サンタクロース・アイ・アム・橇(ソーリ) by トニー谷
タイトル
サンタクロース・アイ・アム・橇(ソーリ)
アーティスト
トニー谷
ライター
トニー谷, 宮川哲夫, J.Piearpont, 多忠修
収録アルバム
ジス・イズ・ミスター・トニー谷
リリース年
1953年
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当初のプランでは、今日は当然、The Christmas Song (Merry Christmas to You) でいくはずだったのです。でも、HDDを検索したら、またしても50ヴァージョンほど、ぞろぞろと出てきてしまいました。

なにしろイヴ、いろいろあるから、50種類もThe Christmas Songを聴くのは無理かもしれない、となれば、もうナット・キング・コール盤に絞るしかない、という結論になりました。

でも、そこでふと、馬鹿馬鹿しいオルタナティヴを思いつき、わが家で投票したところ、ナット・コールより、トニー谷のほうが「うち」らしい、ということになってしまいました。人生、一寸先は闇、板子一枚下は地獄、クリスマス・ソング特集は、とんだアンチ・クライマクスを迎えることになったんざんす。

いったいトニー谷のどこが「うち」らしいのか、依然としてわたしにはよく理解できないのですが、なにしろ、今夜はクリスマス・イヴ、メリー・クリスマス&メニー・クリシミマス。泣く子と地頭とお母さんには勝てないざんす。ナット・コールの絶唱は来年でよいということにしちゃいました。どうかゆるされよ。

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では、レディース・エンド・ジェントルメン、おとっちゃん、おっかさん、グッド・アフターヌーン、お今日は、グッド・イヴニング、お今晩は、ティス・イーズ・ミスター・トニー谷ざんす。

トニー谷「サンタクロース・アイ・アム橇」


◆ ノオ・マネー、サンザン・苦労ス ◆◆

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かなり読みにくいでしょうが、これはオリジナルの45回転盤かSP盤に付された歌詞カードを写真製版したものらしいので、仕方がないのです。読むより、聴いたほうがずっと早いのですが、ま、今夜はクリスマス・イヴ、メリー・クリスマス&メニー・クリシミマスだから、ゆるされよ。

字のつぶれているところを補足しておくと、「白い髭 白い雪」、それから、「橇よ ハバハバ 鈴が鳴る」、下段のほうでは「滑るよ 滑る ボクの橇」や、セリフの冒頭「ああ、痛え、ぶつかっちゃった」など。

サンザン・クロースまではセリフで、「紅い帽子」から「ひっくり返れば、I'm ソリ」までが歌です。そのつぎの行頭は字がつぶれていますが、「臺詞」と書いてあります。セリフのことです。昔のものなので、正字で書いてあるだけです。

メロディーはJingle Bellsなので、これでトニー谷盤をご自分で再現することも、かならずしも不可能とは断言できないでしょう。Try it, and have a sanzan kurisimi-mas time.

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3行目は「一生ケンメ散々雪が降ってくる」と書いてあります。最後から2行目は、「ズス・イズ・汚ねえ煙突だなァ」とありますが、トニー谷はここではナマった発音はしていません。ふつうに「ジス・イズ」といっているので、これは誤植。

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ここは「可愛い 寝顔 素敵ざんスノオ(Snow) 朱い唇 悩ましざんスノオ マイ・プレゼント 何にスノオ そっと置けば オオ ワンダフル ワンダフル ワンダフル 雪が降る ドキリンコンコン ドキリンコン 心臓が高鳴る 高鳴るハート ぼくの胸」と書いてあります。「ワンダフル ワンダフル 雪が降る」のラインが、Jingle bells, jingle bells, jingle all the wayのメロディーです。

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1行目は前のヴァースの尻尾がここに飛んだのですが、「察して頂戴 アイム・橇(ソオリ)」と書いてあります。つづいてまたセリフになり、音楽のほうはKiss of Fireへと変化します。

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これが最後で、1行目は「あたしゃ しがないニコニコかぎょう ざんすからネー」とあります。ニコニコ稼業とは、わたしよりお年を召した方ならご記憶でしょうが、「ニコヨン」すなわち日雇い労働者のことです。辞書には「職業安定所からもらう定額日給が二四〇円で、一〇〇円を一個として、二個四であったからいう」と書いてあります。こういう俗語は、時代が変わると、なんのことかわからなくなってしまうものです。英語の歌でも、こういうものがあるのに、見当違いな解釈をしているのだろうなあ、なんてんで、ギョッとします。

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◆ 鬼が笑う気にもならない十年後の話 ◆◆
トニー谷について、わたしごときがいうべきなにものかがあるはずもありません。日本人であるなら、一度は聴いておくべき音楽(かどうかの判断は保留するとして)です。日本文化の文脈においては、とほうもなく「突出」した人で、いまだにインパクトを失っていないと思います。

クリスマス・ソング特集は、コーダのようなつもりで、もう何日かつづけます。西欧文化的には、クリスマスを過ぎても、「クリスマス・シーズン」はまだ年明けまでつづくのです。なにも考えずに、クリスマス・カードにMerry Christmas and a Happy New Yearと書いている方もいらっしゃるかもしれませんが、ひと続きのものだから、そう書くのです。よって当ブログもそういう方針をとります。

ところで、当ブログにいらっしゃるお客さん方がキーワードにした曲で、もっとも多いのはどれだと思いますか? White Christmas? ノー。Jingle Bells? ノー。驚くなかれ、ぶっちぎりの圧倒的首位は、Jingle Bell Rockです。これが、この特集の最大の成果だったように思います。

時代とともに、好まれるクリスマス・ソングも当然変化し、「現代の新古典」として、Jingle Bell Rockはトップに立ったようです。10年後、ショッピング・モールに流れるクリスマス・ソングの半数は入れ替わっているかもしれません。

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トニー谷
ジス・イズ・ミスター・トニー谷
ジス・イズ・ミスター・トニー谷
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by songsf4s | 2007-12-25 00:02 | クリスマス・ソング