ホリーズ60年代ボックス Clarke, Hicks & Nash Years (The Complete Hollies April 1963-October 1968)
 
今日はPCが落ちまくって、ほんの短時間しか使えない状態がつづいているので、『血槍富士』は一時棚上げして、なにも参照しなくても書けるものを。

わたしはホリーズの2枚組以上の編集盤はすべて聴いたと思うのですが、うっかりしていて、去年出た6枚組ボックスは見逃していました。

Clarke, Hicks & Nash Years (The Complete Hollies April 1963 - October 1968)というタイトルが示すように、アラン・クラーク、トニー・ヒックス、グレアム・ナッシュの三人がそろっていた時代のホリーズのコンプリート・レコーディングに、ライヴ録音をボーナスとして加えたものです。

ホリーズの編集盤を手に入れたら、この曲を比較に使うことにしています。

The Hollies - Carrie Anne


このクリップがどの盤からとられたかわかりませんが、こういう方向のバランシングが、Carrie Anneにはベストだと思います。昔のシングルはたしかモノで、CDになってはじめてステレオ・ミックスを聴きました。そのときのミックスに近いものが、今回のボックスにも収録されています。

しかし、とくに以前のステレオ・ミックスより改善されたわけではなく、人によっては、The Abbey Road Years収録のモノ・ミックスのほうがいいと思うかもしれません。わたしはステレオのほうが好きですが。

久しぶりに初期のトラックを聴いて、忘れていた佳曲がよみがえりました。たとえば、こんな曲。

The Hollies - When I'm Not There


いかにも60年代のホリーズらしい、思いきり元気がよく、アッパーな曲で、こういう軽さは、速さ、薄さは60年代だけの美質だなあと、バラッドじゃないのに、しみじみしてしまいます。なんでこんなにかったるい音ばかりになってしまったのか、沸々と怒りがこみ上げてきます。

ホリーズのシングル曲は、子どものころからイヤっというほど聴いているので、今日はこのボックスに収録されたアルバム・トラックを並べてみます。いずれもシングル・カット・レディーの曲ばかりです。むろん、かったるいダウナーなど入れません。

The Hollies - It's You


これはイギリスではFor Cetain Because、アメリカではStop, Stop, Stopのタイトルでリリースされた1966年のアルバムに収録されていたもので、子どものころのフェイヴでした。サイケデリック分水嶺によって、ファンの好みは前後に割れるようですが、アルバムとしても、わたしはこれがもっとも好きです。

同じアルバムからもう一曲。こんどはB面のトラックを。

The Hollies - Peculiar Situation


For Certain Becauseセッションから生まれたシングルはBus Stopです。当時のイギリスの慣行で、これはアルバムには収録されませんでしたが、Bus Stop抜きでも、For Certain BecauseはシングルのA面とB面だけを並べたような、きわめてハイ・レベルなアルバムでした。

そのつぎのアルバムは、そこまで楽曲が充実していたわけではありませんが、やはり、シングル・カットしなかったのはあまりにも惜しいと思うトラックがいくつかありました。1967年のアルバム、Evolutionのクローザー。

The Hollies - The Games We Play


軽さ、速さ、薄さのホリーズ三位一体ソングの極北です。こういうのを聴いているのがいちばん幸せだったなあと、またしてもしみじみしました。

なんでモノなんだよ、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、当時日本でリリースされた盤はモノ・ミックスでした。パーロフォン盤に準拠したのでしょう。

同じような曲調で気が引けるのですが、今日は軽さ、速さ、薄さの三位一体を追求するので、この曲も断じて欠かせません。

The Hollies - When Your Light's Turned On


サイケデリック以降、ギターがどうのこうのという声がかまびすしくなり、わたしらジャリ・ロッカーもついそういう風潮に流されましたが、こうしてトニー・ヒックスのギター・ヒーロー以下、ジョージ・ハリソン以上みたいなプレイを聴いていると、歌の間奏なんて、これで十分じゃないか、と思います。どこで間違えて、こんなくだらない音楽ばかりの時代を招いてしまったのやら、またまた怒りがこみ上げてきます。

つぎの曲はすこし遅いような気がしましたが、聴き直したら、やっぱ速いわ、と笑いました。

The Hollies - You Need Love


どれもシングル曲同然なので、結局、どれもシングルにするのをやめたのか、といいたくなります。唯一、シングル・カットしたのがKing Midas in Reverseというのが解せませんが、サイケデリックの時代だから、あえてポップな曲を避けた、といったところでしょうか。

さらに軽さ、速さ、薄さを追求します。同じくEvolutionから。

The Hollies - Have You Ever Loved Somebody?


この曲は、アルバム・カットのままで打ち捨てるのはあまりにも惜しいと思ったのか、サーチャーズがシングルにしました。わたしはサーチャーズのファンですが、これはとくに出来がいい部類ではないと警告しておきます。

The Searchers - Have You Ever Loved Somebody?


つまり、速い曲となったら、ホリーズのほうが数段上を行っていたということじゃないでしょうかねえ。サーチャーズはミディアム・アップのほうが向いていると感じます。

エヴァリー・ブラザーズも、もったいないと思ったのか(くどい)、この曲をカヴァーしています。

The Everly Brothers - Have You Ever Loved Somebody?


うーむ、微妙な出来、といわざるをえません。エヴァリーズにはこういうタイプの曲は向かないんじゃないでしょうか。もうすこしメランコリックなほうがよろしかろうと思います。

この曲が収録された、Two Yanks in Englandというアルバムにはジム・ゴードンのクレジットがあるのですが、この曲はジミーのプレイではないようです。アンディー・ホワイトなのでしょうか

このつぎのアルバム、Butterflyは、ホリーズとしてはもっともサイケデリアに傾斜したもので、近年はそちら方面がかまびすしいため、ホリーズの代表作のようにいわれることもあります。しかし、楽曲の出来からいえば、For Certain Becauseがベスト、そのつぎがEvolution、Butterflyは着外、ずっとずっと下のほうです。

ということで、一部ホリーズ・ファンの予想をはずしてButterflyからは一曲もとらず、またFor Certain Becauseに戻ります。このアルバムは全曲聴いてもかまわないのです。

The Hollies - Don't Even Think About Changing


さらにさかのぼって初期のミディアム・ロッカ・バラッドを。ホリーズだって、たまにはメランコリックな味のある曲を歌うこともあります。まあ、当時としてはごく当たり前の、軽く流したバラッド。

The Hollies - Baby That's All


メランコリーなんてのは、この程度の混入率で十分なのです。俺は歌がうまいんだぞ、と主張するだけの、朗々たる、あるいは綿々たる歌なんてのは下の下。鈴木清順がいっていたでしょう、めそめそ泣く演技なんかうんざりだ、泣いていると観客がわかればそれで十分、と。

そろそろ時間切れ、ごく初期に戻って、若々しい声の曲を。イントロが切れていますが、わたしのせいではないので、ご容赦を。

The Hollies - Keep Off That Friend of Mine



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ホリーズ
Clarke Hicks & Nash Years: the Complete Hollies Ap
Clarke Hicks & Nash Years: the Complete Hollies Ap
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by songsf4s | 2012-01-13 00:04 | 60年代