今日は、最近、再見した映画のことを書こうと思っていたのですが、どう書くかで、ああでもないこうでもないとこねくりまわしているうちに、時間は飛び去ってしまいました。
ふと、ラスカルズのボックスのことを思いだし、難波のセンセに質問していて、そちらのほうが気になってきました。そこでラスカルズをやる、なんていっても、そう簡単にはいかないので、ちょっとずらして、ラスカルズが壊れて以後のFelix Cavaliereの曲を、いくつか聴いてみます。
後追いの方たちは違う見方をしているでしょうが、昔からのラスカルズ・ファン(といってもわたしの周囲にはそれほど多くないのだが)のあいだでは、ソロ・デビューだけが好まれ、あとは、よくいって「我慢できる」、悪くすると「ゴミ」「割ったろうかと思った」という盤が多いのですが、まあ、割りたいような盤でも、悪くない曲がないわけでもないのでありまして、愛ゆえの憎しみみたいなものなのです。あはは。
では、ボロボロ、ガタガタのラスカルズ末期より、ずっといいじゃないかと、当時は大歓迎した、ソロ・デビューからまず一曲。
Felix Cavaliere - Everlasting Love
カーヴァリエーレのソロ・デビュー盤は、彼自身とトッド・ラングレンの共同プロデュースで、トッドのレーベルでもあったベアズヴィルからリリースされました。つぎの曲は、トッドのヴォーカルが載っていても不思議はないタイプのサウンドです。
Felix Cavaliere - A High Price to Pay
もう一曲、Everlasting Love同様、ラテン・フィールのある曲を。ただし、ドラマーはこちらのほうがマシです。
Felix Cavaliere - Summer in El Barrio
この曲については、かつて「Summer In El Barrio by Felix Cavaliere」という記事で、歌詞まで含めて詳細に書いたので、ファーザー・リーディングをお望みの方はそちらをどうぞ。
セカンド・アルバムのDesitinyは失望でした。デビュー盤ほど楽曲にいいものがなく、サウンドもかなりファンクが入ってきて、好みではありませんでした。
いかにもカーヴァリエーレらしいと感じるのはこの曲ぐらいでしょう。ご当人および会社もそう思ったのではないでしょうか。これはシングル・カットされました。
Felix Cavaliere - Never Felt Love Before
Destinyは、いかにも最後のアルバムになるデスティニーを背負って生まれたような雰囲気がありますが、フィーリクスのことは忘れたまま長い時間が過ぎ、いつのまにか80年代に入っていました。
そして、惰性でつけっぱなしにしていたFENから、よく知っている声が流れてきました。
Felix Cavaliere - Only a Lonely Heart See
わたしは、懐かしい声だなあ、と思ったのですが、ラスカルズ仲間の友人に会ったとき、このアルバムの話になり、割ったろうかと思わなかった? といわれて、ああ、そういいたくなる気持ちもわかるな、と思いました。
なにがいけないかといえば、サウンドです。時期はずれのディスコ・サウンドのトラックがアホらしく、マヌケな狸の腹鼓のようなシンドラムのタムタムに、證誠寺じゃねえぞ、バカヤローと、わたしもムッとなったからです。
しかし、サウンドさえまともなら、楽曲としては粒がそろっていて、なんでちゃんとつくらなかったんだ、ドアホ、というフラストレーションが生まれ、それが友だちに「割りたくなったろ?」といわせたのです。
クリップがないので、サンプルをアップしました。楽曲は粒ぞろい、サウンドはむかっ腹が立ったアルバム、Castle in the Airの、我慢できるサウンドのオープナー。
Felix Cavaliere "Good to Have Love Back"
楽曲としては、いかにもフィーリクスらしいもので、おおいに好みですが、サウンドは、ベースが不愉快で、なんでカーヴァリエーレがこんなプレイヤーと、と思いました。時代に合わせて変わろうとして、それがはずれて大コケにコケる、というのがフィーリクス・カーヴァリエーレのソロ・キャリアだった、といっていいでしょう。
ソロ・シンガーとしてのフィーリクス・カーヴァリエーレはふたたび忘却の彼方へと消え、ラスカルズしか聴かなくなったころになって、またアルバムが出ました。クリップはゼロのようです。かといって、あえてアップするほどのものでもないのですが、まあ、いちおうどんな雰囲気かだけ伝える意味で、一曲だけ。
Felix Cavaliere "If Not for You"
楽曲もあまりみるべきものがなく、サウンドもどうでもいい代物で、もううんざりだ、と思いました。こういうドラムのバランシングが嫌いで、同時代の音を聴かなくなったわけで、上にだれの声が載っていようが、やはり不快なものは不快です。
いま、ずっとこのアルバムを聴いていて、一曲、当時、それなりに好きだった曲があったのを思いだしたのですが、今夜はbox.netへのアップロードが異常に遅くて、間に合わないので、あとで交換することにします。
やっとアップできたので、Dreams in Motionで唯一気に入ったその曲を。
サンプル Felix Cavaliere "Look Who's Alone Tonight"
以上、駆け足のFelix Cavaliere Nightでした。
(追記 いま、Castle in the Airをさらに聴いていて、おや、と思いました。記憶にあるより、シンドラムの混入率は高くないのです。目立つのはDancing the Night Awayぐらいでしょうか。シンドラムに腹を立てたのもたしかですが、それよりも、たんにタムタムのチューニングとサウンドが気に入らなかっただけのようです。)
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