出たプレイです。なぜ、ソロではこのプレイができなかったのか不思議です。

ドラムの録音は、よくもないけれど、ひどくもない、といったところでしょうか。いや、わたしはちゃんと盤(というかFlacだが)を聴いて書いていますよ。ユーチューブのクリップを聴いてあれこれいっているわけじゃありません。

もう一曲。

Derek & the Dominos - Little Wing


Why Does Love Got to Be So SadやLaylaなどにもいえるのですが、こういうトラックを聴くと、このアルバムの好ましからざる側面が明らかになります。

なんで、ギターの音がこうごちゃごちゃしてるの、なんか誤魔化したいのかよ、という不満です。

それと、ドゥエイン・オールマンのあつかいはこれでいいのか、ということも感じます。これではゲストじゃなくて、下男でしょうに。ゲストなら、もっと丁重なミキシングをします。このあたりの偉ぶり方には反感を抱きます。

というか、ウィンウッドのときと同じで、オールマンにもショックを受けてしまい、だれのプレイだかわからないように、麻雀牌みたいに混ぜてしまったのかも知れません。

まあ、ジミーといっしょにラリパッパしていただけで、なにがなんだかわかっていなかったのだろうと、好意的に(呵呵)解釈しておきます。

で、結局、このアルバムでいちばんいいと思ったのは、じつはこの曲でした。もちろん、クラプトンへの嫌がらせで貼りつけるのだから、そのへんを誤解しないでいただきたいと思いますが。

Derek & the Dominos - Thorn Tree in the Garden


クラプトンがいないので、ほんとうに清々しいサウンドです(いや、歌っていない、というだけで、右チャンネルのギターはクラプトンだろう)。この曲が好きだったので、のちにボビー・ウィットロックのソロを見たとき、即座に買いました。

Bobby Whitlock - A Game Called Love


もう一曲、ボビー・ウィットロックのデビュー盤から。こちらはジム・ゴードンの凄絶なドラミングつき。以前のThe Best of Jim Gordonに入れました。

Bobby Whitlock - Song for Paula


いや、話を戻します。

Laylaというアルバムは、じつにごちゃごちゃとスッキリしない代物です。いっそ、クラプトン抜き、ボビー・ウィットロックをフロントに立て、ドゥエイン・オールマンのギターだけでつくったら、いいアルバムになったかも知れない、と思います。ジム・ゴードンのドラムにカール・レイドルのベースなんだから、悪い盤をつくるほうがむずかしいくらいです。

上記のKeep on Growingを聴いても、Little Wingを聴いても、ボビー・ウィットロックが入ってくると、おお、いいな、と思います。ジム・ゴードンもするどいビートで攻め込みます。

これで文句を言ったらバチが当たるというものですが、音がごたつくなあ、とやはり不満を感じます。結局、はっきりいって、ひとり多いのです。

いらない人を削れば、いい盤になったかも知れませんが、いらないのは、削ってはいけない看板の人だったから、秀作になり損ね、まあ、ジミーのプレイでも聴くか、というアルバムに留まってしまったのでした。

ドミノーズにはもうひとつ、当時リリースされたアルバムがあるのですが、そこまでやるかどうかは、明日になってから考えます。


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エリック・クラプトン
Eric Clapton: Deluxe Edition
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デレク&ザ・ドミノーズ(デラックス版2枚組)
Layla & Other Assorted Love Songs
Layla & Other Assorted Love Songs


デレク&ザ・ドミノーズ(セッションズ拡大版3枚組)
The Layla Sessions : 20th Anniversary Edition
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アリサ・フランクリン
レディ・ソウル+4
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ハービー・マン
Memphis Underground
Memphis Underground


(ヤング・)ラスカルズ
Groovin
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ハーパーズ・ビザール
Feelin Groovy: Best of Featuring 59th St Bridge So
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by songsf4s | 2011-11-20 23:59 | ドラマー特集
The Best of Jim Gordon補足6 E.C. was NOT there
  
今日こそはPet Soundsのゴールを目指そう、などと思っていたのですが、昨夜の k_guncontrol さんのコメントにお答えしようとしているうちに考えが変わりました。

Pet Soundsはまた棚上げ、ジム・ゴードンがプレイしたエリック・クラプトンのエポニマス・タイトルド・ソロ・デビューをやります。

まず、k_guncontrol さんのコメントをコピーしておきます。三つのパラグラフがありますが、本日検討するのは第一パラグラフのみ。

「Delaney and Bonnieのアルバム、特に "On Tour" で強烈な躍動感が聞けますが、同じ様なメンバー構成のEC某のファースト・ソロは何故あれほど躍動感に乏しい凡作なのか、ということが昔から今日まで一貫して不思議です。楽曲が不出来ということは無いと思うのですが」

f0147840_23554791.jpg

先にお断りしておきます。エリック・クラプトンについてわたしが感じるのは、不快感と憐憫の混合物です。不快感はギターについて、憐憫は歌について。

これほど歌えない人が、ギターを弾く仕事のついでに歌うようになったのは、ご本人にとってはじつに、そしてリスナーにはそれに倍する不幸だったと思います。

ということで、前の段落でファンにはお帰りいただけたでしょうから、ここから先はリラックスして「うちうち」の話を書きます。まあ、できるだけ偏見と侮蔑と不快感を捨て、冷静に書くつもりですけれどね。

わたしがクラプトンの関係した盤を聴く理由は二つ。ブラインド・フェイスにはスティーヴ・ウィンウッドがいた、ソロ・デビューとドミノーズ時代にはジム・ゴードンがいた、です。

まあ、最近は寄る年波、ひどく寛容になってきて、中三のとき、クリームのOutside Woman Bluesを聴いて、Sunshine of Your Loveはダサダサだけど、こっちは悪くないじゃん、と思ったことを書いておきます。

Cream - Outside Woman Blues


ありゃ? 記憶のなかでは悪くないんですが、現物はやっぱりダサダサじゃないですか。クラプトンもひどいけれど、ドタンバタン暴れているだけのドラムのひどさはその数段上をいっています。

まあ、中三の小僧が、Sunshine of Your Loveよりはマシじゃん、といったにすぎず、たいしたことじゃないので、ご放念あれ。I Feel Freeもそこそこじゃないかと思ったのですが、もうやめておきましょう。

ブラインド・フェイスは軽い失望でした。スティーヴ・ウィンウッドはまずまずなのですが、トラフィックのときのように、隅々までウィンウッド的なもので満たされていたわけではありませんでした。

クラプトンのほうは、天才少年と同じバンドでやってみたら、かつてのクラブでのジャムの子どもっぽいライヴァルではなく、とほうもないシンガーが出現していたことに気づき、すっかり萎縮してしまったため、バンドのダイナミズムというものが生まれませんでした。ジム・カパーディーやデイヴ・メイソンのような図太さはなかった、繊細で小心な人間なのだ、と褒めておきましょうかね。

かくしてウィンウッドはひとりになり、John Barleycornという、地味ながら、大人への道を歩みはじめたことを示す、チャーミングなアルバムをつくり、クラプトンはウィンウッド・ショックと道ならぬ恋にさいなまれて、ディレイニー&ボニーのたんなる雇われギタリストになることに心の平安を見出します。

以上、講釈師の見てきたような嘘っぱちでした。ここからが本題。

最初のソロ・アルバムを聴く前に、まずラジオからこの曲が流れてきました。

Eric Clapton - After Midnight


悪くないと感じました。いま聴いても、これだ、なんて叫んだりはしませんが、そこそこの出来だと思います。

リズム・セクションは、ピアノがリオン・ラッセルであることをのぞけば、デレク&ドミノーズと同じ、ジム・ゴードン、カール・レイドル、ボビー・ウィットロック(オルガン)です。しかし、ホーンやコーラスのせいもあって、ドミノーズとはずいぶん距離のあるサウンドになっています。

いちおう、J・J・ケイルのオリジナルを置きます。大人としては「悪くない」と思いますが、子どものときに聴いたら、あまり面白いとは思わなかったでしょう。

J.J. Cale - After Midnight


そのあと、アルバムを聴きました。ハイスクールの寮で、後輩が買ってきたのをざっと聴いただけだから、通り一遍の印象ですが、面白くないな、と思いました。

これはシングルになったのだったか、そのソロ・デビューから一曲。

Eric Clapton - Let It Rain


こちらは、管もなければコーラスもなし、ドミノーズに近いノーマルなコンボです。しかも、曲も、ドミノーズのレパートリーとして、やがて何度もプレイされ、In Concertでは、ジム・ゴードンが圧倒的なプレイをすることになります。

しかし、このスタジオ・ヴァージョンにはなにかが足りません。ドゥエイン・オールマンだ、というご意見には、相応の正当性を認めつつ、それはここでは除外します。

簡単にいえば、足りないのはジム・ゴードンです。まったくの別人のように聞こえます。それはなぜなのか? そこがよくわかりません。

人間だから、好不調というのはあるでしょう。ジミーもまだ、未熟なところがあった、ともいえるかもしれません。しかし、すでにすごいプレイをした盤がいくつかあり、まさに才能が輝きはじめた時期です。

ジム・ゴードンの特徴は軽快さです。アール・パーマー、ハル・ブレイン、ジム・ケルトナーといった、ハリウッドの同時代のドラマーに比較して、もっとも軽快なサウンドをもっていました。

それが、Let It Rainや、このアルバムに収録された他の多くの曲では、ひどく鈍重に聞こえます。だるいビートです。

これがいちばんましなビートでしょうか。

Eric Clapton - Bottle Of Red Wine


Eric Claptonというアルバムは、録音場所がよくわかりません。二枚組デラックス盤には、LAはヴィレッジ・レコーダー、ロンドンはアイランドとオリンピック・サウンドの二カ所となっていて、どのトラックがどこというクレジットはありません。

エンジニアは、スタジオとは関係なく、ビル・ハルヴァーソンひとりがクレジットされています。プロデュースとアレンジはディレイニー・ブラムレット。

ボーナスとして収録されたトラックはいずれもハリウッドで、A&Mとサンセットがクレジットされています。

そのボーナスから、キング・カーティスとの共演をいってみます。カーティスのアルバムに収録されたものです。ボビー・ウィットロックのいないドミノーズに、ディレイニー・ブラムレットがリズム・ギターで入った形で、録音はLAのサンセット・サウンド。

King Curtis - Teasin'


やはり、ジム・ゴードンのベストに入れるような出来ではありませんが、すくなくともLet It Rainよりは上出来です。いや、それにしても、やはりジミーのプレイとサウンドが重い。なぜこの時期のスタジオ録音はこうも重いのか、謎です。

うーむ。よくよく考えたのですが、セットを替えてみた、ぐらいしか解釈を思いつきませんでした。スネアのチューニング自体、ふだんよりやや低めです。

そのつぎのLaylaは、しばらく借りて、数回、聴きました。曲としていいと思ったのは、Why Does Love Got to Be So Sad。

Derek and The Dominos - Why Does Love Got To Be So Sad


あらら。改めて聴くと、やっぱりセットが違うのではないかと感じます。スネアもフロアタムも、クラプトン・デビューとは、まったく違う音です。こちらはドラム・デヴィルが誕生しつつあることを感じるドラミング。

いやはや、うんうん唸ってばかりで、いっこうにタイピングが進まず、思案投げ首です。これほど不思議なアルバムはありません。

いつまでも考えていてもしかたがないので、はじめのk_guncontrol さんのコメントに戻ります。クラプトン・ソロ・デビューは「なぜあれほど躍動感に乏しい凡作」なのか?

わたしの観点からは、浅いレベルではいたって単純な現象です。ジム・ゴードンのプレイが冴えない、これだけしか理由はありません。

しかし、なぜあれほどプレイヤーがこんなくすんだビートばかり叩いているのか、ということについては、さっぱりわからない、としかいいようがありません。

それはエンジニアリングのせいなのか? イエス&ノーです。エンジニアリングもいいとはいえませんが、それだけで、これほど鈍重なサウンドになるとは思えず、やはり、プレイ自体にも、セットないしはチューニングにも、おおいに問題があったと考えます。

念のために記しておきます。今回は2種類のミキシングを収めた2枚組デラックス版を参照しました。Let It Rainなどは、ディレイニー・ブラムレットのミキシングのほうがいいと思いますが、しかし、それは些末なことにすぎず、ミックスが違ったからといって、ジム・ゴードンのプレイの印象がよくなることはありませんでした。

f0147840_23563554.jpg

ひとつ、思いだしたことがあります。当時、このクラプトンのデビューは評判が悪く、いまでは名盤とされている、とk_guncontrol さんがおっしゃっていますが、その点について。

われわれ子どもの印象は、なんだか爺むさい、というあたりでした。クリームは、よかれ悪しかれ、好こうが嫌おうが、きわめてロック・バンド的で、ティーネイジャーにはわかりやすく、ちょっと聴けば、好きか嫌いかすぐに答えが出ました。

しかし、ソロ・デビュー盤は、あまりロック的な手触りがなく、われわれの知らない別種の音楽のように感じられました。ちょっと聴いただけで、「関係ない音楽」と思いました。

いま聴いても、クラプトンの盤に共通する、色気のない、悪い意味で乾いた手触りが明白で、ガッツとハートのない、無意味無価値な音の並びにしか思えません。

だから、当時、評判が悪かったというのは、ごく当たり前の現象だと思います。k_guncontrol さんのおっしゃるとおり、その後、評価がひっくり返ったことのほうが間違いです。

これまたよくある現象で、後年の名声と人気から、昔の作品を逆算してしまうという過ちにすぎないでしょう。


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エリック・クラプトン
Eric Clapton: Deluxe Edition
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デレク&ザ・ドミノーズ(デラックス版2枚組)
Layla & Other Assorted Love Songs
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デレク&ザ・ドミノーズ(セッションズ拡大版3枚組)
The Layla Sessions : 20th Anniversary Edition
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J・J・ケイル
Naturally/Really
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キング・カーティス
Get Ready
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by songsf4s | 2011-11-19 23:56 | ドラマー特集
ディレイニー&ボニーでジム・ゴードンとジム・ケルトナーをシャッフルしてみる
 
まだ一文字も書かないうちに十時になってしまいました。今日もPet Soundsを書く余裕はないのはしかたないとして、じゃあ、どうしようと、ユーチューブをさまよっていたら、光陰矢のごとし、少年老いやすく、ジジイなりやすし、しこうして楽鳴りがたし、もとい、学成りがたしなのです。

じゃあ、しかたない、ジム・ゴードンとジム・ケルトナー、まとめて面倒見ようと方針を決めました。アメリカ現代音楽史の泰斗(自分でいっているのだからまちがいなく泰斗なのだ)としていわせていただくなら、学問的に見ても、ジム・ケルトナーとジム・ゴードンの周辺で、70年代の一側面は準備された、といってもいいのでありましてな。

それでは一曲、どっちのジムか当ててみよう、正解者にはナニも出ません。

Delaney & Bonnie - When The Battle Is Over


何度も書いている伝説の(勝手に伝説化させてしまった!)LP密輸大作戦のとき、ディレイニー&ボニーのベスト盤も入手しました。

二人の歌にはあまり感銘を受けなかったのですが、このWhen The Battle Is Overには、おお、こりゃカッコいい、と盛り上がりました。

むろん、ドラムがすごいと感心しただけでして、その人の名はジム・ケルトナーでした。

血沸き肉踊るプレイというのではありませんが、なんだか低温沸騰するように、静かに血が煮えてくるグルーヴです。すばらしい。

そのベスト盤に入っていた別の曲も、ドラムで盛り上がりました。それと同じライヴのクリップはないのですが、同様のメンバーによる別の日のプレイ。

Delaney & Bonnie & Friends - Where There's a Will, There's a Way


こちらはジム・ゴードンのプレイ。なんだかすごく痩せていて、人間違いしそうですが、手の動き、手首の使い方、美しいライド・ベルのサウンドは、まちがいなくジム・ゴードン。

うまい人というのはみなそうですが、見ただけで、一音も聴かなくても「おみごと」と思います。阪神タイガースに吉田義男というショートストップがいましたが、あの人のやわらかいキャッチとか、入団二年目の開幕戦、ベンチ前でキャッチボールをしていたときに見た江川卓の腕の振りとか、そういう体の使い方によく似た、柔軟性という概念をそのまま絵に描いたようなスティックワークのできる人は、みなホンモノです。

ディレイニー&ボニーはあまり流行りではないのか、クリップが少ないので、つぎはサンプルで。アルバム、Accept No Substituteから、ドラマーはジム・ケルトナー。

サンプル Delaney & Bonnie "I Can't Take It Much Longer"

ちょっと渋めですが、やはり天稟はおのずとあらわれるもの、ひとつひとつのビートが端正で、音の出がじつにきれいです。

こんどはジム・ゴードンのプレイ。

Delaney & Bonnie & Friends - Things Get Better


なんだかはじまりがスムーズではありませんが、ひとたび軌道に乗れば、やはりけっこうなグルーヴです。このメンバーはすでにほとんどデレク&ザ・ドミノーズなのですが、不思議に、ドミノーズにはない南部的な味が濃厚です。

もう一曲、やはりジム・ゴードンがストゥールに坐ったツアーから。

Delaney & Bonnie & Friends - Comin' Home


ディレイニー&ボニーのこの時期のバンドのギターは主としてエリック・クラプトンなのですが、デイヴ・メイソンがいるときもあれば、このクリップのようにジョージ・ハリソンが加わっているものもあります。

クラプトンのドミノーズの録音のために、ジム・ゴードンはイギリスに渡り、これを皮切りに、ジム・ゴードンとジム・ケルトナーが「ビートルズのドラマー」になり、ひいては、ハリウッド音楽界のロンドン出張所のようなものが形成されることになります。

このへんのことはわたし自身、太い道筋を描けるほどの材料はまだ手にしていないのですが、そのうち、いったいこの現象はだれの「責任」だったのかは明らかになるでしょう。とりあえず目下のところは、リオン・ラッセルを第一の「容疑者」と見ています。


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ディレイニー&ボニー
Best of Delaney & Bonnie
Best of Delaney & Bonnie


ディレイニー&ボニー&フレンズ
Delaney & Bonnie On Tour With Eric Clapton
Delaney & Bonnie On Tour With Eric Clapton


ディレイニー&ボニー
Original Delaney & Bonnie: Accept No Substitute
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by songsf4s | 2011-11-18 23:55 | ドラマー特集
The Best of Jim Gordon補足5 デレク&ザ・ドミノーズ
 
Pet Soundsシリーズは残り二曲で足踏みしたままで、ブライアン・ウィルソン・ファンには申し訳ないと思いますが、それなりに準備も必要ですし、ときとして、脳髄を酷使しなければならない場面もあるので、本日も順延ということにさせていただきます。

今回は、前回に引きつづき、お気楽なドラム小僧天国です。

世の中には、他人のやらないことをやりたがる人がいるもので、塀の向こうのジム・ゴードンに会いに行った人がいるそうです。

見たところ、まともそうで、ふつうに話してきた、と書いていました。そのときにジム・ゴードンがいったと書かれていたことのなかで印象に残ったのは、チャンスがあれば、またエリックとプレイしたい、という希望でした。

まあ、クラプトンのほうでうんというかどうかはなんともいえないし、何十年も叩かなかったプレイヤーが再び第一線で活躍できるとも思えませんが、これで思ったのは、意見が一致したな、ということです。

ジム・ゴードンが、デモーニッシュなプレイをするドラマーとして、はじめてその姿をあらわしたのは、デレク&ザ・ドミノーズのIn Concertでのことでした。遠慮なく、そう断言することにします。

高校三年のとき、渋谷のBYGに行ったら、ドミノーズのライヴがかかり、こんなすごいシンバルははじめて聴いた、と感嘆しました。この曲のイントロです。

Derek & The Dominos - Why Does Love Got to Be So Sad (Live)


いくらジミーがドラム・デヴィルでも、毎日、こんな凄絶なプレイをしているわけではありません。古今亭志ん生だっていっています、本気でやるのはせいぜい年に一度、毎日やっていたら、とてもじゃないが、体がもたない、とね。

手に入るかぎり、この曲のライヴを片端から聴きましたが、背筋に戦慄が走るほどの精密なビートを連発しているのは、この日だけです。よほど高品質のブツだったのでしょうな、この日のは!

しかし、あとから冷静に考えれば、純粋なスタジオ・ドラマーであることをやめ、ディレイニー&ボニーやジョー・コッカーとツアーにでるようになってから、ジミーは、ドラマーとして、第二段階に突入したのでしょう。「化けた」のです。

これまた、以前の編んだThe Best of Jim Gordonに入れたものですが、おさらいしておきます。

Derek & The Dominos - Evil


セッション・ドラマーとして、自分にはめていたたがをはずしちゃったのでしょう。フリーハンドを与えられたときのジミーが、すごいプレイをしはじめるのは、やはりこのへんからなのだと、このバックトラックを聴いても感じます。

The Best of Jim Gordonには、ほかにRainのライヴ・ヴァージョンも入れましたが、追加するとしたら、この曲あたりかな、と思います。またまた長くて恐縮ですが。

Derek & the Dominos - Instrumental #2


これはLast Sessionsに収録されたもので、ヴォーカル・オーヴァーダブ以前のバックトラックではなく、ウォーム・アップないしはジャムのたぐいでしょう。こういうリラックスした状態だと、ギリギリいっぱい、掛け値なしの技術とガッツを知ることができます、

先日、ご紹介した、ジョニー・キャッシュ・ショウのクリップでは、ジム・ゴードンは2タムのベーシックなセットを使っていましたが、ここでは、すでに追加のハイピッチ・タムの音がしています。いや、「音」という簡単な名詞ではすまないような、すさまじいサウンドですが!

Derek & the Dominos - Jam #5 (second half)


なにかの写真かクリップで見ましたが、この径の小さいタムは、タムタムとハイハットの中間に配置されます。一個のこともあり、二個のこともあります。ハル・ブレインのオクトプラス・セットのように、むやみにタムの数が多いセットをジミーが使っているのを見たのはたった一度、ジョー・コッカーのMad Dogs & Englishmenツアーのときだけです。

いちおう、そちらも貼りつけます。この曲も、オリジナルのThe Best of Jim Gordonに入れました。ダブル・ドラムの相方はジム・ケルトナー、このツアーのアレンジャー、ミュージカル・ダイレクターをつとめたリオン・ラッセルは、この曲ではギターにまわっています。

舞台上手[かみて]側のセットがジム・ゴードン、下手[しもて]側のセットがジム・ケルトナーです。

Joe Cocker - Mad Dogs & Englishmen - With a Little Help from My Friends


この際だから、史上最強のダブル・ドラムによるツアーからもう一曲、こんどはリオン・ラッセルはピアノ・ストゥールに坐っています。そうじゃなくちゃね、です。

Joe Cocker Mad Dogs - Cry me a River


この曲がこうなってしまうとは、なんともはや、とお嘆きのオールド・タイマーもいらっしゃるでしょうが、当時高校生だったわたしが最初に聴いたCry Me a Riverはこのヴァージョンだったので、逆に、あとでジュリー・ロンドン盤を聴いて、ひっくり返りました。

それでは、ジム・ゴードンは無関係ですが、その、ノーマルなヤツで本日は幕とします。

Julie London - Cry Me a River (live in Japan)


これは夫君にしてジュリーのプロデューサーもつとめた、シンガー、ピアニストのボビー・トゥループのクウィンテットと来日したときに収録したテレビ用のライヴです。レッキング・クルー・ファンのために付言しておけば、このときのギターは若きデニス・バディマーでした。

それでは、次回はPet Soundsのつづきをやろうぜ、と自分にプレッシャーをかけて、今回はおしまい。


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デレク&ザ・ドミノーズ(デラックス版2枚組、Evilを収録)
Layla & Other Assorted Love Songs
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デレク&ザ・ドミノーズ(セッションズ拡大版3枚組、Jamを収録)
The Layla Sessions : 20th Anniversary Edition
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ジョー・コッカー(リマスター拡大版2枚組CD、With a Little Helpも追加収録)
Mad Dogs & Englishmen (Dlx)
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ジョー・コッカー(DVD)
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by songsf4s | 2011-11-15 23:52 | ドラマー特集
The Best of Jim Gordon補足4 B・W・スティーヴンソン
 
今日は夜になって忙しくなってしまい、べつのブログでやろうとしていた、ナッシュヴィルのミュージック・ロウの歴史(おおいに勉強になった)と、当家のPet Sounds再検討は吹き飛んでしまいました。

ということで、休むわかりに、ほんの半時間で書けるジム・ゴードン話とまいります。

以前からずっと、聴こう聴こうと思っていた、B・W・スティーヴンソンの2枚のアルバムを、やっと聴きました。いやはや、すごいプレイの連発、シングルのみならず、アルバムのほうもジム・ゴードンの代表作に繰り入れていいでしょう。

まず、以前のThe Best of Jim Gordonのごく浅い場所、すなわち、ベスト・オヴ・ベストともいうべき上澄みに入れた、スティーヴンソンの大ヒットから。

B.W. Stevenson - My Maria


文句なし。きわめつけのプレイです。サイドスティックのサウンドは非常に澄んでいて惚れ惚れします。サイドスティックで濁った音を出すドラマーは二流です。

タムタムのハードヒットも、お得意のライド・ベルも、フレージング、プレイ、サウンド、いずれもおおいに好むところです。

この曲は大ヒットしたし、編集盤でもっていましたが、ほかはまったく知りませんでした。しかし、やっと巡りあってみれば、ジム・ゴードンはアルバムを通してずっとこの調子で、シンガーのケツを蹴り上げつづけていました。

つぎはスリー・ドッグ・ナイトでヒットした曲のオリジナル・ヴァージョン。冒頭のハイピッチ・タムをお聴きあれ!

B.W. Stevenson - Shambala


いやはや、ドラミングというのはこうあってほしい、タムタムのサウンドはこうあってほしい、という理想のプレイ。

つぎはイーグルズの曲。もっともマシだったデビュー盤に入っていました。Desperadoで、馬鹿野郎、こんなもん聴けるか、と怒り狂い、以後、グラム・パーソンズの遺産をかすめ取った盗人ばらめ、とずっと腹を立てっぱなしなので、あのバンドのことはろくに知りませんが。

B.W. Stevenson - Peaceful Easy Feeling

と思ったら、エンベッド不可クリップというケチ臭い代物だったので、これはやめにします。

ほかにいいクリップはないので、自前のものをアップします。セカンド・アルバム、Calabasasから。

サンプル B. W. Stevenson "Little Bit Of Understanding"

だんだん、言葉が出なくなってきますが、気を取り直して……。このセカンド・アルバムは、まだMy Mariaのヒットが出る前ですが、いったいなぜ、というくらいに、ジム・ゴードンが叩きまくっていて、サンプルはどの曲でもいいや、と思ったほどです。絶好調! やはり、シンガーないしはプロデューサーとの相性でしょう。


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B・W・スティーヴンソン(中古CD)
Very Best of B.W. Stevenson
Very Best of B.W. Stevenson

(現在、B・W・スティーヴンソンの新品CDはアマゾンにはない。アマゾンにあるB・W・スティーヴンソンのMP3ダウンロードは、わたしがチェックしたかぎりではすべてインチキな新録音で、ジム・ゴードンはいっさい無関係。)
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by songsf4s | 2011-11-14 23:53 | ドラマー特集