このところ、エキゾティカやラウンジばかりを聴いています。そもそも、こういうものの再評価がはじまったのは、中古屋でこの種の盤がむやみに安く買えたためだときいていますが、安ければなんでも買うというものでもないわけで、やはり、「ジャケ買い」だったのではないかと思います。それほど、魅力的なデザインのジャケットが多いのです。
というわけで、今日はどの曲をとりあげるか決まらなかったので、おやすみをいただくかわりに、ちょっと手を抜き、トロピカルなLPジャケットを並べてみます。たとえば、こんなヤツです。
この盤はすでに入手済みですが、忙しくてまだ聴いていません(聴きたくてウズウズしてます)。レス・バクスターは、ハリウッドの主みたいな人で、近年の編集盤のライナーで、娘さんが黄金時代のハリウッドと父親の思い出を楽しげに語っていました。
レス・バクスターにはいいジャケットがいくつかありますが、あと1枚だけあげておきます。トロピカルではないのですが、なかなか印象的なジャケットです。
残念ながら、この盤は未入手で、ジャケットだけ、ウェブで見つけました。すごく聴いてみたくなるヴィジュアルです。
左のアクスル・ストーダールは、キャピトル時代のフランク・シナトラのアレンジャーをつとめた人で、数多くの盤を手がけています。この盤も入手済みなのに未聴。早く聴きたい1枚です。
右側は、おなじみロス・インディオス・タバハラス。タイトルはSong of the Islandsとなっていて、中身もそういう雰囲気のサウンドです。タバハラスとしては、とくに出来のよい盤ではないかもしれませんが、あのギター・デュオがこういう企画に手をつけるのは必然だったのでしょう。
いわずとしれたエキゾティカの大御所マーティン・デニー。かなり珍なサウンドの曲もありますが、このジャケットもちょっと珍。「お富さん」をカヴァーしたノリなのか、なぜか鯉のぼりがあります。なかなか笑えるから、座布団一枚。
夕闇迫る海の写真を2枚。どちらも未入手で、音は知りませんし、そもそも、どういうアーティストなのかまったく知らず、ただ、よくいくラウンジ関係のブログでジャケットをいただいてきただけです。
写真もけっこうですが、こういうイラストもまた昔のものは味があります。制作環境がまったく違っていたからでしょうね。どちらも未入手で、イノック・ライトは今後、蒐集に励む予定ですが、いつになることやら。
こちらは平面のイラストではなく、切り紙細工をつくり、それを撮影したようです。こういうのは好みです。デザイナーのみなさん、ときにはMacの電源を切り、こういうのもやってみてはいかがでしょうか。ほんのついこのあいだまでやっていたことじゃないですか。
マーティン・デニーと並ぶエキゾティカの大御所、アーサー・ライマンを2枚。右のHawaiian Sunsetは入手済みですが、これまた未聴。これではなんのために集めているのかわからなくなってしまいますが、このブログに直接関係のあるものを聴くのに忙しくて、なかなか時間がとれないのです。なんてことは、皆さんの知ったことじゃないのですが。
小学生のとき、はじめて買ったヴェンチャーズのLPにYellow Birdという曲が入っていました。いま聴けば、とくに出来のよいトラックではないのですが、子どものころは気に入っていました。それで、大人になってから、この曲はどこから出てきたのかと探しまわって見つけたのがアーサー・ライマン盤です。ヴァイブラフォーンの音が似合う曲で、ヴェンチャーズよりライマン盤のほうが好ましいサウンドです。
というわけで、年をとってエキゾティカに傾斜していくのは、前世の因縁だったとまではいいませんが、三つ子の魂百まで、ぐらいのことはいってかまわないようです。
またイラストを2枚。どちらも味があります。手書き文字というのも、すっかり廃れてしまいましたが、こうしてみると、やはりいいものです。いまでは、お金を出せば、出来のよいフォントをいくらでも手に入れることができますが、わたしはやはり手書きのほうがいいと思います。
右のリンクからいける、Wall of Houndの大嶽画伯は、しばしば描き文字をお使いになっています。一度、Wall of Houndのギャラリーもご覧になってみてください。
右のエドムンド・ロスのトラックは、近々取り上げるつもりでいるのですが、また気が変わってしまうかもしれません。
左は未入手で、どんな音か知りませんが、竹製の額縁というのが笑えるので、ジャケットだけいただいてきました。
右のドン・ラルクの盤は、小さくて文字が読めないでしょうが、「But you've never heard Gershwin with bongos」と書いてあります。たしかに、そんなアレンジのガーシュウィンは珍です。ちょっと聴いてみたいような気もしますが、珍盤に手を出しはじめると、泥沼になるわけでして……。
このスタンリー・ブラックという人もまったく知りませんが、ジャケットはなんとも懐かしい雰囲気の演出です。Stanley Blackのあとの細かい文字は、piano with Latin rhythmsと書いてあります。つまり、タイトルをそのまま説明したヴィジュアルなのです。
前景の女性、鎧戸、マラカス、コンガ、ボンゴ、ギターなどは実物、背景のピアノは実物ではないようで、たぶん、ベニヤ板を切り抜き、黒く塗ったものでしょう。ピアノのレンタル料を払いたくなかっただけかも知れませんが、舞台装置というか、テレビの歌番組のセットみたいで、この平面のピアノになんとも味わいがあると思います。
また海の写真を2枚。右の写真はちょっとしたものです。たぶん、ほんとうにモデルの女性がバケツかなんかに長い髪を浸し、一気に力強くうしろにはらったところを撮影したのだと思います。カメラマンは当然、これくらいのことをやる根性がなければプロとはいえませんが、何度もやり直したはずで、それに耐えたモデルの女性はたいしたものだと思います。
舞台裏のくだらないことを書きます。いつもは、ちゃんとテキスト・エディターで原稿を書いてからアップロードし、そこへ写真をはめ込んでいくのですが、今回は時間がなくて、写真の準備が終わったのが夜の11時半。この時点で文字は1文字も書いていませんでした。ここからあわてはじめ、写真をアップロードしながら、編集画面に直接原稿を書いていきました。
日付が翌日になるのが嫌で、11時56分には、未完成のまま更新しました。現在はちょうど深夜2時。日付が変わってからいらした方が4人です。いつも、更新してからの手直しにはずいぶん時間がかかるのですが、これほど更新後にどんどん文字と写真を追加したのははじめてのことです。4人の来訪者の方は、未完成のものをご覧になってわけで、まことに申し訳ありません。もう一度いらして、完成したものをご覧になってくださるといいのですが……。