カテゴリ:ソング・ブック( 6 )
ジェリー・ラゴヴォイ・ストーリー Stay With MeとStop(ロレイン・エリソン、ハワード・テイト)
 
同じ材料でつづけて記事を書いていると飽きてしまい、気分はよそに流れ出ていくのがつねです。今日はリック・ネルソンを流していました。いろいろ考えるべき材料のある人で、聴けば聴くほど、あれこれと調べることを思いつきます。

また、Cleopatra: The Movie That Changed Hollywoodなんていう映画の冒頭のほうもツイッターをメモがわりにしながら見ました。これまたリック・ネルソンのキャリア同様、ハリウッドの歴史そのもので、リッキーの歌と60年代はじめの廃墟のようなハリウッド映画産業が頭のなかで交錯しました。

『クレオパトラ』の公開は1963年、すなわち、フィル・スペクターがBe My Babyをリリースした年です。世紀の大失敗作と世紀の傑作が交錯したこの決定的な年を境に、ハリウッドは撮影所の廃墟となり、音楽の都としての相貌を顕かにします。

ついでにいえば、リック・ネルソンはこの年、デッカに移籍し、Fools Rush Inをヒットさせます。そういうことを考えながら、映画を見、音楽を聴くと、次元がひとつ加わって、愉しみが立体的になります。

そういう観点から、「クレオパトラ:ハリウッドを変えた映画」のことはいずれ当ブログに書くつもりです。

◆ Stay With Me ◆◆
今回はジェリー・ラゴヴォイ・シリーズの最終回なので、雑纂のような状態になるでしょうが、メインは、What a Wonderful Worldで知られるジョージ・デイヴィッド・ワイスと共作したこの曲です。

Lorraine Ellison - Stay With Me


「メロディーのあるブルーズ」と名づけたくなるような曲で、そういう風合いのある曲はジェリー・ラゴヴォイのカタログのなかで有力な集団を形成しています。すでに取り上げたものでは、Time Is on My SideCry Babyもこのタイプに分類できます。

このタイプの色合いを明瞭にするために、もうひとつ同系統の曲を。

Carl Hall - You Don't Know Nothing About Love


大束な言い様になってしまいますが、ジャニス・ジョプリンが歌いそうな曲、という円周の描き方もできそうです。ミディアム・スロウで、シンプルな構成のなかに、ちょっと引っかかるコードがクルトンのように放り込んであり、中間部でドカーンと盛り上げるタイプの曲、なんていう定義が可能でしょう。

ひとつだけ、Stay with Meのカヴァー、ウォーカー・ブラザーズ盤をを貼りつけておきます。

The Walker Brothers - Stay With Me Baby


スコット・ウォーカーにはロレイン・エリソンのような声量がないのですが、盛り上げるのはオーケストラにまかせ、ヴォーカルはクールにやるというウォーカーズの行き方も、それはそれでけっこうかと思います。

◆ Stop ◆◆
これはThe Jerry Ragovoy Story: Time is on my side 1952-2003というアルバムには収録されていないのですが、楽曲一覧を見ていて、あれもそうだったか、と思いだしたのは、ハワード・テイトのこの曲。モート・シューマンとの共作です。

Howard Tate - Stop


むろん、わたしがこの曲を知ったのは、ハワード・テイトのヴァージョンではなく、有名なこのカヴァーでのことでした。

Mike Bloomfield & Al Kooper - Stop


このSuper Session収録のインスト・ヴァージョンで入ったので、のちにハワード・テイトのヴォーカル・ヴァージョンを聴いたときは、妙な感じがしたものです。

それにしても、改めてエディー・ホーはいいドラマーだったなあ、と感じ入りました。タイムが端正で、聴いていて間然とするところがありません。

あまりいいヴァージョンではありませんが、この人もやっているということで、こちらのカヴァーも。

Jimi Hendrix - Stop


これはバンド・オヴ・ジプシーズのときなので、ドラム(ヴォーカルも?)はバディー・マイルズでしょうか、やっぱりミッチ・ミッチェルのほうが好みだなあ、とため息が出ました。

最後にもうひとつ、やや後年のものを。

Dionne Warwick - Move Me No Mountain


なんだか、バリー・ホワイトかラヴ・アンリミティッドの70年代スケベ・ソウルみたいだなあ、と思った人は正解。そっちのヴァージョンもあります。

Love Unlimited - Move Me No Mountain


意外にもきっちりやっていて、センジュアルな雰囲気ではありません。これはこれで懐かしい音です。

以上、長々と引っ張りましたが、これにてジェリー・ラゴヴォイ・ストーリーは完了です。並べて聴いたことのなかったソングライターなので、なかなか面白い経験でした。どうもお退屈様。


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ジェリー・ラゴヴォイ
Jerry Ragovoy Story: Time Is on My Side
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ウォーカー・ブラザーズ
Collection



ウォーカー・ブラザーズ(ボックス)
Everything Under the Sun
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アル・クーパー、マイク・ブルームフィールド、スティーヴ・スティルズ
Super Sessions
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by songsf4s | 2012-02-08 23:59 | ソング・ブック
ジェリー・ラゴヴォイ・ストーリー Pata PataとTry (Just a Little Bit Harder)(ミリアム・マケバ、ジャニス・ジョプリン、ロレイン・エリソン)
 
以前から、成瀬巳喜男監督『めし』は検索キーワードの上位にくることがよくあったのですが、今月は奇態な現象が起き、目をむいています。

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なにがどうしてこうなったのか、さっぱりわかりませんが、成瀬巳喜男の盛名日々高まるなのね、と解釈しておきます。どなたにでもお勧めできるタイプの映画を撮った人ではありませんが、やるだけのことはきちんとやっているので、いつまでも価値の減じないものが多い、ということはいってよいでしょう。

◆ Pata Pata ◆◆
さて、思ったより長引いてしまったジェリー・ラゴヴォイ・ストーリー、本日は比較的人口に膾炙したものを二種聴きます。まずは南アフリカの女王、なんていうとジョン・ヒューストンの映画か、はたまた、ライダー・ハガードのアラン・クォーターメイン・シリーズみたいですが!

Miriam Makeba - Pata Pata


ソングライター・クレジットは、ジェリー・ラゴヴォイとミリアム・マケバの二人になっています。もともとの曲はミリアム・マケバが書き、それをアメリカ市場向けにジェリー・ラゴヴォイが手直しした、なんてあたりの可能性もありますし、そもそも、原曲はDorothy Masukaという人が書いたのだとしているソースもあります。

シンプルなのに、不思議に飽きが来ないのは、やはりグッド・グルーヴのおかげでしょう。タイムはすこし早めですが、このドラムは、チューニング、サウンドまで含めておおいに好みです。

かなりの数を聴いてみたのですが、あまりいいカヴァーはないので、ミリアム・マケバ自身のライヴを。

Miriam Makeba - Pata Pata (live)


ふーむ、やはり音楽は聴いてみないとわからないものだなあ、と感じ入りました。バンドのタイムは早くて、うわあ、どうしよう、というグルーヴなのですが、ミリアム・マケバのタイムというのは独特で、この状態でもソリッドに聞こえます。「頑丈な」と表現したくなるグルーヴ。

こういうのは好みが分かれるので、善し悪しはいいませんが、ここにもいる、あそこにもいる、というタイプのシンガーではないことだけははっきりしています。

気になるので、もうひとつ、ミリアム・マケバのライヴ。

Miriam Makeba - Pata Pata (live)


こちらはバンドもソリッドで安心して聴けます。安定したタイムで聴いていて思うのは、ひょっとして、この人は裏拍を裏拍とは感じていないのか、ということです。裏拍のほうが、われわれにとっての表拍のようなものだから、裏を強調した、シンコペート感覚の強い歌い方をしても、どっしりとしたグルーヴになるのかもしれません。

すこし他人のヴァージョンも。ディスコなので、お嫌いな方はご注意。

Osibisa - (I Feel) Pata Pata


もうひとついきます。ルクレチア(ボルジア家か!)というのはキューバのシンガーのようです。あたくしはそちら方面はいたって不調法で、よく知りませんが、どちらかというと、オシビサより好みに合います。2007年のアルバムに収録されたもののようです。

Lucrecia - Pata Pata


二度、移調をするのが効果的です。これより音質のいいクリップがあったのですが、こちらを貼りつけたのは、山下公園で猫が魚を釣る合成写真がでてくるからにすぎません! 猫より女性のほうがいいという方は、ユーチューブで検索すれば、そちらを発見できるでしょう。

◆ Try (Just a Little Bit Harder) ◆◆
もう一曲、こちらは簡単に。まずは有名なカヴァーのほうから。わたしもこちらから入りました。

Janis Joplin - Try (Just a Little Bit Harder)


ジャニス・ジョプリンのバンドはみな苦手なのですが、この曲のプレイは容認できる範囲内です。いや、すぐれている、とはいいませんけれどね。もうすこしうしろに重心をおいてくれると助かるのですがねえ。

ヴォーカルのことは好みの問題と棚上げしていうなら、オリジナルのロレイン・エリソン盤のサウンドのほうが楽しめるのではないでしょうか。

サンプル Lorraine Ellison "Try (Just a Little Bit Harder)"

スネアのチューニング、サウンドはあまり好みではありませんが、グルーヴはけっこう。グッド・フィーリンがあります。

次回、このロレイン・エリソンのヒット曲をフィーチャーして、引っぱりすぎたジェリー・ラゴヴォイ・シリーズを終える予定です。


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ジェリー・ラゴヴォイ
Jerry Ragovoy Story: Time Is on My Side
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ミリアム・マケバ
In Concert/Pata Pata/Makeba
In Concert/Pata Pata/Makeba


オシビサ
The Very Best of
The Very Best of


ジャニス・ジョプリン
Pearl (Exp)
Pearl (Exp)


チップ・テイラー・ソングブック(ロレイン・エリソンのTryを収録)
Wild Thing: The Songs of Chip Taylor
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by songsf4s | 2012-02-07 00:06 | ソング・ブック
ジェリー・ラゴヴォイ・ストーリー I Can't Wait Until I See My Baby's Face篇(パット・トーマス、アリサ・フランクリン他)
 
前回の最後で、ジェリー・ラゴヴォイ・ソングブックはつぎぐらいで完了の予定と書きましたが、やっぱり「ぐらい」でした。簡単に書けそうに思えた曲が、とりかかってみたら、あまり簡単ではなく、もう二回ぐらいは引っ張ることになりそうです。

前回はジェリー・ラゴヴォイとバート・バーンズの共作でしたが、今回はラゴヴォイとチップ・テイラーの共作です。こういうのをやると、こんどはチップ・テイラーのソングブックをやるときにまた困りそうですが、それはそのときのこと、にしておきます。

本日はI Can't Wait Until I See My Baby's Face、いまジョエル・ウィットバーンのチャート・ブックが行方不明で確認できませんが、たぶん、チャート・アクションはゼロだと思います。

しかし、ちょっとした曲ですし、それはカヴァーの多さも裏づけています。わが家にはオリジナルのベイビー・ワシントンのほかに、アリサ・フランクリン×2種類、パット・トーマス、ダスティー・スプリングフィールドのカヴァーがありますが、ユーチューブを検索すると、さらに数種類が聴けます。

まずはオリジナルのベイビー・ワシントン盤から。

Baby Washington - I Can't Wait Until I See My Baby's Face


お聴きになればわかるように、長いあいだ会えなかった恋人に会えるのが楽しみで待ちきれない、という暢気な歌ではなく、遊びまわっている彼氏に、今度こそはもうこれでおしまいだ、といってやるつもりだ、そのとき、あいつがどんな顔をするか、楽しみで仕方ない、という、ちょっと意地の悪い歌です。いや、遊びまわっている男のほうに非はあると認めたうえでいっているのですが!

すくなくとも前半はそういうニュアンスなので、ベイビー・ワシントンのちょっと辛味の強い歌い方だと、過度に意地悪げに聞こえるという難点があると思います。サウンドもちょっとデコボコがあって、それもマイナスに働いています。

そういうことを踏まえて、パトリシア・トーマスのカヴァーをお聴きあれ。アレンジはジェリー・ラゴヴォイ自身なので、サウンドにもご注意を。

Pat Thomas - I Can't Wait Until I See My Babys Face


サイドスティック、アップライト・ベース、ピアノ、カッティング・ギターというベーシックからして、主としてドラムのタイムのよさのおかげで、イントロを聴いただけで、これなら大丈夫、腹の立たないヴァージョンだ、と判断できます。

ピアノもいいバッキングですし、トロンボーンの使い方もけっこうなのですが、このヴァージョンの最大の美点はストリングス・ラインです。何度か、おお、そっちへいくのか、いいなあ、と手を叩きました。

やはり、自分の曲だから、コード・チェンジの妙をよくわかっていて、それをストリングスで強調できる方向に譜面を書いたのだろうと思います。とくに、Or will he turn aroundの尻尾を伸ばすところのストリングス・ラインは好みです。

つづいてアリサ・フランクリン・ヴァージョン。アリサはこの曲をすくなくとも二度録音していますが、これはおそらく最初のヴァージョン、まだアトランティックに移籍する前、コロンビア(だったか?)時代のものです。

Aretha Franklin - I Can't Wait Until I See My Baby's Face


アリサ・フランクリンも、これくらいの感じで軽く歌ったほうが声のよさが生きると思うのですがねえ。アトランティックでの再録音では、ちょっと歌の上手さが前に出過ぎて、煩く感じます。

歌よりサウンドを聴く人間だから、そう思うのでしょうが、ドラムと違って、歌なんてのは、うまくなくてかまわないのであって、上手い人も、上手さを強調しないでくれると楽しめるのですが。

この曲のドラムは、下手だというのではなく、重いサウンドで雰囲気を毀していて、あまりいただけないバッキングの主犯といえるでしょう。

後半、はっきりわからないのですが、たぶんトロンボーンとアルト・サックスのコンビネーションによるホーン・ラインが登場して、雰囲気がよくなります。これがこのヴァージョンの美点でしょう。

つづいて、ヴェルヴェレッツ、といっても、どういうグループが知らないのですが。

The Velvelettes - I Can't Wait Until See My Baby's Face


だれの責任か、タイムがむやみに不安定で、イントロからヴァースに入った瞬間に、いきなり一段ギアがあがったりして、思わず頬がゆるみます。ここまでタイムがヨタヨタすると、学園祭で友だちのバンドのプレイを聴くような楽しさが生まれるところが、音楽の奇怪さ。ドラムも、タイムはひどいものですが、やりたいことはよくわかります。もっと重心をうしろにして、一呼吸おいてくれると助かるのですがね!

つぎは急がないディー・ディー・ウォーウィックのヴァージョンを。

Dee Dee Warwick - I Can't Wait Until I See My Baby's Face


ほかのヴァージョンはミディアム・アップで軽めにやっているのですが、ディー・ディー・ウォーウィックはミディアム・スロウで、ムーディーにやっています。早めだとバート・バカラック風に聞こえる曲ですが、このディー・ディーのヴァージョンだけは、そういうムードがありません。おかしなものです。ドラムはあまり好みではありませんが、オルガンはよろしいのではないでしょうか。

つづいて、ソーンジー・クレイという、これまたはじめて知ったシンガーのものを。ちょっと70年代スケベ・ソウルを先取りしたようなムードと、ギターがなかなかけっこうです。

Sonji Clay - I Can't Wait Until I See My Baby's Face


で、この人はなんなのと思って調べたら、クレイという姓にヒントがありました。ムハメッド・アリが、まだカシアス・クレイという本名だった時代に結婚した相手なのだそうです。クレイがイスラムに傾いたのが気に入らなくてすぐに離婚してしまったようですが、たぶん、その経歴のおかげでシングルをいくつかリリースできたのだと思われます。

そろそろ満腹でしょうから、これを最後にします。またまた、ぜんぜん知らないグループ、モンティセーローズ。

The Monticellos - I Can't Wait Until See My Baby's Face


この歌詞が男が歌うのに向いているとは感じませんが、ヴォーカルをまわすのは悪くない考えだと思います。モータウンの音で、テンプスがまわす、なんていうのだったら、すごくいいものになったかもしれない、という空しい想像をしてしまうところに難ありですが!

ダスティー・スプリングフィールドのクリップは見あたりませんでした。ぜひ聴きたいというほどのものでもないので、サンプルにはしません。

パット・トーマス・ヴァージョンが群を抜くすばらしさで、サウンドも歌も申し分なし。「もうこれでおしまいだからね、といってやったら、あいつ、どんな顔するか、ホント楽しみだわ」という強面スタートが、「でも、彼が涙を見せれば走っていって抱きしめちゃうだろうな」という腰砕けエンディングに落ちつくという構造の歌詞にも、彼女の声とスタイルがふさわしいと感じます。

コード・チェンジが興味深い曲なのですが、その点からいうと、アリサ・フランクリン・ヴァージョンが上出来でしょう。あとは、ヴァリエーションのお楽しみ、上々ヴァージョンの引き立て役というところでしょうか。


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ジェリー・ラゴヴォイ
Jerry Ragovoy Story: Time Is on My Side
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アリサ・フランクリン
Just a Matter of Time: Classic Columbia Recordings
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by songsf4s | 2012-02-03 22:07 | ソング・ブック
ジェリー・ラゴヴォイ・ストーリー Cry Baby篇(ガーネット・ミムズ、ジャニス・ジョプリン)
 
前々回の「ジェリー・ラゴヴォイ・ストーリー Good Lovinl'篇」で取り上げたGood Lovin'について、トミー・ジェイムズ&ザ・ションデルズのヴァージョンがあるというご指摘を受けたことは、前回の記事に書きました。

わたしはトミー・ジェイムズのヴァージョンをもっていないと記したところ、その後、ファイルのご喜捨を受けましたので、ありがたく頂戴し、そのお裾分けとして、サンプルをアップしました。

サンプル Tommy James & the Shondells "Good Lovin'"

お聴きになればおわかりのように、やはりヤング・ラスカルズ・ヴァージョンに強い影響を受けたものです。トミー・ジェイムズはこのとき高校生だったそうで、その若々しさが魅力的です。

こういう系統の曲を聴くと、Hanky Pankyのヒットはむしろ想定外というべきのような気がしてきます。つぎの大ヒット、Mony Monyのほうが、メイン・ラインといえるのではないでしょうか。いや、自分がそっちのほうを好んだというだけですが。Crimson and CloverやCrystal Blue Persuasionといった、サイケデリック・ポップも好きでしたけれどね。

以上、Kさん、大変お世話になりました。あらためてお礼申し上げます。

さて、ジェリー・ラゴヴォイの三曲目は、ガーネット・ミムズ&ディ・エンチャンターズのヒット、Cry Babyです。しかし、まともなクリップがなくて、いきなりけつまずきました。

ということで、オルタナティヴに逃げます。どちらかといえば、ガーネット・ミムズより、こちらのヴァージョンでご存知の方が多いのではないでしょうか。

Janis Joplin - Cry Baby


サウンドのほうに耳を引っ張られる人間なので、ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーも、フルティルト・ブギー・バンドも、なんとかかんとかも、ジャニス・ジョプリンのバンドはみな気に入らなくて、当時はあまり熱心に聴かず、寮なるものに住んでいたので、だれかの盤を脇から聴くのみでした。

いま聴いても、高校生のバンドみたいで、あまり好きになれませんが、ジョニスについては立派なレンディションだと感じます。このアンバランスはどうにかならんのか、です。

わたしの好みはあっさり軽いシンギング・スタイルなので、こういうスタイルがとくに好きなわけではありませんが、しかし、好みを離れていえば、たいしたものだとは思います。冷たい褒め方で相済みませぬ。

じつは、今日の記事は、ゲーリー・チェスターの特集のうち、バート・バーンズ篇とほとんど同じなのです。Cry Babyはジェリー・ラゴヴォイとバート・バーンズの共作だからです。

したがって、じつは、もうあまり書くことがないのですが、以前の記事はクリップが壊滅状態なので(実質的に検閲である。クリップが削除されたわけではなく、日本では視聴できないように設定されている。いやはや、日本国は北朝鮮を目標に日々堕落中ですな)、サンプルをあげることで、同じような記事になるのを正当化することにさせていただきます。

サンプル Garnet Mimms & the Enchanters "Cry Baby"

Cry Babyという曲は、検索すると山ほど転げ出てくるのですが、ジェリー・ラゴヴォイとバート・バーンズが共作したCry Babyは、わが家にはガーネット・ミムズとジャニス・ジョプリンのヴァージョンしかありません。

したがって、ここでこの記事はおしまい、といってもいいのですが、いちおう、もう一曲、ジェリー・ラゴヴォイとバート・バーンズの共作をあげておきます。これまた、以前のバート・バーンズとゲーリー・チェスターの記事で貼りつけた曲ですが。

Erma Franklin - Piece of My Heart


この曲もまた、ジャニス・ジョプリンのヴァージョンのほうが有名かもしれませんが、サウンド、プレイに関するかぎり、アーマ・フランクリンの圧勝で、とくにジャニスが好きなわけではないわたしは、歌についてもアーマ・フランクリンのほうが好きです。

どうでもいい話なのですが、Cry Babyを検索してみて、途方に暮れました。Cry Like a Babyとか、Baby Don't Cryとか、Cry Baby Cryとか、I Cry for My Babyとか、無関係なものが山ほどヒットするばかりでなく、はてはCrystalsのThere's No Other Like My Babyなんていうのまでヒットしてしまうのです(Crystalsにはcryが隠れている!)。

さらにやっかいなのは、Cry Babyというタイトルの曲もたくさんあることです。パーシー・メイフィールドのも、モジョ・メンのも、ファイアボールズのも、デニス・ヨースト&ザ・クラシックス4のも、ジョニー・オーティスのも、みんな同題異曲なのです。むろん、全部確認しました!

というわけで、二番煎じ(そういえば、ちょうど時候なので、三笑亭可楽の「二番煎じ」が聴きたくなってきた)のCry BabyとPiece of My Heartは、なんだかひまそうな記事になってしまいました。

考えてみると、前回のバート・バーンズの記事は、ゲーリー・チェスターが叩いたトラックにかぎるという枷をはめたもので、もうすこし丁寧に書くべきでした。いずれ、きちんとバート・バーンズ・ソングブックをやり直したいと思います。いや、そのまえにジェリー・ラゴヴォイ、次回ぐらいで締めくくる心づもりです。


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ジェリー・ラゴヴォイ
Jerry Ragovoy Story: Time Is on My Side
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ガーネット・ミムズ&ザ・エンチャンターズ
Cry Baby
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ジャニス・ジョプリン
Pearl (Exp)
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ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー
Cheap Thrills
Cheap Thrills


アーマ・フランクリン
Piece of Her Heart: The Epic and Shout Years
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トミー・ジェイムズ
Hanky Panky / Mony Mony
Hanky Panky / Mony Mony
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by songsf4s | 2012-01-31 23:57 | ソング・ブック
ジェリー・ラゴヴォイ・ストーリー Time Is on My Side篇(アーマ・トーマス、タイガース他)
 
昨日の記事をアップしてから、ツイッターで、トミー・ジェイムズ&ザ・ションデルズもGood Lovin'をやっているというご指摘を受けました。

調べたら、アルバムHanky Pankyに収録されていましたが、わたしはこの盤をもっていないので検索に引っかからず、ユーチューブにもあがっていなかったために見落としてしまいました。ここにサンプルをおけるといいのですが、手元にないので、どうかあしからず。

ジェリー・ラゴヴォイの曲で、Good Lovin'と並んで有名なのは、ソングブックのタイトルにもなっている、Time Is on My Sideでしょう(ノーマン・ミードの別名でクレジットされている)。この曲がいまでも知られているのは、主としてストーンズのおかげです。

The Rolling Stones - Time Is on My Side (45 ver.)


わたしが本格的に聴きはじめる以前のことなので気づいていませんでしたが、チャート・ブックを見たら、Time Is on My Sideは、ストーンズにとってはじめてのビルボード・トップ10ヒット(6位)でした。

いちばんよく聴いたのは、歓声ばかりで音楽があまり聞こえないGot Live If You Want It収録のライヴ・ヴァージョンでした。以下はGot Live If You Want It丸ごとクリップの真ん中の部分で、Time Is on My Sideは8:40からはじまります。

The Rolling Stones - Got Live if You Want It (Part 2)


こっちで聴いていたという方もいらっしゃるでしょうから、念のためにギター・イントロ・ヴァージョンも貼りつけておきます。

The Rolling Stones - Time Is on My Side (guitar intro ver.)


The Jerry Ragovoy Story: Time Is on My Side 1953-2003には、オリジナルである、トロンボーン・プレイヤーのカイ・ワインディングのヴァージョンが収録されています。

Kai Winding - Time Is on My Side


トロンボーン・インストというのは、なんだか据わりが悪く感じますが、大仰なサウンドはなかなか楽しめます。

このジェリー・ラゴヴォイ・シリーズのあとのほうで、ラゴヴォイの特徴を検討するつもりですが、このようにミディアム・テンポでドラマティックに盛り上げるのが、彼の好みのひとつだったのだろうと思います。

トロンボーン・インストのままでは、この曲が生き残るのはむずかしかったでしょう。歌ものTime Is on My Sideは、アーマ・トーマス盤が最初だったのだと思われます。

ライヴばかりたくさんあって、まともなのがないので、イントロに妙なアナウンスがかぶさった汚いクリップを貼りつけます。あしからず。

Irma Thomas - Time Is on My Side


お聴きになれば一目瞭然、ストーンズはアーマ・トーマス盤をコピーしたようなもので、ギターのサウンドやラインまで似ています。

さすがに女声コーラスまではコピーしていませんが、このコーラスが後年のYou Can't Always Get What You Wantに遠くこだましてしまったような気がしなくもありません。あれはアル・クーパーのアレンジでしたが。

わが家にはほかにウィルソン・ピケットのヴァージョンがありますが、クリップは見あたらないし、とくにどうという出来でもないので、サンプルもあげずにおきます。

イギリスでは、ストーンズ盤のヒットを受けて、ムーディー・ブルーズがデビュー・アルバムでカヴァーしています。

The Moody Blues - Time Is On My Side


Go Nowをご存知の方なら大丈夫ですが、Night in White Satin以降しか知らない方は、こういう初期のシンプル&ストレートフォーワードなムーディー・ブルーズは、違和感があるかもしれません。

日本のローカル盤では、なんといっても、タイガースのカヴァーが記憶に残っています。しかし、スタジオ録音のクリップはないので(はじめから存在しない?)、ライヴ・クリップを貼りつけます。

ザ・タイガース - Time Is on My Side (live)


わたしはタイガースのファンではなかったのですが、いまになってこういうものを聴くと、若干の感懐なきにしもあらずです。けっこうまじめにやっているし、なんていっては、失礼かも知れませんが!

ジェリー・ラゴヴォイは、バート・バーンズと共作しているほどで、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーを源流とする、「ブルー・アイド・ソウル・ソングライター」(自前造語失礼)ですが、ここまでは、オリジナルや初期のR&Bヴァージョンではヒットせず、白人のカヴァーでヒットしたものばかりでした。次回は、黒いままでヒットした曲を、と思っています。


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ジェリー・ラゴヴォイ
Jerry Ragovoy Story: Time Is on My Side
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ローリング・ストーンズ
12x5
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ローリング・ストーンズ
Got Live If You Want It
Got Live If You Want It


アーマ・トーマス
Time Is on My Side
Time Is on My Side


ムーディー・ブルーズ
Introduction to the Moody Blues
Introduction to the Moody Blues


タイガース
レア&モア・コレクションI LIVEヒストリー編
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トミー・ジェイムズ
Hanky Panky / Mony Mony
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by songsf4s | 2012-01-30 23:57 | ソング・ブック
ジェリー・ラゴヴォイ・ストーリー Good Lovinl'篇(ラスカルズ、グレイトフル・デッド他)
 
今日はThe Jerry Ragovoy Story: Time Is on My Side 1953-2003という、ジェリー・ラゴヴォイ(どこのサイトでも発音を発見できない難読姓。ご存知の方がいらしたら乞御教示)のソングブックを聴いていました。

子どものころからもっとも親しんだジェリー・ラゴヴォイの曲といえば、当然、これ。

The Young Rascals - Good Lovin'


日本ではシングルのリリースがものすごく遅れて、Once Upon a Dreamのときでした。B面はそのOnce Upon a DreamからアメリカではシングルA面としてカットされたIt's Wonderfulだったのだから、これだけでどれくらい遅れたかがおわかりでしょう。

このシングルは、たしか、1969年の学園祭の打ち上げで、好奇心から飲んだ酒のせいで(小生十六歳でしたな)、みんなで寮の四階から「かわらけ投げ」をすることになり、そのとき聴いていたシングル盤を片端からぶん投げているあいだに、なくしてしまいました。

わたしはせこい人間なので、酔眼朦朧としながらも、ちゃんとレーベルを確認して、「なに? テンプスのBeauty Is Only Skin Deep? 俺んじゃねえからいいや」てな調子で、自分のだいじな盤は投げないように、注意深くやっていたのですが、だれか(たぶんテンプスの持ち主!)に隙を見て投げられてしまったようです、って、どうでもいい話でした!

気になる曲のオリジナルはできるだけ集めてきたのですが、Good Lovin'はどういうわけか遭遇せず、オリンピックスのヴァージョンを聴いたのは比較的最近のことです。

スタジオ録音より先にテレビ・ライヴが見つかったので、出来がいいそちらのほうを。オルガンはビリー・プレストンと表示されています。

The Olympics - Good Lovin'


なんだか、カッコいいのだかわるいのだか、とっさには判断しかねますが、力強いノリは買えます。

大ヒット曲のわりにはカヴァーがすくなく、わが家にあるものでクリップが見つかったのは、山ほどあるグレイトフル・デッド盤をのぞけば、これぐらいでした。

Jay & the Americans - Good Lovin'


ジェイ&ディ・アメリカンズなので、当然のごとくラテン・フィールが入ってきます。ジェイ・ブラックの声が嫌いでなければ、悪くないヴァージョンでしょう(残念ながらわたしは不得手。ただし、これくらいのヴォイス・コントロールなら、嫌いというほどではない。カンツォーネ風の曲にめげるだけ)。

デッドのGood Lovin'は、スタジオ録音が二種、ライヴは両手の指と両足の指を足してもまだ不足というぐらいの数があります。メイジャー・デビュー以前からレパートリーだったのですが、Shekedown Street以後のアレンジがいいと思います。

まずは、そのShakedown Street収録ヴァージョンを。ただし、近年のCDにボーナスとして入っている、ボブ・ウィアのかわりに、プロデューサーのローウェル・ジョージがリード・ヴォーカルをとったアウトテイクをサンプルとして。

サンプル Grateful Dead feat. Lowell George "Good Lovin'"

つぎもほぼ同じものですが、ペダル・スティールなどは入っていない、グレイトフル・デッドのオフィシャル・リリースト・ヴァージョン。こちらのヴォーカルはボブ・ウィア。まだピアノはキース・ゴッドショーなので安心してお聴きあれ。

Grateful Dead - Good Lovin' (Studio Version)


同じ時期のライヴ録音も貼りつけます。78年のエジプト・ツアーのピラミッド・ライヴ(スフィンクス・ライヴだったか?)から。こちらもまだゴッドショー在籍です。

Grateful Dead - Good Lovin' - Egypt 9-16-78


エジプト・ライヴは評判がよくないのですが、この曲に関するかぎり、ボロクソにいうほどじゃないじゃんか、です。キース・ゴッドショーとしてはグランド・ピアノで弾きたかったでしょうが、なんせ砂漠のど真ん中ですからね。

もう残り時間僅少なので、これを最後の曲にします。モータウンのエルジンズのカヴァー。なかなかけっこうな出来です。

サンプル The Elgins "Good Lovin'"

駆け足でGood Lovin'だけ聴きましたが、ジェリー・ラゴヴォイの代表作はこれ一曲というわけではないので、次回はたぶんこのつづきをやることになるでしょう。


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ジェリー・ラゴヴォイ
Jerry Ragovoy Story: Time Is on My Side
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ラスカルズ
Original Album Series
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グレイトフル・デッド
Shakedown Street (Dig)
Shakedown Street (Dig)


ジェイ&ディ・アメリカンズ
Jay & The Americans / Sunday & Me
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エルジンズ
Motown Anthology
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by songsf4s | 2012-01-29 23:55 | ソング・ブック